株式会社リンクライブ
澤村 大輔
POSTED | 2018.10.12 Fri |
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TAGS | 従業員数:5人以下 業種:IT・情報通信業 創立:9〜10年 決裁者の年齢:30代 商材:BtoB |
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チームの情報を最も簡単に残せるツール「Stock」
「チャットだと流れる」を解消、半年で6500社導入Topics
手紙からメール、そしてチャットへ。ITの進化と共に人々のコミュニケーションスタイルは様々な変化を続けてきた。
今やビジネスの場でもチャットツールが利用されるようになり、ビジネス向けの情報共有ツールが生まれては消えていく。
そのような中、正式リリースからわずか6ヶ月で6,500社もの企業が導入したチャットツールがある。株式会社リンクライブの『Stock』だ。
その強みはどこにあるのか。澤村氏にお話を伺った。
株式会社リンクライブ 代表取締役社長 澤村 大輔氏のONLY STORY
情報が流れていかない&説明いらずでサクサク使える!
「従来のチャットツールでは、記載した内容が流れてしまったり多くの情報が入り乱れて必要な情報を追えなくなったりするという問題ありました。
『Stock』はその名の通り情報の蓄積(=ストック)部分を強化し、そうした課題を全て解消しています。情報を自動で残せる上に後から振り返ることができ、“チーム内の情報をもっとも簡単に残せるツール”なんです。」
筆者が勤めるONLY STORY内でも大手のメッセージアプリを使って打ち合わせをしたことがあるが、大事な情報がその他の会話に流されてしまい、必死に遡って探した覚えがある。その時は非常に時間がかかり、アプリの使い心地に悩んだものだ。
一方、Stockの機能はシンプル。試しに今回の取材メモをStockで残してみたが、最初の登録作業は1チームで1アカウント作成するだけ。
「リンクライブ様 取材」とタイトルづけしたノートに打ち込んだ情報は自動的に保存され、チームメンバーへの共有もリアルタイムで行われた。共有したい画像やファイルは、ドラッグアンドドロップで簡単に添付でき、保存形式も一切問わない。
そして、何より蓄積された情報が流されていかない。これであれば、複数の案件が同時に動いていても混乱せずに管理できると感じた。
「ノートに対してタスクの紐付けができるので、自分以外のタスクも含めてノート横断で期限日ごとに確認できたりノートを起点にメッセージを送付したりもできます。
ノート単位、テーマ単位でやり取りが出来るので、情報があちらこちらへ錯綜することなく一つに集約できるんですよ。」
情報の蓄積とタスク管理が1つのツールで完結できるから、残すべき情報を簡単に共有できる。そうしたストレスのなさが6,500社もの企業に受け入れられた最大の理由なのかと問うと、澤村氏は首を横に降った。
「やはり、一番は『誰もが迷わずシンプルに使える』を追求していることでしょう。Web上でのサービスなのでダウンロードやインストールも必要ありませんし、書き込みはチャット感覚。作業も直感的なわかりやすさを実現しています。そして、何よりも情報がすべてストックされる。
このようなことができる情報共有ツールは、今までありませんでした。」
実際には、『Stock』を導入した学習塾では、ITに詳しくない65歳の人でも説明なしに使いこなせていると言うから驚きだ。
澤村氏がこれほどまでにシンプルさを追求するのには、「チームの業務ストレスをなくしたい」というポリシーがある。
「情報共有の業務ストレスを取り除く時に、複雑なシステムは必要ないと思っているんです。
実はシステム会社やスタートアップのWebの会社などでも、チームの中でITに明るい人はほんの一握り。チームの大半は必ずしもITに詳しくありません。そうした人たちがストレスなく使えるツールでなくては、チーム全体でしっかりと情報を共有することができませんから。」
自社の課題から生まれたツールが他社の課題を解決
そもそも、この『Stock』はどのような経緯で開発されたのか。
「以前はリンクライブでも、既存のチャットツールを使っていたんです。でも、大事な情報がどんどん流れてしまって後で振り返ることもできませんでした。ファイル共有システムも使いましたが、面倒で誰も見ない。誰も見ないから仕事にならない。
