株式会社ナビット
福井 泰代
POSTED | 2019.10.20 Sun |
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TAGS | 従業員数:51〜100人 業種:IT・情報通信業 創立:15年以上 決裁者の年齢:50代 商材:BtoB |
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のりかえ便利マップをご存知ですか?
全国の地域特派員を活かしたデータベースの販売Topics
今回のインタビューは、様々なデータベースの販売を行う株式会社ナビットの代表取締役・福井氏にお話を伺います。サービス内容はもちろん、子育てをしながら発明をしていたという経歴、今後の展望などについて語って頂きました。
株式会社ナビット 社長 福井 泰代氏のONLY STORY
【経歴】
1965年生まれ。88年成城大学経済学部を卒業後、キヤノン販売入社。91年、結婚・出産を機に退社。
97年、有限会社アイデアママ設立。98年、「のりかえ便利マップ」が営団地下鉄、都営地下鉄、ぴあなどに採用される。2001年、株式会社ナビット設立。全国の鉄道研究会とSOHOスタッフ64,100人体制で、交通と地域に関わる定期的なデータ収集、調査、コンテンツ制作、企画、システム開発を行う。
主なサービスとして、全国約680万件の情報を収録する法人電話帳、助成金・補助金の検索サービス「助成金なう」、チラシ特定情報検索「毎日特売」サービス、在宅ワーカー支援サイト「Sohos-Style」、その他各種コンテンツサービスや、交通機関のデータベースを大手プロバイダーへ提供している。国土交通省の交通政策審議会専門委員を在任中。2児の母。
データベースでお困りごとを解決する
–まずは株式会社ナビットが手がけている事業について、お聞かせください。
福井氏:弊社は全国に64,100人の地域特派員を抱えており、その方達に協力していただき、地域の情報を集め、それらの情報をデータベース化して販売している、データベース会社です。
–全国にいる地域特派員のネットワークを活かしてデータベースを作成されていらっしゃるということですね。例えばどういったデータベースを作られているのか教えてください。
福井氏:いくつか例を挙げますと、地下鉄に貼ってあるのりかえ便利マップ[※]1や駅の構内図を作るために必要なデータベースを作成しています。後者に関して言えば、例えば駅が改装された時に、弊社で駅の出入り口やエスカレーターなどの場所を調査をしてデータベースとしてを納品しています。
それ以外にも駅の路線図や毎日入ってくるチラシの情報、企業の年商や従業員数などのデータを検索できるシステムをはじめとして、レシピ、開花情報、花火大会の情報、学校や病院などたくさんのデータベースを提供しています。
中でも今新しいビジネスとして注力しているのが、「助成金なう」というサービスになります。これは現在全国で約16,000件もある助成金を検索し、自社にあった助成金を見つけることができるサービスです。
助成金には国が出しているものと、地方自治体が出しているものがあるのですが、「 助成金なう」ではこの地方自治体の助成金の情報を毎週更新し、会員登録者に助成金の情報を提供をしています。
[※]1…のりかえ便利マップ:電車の何両目に乗れば、階段やエスカレーターに近いかが一目でわかるポスター
–助成金の獲得支援をされている企業はほかにもいらっしゃるかと思いますが、その中で「助成金なう」はどのような差別化を図っているのか教えてください。
福井氏:より包括的に、すべての助成金を取り扱うことができる点ですね。というのも既存の助成金支援サービスは特定の助成金にのみ対応しているものが多かったのですが、「助成金なう」では多種多様な助成金に関する情報を得ることができます。そこは大きな違いだと思います。
助成金の中には市役所や区役所に張り出されるだけで、それ以外の情報発信が少ないものも多いんです。そんな情報も全国の地域特派員がいるナビットだからこそ、収集し、提供できています。
そのほかにも助成金を使った自社商品の拡散を行っている点もナビットの特徴です。例えば防犯カメラの会社でしたら、防犯カメラが欲しいという方に対してマッチングし、販路拡大のサポートをしています。
データを扱うからこそ、ニーズがわかる
–起業を決意したきっかけについて教えてください。
福井氏:私はもともと発明が好きで、子育て中に、先ほどお話した「のりかえ便利マップ」を考えました。それが鉄道会社さんの目に止まり、採用していただくことになったのですが、法人でないと付き合えないということだったので法人化したのが起業のきっかけです。
–子育て中に作ったマップが起業のきっかけとのことでしたが、もともとデータベースの会社にしようと思われていたのでしょうか。
福井氏:いいえ、そういうわけではありません。起業後はアイディア商品の販売をしていました。多かったのは鉄道関連の仕事で、全国の鉄道研究会の学生さんをネットワークにしていろいろな駅の調査を行い、地図屋さんに納品していました。
すると色々な全国調査ができるようになり、それと同時に「デパ地下の情報取ってきて」とか「空き家を探してくれ」と、色々なご要望も集まりはじめたんです。ただ学生ではどうしても休日しか働けないので、休日も稼働できる主婦の地域特派員をつくりました。
そうして色々なデータベースを作っていく中で、データベースを集めているからこそ、どこにニーズがあるかというのが分かってきました。そこでお困りごとを解決できるようなものを自社サービスとして展開していき、今に至ります。
地方の助成金はまだブルーオーシャン
–今後の展望について教えてください。
福井氏:今後は「助成金なう」をもっと広めて、お客様をどんどん増やしていくことが短期的な目標です。
じつは地方自治体の助成金は中小企業に向けて、アナウンスを行うことが少ないので、助成金のほとんどが募集定員に満たないまま期間が終わってしまいます。つまり助成金の情報が求めている層に届いていないということなので、もっとこのサービスを広めていき、お客様を増やしていきたいです。
–その後の長期的な目標はいかがですか。
福井氏:会社拡大に向けて様々なことをしていきたいと考えています。
具体的に考えていることはデータベースの多言語化です。直近の話で言いますと、2020年のオリンピックがきた時に日本の検索エンジンで海外の方が検索をしても内容を理解できるように、多言語化を進めていき、10年ほどで8言語対応可能にしたいと思います。
–社会的にはどんな役割を果たす企業になりたいとお考えですか。
福井氏:弊社は「あったらいいなを形にする会社」ですので、みなさんが欲しい、あったらいいなと思うものを今後もどんどん作っていき、オンリーワンな商品・オリジナリティあるサービスをどんどん展開していきたいです。
–最後に読者へのメッセージをお願いします。
福井氏:地方自治体の補助金や助成金はほとんどアナウンスがないのでまだブルーオーシャンです。興味のある方はぜひお問い合わせください。
執筆=スケルトンワークス
校正=笠原