株式会社渡久クリエイト
渡部悠
POSTED | 2020.04.15 Wed |
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TAGS | 従業員数:11〜30人 業種:製造業 創立:15年以上 決裁者の年齢:その他 商材:BtoC |
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美容機器の企画・開発・製造・販売までワンストップで
日本のものづくりを日本・海外に発信し、社会を元気にTopics
今回のインタビューは、美容機器の提供を通してお客様にキレイを届ける株式会社渡久クリエイトの渡部氏にお話を伺いました。ワンストップで美容機器の企画から製造まで行う同社の取り組みや渡部氏のものづくりに対する想いについて語っていただきます。
株式会社渡久クリエイト 専務取締役 渡部 悠氏のONLYSTORY
日本製にこだわった美容機器製造
–株式会社渡久クリエイトの事業内容を教えてください。
渡部氏:弊社は美容機器に関することであれば包括的にサポートができる美容機器の開発・製造会社です。美容機器の企画・開発・製造・販売までをワンストップで行っており、「お客様にキレイを届ける、お客様の明日をキレイにする」ことを目指しています。
–「お客様にキレイを届ける、お客様の明日をキレイにする」とのことでしたが、どのような美容機器を製造されているのでしょうか。
渡部氏:私たちが手掛ける美容機器の種類は大きく2つあります。1つはOEMで製造するもの、もう1つが自社ブランド『WQC』の商品として製造するものです。
OEMでは、クライアントが持っている「こういう商品を作りたい」というアイデアを私たちが形にしています。協力会社と連携して、「その商品のための部品」を1つ1つ作っていますので、世界にひとつしかない商品の製造を承ることが可能です。
『WQC』に関して例をあげると、『BEAUTRE』という電動美顔器があります。『BEAUTRE』は筋肉に電気刺激を与えて収縮させるEMSを使用した電動美顔器で肌の新陳代謝をアップさせる効果があります。
他にもエステサロンで受けるような施術を自宅で受けられるような機器を作っています。
‒他者との差別化をはかっている点や強みを教えてください。
渡部氏:海外に生産を委託せずに日本での生産にこだわっている点は、昨今のインバウンドの流れを受けて、自社の強みになっていると思います。日本で製造することのメリットは、安全性が高いこと、耐久性が高いこと、小ロットでの生産が可能であることの3つです。
安全性に関して言えば、弊社では製品の安全チェックをすべて人の手で行っているんですね。10年以上働いているベテラン社員は、音を聞くだけで商品のどこが悪いのか即座に判断することができる、いわば職人。このように丁寧に製品のチェックを行っているので、機械を使わずとも精度の高い商品を生産できています。
そのため、商品の不良率も3%以下。これは業界の中でもとても低い数字なんです。美容機器は基盤構造が複雑で、加えて製品自体が小さいため部品も最小限のものを使用することになります。そのあたりを加味すると不良率は5%でも優秀と言われるので、株式会社渡久クリエイトの3%以下という数字は大きな特徴だと言えますね。
‒日本製だからこそ実現できる高品質と小ロットの製造が強みだということですね。
渡部氏:はい、その通りです。
そのほかにOEMについて言えば、企画から製造までワンストップで行っているので、レスポンスがとても早いことが特徴です。
大体のメーカーは自社で工場を持っていないので、改良したい点を伝えても下請け会社まで話を通さなければならないため、レスポンスが遅くなることが多いんです。その点、株式会社渡久クリエイトは製造のすべて自社工場で行っているので、対応が早いとご好評をいただきます。
「父の意思を継ぎたい」と思い継承を決意
‒専務取締役というポジションにつくまでの経緯を教えてください。
渡部氏:株式会社渡久クリエイトは私の父が創業した会社で、現在も父が代表を務めています。幼少期から父の経営を見てきたため、私も自然とものづくりに興味を抱くような子供に育ちました。
その後、高校からアメリカに渡り、大学では機械工学やメディアを勉強して、帰国後は名古屋の商社に入社しました。その会社もものづくりを行う企業で、私はメカトロ部という効率化を進めるために機械を導入する部署に配属されました。
実際に生産の現場に触れることで、自分でもものづくりをしたいという気持ちが膨らんできました。そこから「自分の父の会社をもっとよく見てみたい」と思うようになり、株式会社渡久クリエイトに転職しました。
‒もともと「いつか事業を継承したい」と思われていたわけではないんですね。
渡部氏:そうですね、事業を継承しようと思い始めたのはごく最近です。ただ父が30年間積み重ねてきたビジネスを父の代で終わりにするのか、別の方に継承するのかと考えたときに、「私が継ぎたい!」と思ったことが継承に至った一番大きな理由です。
低価格でニーズを満たすDtoCへ
‒今後の目標について教えてください。
渡部氏:売上を前年比の10%以上に上げることを目標としています。その中でもっとも重要となるのか粗利だと思うので、企業努力によって粗利を高め、別の事業に繋げていきたいと考えています。
‒別の事業とはどのようなものを考えていますか。
渡部氏:現在扱っている商品は30代以上の女性をターゲットにしているのですが、ここ3年の間にティーン向けや男性向け、シニア向けなどの商品を開発して、事業の柱を増やしていきたいと思っています。
‒3年以降の長期的な展望はありますか。
渡部氏:長期的には、現在のBtoBモデルをDtoCにシフトしていって、より低価格でユーザーに寄り添った商品開発が実現できる会社に成長させていきたいです。
また、日本はアイデアとものづくりで発展してきた国だと思うんですよね。そこにデジタルを組み合わせることでより発展していくはずです。ただ現状、デジタルの部分が弱いために諸国に後れをとっている。しかしものづくりに関しては、どの国よりも優れていると感じています。
だからこそ、私たちがものづくりをしている1つの会社として、日本の方にも海外の方々にも、日本のものづくりの素晴らしさを発信していきたいと考えています。そうすることで、日本人は自分たちの国に改めて誇りを持つことができる。それが日本全体が明るくなることに繋がると信じています。
執筆=スケルトンワークス
校正=笠原