株式会社アップグレード
宮林 隆文
POSTED | 2014.07.26 Sat |
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TAGS | 従業員数:11〜30人 業種:広告・マーケティング・制作 創立:15年以上 決裁者の年齢:20代 商材:BtoB |
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危機を乗り越え、アジア展開を目指す!!
2021年までにアジア20か国展開を目指すWEBサイト制作会社Topics
株式会社アップグレード 社長 宮林 隆文氏のONLY STORY
会社に危機が訪れたことで自分と向き合えた
「3年前に自分の会社に危機がありました。依頼されたシステムの納品が6ヶ月遅れてしまい、その結果として赤字が続いてしまいました。その時はいつ納品ができるか見えてなかったので、赤字続きの毎日は本当に恐怖しかありませんでした。そもそも会社の存在意義があるのか?無いのであれば潰した方が良いのではないかと思いました。そして、改めて会社の存在意義、理念、ビジョン、強みなどを考えました。そうしたところ、ご迷惑をおかけするほどの納期遅延は創業後、今回が初めてであるし、いつもご発注いただいているお客様も多くいるし、存在意義はあるのではないかと思いました。そこで自社の事を客観視し、自社の強みを明確にしました。
自分と向き合って今後について真剣に考えた結果、“今までは色々なことに手を出し過ぎた。これからは自分たちの強みだけで勝負しよう”と決め、以前から得意としていたホームページ制作に『集中』をすることに決めました」。このように語る株式会社アップグレードの宮林社長は、その時に保有していたタイの子会社もホームページ制作に集中させ、業績を見事にV字回復させて、昨年9月にミャンマー、今年2月にフィリピンにも進出を果たした。
株式会社アップグレードは「大喜び経営」を理念に掲げている。大喜び経営とは、お客様、取引先、社員、経営者、会社すべてが喜ぶ状態を創り上げるということである。
ホームページ制作に関しては、海外関連会社のスタッフを教育することで日本と同じ品質でありながら、日本の半額でお客様に提供できている。お客様は品質が良いホームページを安く発注できて嬉しい、弊社もお仕事をいただけて嬉しい、取引先であるタイ子会社もお仕事をいただけて嬉しいという、「大喜び経営」がまさにうまくいっている例である。最近はクラウドソーシングの発達で、誰でも簡単に世界中の人材に仕事を発注できるようになりつつある。しかしアップグレードではそれに対して、独自のネットワークを築くことで、競合との差別化を図ろうとしている。「ベトナムや中国に支社を持つ会社は日本にも多くあります。しかしアジア20カ国に支社を持っている会社は商社でも無い限り、そうそうありません。私たちは2021年までにアジア20カ国にネットワークを築くことで、日本企業の海外進出を促進することで日本へ貢献したいと考えています」
祖父の背中を見て起業
アップグレードの宮林社長は元々経営者になることを前提にサラリーマンになったという。「毎日黒塗りの車が迎えに来る経営者だった祖父を見ながらずっと憧れていたのと、大学のサークルで副代表を経験したことが会社の経営をより身近に感じられるきっかけとなりました。そうやって昔から経営者になることを目標に生きてきたのですが、なかなかふんぎりがつかないでいました。しかし、あるとき知り合いに騙されて多大な借金を背負うことになってしまい、それが大きな転機となりました。成功者は非凡です。今まで平凡に生きてきた私に「初めて非凡なことが起きた!成功するチャンスが来た!」と思っちゃったんです。起業してから5年間は右往左往して色々なことで失敗もしましたが、3年前の大きな危機を乗り越えたことで自分自身かなり成長できたと思っています。今は2021までにアジア20か国に会社を作ることという目標に向けて日々頑張っています」宮林社長の言葉からは、失敗を経験したからこそ知れる揺るぎない決意が感じられる。
会社を通して自己実現を目指す
「アップグレードでは社員に対して、「時間ではなく、責任で働くように」と徹底している。社員は仕事が終れば好きな時間に帰ることができるが、納期がギリギリのときには夜遅くまで働くこともあります。「社員には20代で自分の力をつけるために思いっきり働いてもらいたいと考えています。ただあくまで健康が第一なので、そこには気を付けています。健康に過ごすための施策として社内でカイロプラクティックの先生を呼んで、健康についての勉強会を開催したり、夜食用にお菓子やラーメンを買って社内では自由に食べていいようにしています。社員があってこその会社ですし、みんなが幸せだと思える環境を作ることが自分の役目だと感じています。
従業員の声
駒村さん
5年目
〜自分の強みを活かす環境〜
アップグレードにはWebデザイナーとして5年前に入社しました。入社当時は海外の支社とのやり取りにすごく苦労をして、中々上手くいかない日が続いたこともあります。現在は作業がマニュアル化されているので、仕事にやりづらさはほとんど感じなくなりました。仕事で海外の会社を訪れることもあるので、そこで相手の仕事の仕方をみていると大変良い刺激を受けますね。
この会社では個人をとても尊重してくれるので、お客様とのやりとりにもとてもやりがいを感じられます。ときには自分を信頼してくれたお客さんがリピーターになってくれて、自分だからこそ受けられる仕事ができるので、すごくやりがいを感じています。
編集後記
アジア20カ国への海外展開を見据えて、自分たちの強みを活かした事業はとても魅力的だと思う。また同じ品質で、半額以下のサービスであれば、価格競争にかなり強く、海外とのネットワークの使い方が本当に上手いなと感じた。日本の企業はまだまだ海外に進出する力に乏しいので、そういった意味でも今後の発展が楽しみな企業である。