株式会社ネクスウェイ

松森正彦

業務・販促・営業マーケのコミュニケーションを支援

FAX・郵便は低コストで全国に届くリアルメディア
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今回のインタビューは、BtoBのコミュニケーション支援を展開する株式会社ネクスウェイ代表取締役社長の松森氏に、今なぜリアルメディアなのか、今なおFAXが多く利用されている理由などについてお聞きしました。

株式会社ネクスウェイ 代表取締役 松森 正彦氏のONLY STORY


【経歴】

1968年、長野県松本市出身。1991年、東京大学工学部機械工学科卒業。1991年、株式会社リクルートへ入社し、約10年に渡りシステム開発を担当。2001年、リクルートの社内ベンチャーとして誕生した株式会社リクルート・アバウトドットコム・ジャパン(現・株式会社オールアバウト)へ転籍し、ジェネラルマネジャーを務める。事業変革の中で退職後、楽天株式会社にて楽天市場の編成業務に関わる。

2011年、リクルート時代に現在ネクスウェイの基幹サービスである『FNX一斉同報サービス』(https://www.nexway.co.jp/service/doho/)を開発していた縁からネクスウェイへ復帰。2019年4月に代表取締役社長に就任。趣味はトレイルランニング

97%の高い継続率が示す顧客満足度


––まず、株式会社ネクスウェイの事業内容からお伺いします。

松森氏:弊社はBtoBシーンで利用されるコミュニケーションサービスを提供している会社です。使用されるシーンは大きく2つあり、1つが業務連絡や受発注などの業務ミュニケーション、もう1つが販売促進・営業などのマーケティングコミュニケーションです。それぞれの場面でFAXや郵送といったリアルメディアを中心にサービスを展開しています。また最近ではチェーンストア向けコミュニケーションツールやSMS配信ツール、インサイドセールス支援など、新たな分野のサービスも手掛けています。

1つ例を上げると、宿泊施設に泊まるときやレストランで食事をするとき、Webサービスから予約されることがあると思います。その予約連絡は、メールや専用のツールで届けられる以外に、旅館やレストランに予約FAXという形で送られるケースがあります。実はそのようなお店はまだまだ多く、私たちはそういったFAX送信に最適な仕組みを提供しています。

––FAXの利点はどういうところにありますか。

松森氏:それなりの設備投資が必要な方法と異なり、FAXは電話回線とFAX機さえあれば受信できます。つまり、受け取る側がコストをあまりかけずに、全国津々浦々に情報を届けることができます。加えて、誰でも簡単に扱えることや、物理的に紙が出てくるので視覚的にチェックしやすいところも利点です。

「FAX」というと日本のガラパゴス化の象徴のような捉えられ方をされることがありますが(笑)、コストや伝達力の点から、実はかなり優秀なメディアなんです。私たちも正直2020年になってこれほどFAXが使われるとは考えていませんでしたが、まだ需要があるということは、FAXの強みをしのぐメディアが現れていないと言えると思います。

––リアルメディアのサービスで圧倒的なシェアを誇る御社の強みはどこにありますか。

松森氏:単に機能を提供するのではなく「お客様へ価値を提供する」という点に徹底的にこだわっている点ですね。どうしたら有効に使っていただけるか、どうしたらお客様のビジネスの結果に結びつけることができるのか。私たちは「とことん現場感を持って、伝える・伝わる・つながる・動くを実現します。」というビジョンに表わし、体現しています。

想いが根底にあるからこそ、スタッフ一人ひとりが原稿に関するアドバイスをしたり、ツールを改善したりという行動につなげることができています。その結果がクライアントの継続率97%という実績につながっているのだと思います。

まだまだ必要とされるFAX事業の喜び


––社長就任までの経緯をお聞かせください。

松森氏:私は大学を卒業してから10年間この仕事に携わり、一旦は転籍しましたが、かつての同僚に誘われ2011年に再びネクスウェイに戻って来ました。

インターネットが浸透し、FAXは先が見えたと誰もが思っていた時代背景の中、弊社もFAXに代わる新たな事業開発に迫られていました。その積年の課題に貢献したいという想いと、もともと私はこの事業が大好きだったことが舞い戻った理由で、社長になるなんて想像もしていませんでしたね。

––なぜ、この事業が大好きなのでしょうか。

松森氏:良い社会、つまりみんなが幸せな社会というのは、可能性に満ち、選択できる社会だと私は考えています。誰もが自分のやりたい事業を行うことで社会に貢献することができ、あらゆる人がその事業を利用して生活を豊かにするような社会です。

このような社会を実現するとき、低コストで日本の隅々まで情報を届けることができるコミュニケーション手段は必要不可欠です。先ほど挙げた例で言うと、旅館やレストランに情報を届ける手段ですね。

今はFAXがその役に立っているわけですが、今後異なるメディアが出てくるかもしれません。メディアがどう変わっても、可能性に満ち、選択できる社会に貢献できることが私の喜びなのです。

サービスを止めない!継続こそが存在意義


––今後の事業展望をお聞かせください。

松森氏:私は会社の規模を追うよりも、少数精鋭のメンバーがそれぞれに大きな価値を生み出す会社でありたいと思っています。個人的には1人1億円を稼げる会社という目標があります。現在はだいたいその7割くらいなので、十分達成可能な目標だと思っています。

それ以外に目指していることとして、お客様が利用しているサービスをこちらの都合で辞めないということがあります。「継続こそ会社の最大の存在意義」と言われるように、弊社のサービスを活用して事業が成り立っている多くのお客様を思えば、継続することが第一の責務と考えています。今後はFAXユーザーも減ると思われますが、サービスは継続していくために、次の柱となるべき新ビジネスを育てていかなくてはなりませんね。

––FAXユーザーが減ることをどう考えていますか。

松森氏:時代の変化に合わせてコミュニケーションの形が変わるのは当然です。弊社としては、FAXを使い続けてもらう利益を思うあまり、つい気持ちが守りに向かい「世の中が変わらなければいい」といった意識に陥るようなことはしたくないですね。

FAXを使うことが最適であるお客様は使い続けていただくと共に、新しいコミュニケーション手段が適しているお客様には次のサービスを提案できるような準備を進めているところです。

––ありがとうございます。最後に、読者へのメッセージをお願いします。

松森氏:扱っているサービスはFAX、郵送などの昔からあるものが多いのですが、お客様の課題を捉え、様々な新しい取り組みも進めています。他の会社さんとも協力して、真に価値を実現できるサービスを創っていければと思います。

学生さんには、「世の中の隅々にまで届くようなコミュニケーションに興味のある人よ、来たれ」、そう伝えたいと思います。

執筆=増田
校正=笠原

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