株式会社正泰苑
金日秀
POSTED | 2018.07.29 Sun |
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TAGS | 従業員数:11〜30人 業種:飲食店・実店舗 創立:15年以上 決裁者の年齢:50代 商材:BtoC |
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「予約が取りにくい焼肉屋」には人気の秘密があった。
楽しく、美味しい焼肉屋。日本一を目指す仲間を募集!Topics
今回は、『予約が取りにくい』と言われるほどの人気を誇る焼肉店を展開する、株式会社正泰苑の代表取締役・金氏にお話を伺います。まずは、現在の焼肉の美味しさへのこだわりに辿り着くまでの経緯をお聞きしましょう。
株式会社正泰苑 社長 金日 秀氏のONLY STORY
経歴
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1968年生まれ、49歳。1986年モランボン調理師専門学校に入学し本格的に朝鮮料理を学ぶ。同校卒業後、㈱さくらグループ「モランボン味の研究所」に入社、モランボン調理師学校講師になる。その後、ハイアットホテルなど一流ホテルの調理場を経験し1995年からオモニ(母)が経営する「正泰苑」(東京・町屋)2代目として焼肉業界へ。
現在では、焼肉店6店舗と、ショッピングセンター内フードコート1店舗を展開し「数日前より予約をしなければ入れないお店」として東京近郊、また全国から客が押し寄せる繁盛店である。「ザガットサーベイ」東京焼肉部門1位に輝く。
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恋に落ちた朝鮮料理の魅力を伝えたかった
私は、両親が焼肉店を経営する家に在日三世として生まれました。当時は、焼肉店に対して食堂のようなイメージを持っていたのであまり良い印象ではありませんでした。
しかし、在日韓国人である私のルーツは韓国です。その韓国の料理である焼肉をもっと格好いいものにしたい、と常々考えていました。
継ぐならきちんと学びたいと考えた私は調理師学校で修行をすることにします。そこで講師の方より、朝鮮料理が和食や中華料理に引けを取らないことを学び、朝鮮料理に恋に落ち、のめり込んでいきました。
調理師学校卒業後はそのまま調理師学校で講師をしていたのですが、やはり飲食店の現場を知らないまま現場について教えることに限界を感じました。そこで、すき焼き、しゃぶしゃぶ、ステーキハウスなどアルバイトを転々とし、ハイアットホテルの調理場も経験しました。
実は、これらの経験が後のメニューのアイデアにも繋がっていくんですね。
実際にお店を継いだときに、注目したのは仕入れでした。当時はといえば、業者さんにお肉を搬入してきてもらうのが当たり前。
しかし、焼肉は素材とその調理法が味に大きく影響します。そして、その魅力を最大限に引き出すのが焼肉店。
そう思い、カルビの肉質の偏りを無くしていきたいと考え、自分の足でお肉屋さんに通いつめ、関係者の方と信頼関係を築いていきました。結果として、目利きされた良いお肉が仕入れられる体制が出来ていったのです。
そして、転機となったのは当時画期的であった“ある商品”。ステーキやしゃぶしゃぶのお店でしか提供されていなかったリブロース(背中の肉)をカルビに使ったのです。
リブロースの上カルビをわさび醤油で食べる商品を看板商品として、当時急速に広まったインターネットの波に乗り、「予約の取りにくい焼肉店」として正泰苑の名は全国に広がりました。
本当の焼肉屋を突き詰めて辿り着いた、美味しさへのこだわり
正泰苑は、食べる人が前かがみになって人との距離が近づくような、楽しくて美味しい時間を提供する日本一の焼肉屋でありたいと思っています。
これは、「本当の焼肉屋とは?」を突き詰めた先に出て来た答えの1つです。
お客様がセルフクッキングでつくる焼肉だからこそ、一番美味しい焼肉を提供するために、材料の肉は勿論のこと、調理器具と調理環境に力を入れています。
中でも特にこだわっているのは、七輪と炭。
七輪は日本一の材質を追求し、石川県の「切り出し七輪」を使用しています。ガスを使う焼肉店も多いのですが、七輪は炭火の煙がお肉に直接当たるため、燻されてお肉の香りがよくなるのです。七輪なら、上から煙が吸い取られてお肉の水分まで奪われてしまうこともありません。
そして、七輪の中で使う炭には、白炭を使用しています。この備長炭は通常の1.5倍、約1200℃まで温度が上がるため、お肉を香ばしく焼き上げることが出来るのです。
セルフクッキングの焼肉において、どうすれば一番美味しい焼肉になるのか。肉質はもちろんのこと、メニュー、調理器具、調理環境のオリジナリティと基本を細部まで徹底し、美味しさ最大化のロジックの組立てによって美味しい焼肉を届けたいと考えています。
美味しさ、楽しさの最大化で日本一の焼肉屋に
「食」の未来はジャンルを超えた多様性や変化が生まれるため、外食産業はその変化に対応していく必要があります。そのような環境の中でも、付加価値を提供していくことが求められているのではないでしょうか。
正泰苑は『楽しくて美味しい時間を提供する』という焼肉店の本質をメンバーの皆で共有し、お客さんに届けていきたい。
そこを目指すにあたって、私たちには段取り力と組織力という強みがあります。
環境を用意し、調理器具にこだわり、お肉の香りの纏い方から美味しさを計算するなど、段取り力によって焼肉の美味しさを提供します。組織力というのは、焼肉を食べる人の間に生まれるコミュニケーションに寄り添うために必要です。
飲食店は人対人が基本。組織力によって働いている人が楽しい環境を作ろうとするからこそ、お客様にも楽しさを届けられるのではないでしょうか。
日本一の焼肉屋を目指しながら、一緒に年を重ねていけるような方が仲間になったら嬉しく思います。