株式会社ルーツ

高橋清馬

座る・立つ・歩く…高齢者のQOL向上に貢献

「運動とマッサージのリハビリデイサービスえがお」
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高齢者のために開発されたトレーニングマシンと、各分野の国家資格者によるマッサージで、独自のリハビリデイサービスを運営する株式会社ルーツの高橋氏にインタビューしました。

株式会社ルーツ 代表取締役 高橋 清馬氏のONLY STORY

高齢者用マシンとマッサージによるリハビリ


–まず、株式会社ルーツの業務内容を教えてください。
高橋氏:弊社はハワイ商品の通信販売事業と、運動とマッサージに特化した介護予防施設「運動とマッサージのリハビリデイサービスえがお」の運営および脳梗塞をはじめとする脳血管障害の専門リハビリテーション店舗の開設を予定している会社です。

2つの事業の中でも、より力を入れているのが介護予防施設の運営で、現在は杉並区の荻窪、阿佐ヶ谷エリアを中心に2年に一度のペースで出店しています。各店では比較的自分で体を動かすことができる方を対象に、1店舗あたり100人近くの介護認定を受けた利用者さまに利用して頂いています。
–リハビリとマッサージを行なっていると伺いましたが、具体的にはどういったことを行っていますか。
高橋氏:リハビリでは、専用に開発されたマシンを活用し、人間の基本動作である「座る」「立つ」「歩く」の3つを伸ばすトレーニングを行なっていただきます。その際には利用者全員の体力データを日々把握している介護職員が側で見守っているので、利用者御本人にもご家族の方にも安心していただけます。

マッサージに関して言いますと、弊社の機能訓練指導員には、柔道整復師、按摩マッサージ師、鍼灸師といった国家資格を持つプロがそろっているんですね。トレーニング後、そのプロたちが利用者の体調や病歴に合わせ、30分程度マッサージをしています。

高齢者にとっては体力の維持が向上に等しいと考えています。そして身体は何もしなければ退化するばかりです。そうならないための介護予防・老化予防に向けたリハビリを行なっています。

–介護施設は多くあると思いますが、御社ならではの強みはどういうところにあるとお考えですか。
高橋氏:専門のマシンと各専門家のマッサージの組み合わせは弊社独自のものなので、これが他社との差別化になっており、強みでもあると思います。

身体に直接触れてメンテナンスをするマッサージはスキンシップでもあり、また他愛ない会話を重ねることは心のメンテナンスにもなります。マシンで科学的な数値を見ることも大切ですが、人は体の機能だけではなく、心に笑顔をもって生きることも大事だと考えていますね。

「えがお」で高齢者を笑顔にしていきたい

–なぜ、現在の介護事業を始められたのですか。
高橋氏:私は三世代同居の家庭で幼少から人生の大部分を祖父母とともに過ごしてきたので、いつか介護に携わりたいという想いを持っていました。しかし大学卒業後は介護の仕事を始めるのではなく、銀行員として働き、その後会社の資本金すらそろえられないまま若気の至りで独立し、通販の個人事業をスタートさせました。
通信販売事業は業歴18年となり現在も鋭意継続中です。その後2014年に、鍼灸師の資格を持つ子供の頃からの親友とこの事業を始めようということになったんです。その親友は高齢者に対する意識が非常に高く、優しく温かで、その上誇らしい技術と人間性を合わせ持っており、私もいつか介護事業をと考えていたタイミングだったので、一緒に今の事業を始めるに至りました。互いの決意が固まった段階で、彼の優秀な後輩をこの事業立ち上げに誘い、3人でそれぞれの得意分野を活かしながらゼロからスタートしました。
–そこまで、介護事業にこだわるのはどうしてでしょうか。
高橋氏:介護事業を始めた頃に祖母を看取ったことが大きく影響していると思います。96歳の元気なおばあちゃんで、私の娘をおぶったりしていたのですが、インフルエンザで入院し2週間で寝たきりになってしまいました。身体が動けなくなれば、あの齢ではすぐに衰え、ボケてしまいます。
思い出すたびに憤慨しますが、医療とは名ばかりで、点滴をつないでベッドに縛り付け、オムツ交換は手間がかからないように5枚重ね。挙句の果てには、それが原因となり尿路感染症で40度の熱が出て、致命傷となりました。
もう最期も見えたので家で看取ろうと家族で話しあい、「退院は無理」と一点張りの院長を振り切るようにして連れ帰りました。
そして母の献身的な介護の末、祖母が長年愛した自宅で家族に囲まれて息を引き取りました。

