株式会社ウイングベース
福本塁
POSTED | 2016.08.22 Mon |
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TAGS | 従業員数:6~10人 業種:研修・コンサル 創立:11〜14年 決裁者の年齢:40代 商材:BtoC |
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世代をこえて防災について楽しく話し合う場づくり
体験を経験に変える対話ツールで、能動性を育む。Topics
- 株式会社ウイングベース 社長 福本 塁氏のONLY STORY
- はじめに
- 若すぎる兄の死がもたらした決意
- 人生にはどうにもならないことがあることを知る
- 兄から教わった生きるための基本的な姿勢
- 社名「ウイングベース」の由来
- 企業理念を考える際に意識した問題
- ウイングベースの事業は「コミュニケーションを促す教材の開発」。
- 「体験」と「経験」の違い
- 代表的な商品 「防災トランプ」
- 世代をこえて、防災について楽しく話し合う場づくり
- 防災トランプが持つ3つの特徴
- 自宅で防災訓練をしたことがありますか?
- 今後目指したいこと
- 今後のアクション
- 株式会社ウイングベースの住所や電話番号、採用・求人等が載っているホームページはこちらから↓
株式会社ウイングベース 社長 福本 塁氏のONLY STORY
~株式会社ウイングベース 代表取締役 福本 塁 様~
1982年生まれ。東京都出身。愛川町在住。相模原市、横浜市在勤。
東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻博士課程。
株式会社ウイングベース代表取締役。神奈川わかものシンクタンク代表理事。
青山学院大学非常勤講師。
日常の会話になかなか出てこない「身近な危険」や「災害」について個人の体験談や考えを共有する場がつくれる「防災トランプ」を開発。 日常を舞台にした具体的な体験談をもとに「防災」について世代をこえて楽しく話し合う場を形成する活動を行っている。 特に、体験(事実や出来事)を経験(独自に解釈し意味をつけ、価値観を変容)に変えることで社会をよりよくする行動を促していくことをモットーとしている。
<受賞実績>
第30回人間力大賞(青年版国民栄誉賞)
第20回防災まちづくり大賞 消防庁長官賞
第23回かながわ若者生き活き大賞 他、受賞多数
詳しいプロフィール http://rui.jp.net/profile
はじめに
みなさま初めまして。
私は教材開発の会社を経営する傍ら、「世代をこえて防災について楽しく話し合う場づくり」に取り組んでいます。
私がこれまでどのような想いで起業し、どのような考えで事業に取り組でいるのか等についてこの場をお借りしてお話ししたいと思います。
若すぎる兄の死がもたらした決意
私はもともと母子家庭で育ち、2歳上の兄がいました。
しかし、2004年5月25日、24歳という若さで末期の血液がんで亡くなりました。
「俺はもう働けない。俺の分まで社会貢献してほしい」。
兄が、亡くなる前日に私に言い残した言葉です。
この言葉が、暗中模索ながらも現在まで「社会のために役立ちたい」と行動し続ける動力源となっています。
人生にはどうにもならないことがあることを知る
兄は、もう起き上がれない状態で死の淵にいる状況でも、私が病室に訪れたとき、「風邪引いてないか」と逆に心配してくれるような人でした。
「自分が大変な時こそ相手のことを考えられる人になりたい」兄の姿を見て、このような姿勢を心に刻みました。
兄の病状は深刻でしたが、本当に幸いなことに家族の中で唯一、私が骨髄移植のドナーとして75%適合という結果が出て、兄はそれに生きる望みをかけていました。
そのため、手術を行うための体力を回復させる必要がありました。しかし、回復状況は芳しくなく、担当医師からは、「余命半年」と宣告される状況になりました。
そのとき、私は、「兄はまだ半年生きられる」「半年あればきっと回復する」「自分が兄のためにできることはなにか」と考えていたんです。
しかし、人生、どうにもならないことがあることを思い知ります。
余命半年と告げられた翌日に病状が悪化し兄は亡くなりました。
兄から教わった生きるための基本的な姿勢
あまりの突然の出来事に、兄の交友関係も全くわからず、兄の携帯から唯一見つけた共通の知人に連絡して、「誰に連絡したらいいのかわからないので兄を知る人たちに伝えていただけますか?」とお願いすることしかできませんでした。
次の日のお通夜、告別式をあわせて270名もの人が駆けつけてくれました。みなさん社会人で、平日であったため、仕事もあったでしょう。わざわざ遠方の地まで。私はこれだけの人に慕われている兄を心の底からすごいと思いました。同じ兄弟でも、日々の振る舞いや生き方が違うと、こんなに違う結果になるのかと思いました。
悲しい気持ちを強さに変えて、その強さをいつか兄のようにやさしくなれるように、自分が大変な状況でも、相手のことを思い、自ら考え、動く生き方をしようと決意しました。これは後々、私の「物事に取り組む際の基本的な姿勢」になります。
社名「ウイングベース」の由来
兄と約束した「兄の分まで社会に貢献すること」
2011年に起業した時、社名には兄の名を入れようと思いました。
とても個人的なネーミングですが、
兄の名前である「翼」と、私の名前である「塁」をあわせて、「ウイングベース」。私にたくさんのことを教えてくれた兄の名を、世の中に残せる会社にしたかったんです。
ロゴがド〇クエっぽいのは、兄と僕が子ども時代に夢中になり、語り合った世界観や時代観を忘れないようにしたいなと思ってつくりました。
