昭和精工株式会社

木田 成人

時代に合わせて「ものづくり」を変えていく

自動車部品から食品容器まで、金型製作は多岐にわたる
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昭和精工株式会社 社長 木田 成人氏のONLY STORY

事業内容は多種多様、臨機応変に


私たちが日常的に手にする缶コーヒーや缶ビール。
その金型を作っているのが、昭和精工株式会社だ。
ほかにも自動車部品や医療器具の加工など、さまざまなものの金属加工を行っている。

現在の主な事業内容は食品容器の金型作りだ。
しかし、創業当初は自動車会社で働いていた前社長の経験を生かし、
別のものを作っていた。

だが時代の流れは早い。
いつまでも同じものだけを作っていては取り残されてしまう。

「創業当初は高度経済成長期でした。
アメリカやヨーロッパから新しい技術がどんどん入ってきていました。
それを自分たちの技術として習得し、日本の市場に送り出すことはとても大変でしたね」

臨機応変に事業内容を変更することで、昭和精工株式会社は時代の波に乗り、成長し続けてきた。

未経験でも、丁寧に技術を教える


昭和精工株式会社を創業したのは、木田社長のお父上。
もともと自動車会社に勤めていた前社長は、労働者の権利を守る活動に注力していた。
しかし職場環境はなかなか改善しない。
前社長は「働く人が幸せになれる会社」を作ろうと思い、昭和精工株式会社を設立した。

創業当初、工場は自宅の裏手にあった。
木田社長は、汗だくになって働く父の姿を身近に感じながら育った。
しかし工場を継ぐ気にはなれず、教員を目指して勉強に勤しんでいた。
そんな木田社長は、なぜ前社長の跡を継ぐ気になったのか。


「『小さな工場だから、兄と一緒に父を助けてやってくれ』と母に頼まれたんです」


 教師になるため史学科に進学した木田社長には、
即戦力となれるような技術は何もなかった。
先に入社していた先輩が手取り足取り教えてくれたそうだ。

「学校で習うことと、社会で必要なスキルは違います。
必要なことを1から丁寧に教え、会社の一員になってもらうことが大切だと思いますね」

なるべく早く技術を学び、戦力になってもらいたい。
その思いから、昭和精工株式会社では充実した教育プログラムを用意している。
先輩社員はそれに従い、後輩に技術を教えている。

規模ではなく、安定を求めて


2014年、昭和精工株式会社は創業60周年を迎えた。
新入社員が定年を迎えるころには創業100周年となる。
その先、ずっと続いていく安定した企業にすることが木田社長の目標だ。

「売上を何十倍にするというよりも、安心して長く勤め続けられる会社を目指しています。
一部の人にとっては、それは面白くないことでしょう。
ですから、安定していることに価値を感じる人が集まってくればいいと思っています」

また、全社員のうち30パーセントを女性社員にすることも目標の一つだ。
2015年度の新入社員は4名中3名が女性。
来期も3名の女性社員が入社してくる予定となっている。
ここ3、4年、求人を出すと女性社員の応募が目立つようになってきた。
木田社長の目標には、着実に近づいている。

木田社長から若者へメッセージをいただいた。

「いつまでも誰かに頼ってばかりではなく、
1人で生きていくんだというタフな思いを忘れないで持っていてください。
人生は長いので、失敗しても後から取り返しがつきます。
決められたレールから外れてしまっても、チャンスはいくらでもあるのです。
諦めずに夢に挑戦してください。

例えば医者やパイロットなど、実現が難しい夢もあるでしょう。
しかし医者になれなくても医療現場で働く方法はいくらでもあります。
パイロットになれなくても、飛行機の整備をしたり飛行場で働くことはできるでしょう。
夢だったものの近くで働けるということは、夢がかなったことと同じだと思います」

木田社長の夢は教師になることだった。
現在は社長となっているが、若い社員に技術を教える機会も多い。
「教える」ということにスポットを当てれば、木田社長の夢はかなっているのではないだろうか。

編集後記


今回、インタビュー後に木田社長の案内で工場内を見学することができた。
工場内に展示ブースがあった。
そこで缶を作るまでの工程やその中で使われる機械を見ることができた。
いつもはどのように作られているのか気にすることが少ない缶の蓋についている、
指をひっかける部分を作るのにも一度にあの形ができるのではなく、
何度も何度も違う作業がされてやっと形ができることを知った。

このインタビュアーを機に今後は様々な「ものづくり」について知りたいと思った。

昭和精工株式会社の住所や電話番号、採用・求人等が載っているホームページはこちらから↓

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