株式会社マイファースト
吉田ひろこ
POSTED | 2017.08.17 Thu |
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TAGS | 従業員数:5人以下 業種:製造業 創立:11〜14年 決裁者の年齢:50代 商材:BtoC |
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商品開発で誰かを喜ばせたい、人を笑顔したい!
想いやアイデアを形にする企画プロデュースTopics
株式会社マイファースト 代表取締役 吉田ひろこ氏のONLY STORY
孤独で辛かった子育て。そこから生まれた「はじめての傘」
私は大学卒業後、証券会社に入社しました。でもバブルがはじけた後、そこはやめてしまいました。その後、半導体メーカーの営業を10年ほどやりました。当時は横浜の営業所の立ち上げにも携わったので、すごく大変でしたね。
営業をやめたあとは主婦として家庭に入り、子育てに従事しました。でも子供を持ってすごく辛い経験をしたんです。突然仕事を辞めると、すぐにはお母さんのコミュニティに入れないんですよ。主人も月の半分は出張でいなかったですし、両親にも子育ての手伝いをしてもらえませんでした。そんな環境でずっと子供を育ててきたんです。孤独でした。
特に、雨の日は憂鬱でした。子供が傘を持って外に出たがるのですが、骨組みに髪の毛をはさんだり、指を挟んだりといった危険もあったし、一番嫌だったのは隣の家の車を傘でひっかいちゃったりしたんです。それに対して謝りに行くのも辛かったですね。
それでも子供は傘を持ちたがるんですよ。子供の好奇心や自立心を育むには、そういった「なんでも自分でやりたがる時期」が大事なんですが、親にとってはすごく大変です。私もそうでしたが、親はダメって叱ってしまうんです。その後で「なんで叱ってしまったんだろう」とすごく反省するんです。
そんな時にコンサートグッズで、ビニール素材で使用するときだけ膨らます傘があることを知りました。「これだ!」と思いましたね。ビニールの膨らませる傘なら、金属の部分による危険がなくなるので、親の負担を減らしつつ、子供の自立心も養うことができると思ったんです。このアイデアは絶対に形にしたいと思いました。
主人は普段から「開発というものは人を笑顔にするものだ」と話してくれていました。私の商品開発に対する考え方は主人の影響を強く受けていると思います。便利になることで人に喜んでもらいたい。商品というものはそんな思いで作られているんだと思います。
しかし、ビニール会社に電話したら「主婦だから」という理由で取り入ってくれませんでした。作ってくれる会社が見つかっても、変なものが納品されたこともありました。形になるまで1年くらいかかり、ようやく完成したのが「はじめての傘」です。
その後、せっかくなのでインターナショナルギフトショーに出品しました。そうしたら大手企業も参加する中で新製品コンテスト準大賞をいただいたんです。個人事業主が受賞したということで、当時のメディアにすごく取り上げてもらいました。
こうして「はじめての傘」を開発したことで多くのお母さまを笑顔にできました。そして、これだけに留まらず、様々なアイデアを形にしたいと思うようになりました。
「多くの人のはじめてを始めていきたい」。そんな想いで株式会社マイファーストとして法人化に至りました。
お客様の本当の想いを形にする企画プロデュース
株式会社マイファーストは、お客様の立場から企画プロデュースを行っています。ホームページや企業案内、キャッチコピーなど幅広い提案をしてきました。お客様が何を求めているのかって中々わからないんですよ。だからこそ私たちは徹底的にお客様のことを考えて、どうしたら喜んでくれるのかをとことん追求します。
昨年は中国の大手傘メーカーと、キッズブランドの新製品開発のプロジェクトリーダーを務めました。そこで中国と日本の商品開発の違いを痛感しました。中国では事前調査をほとんどせず、デザイナー個人の考えで商品が開発されるんです。なので多くの在庫が発生し、売れ残ったものを格安で販売していました。それってブランドの価値を大きく低下させていると思いませんか?なので、マーケティングに重きを置く日本の商品開発を提案しました。
アメリカで販売する商品のキャッチコピーを考える企画も承りました。でも、私たちは日本人なのでアメリカ人に受け入れられるものを考えることはとても難しかったですね。そこで、アメリカ人の旦那さんを持つ方と一緒に作成しました。
私たちはこうした、仲間やパートナー企業など一丸になって、お客様に対して一歩踏み込んだ企画提案を行っています。お客様が考えもしなかった提案をして、もっともっと笑顔になってもらいたいんです。
お客様、実際にその商品を利用する方々、一緒に制作する仲間、みんながハッピーになるような商品開発をしていきたいですね。
誰かを笑顔にする商品開発を目指して
私個人としては、これからセミナーや講演を通じて自分が経験してきたことを伝えていきたいです。女性として、親として、開発者として感じたことを伝えたい。特に女性が働くことについてですね。女性って男性に比べて器用なんですよ。いろんなことを一回にできるんです。なのに、男の社会に入ることはすごく難しい。そういったときにどうすればいいのかということをお話していきたいと思います。
企画プロデュースとしては自分たちのオリジナル商品を作りたいですね。あとは開発したものをOEMを通していろんな会社様にも利用してもらいたいです。私たちが本当にやりたいことは開発ですので、そこに特化した活動をしていこうと思います。
私たちの商品開発の根底にあるのは「誰かを幸せにしたい」という純粋無垢な想いです。これからもお客様と共に、みんなが笑顔になるような商品開発をしていきたいですね。