株式会社のうえんプランニング
内山 真琴
POSTED | 2017.06.15 Thu |
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TAGS | 従業員数:31〜50人 業種:飲食店・実店舗 創立:9〜10年 決裁者の年齢:50代 商材:BtoC |
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山奥のカフェから地域活性化を目指す!
地元農家と連携しながらカフェ経営Topics
株式会社のうえんプランニング 社長 内山 真琴氏のONLY STORY
私は現在、株式会社のうえんプランニングという、地元農家と提携し地域活性化を担いながら、お客さんに料理・空間を満足してもらうカフェを営む会社を経営しています。
どうして私がこの会社を経営することになったのか、その背景からお話しできたらいいなと思います。
13年前、私は自宅を建てるタイミングで実家に戻ってきて、家業を手伝うことになりました。
ただ私には、1つだけ懸念点がありました。
というのも、実は私の実家の家業はラーメン屋でして。幼いころから、「人が来ないラーメン屋の娘」ということに対し、『恥ずかしい』という想いをずっと抱えていたのです。
そこで、いざ家業を継いだ際、経営学もマーケティング論も分からない私は、まずは「自分が行きたいと思えるようなお店にしよう」そう思いました。
そんな経緯で始まった「のうえんカフェ」は、3ヶ月で行列が絶えないお店になり、その状態が3年続きました。あの3年間は、一日中働きづめで子供の面倒も見られなくて、本当にしんどかったですね。
ですが、それを3年間続けられて、また今もこうしてがんばっていられるのは「お店を大きくしたい」という強い思いがあるからです。
この思いは、のうえんカフェを開業したての頃のある出来事から生まれました。
当初、野菜を頂きたいと思い地域の農家さんを全部回ったのですが、農家さんはみんな怪しがって、誰も野菜を譲ってくれませんでした。
それなら、この袖ヶ浦市が元気になって彼らが野菜を喜んで譲ってくれるようになるために、袖ヶ浦で一番有名なお店になろうと決めたのです。
その後、そんな思いを込めて、また自分が頑張ったご褒美として、3年前にお店を法人化しました。
私の代で家業がのうえんカフェになって6年が経ちますが、今でも「自分だったら何が嬉しいだろう」「自分が行きたいお店ってどんなかな」という自分のフィーリングを大切にしながら経営しています。
「行列が絶えないお店」をあえて作る。
法人化の後、現在は「のうえんカフェ」「FARMER’S CAFE」の2店舗を経営しています。
のうえんカフェでは、子育て中のママ向けのボリューミーかつ低価格なメニューが中心になっています。ちなみに、こちらで一番人気の「ロールキャベツグラタン」は、実は娘の夏休みの宿題から生まれたメニューなんですよ。(笑)
一方FARMER’S CAFEでは、「心も体もデトックス」をコンセプトにしているので、野菜中心のメニューが多いですね。
この2店舗に共通するこだわりは3つ。
1つ目が「地産地消」。地元農家さんと協力して、地元の野菜を使ってランチを提供しています。特にFARMER’S CAFEでは、地元野菜が盛り沢山のプレート料理を出しています。
2つ目が「女性にとって心地よい空間」。2店舗とも長居を推奨していますし、レイアウトも、お客様同士の目線がかち合わないように座席を配置しており、とにかく女性の居心地のよさを追求しています。
そして3つ目。最も他店との差別化ポイントとなるのが「行列を絶やさないこと」。
これはお客様からしたらすごく嫌なことでしょうが、私は行列こそが新たなお客さんや取材などいろんなものを持ってきてくれると思っているんです。
そのために、予約は受けずあえて回転率も上げないようにしています。
これらのこだわりには、「道で歩いているときに『ここでいっか』と入るお店ではなく『ここに行きたい!』と思ってはるばるやってくるようなお店になりたい」という私の思いが込められているのです。
カフェ経営から地域活性化へ
このように行列の絶えないお店として今までやってきましたが、次の目標として、短期的にはまず「FARMER’S CAFE」の経営を軌道に乗せることと、多店舗展開が挙げられます。
現在すでに大型商業施設への出店などもいくつか打診されているので、店舗展開についてはできるだけ慎重にやっていきたいところです。
そして中長期的には、もっともっと袖ヶ浦市全体で協力して、市を活性化させたいですね。そのために、実現したいことが2つあります。
1つは、のうえんカフェの「食と農業のミニテーマパーク化」です。そこでは果物狩りや試食体験なんかをできるようにしたいですね。また、近くに福祉施設を建ててそこのお子さんたちやお母さんたちを働かせてあげられればなあと思います。
もう1つは「地域密着版DEAN & DELUCA」です。農業女子の方が作った野菜などを生産者の名前入りで販売する、などすることで農業女子をたくさん呼び込み、農業のイメージをもっとおしゃれにしたいな、とか考えています。
先ほどもお話ししましたが、私はこれまで、経営学やマーケティング論は二の次にして一番には自分の感覚を大事にしてきました。
しかし、私の目標の実現に向けて、これからの軸となるのは「いろんな人に出会うこと」です。
というのも、私はもともと人との会話が嫌いで、できるだけ内にこもっていたいとばかり思っていたんです。
ですがあるとき、「成功の秘訣は人と会い続けること」という言葉と出会いました。
それから嫌々ながら人との交流を繰り返すうちに、どんどん視野が広がっていきましたね。全くの異業種の方から新鮮なアドバイスを頂いたり、思いがけず会いたい人を紹介してもらえたり。
これからも、私の考え方に賛同してくださる方から応援していただいたり、将来の方向性に詳しい方からアドバイスを頂くなど、どんどん出会いの場が広がっていけばいいなと思います。
袖ヶ浦活性化のためには、そういったことがすごく大切なんだと思っているからです。
☆取材・記事作成・構成=小山、あべ、佐久間