株式会社AGENCY ONE

大久保 仁

企業の人格はニュースルームでつくられる!?

企業にとって広報文化が当たり前となる社会を目指す
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今回のインタビューは、中小企業やスタートアップ企業の広報支援を行っている株式会社AGENCY ONEの荒木氏にお話を伺います。

「日本に広報文化を広げていきたい」と語る荒木氏に、同社が提供するサービス「KOHOgene」(コウホウ・ジーン)について詳しく教えていただきました。

株式会社AGENCY ONE 社長 荒木 洋二氏のONLY STORY


【プロフィール】

中堅・中小企業を中心に広報戦略立案や記者発表会、個別インタビュー設定、プレスリリース作成など広報活動全般を指南及び支援する。

創業以来、“広報=「企業の人格」形成のためのあらゆる双方向のコミュニケーション活動”を信条にメディアにとどまらず、利害関係者全般との良好な関係構築支援を手がけながら、広報人材育成にも取り組む。

2015年、日本広報学会で『企業経営における新しい価値創造フレームワーク 「PFEC サイクル」  〜中小企業経営にパブリック・リレーションズとリスクマネジメント を定着させるために〜 』を発表。

2017年、広報専用ウェブサイト「ニュースルーム」(当時の名称「プレスルーム・オンライン)をCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)で提供するビジネスモデルに関する企画を立案。プロトタイプの運用を開始。

2020年、ニュースルームのCMSを開発。広報PRに関するノウハウを学び、スキル向上につながる「広報人 eラーニング・広報PR講座:2021年度版」(全245講座)が完成。eラーニングとCMSで構成された「KOHOgene」サービスを提供開始。

NPO法人日本リスクマネジャー&コンサルタント協会理事長(現任)
日本広報学会会員。


広報の「標準化」と「最適化」を支援


-株式会社AGENCY ONEの事業内容を教えてください。

荒木氏:弊社は、企業価値を世の中に広めていく広報活動を支援している会社です。具体的には広報の「標準化」と「最適化」を図る『KOHOgene』というサービスを提供しています。

まず標準化に関しては、クライアントは「eラーニング」を通して広報PRの本質を正しく学ぶことができます。eラーニングは「理論・基礎知識編」「組織能力編」「実務能力編」の3部で構成されており、各コンテンツ5分~12分、合計245(約32時間)のコンテンツを取りそろえています。


最適化では広報専用のコンテンツ管理システム「ニュースルーム」が活躍します。ニュースルームでは、プレスリリース、SNS、社内報、顧客向け情報紙誌など、さまざまな方法で発信する企業のオフィシャル情報をシステムに集約し、共有・蓄積・管理することができます。

ニュースルームは情報を公開しやすいように設計されているので、例えば「この情報をFacebookで発信したい」と思えば、ニュースルームから投稿を準備できます。

このように私たちはeラーニングとコンテンツ管理システムの両輪で企業の広報を支援しています。

-ありがとうございます。

続いて、さまざまな企業の広報に携わってきた荒木さまから、日本企業の広報活動はどのように見えているか教えていただけますか。

荒木氏:そもそも広報PRとはどのようなことだと思いますか?

私たちは「ステークホルダーから信頼・共感されるような強く深い関係性を築き上げること」が広報PRだと考えています。企業は社員や顧客、取引先、株主、金融機関、地域社会など、あらゆるステークホルダーと良好な関係を築けなければ存続はできませんからね。そしてステークホルダーとの関係性が「経営における基礎体力」となり、企業の成長の土台となるんです。

しかし、ステークホルダーと信頼関係を築けるような広報活動は大手企業の一部しか取り組んでおらず、多くの中小企業・スタートアップ企業は、FacebookやTwitterなど一つの手段を切り取った広報を行っているのが現状です。

例えば、大企業は今から100年ほど前から顧客向けに「情報誌」を、社員向けの「社内報」を発行していました。それ以外にも株主向けに「株主通信」など、ステークホルダーに自分たちの価値や思いを伝える活動をしていました。

