株式会社バレンサー
阿部貴之
POSTED | 2020.04.10 Fri |
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TAGS | 従業員数:5人以下 業種:研修・コンサル 創立:5〜6年 決裁者の年齢:40代 商材:BtoB |
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デザイン思考の経営コンサルで会社の見せ方を変える
「モノからコトへ」の時代に企業が大事にするべきものTopics
今回のインタビューは、デザイン思考を通したコンサルティングサービスを行う株式会社バレンサーの阿部氏にお話を伺いました。コンサルから制作までワンストップで行う同社の取り組みについて語っていただきます。
株式会社バレンサー 社長 阿部 貴之氏のONLYSTORY
デザイン思考の経営コンサル
–株式会社バレンサーの事業内容を教えてください。
阿部氏:弊社は中小企業にデザイン経営を浸透させる為のコンサルティングサービスを行っている会社です。
昨今「モノからコトへ」という風に、商品の価値観や購買プロセスが変わってきています。その時代の中で、企業もデザインを中心においたプロモーションや製品開発をしていく必要が出てきました。具体的には、ビジョンや組織の文化や風土、制度設計などを形にすることが重要であると考えています。
しかしながら、まだほとんどの企業が「デザインとは商品の形や見た目を綺麗に整えること」という解釈で留まっている状態です。そういった意味でも、デザインの在り方を社会に浸透させること、そしてデザインの視点から企業の目標を再設計し、そこに沿った実働部分をワンストップで行うのが私たちの仕事です。
–実働まで行うとのことですが、具体的にはどのようなサポートをしていただけるのでしょうか。
阿部氏:インナーブランディングとアウターブランディング、ビジネスデザインの3つがあります。
まずインナーブランディングでは、採用と組織作りを支援します。採用に関してはダイレクト採用として経営者と求職者のマッチングや求人媒体の選定、求人の運用代行などを行っています。組織作りに関しては、ミッション・ビジョン・バリューの行動指針を浸透させるためのサービスの導入を支援しています。
次にアウターブランディングでは、HP・ロゴ・動画などの制作とPRのためのプレスリリースやクラウドファンディングの企画や作成代行を行います。
最後にビジネスデザインでは、クライアントの新規事業の開発を行います。ものによっては、インナーブランディングとアウターブランディングを合わせて、さまざまな経営課題の解決を行っています。例えば、現在はアパレルの工場を再生させて、インフルエンサー向けのアパレルショップに作り替える事業に携わっています。
以上の3つのアプローチで、マーケティング・ブランディングにデザイン思考を浸透させ、コンサルティングを行うのがバレンサーのサービスです。
‒他社との差別化をはかっている点や強みを教えてください。
阿部氏:クライアントに一番近い位置で、クライアントがやりたいことを言語化し、プロデュースするということが制作会社との最も大きな違いです。コンセプトを固めて企画を作るためのコンサルティングがメインで、制作もセットでできるというスタンスなんですね。
デザインと聞くとオシャレで綺麗なイメージを持つ人も多いと思いますが、弊社が目指しているのは単なる自己満足的な見た目の良さではなく、クライアントが持っている想いや展望などを見せ方を変えて表現することです。創業当初からずっとそこにこだわっています。
人事領域にもデザインが必要だと気が付き…
‒起業のきっかけについて教えてください。
阿部氏:私はこれまで、コンサルティングや人材採用に10年以上携わってきました。その中で、人を採用するということにおいても、デザイン思考が必要だと思ったのがこの事業を立ち上げるに至ったきっかけです。
昔だったら大手就職サイトを介していれば求人情報を漏らすことはありませんでしたが、現在はSNSやオウンドメディアなど情報発信の場所も増えていて、就職サイトという限られた箱の中だけで企業の魅力を伝えることは難しくなっています。それにも関わらず、「箱の中の見せ方にこだわり続けることは何か違う」と思い、勤めていた会社を離れました。
その後私はデザインを学び、フリーランスでブランディングプランナーを1年ほど経験しました。そして、そのころに知り合ったクリエイターとビジョンを共有しつつ、大切な人の力になりたいという想いから株式会社バレンサーを立ち上げました。
デザイン思考を浸透させ、関わる人を増やす
‒今後の目標について教えてください。
阿部氏:「デザイン思考」や「デザイン経営」という考え方を社会に浸透させた上で、一緒に仕事ができるパートナーやクライアントを少しでも多く増やしたいと思います。
例えば「美容業界でフリーランスが活躍できる場所を作る」という目標があれば、全国にシェアサロンを作ることで、フリーランスの方たちがどんな場所でも活躍できる環境を作ってみる。これは1つの例にすぎませんが、このようなことを美容業界にかぎらず、さまざまな業界でやっていきたいです。
直近では特にBtoCの事業を行っている企業の支援を行いたいですね。まだネットショップでサービスを展開するという考えを持っていなかったり、デザイン思考がないまま運営している企業が多くあるので、コンセプト作りからECサイトの制作まで任せていただき、売上の向上に貢献したいと考えています。
‒ありがとうございます。最後に、読者へメッセージをお願いします。
阿部氏:自分の思想や会社のビジョンなど思っていることを言葉にできておらず、そこに課題を感じている経営者様がいらっしゃいましたらぜひご連絡ください。私たちがそのモヤモヤを形にして見せます。
執筆=スケルトンワークス
校正=笠原