株式会社マーユ
中田 耕市
POSTED | 2016.09.05 Mon |
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TAGS | 従業員数:5人以下 業種:製造業 創立:15年以上 決裁者の年齢:70代 商材:BtoC |
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想い出の写真、レザーに残しませんか。
素材を問わぬ印刷技術で特許申請。オリジナル・モノ作り企業。Topics
株式会社マーユ 社長 中田 耕市氏のONLY STORY
コンピューターからレザーブランドへ。
株式会社マーユは、レザーブランド製造・販売・卸を主軸とした会社です。では、昔からアパレルを目指していたかと聞かれたら、答えは「No」。マーユ設立までは、ずっとコンピューターの世界を歩いていましたから。
日本初のパソコンショップの店長に就任した私。今でこそのパソコンですが、当時は隆盛期。世界的IT企業のトップになっているような人たちが、こぞってアルバイトしていた店を私が取りまとめていたんです。「パソコンを使って何か面白いことが出来ないかな」と、テーブルゲームのインベーダーや、コンピューターゲームのスタンダードとなる基盤を開発。ゲームだけでは飽き足らず、コンピューターの開発に本格的に着手しました。
その中で得たのが、熱で転写できる印刷技術でした。Tシャツに似顔絵を印刷してコンピューターショーに出展してみたら評判が良くて。海外ビジネスに長けたパートナーを探し、海外マーケットへ進出しました。立ち上げた企業は、世界十数国に関連会社を持つ100億円企業にまで成長しましたね。
諸事情あって倒産してからは、IT技術の研究機関を経てマーユの前進となる会社を設立。CD-ROMライターやバーコードの発券機など、様々なものを開発・発表しました。売れ行きに波はあったものの、10年間で100回はメディアで取りあげられましたね。
2000年に、蛇皮を扱う会社の社長と知り合ったことから、インパクトの強い蛇皮とクロコダイル皮を専門にした「革の加工業」をスタート。ある日、お客様から「革に飛行機の絵をプリントできないか?」とご要望を頂き、挑戦してみたら成功したんです。それから様々な素材への印刷に挑み、何にでも印刷できる技術を特許申請できるまでになりました。
コンピューターとアパレル。異なる世界で一貫していたのは、「何か面白いことが出来ないか」という思いでした。自分が面白いと感じたことを、知識とスキルを活かして具現化する。畑違いだったからこそできた挑戦だったと思いますね。
コンピューターとアパレル。異なる世界で一貫していたのは、「何か面白いことが出来ないか」という思いでした。自分が面白いと感じたことを、知識とスキルを活かして具現化する。畑違いだったからこそできた挑戦だったと思いますね。
どんな素材もおまかせあれ。
日本製手作りの「オリジナル・モノ作り企業」として、「革製品」「マスクお面製品」「お米プリント」の3つに注力しています。一番の強みは、やはり「どんな素材にも印刷できる」ということですね。
2009年に開発したのが、写真から実物大の立体リアルマスクを作り出す技術です。テーマは、「終活に立体のものを残そう」。私も人生の後半を迎え、遺影を2Dではなく3Dで作れたら、ありのままの自分のイメージを残せるのではないかと思ったんです。この技術は、民放各局はもとよりNHKでも紹介され、大きな反響を頂きました。現在は遺影だけでなく、ライブやイベントなどで使う業務用リアルマスクのご要望も増えています。
「お米プリント」は、文字通り米粒に写真を印刷する技術です。米粒のサイズは、高さ約4〜5mm、幅に至っては3mm程しかありません。表面もデコボコしていますから、ここに写真を入れるのは非常に難しいんです。でも、うちの技術であれば綺麗に印刷ができます。米粒に文字を書いたり、絵を描いたりして、御守りや記念品としての引き合いが多いですね。もちろん、米1粒から印刷を承っています。こちらも全国放送のビジネス番組で紹介され、コーナーの年間入賞も頂きました。
1990年から、古い写真や絵画、浮世絵などの色あせた部分や傷んだところを補正・修正するサービスも始めました。同様にこれら画像のデータもストックする事子になりました。一般のお客様はもちろん、最近では国公立の学校や公官庁、新聞社、広告代理店などからの引き合いも増え、これまでに100万枚にも上る写真の補正・修正とこれら画像の販売を手がけてきました。細かいディテールまでを画像処理で再現できますから、歴史的な観点からも意義のあるサービスだと思いますね。
規模は小さくても、意義の大きなビジネスを大事にする。
自社の商品としては、羊皮紙を使った自分史など、その人のためだけの特別な本を作成したら面白いのではないかと考えています。江戸時代の絵画等を公共の場に印刷するのも楽しそうですし、もっと多くの素材に印刷できるようになりたいですね。
一番強いのは、マーユオリジナルの印刷技術を、個人や中小企業のために活かしたいという思いです。「どんなものでもプリントできる技術」や「日本画や美術品等の修正技術とこれら画像データの販売」は、企業様のアイデアや製品を具現化するのに必ず役立つはずです。
規模は小さくても、大きな意義のあるビジネスを大事にしていきたい。そして、ただ規模を追うだけのビジネス形態から、新たなビジネス形態が広がっていけば良いと思います。私たちの技術が、その活力源になれたら嬉しいですね。