企業理念を考える際に意識した問題
兄との約束である「社会貢献」に1歩でも近づくために、考えたことは「世の中の問題」についてでした。
様々な問題を、分類したり、比較したり、あれこれ手を動かしているうちに気づいたことがありました。
それは、「世の中の問題の多くはコミュニケーション不足に起因している」という点です。統計的な根拠等は全くありませんが、少なくとも私やその周囲の人々はそのように感じていました。
これを逆手に捉え、「コミュニケーションを促すこと」さえできれば、世にひしめく様々な問題が解決に向かう一歩が踏み出せるんじゃないかと考えました。
ウイングベースの事業は「コミュニケーションを促す教材の開発」。
そこで、ウイングベースでは、「体験を経験に変え、行動へつなげる」というコンセプトをコミュニケーションツールの特色とし、教材開発、販売、それを利用するイベントの企画業務を取り組む事業にしました。
現在は、アナログ、デジタル、フィジカルの3つの分野でコミュニケーションツールを取り扱っています。
「体験」と「経験」の違い
「体験」と「経験」の違いについて少し補足させて頂きます。
体験:事実や出来事
経験:事実や出来事を解釈して、こうなりたい、こうなりたくないという価値観が変容、備わること
と、私は考えています。
例えば、
「転んで怪我をした。」・・・体験
「痛かった」・・・体験
「痛かったから転ばないようにしたい」・・・経験
「転ばないように工夫して歩く」・・・行動
といった違いがあります。
日々、様々な体験は積み重なっていくけれども、多くの体験は、記憶の彼方へと消えてしまいやすいものです。
こうした体験は、解釈し、価値観の変容まで紐づけることができれば、その人を大きく成長させる糧になると考えています。
代表的な商品 「防災トランプ」
代表的な商品としてはアナログ分野の「防災トランプ」があります。
みなさんが知っているお馴染みのトランプに「防災に関するお題」が書いてあるトランプです。
ババ抜きやポーカー等の通常ルールをそのままに防災の話をすると勝ちやすくなるルールが追加されています。
小さな子どもからご年配の方まで世代や立場をこえて、トランプを楽しみながら防災について話をすることができます。
世代をこえて、防災について楽しく話し合う場づくり
世代や立場をこえてトランプを楽しみながら、生活の中であまり話さない防災をテーマに、参加者の体験談や考えをシェアする場づくりのために開発しました。
近年、地域防災のニーズは高まっていますが、地域の防災訓練は年齢層が固定されている傾向にあります。
そうした場に多様な世代の参加者を流入させるきっかけをつくり、防災をテーマにお互いをよく知り、挨拶よりも一歩踏み込んだ関係を築くことをねらいとしています。
防災トランプが持つ3つの特徴
(1)誰もが知るトランプの遊び方を崩さずに、ルールを加えるかたちで「防災について話し合える」ゲーム設計にした点。
(2)参加者ごとに話す内容が変化するように、カードに記載する「防災のお題」を曖昧な表現にした点。
(3)従来の防災を学ぶ場では「防災に詳しい人」が一方的に話す傾向が強かったが、防災トランプは自分の番には話す番、相手の番には話を聞く番と話し手と聞き手が交互に入れ替わる点。
自宅で防災訓練をしたことがありますか?
現在、大地震について科学的にわかっていることを平易に表現すると、
「大地震は必ず起こる。でもそれがいつ起こるのかはわからない」
ということがわかっています。
これまで、講演会やワークショップを通じて、1万人をこえる人々に
「自宅で防災訓練をしたことがありますか?」
と質問してきました。
「YES」と答えたのは、わずか0.4%です。
つまり、大地震はいつ起こるのかわからないのに、長く過ごすはずの自宅において十分な備えをしている人がとても少ない状況です。
この矛盾を解決するために、世代をこえて防災について楽しく話し合う場づくりの活動に地道な取り組んでいます。
今後目指したいこと
世代をこえて防災について話し合う場づくりの担い手である「防災トランプのプレイリーダー」を多く育成し、すべての家庭で「自宅の防災訓練を実施したことがある」状況を目指したいと考えています。
育成したプレイリーダーを中心に地域の様々な人が集いながら防災を切り口に話し合い、お互いの親睦を深め、助け合える関係を築く。そんな「親睦型の防災訓練」を全国に定着させていきたいと考えています。
今後のアクション
ここまでご覧いただきありがとうございました。
みなさまとの今後の関わりをいくつか紹介させて頂きます。
興味ある方は、是非、今後のアクションをご検討頂ければ幸いです。
アクション①:防災トランプの取り組みを映像で見る
アクション②:防災トランプの体験会に参加する
防災トランプの体験教室やワークショップを開催しています。
是非1度参加頂ければ幸いです。
アクション③:防災トランプのプレイリーダーになる
場づくりの担い手を育成する講座を定期的に開いております。
是非、ご検討ください。
アクション④:横浜版防災トランプの開発支援をする(9/18まで限定)
ご当地版防災トランプの第1号として横浜版を開発中です。3000円から開発支援登録が可能ですので、是非リンク先のプロジェクトページをご覧いただき、ご検討ください。
アクション⑤:第30回人間力大賞のWEB投票を支援する(9/10まで限定)
第30回人間力大賞を受賞することになったのですが、現在WEB投票受け付け中です。本取り組みにご賛同頂ける方は是非、WEB投票の支援をお願いいたします。WEB投票の手順はとてもシンプルです。
1.WEB投票のサイトを開く
2.「エントリーNo.3 福本 塁」 をクリック
3.下部のフォームにメールアドレスを入力し、送信ボタンを押す