そうした社内の問題をどうしたら解消できるのかと考えて開発したのが、『Stock』でした。」
最初に作ったのは、社内用に短時間で仕上げたシンプルなツールだった。しかし、使ってみると非常に便利で「これはいけるのでは…」と可能性を感じたと言う。試しに周囲のいくつかの企業に紹介してみると、ある税理士事務所が「すぐに使わせて欲しい」と興味を示してきた。
「その税理士事務所さんは、既存のチャットツールなどを使って200社近いクライアントとの打ち合わせ議事録を残していました。でも、何十社といる訪問先とのやり取りを残していくうちにどんどん情報が押し流されてわからなくなり、社内が混乱していたんです。
うちと全く同じ状況だと互いに驚きましたね。」
致命的なミスにつながる情報の取り違いを防ぐために、複数の情報を簡単に管理したい。『Stock』はそんなニーズにぴったりハマった。まだまだ初期段階の『Stock』を使ってもらいながら、澤村氏はニーズをヒアリングしては反映し、一緒に育てていった。
そのうち同じようなニーズを持った企業が1社、また1社と見つかるようになり、自社の課題が多くの企業の課題でもあることを確信した。
2017年9月にプレ版を、2018年4月に正式版をリリースすると、そこからわずか6カ月で6,500社を超える企業登録を達成。業種は税務・会計事務所、学習塾、ネット通販、スタートアップ企業、大学など多岐に渡ると言う。
「ほとんどの導入企業様が、やはり作業の簡単さを評価してくださっています。
ある内装工事の会社さんは、それまで見積もりや作業内容の画像、納期の情報などをファイルを使ってストックされていました。それがスマホでサクサクとストックできるようになり、上司とのメッセージのやり取りも一つにまとまるようになった。
必要な情報は検索機能を使って簡単に探せますから、『こんなにシンプルなツールで、こんなに作業効率が上がるなんて…』と驚かれていましたね。
また、『情報までのアクセス性が高いから多くの情報がチーム内で共有されるようになった』、『情報を確認する回数が増えた』という声も頂いています。」
世界中のチームを、情報共有の業務ストレスから解放したい
現在は国内企業を中心にサービスを展開しているが、澤村氏の視線は世界にも向かっている。
「先ほども言いましたが、私たちが目指しているのは“チームの業務ストレスをなくす”ということです。情報共有に関する余計な業務ストレスを感じているのは、日本だけでなく世界の企業も同じ。『Stock』にはそれを解消できる力があると考えています。」
国内の中小企業から大企業へ、そして世界中の企業へ。『Stock』という非常にライトなツールによって余計な業務の手間が省かれ、効率的なワークスタイルが作り上げられていく。そんな未来を思い描く澤村氏のエネルギー源とは何だろうか。
「ユーザーさんとの直接の会話ですね。使いやすさを追求しているツールだからこそ、本当に必要な機能を搭載していきたいんです。だから、暇さえあればユーザーさんの元へ足を運んでニーズなどを伺うようにしています。」
最近では「今日はみんなで飲みに行こう」「遅刻します」といったノートに紐づかないメッセージをやりとりできる機能も追加した。
公私で複数の情報共有ツールを使い分けることを面倒に感じていたユーザーの要望を反映したものだったが、「チームの情報共有を『Stock』一つに完結できるようになって使いやすい」という声が各方面から聞こえるようになった。
その度に『Stock』が受け入れられていると感じて嬉しくなる、と澤村氏。
商売的なことを言えば、プロ向けのツールの方が特に立ち上げ当初は爆発的な広がりが期待できる。しかし、澤村氏は誰もが簡単に使えるシンプルなツールにこだわり続ける。その真摯な姿勢が多くのユーザーに共感され、6,500社という実績に繋がってきたのだろう。
「世の中にプロ向けのツールは星の数ほどありますから、とにかく多機能なものを使いたい方は、むしろそちらを使って頂いた方が良いと私たちも思っています」と笑う澤村氏からは、確かな自信が溢れて見えた。
「ユーザーの使い方次第で違う課題を一度に改善するのは難しいのですが、細かいストレスをひとつひとつ取り除いて綺麗に研磨していきたいですね。社内用ツールだった『Stock』を現在の形にまで育ててくださったのは、多くのユーザーさんの声ですから。」