高齢になると当然に体が不自由になります、けれど不自由だからと全てやってあげるのはベッドに拘束されるのと同義で、多少しんどくても自分の意志で動かすこと、本人の生きる意志を尊重し誘発することが大切なんだと思い知らされました。この出来事が介護事業を始めようとしていた私の背中を強く押してくれたのは間違いないですね。
–一生懸命に接していても、遠からず別れのときを迎えるのは避けられませんが、それについてはどう受け止めているのでしょう。
高橋氏:毎日利用者様達に接している介護職員の皆さんは「悲しい」「やりきれない」と言います。死は致し方のないことです、そこはある種達観していると思います。
弊店の各管理者は元利用者さんの訃報が入ると、行ける社員を連れて必ずお顔を見に、手を合わせに、お線香をあげに行ってくれるんです。その方が既に退所していようが関係なく、すべて自発的に、数分を惜しむタイトな日常の中で。

遠からず必ず死の別れがあるのを誰よりよく知っているからこそ、いま接していられる時間を大切に、惜しみなく、全身全霊で任に当たってくれているように僕の目には映ります。
本当に頭が下がります。

また利用者様は持病の悪化等で入院してしまうことも多く、その場合多くは「えがお」を退所することになります。
ところが、えがおの介護職員の皆さんは売り上げなどにはならないのに、時間を作っては入院先に様子を見に行ってくれたりするんです。

仕事の後に都合のつく人たちで待ち合わせて店の車に乗り合って病院へ御見舞いや誕生祝いに行くんです。もちろん業務外のボランティアで。

サプライズなことが多いので、病院や施設で単調な時間を過ごしていた元利用者さんは満面の笑顔でお喜びになられます。えがお卒業後の皆さんの様子や、元気になったらまた待ってますよとお話している間も、えがおの介護職員の手をずっと握っていらっしゃる。

目に涙を浮かべて嬉しそうに今の体調やご家族のこと、えがおでの思い出話をずっとされるんです。こんなに美しい時間があるのかというくらいの、最高の瞬間です。
トレーニングとコミュニケーションで築いた人と人のつながりからは、家族同様の絆も生まれます。「えがお」に通っていてよかったと思ってくれているだろう表情を見ることができた瞬間、私はこの事業に一員として関われたことに深く感謝します。

人と人は欠如を埋め合いながら生きている


–事業の短期的な展望について教えてください。
高橋氏:短期的には店舗数をまず5店舗にしたいと思います。現在ある店舗は常に定員いっぱいなので、ご要望が届いても断り続けるしかありません。この状況を変えるためにもお声をいただける限りはその声にお応えできるような体制を作っていくのが私たちの役割だと思います。
–社会にとってこういう会社にしていきたい、といった長期的な目標はをありますか。
高橋氏:杉並区の中で介護事業を続け、地域に密着した介護施設になることが第一にあります。
数字的には20店舗くらいが良いコミュニケーションをとりながらバランスコントロールできる店舗数かなと考えています。
が、介護から少し離れたところで考えているものもあります。
それがもう1つの予定事業である、脳梗塞をはじめとする脳血管障害の専門リハビリテーション店舗の開設運営です。

今は高齢となる前に、脳梗塞などの脳疾患で倒れ、後遺症のために社会復帰できない方が多くいます。後遺症が残りながらも退院を余儀なくされその後通院しますがリハビリ期間が決まっています。医療保険から介護保険に移行してリハビリをすることができますが、これも回数が限られます。それ以上のリハビリを望もうとしても受け皿がほぼないのです。
そうした方々の受け皿になるような事業をと考えていますが、その場合の利用者負担は10割。利用者も限られることから、果たして経営が成り立つものか不安も大きいです。しかし事業の成功に向け、あれこれと模索している段階です。
–読者へ向けメッセージを。
高橋氏:命は生まれながらに欠如を内包し、それを他者から満たしてもらう、自分も他者を満たすためにある、ものだと思います。
誰しも高齢になれば足腰はじめ体が衰えますが、これを「欠如の内包」と考えたとき、我々の事業は他者を満たす意義を持ち、人と人とが欠如を埋め合うことで、生きていることの喜びを実感できるのだと思います。

弊社の「えがお」はまさにそれを具現した事業であり、この事業の一員として携われていることに、この上ない喜びを感じます。興味を持っていただけましたら、ぜひご連絡ください。
執筆=増田
校正=笠原

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