杉平 涼

今回のインタビューは、大学受験の個別指導塾を運営する株式会社下克上の杉平氏にお話を伺います。授業をしないという独特の指導方法や自身の受験経験、創業の経緯や今後の展望について語っていただきました。

【経歴】

1986年、東京都出身。2010年、立教大学理学部数学科卒業。2012年、立教大学大学院理学研究科数学専攻修了。

学生時代から10年以上数学講師として塾講師や家庭教師をしていたが、授業の評判はいいものの、なかなか生徒の成績を伸ばすことができなかった。そんな時に偏差値28からたった3カ月で慶應大学に合格したという共同経営者の西脇氏と出会い、独自の学習メソッドを習得する。その後、大学受験生だけでなく社会人の資格試験の指導でも合格へと導いている。

下克上は東京都港区三田に本部を構え、日々多くの生徒の学習をサポートしている。授業はせずに参考書を戦略的に使う、LINEで毎日サポートをする（ゆえに全国どこでも受講可能）といった従来にない教育方法を実践し成果を上げている。1カ月もしないうちにしっかりと結果が出る生徒が多く、保護者からも非常に高い評価を得ている。

大学受験の実績だけでなく、大学受験を通して自信と知識習得法という武器を手にして社会で活躍できる若者を育てたいと考え、日々生徒を指導している。

メディア出演は東京MXのHISTORY、千葉テレビのナイツのHIT商品会議室、雑誌MacFanなど。

2019年10月には昭和学院中学校・高等学校で中高生1400人の前で講演もしている。

杉平氏：弊社は慶應義塾大学をはじめとした難関大学への逆転合格を目指す大学受験個別指導塾「下克上」を運営する会社です。

生徒は成績が伸びないため勉強が嫌いになった人やこれまで予備校に通っていただけれど成果に繋がらず悩んでいる人です。偏差値30～40の勉強が得意ではない受験生になります。

頑張っているのに報われない受験生に対して、正しい勉強方法を教え、慶應義塾大学をはじめとした難関大学へ導いています。

特に私たちが力を入れているのが慶応義塾大学の受験で、これまでに偏差値45から2ヶ月で慶應義塾大学環境情報学部に合格、大手予備校で伸びなかった現役生が4ヶ月半で慶應義塾大学文学部に合格したなどの実績があります。

杉平氏：下克上の強みは大別して3つあります。まず1つ目が短期間で成績を上げられる点です。正しいやり方で勉強すれば成績は確実に上がります。最短ですと2週間でも結果が出ます。すぐに結果が出るからこそ本人たちのやる気が持続して勉強が続きます。

そのため生徒の入塾時期も3年生の夏ぐらいから、遅いと3年生の12月という人もいるのですが、正しいやり方で勉強をすれば成績は伸び、慶應義塾大学も射程圏内に入ります。

なぜ勉強が苦手な人でも勉強ができるようになるようになるかと言うと、もともと勉強が苦手だった創業者の西脇の実体験から考案されたカリキュラムを基に指導を行っているためです。

勉強が苦手な人の気持ちが手に取るように分かるので、現実的にどうやったら勉強ができるようになるかが全てわかります。勉強ができない人でも最短最速で成績が伸びるというのがやはり一番の強みだと思います。

2つ目は指導方法です。予備校や塾では授業をするのが一般的ですが、下克上では授業は行わずに、正しい戦略と勉強法を教えています。

具体的には生徒に参考書を本屋で購入してもらい、その参考書の使い方を教え、指導と並行して勉強の進捗状況の管理を毎日マンツーマンで行います。ダイエットで流行っているパーソナル指導の大学受験版のようなものですね。

3つ目はLINEで指導を行っているためインターネット環境があれば全国どこでも指導が行える点です。校舎に来なくても北海道から沖縄まで同じ価値を提供できるサービスとなっています。

杉平氏：下克上に入ってきたばかりの生徒は本当に勉強ができず、自信がないんですよね。例えば声が小さかったり、目を見て話しができない、背中が丸まっているとか自信がないことが仕草や行動にも現れている子が多いんです。

しかしそのような生徒でも勉強することで成績が伸びる過程で、声が大きくなったり、ハキハキしたり、自信が手に入って様子が変わるんです。そしてその後、大学に受かった時にはもう別人じゃないかというぐらい人が変わります。その変化を間近で見られるというのは嬉しいですし、やりがいを感じますね。

杉平氏：私自身、大学受験で失敗したことが大きいです。大学受験でうまくいかなかった経験は大学入学後も常にまとわりつき、それを払拭しようと数学講師として受験指導を10年以上働いてきました。

そんな中で共同経営者の西脇と出会い、西脇が偏差値30から3ヶ月で慶應に合格したという話を聞きました。私は浪人をして1日10時間ほど勉強して、それでも志望校に受からなかったこともあり、まず「信じられない」という気持ちになりました。しかし、話を聞けば合理的でしたし、何より本人が受かっているという事実があったため感心しました。

「これはすごい！」と思い、正しい勉強法を教わり、それを生徒にも教えてみたところ、きちんと成果が出たんですね。

またそのノウハウは社会保険労務士や看護師の国家試験などの勉強にも活かすことができ、ジャンル問わずどんな内容にも有効な勉強法だと確信しました。

成績を伸ばす過程で自信がつき、その後一生使える知識習得法を手にすることができる。「これは本当にいいものだからもっと広めたい」という想いを西脇に話し、共に下克上を創業しました。

杉平氏：「大学受験はゴールではなく通過点である」というのは常々言っていて、生徒には受験を通して成績が伸びる過程で得られる「自信」を大切にしてほしいと考えています。

大学受験を通して自信が得られれば、大学生になっても社会人になっても色々なことに挑戦することができます。そういう若者をどんどん育て上げて社会に送り出すことで、日本の発展に貢献していきたいと思います。

杉平氏：下克上で提供しているのは大学受験生向けのサービスですが、勉強法や知識の習得法というのは仕事でも効果を発揮するので、資格試験や社内研修などについても活かせる分野だと思います。そういった部分でお困りの方がいれば、ぜひご連絡いただければと思います。

執筆＝スケルトンワークス

校正＝笠原