このように大企業は昔からステークホルダーと信頼関係を築いており、「経営における基礎体力」があるからこそ、他の施策も実っているんです。

-なるほど。

ステークホルダーとの関係を強固にしていくためにはどのような情報を発信していくべきでしょうか。

荒木氏:私たちは情報は「表舞台」と「舞台裏」の2つに分けられると考えています。

会社の概要や業績、製品発表などのお知らせが「表舞台」だとしたら、その事業や製品ができるまでの話や実際に製品を使った顧客の体験談、社員の成長物語などが「舞台裏」です。多くの人は普段触れることができない舞台裏の情報に、感動、共感し、その結果企業を応援したいと思うようになるんです。なのでその質問に答えるなら舞台裏の情報です。

舞台裏の情報がニュースルームに蓄積していけば、そこには企業の人格ともいえる情報が集まります。それが他社との差別化にもつながるのです。

試行錯誤の末生まれた『KOHOgene』


-今の事業に至った経緯を教えてください。

荒木氏:株式会社AGENCY ONEは2006年8月に設立した会社です。当時は報道関係者に企業の取り組みを伝える、いわゆる「パブリシティ」を軸に中小企業の広報支援をしていたのですが、大企業とは異なり中小企業は年に何回も新しい取り組みをすることは希であるため、プレスリリースとして出せる記事の数はそう多くはないんですね。

そこで新たな取り組みとして、お客様の声やスタッフのインタビューなど、会社自らが伝えたいことを発信できる広報誌を企業に勧めました。そして広報誌を始めてから少しずつ企業の業績が変わっていくのを目の当たりにし、「やはり重要な広報活動は報道関係者向けのプレスリリースだけではない」と確信しました。

当時は中小企業のうち9割5分以上の企業が広報活動を行っていなかったため、「広報を当たり前にしたい」「広報文化を日本に普及したい」という想いからこの事業をスタートさせました。

-1社の事例から現在の広報支援サービスが始まったということですね。

荒木氏:概ねその通りですが、当初のサービスは外部委託の形で弊社が代わりに広報活動を行うものでした。しかし私たちがプレスリリースを書いてしまうと、プレスリリースに関するノウハウやスキルがクライアントには溜まりません。

サービスを提供していくなかで、このままでは「中小企業に広報文化は広がらない」と少しずつ自分たちの理念とのギャップを感じるようになっていきました。

そうして試行錯誤し、14年間の準備を経て生まれたのが『KOHOgene』です。『KOHOgene』は、私たちがこれまで培ってきた広報ノウハウをeラーニングで学ぶことができ、ニュースルームで情報を発信しやすい仕組みを作ることができます。これこそ広報人材を育て広報文化を広げていける唯一の方法ではないでしょうか。

広報文化を広げ企業の当たり前を変えていく


-今後の目標を教えてください。

荒木氏:2つあります。

1つは、サービス価値の向上です。具体的には、eラーニングのコンテンツを毎年バージョンアップさせ、同時にニュースルームの品質をもっと使いやすくしていきたいと考えています。

もう1つは、広報人材のリソース不足を解決するために、弊社にてリモート広報チームを作ることです。主婦や学生も含め在宅ワーカーの方たちに、eラーニングやオンラインのワークショップで学んでいただき、広報業務ができる人材を育てていきたいと思っています。

そしてゆくゆくは中小企業やスタートアップがコストをかけずに、質の高いリモート広報チームと理念を共有しながら、広報を行っていくことが当たり前になる社会を目指していきたいと考えています。

-ありがとうございます。では最後に、メッセージをお願いします。

荒木氏:企業を取りまくステークホルダーに向けた広報は、経営の基礎体力強化につながり、この基礎体力はマーケティングやプロモ―ションなど別の施策にも良い影響をもたらします。中小企業やスタートアップ企業様には、ぜひ大事な経営の基礎体力のトレーニングをおすすめいたします。

執筆=山田
校正=笠原

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