株式会社生き直し

千葉龍一

誰もが生き直せる社会を目指す、更生・就労支援企業

年2万人出てくる出所者の自立を助けるシェアハウス
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株式会社生き直し 代表取締役 千葉龍一氏のONLYSTORY

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今回のインタビューは、刑務所から出所した人に向けたシェアハウスの運営を行う株式会社生き直しの千葉氏にお話を伺いました。自らの過去に向き合いながら、出所者だけでなく全ての人が生き直せる社会を構築したいという想いを抱く千葉氏に同社の事業内容、起業の経緯、そして未来への展望を語っていただきます。


【経歴】

1982年、東京都西東京市出身。創価大卒。獨協大学ロースクール卒。大学時代に自らハンドルを握るクルマで交通事故を起こし、助手席にいた高校時代の野球部の友人を亡くし、人生のどん底へ。『自分が生きることは許されない』と思うようになる。しかし、野球部の仲間やたくさんの友人に助けられ、自分の命の使い方は誰かのためにあるべきだと決意。その後、縁があり2013年日本駆け込み寺の門をたたくことに。

駆け込み寺で、玄秀盛の師事を仰ぎ成長し、刑余者の支援をすることに。2014年一般社団法人再チャレンジ支援機構の出所者支援居酒屋プロジェクトの担当に。その後出所者支援居酒屋駆け込み餃子の立ち上げに関わり、出所者が住める施設である自立準備ホームの施設長での4年の経験を経て、2018 年自身で自立準備ホームの設置・運営をすることに。現在までに150名程の出所者の支援にあたっており、自身で運営している自立準備ホームでは9名の出所者の受け入れを行っている。2016年夢アワードファイナリスト、各種講演を行って現在に至る。
 

刑務所からの出所者を更生する


–まずは、株式会社生き直しの事業内容を教えてください。

千葉氏:株式会社生き直しは更生保護事業行っており、その中で個人向け、企業向けの大きく分けて2つの取り組みをしています。

個人向けについては、刑務所から出所した人や依存症を抱え一人で暮らすことが困難な人のための自立準備ホーム(出所者のシェアハウス)を運営しています。端的に言いますと、何らかの問題を抱え、帰る家がなくて困っている人に帰る場所を提供しています。

また企業向けについては、企業と提供を結んだ企業研修を行っています。例えばクライアント企業のスタッフに施設に来ていただき、その中で出所者がどのような問題を抱えていて、それをどうやって解決していくかを考え、ディスカッションをし、チームビルディングを行うという内容です。

–あまり聞くことのない事業だと感じましたが、同業他社はいらっしゃるのでしょうか。

千葉氏:この事業は国の委託事業で、刑務所から出所した人が仕事を見つけられず、再犯を繰り返すことがないように、民間に更生保護施設の運営業務を委託している形になります。

ただ、そうしてできた更生保護施設は全国に103件ほどあるのですが、毎年2万人出所される刑余者のことを考えるとその数では足りません。そこで、無料低額宿泊施設、いわゆる自立準備ホームを出所してきた人たちに一時的に提供する法律が作られ、その法律が成立してから、自立準備ホームは全国に334カ所作られました。

株式会社生き直しの施設も、その法律に則って昨年の7月にオープンしました。

過去の後悔から貢献できる生き方を考えた


‒現在のような刑余者に関わる事業を始めようと思ったきっかけはありますか。

千葉氏:大学生の時に起こした交通事故がきっかけです。以前私は交通事故を起こし、その事故で助手席に乗っていた高校の野球部の友人を亡くしてしまいました。目の前で大事な友達を亡くしてしまった。そして自分が殺したという意識が強くあり、社会にでたくないと、刑務所に入れて欲しいと思うようになりました。

しかし、野球部の仲間がネットも普及していない時に500名ほどの嘆願書を集めてくれ、そのおかげで、私には執行猶予がつき、刑務所に行くこともなくなりました。ただ、どんな風に生きていけばいいのかわからなくなり、しばらく家に引きこもっていました。

そんな状態の私を救ってくれたのも、野球部の仲間で、「千葉はいつも明るいから生きてくれているだけでいいよ」という彼らの励ましによって、自分にできることを始めよう思ったんです。そのときに、加害者になってしまった人に関わる仕事がしたいと思い立って、弁護士の勉強を始めました。

‒そこから、どのようにして現在の事業に行き着いたのでしょうか。

千葉氏:その後本気で司法試験の勉強を10年ほどしていたんですが、10年頑張っても合格することはできませんでした。

そのタイミングで、日本駆け込み寺というDVやいじめなどの被害に遭っていたり、借金を抱えたり自殺願望がある人の悩み相談を無料で行う団体の募集を見て、その団体に入りました。

そして駆け込み寺の代表から「出所した人たちが働く居酒屋、出所者支援居酒屋プロジェクトをやるぞ」という話を聞いて、私もそのプロジェクトに参加し、現在新宿歌舞伎町にある駆け込み餃子のオープンに携わりました。

そうやって出所者のためのサービスを進めるにつれ、出所者が働くための住居を確保する必要が出てきました。そこで、駆け込み寺で出所者が住める施設すなわち自立準備ホームの運営を始めました。私はその施設長に任命され、4年ほど施設を見てきました。ただ色々な状況もあり2018年の3月末で、その施設を閉鎖することになりました。しかし私は自立準備ホームを継続したいと考え、自身で新たな施設を作ろうと決意し、株式会社生き直しを立ち上げるに至りました。

‒どうして、出所者の住宅の課題に目をつけたのでしょうか。

千葉氏:日本では刑務所から毎年約2万人以上の出所者が出てきており、その半数近くが出所後に帰るところがない状況です。つまり、ほぼホームレス状態で刑務所から出なければならないんです。そして帰る場所がない人は、帰る場所がある人に比べて20%近く高い数字で5年以内に再犯を繰り返しているんです。

そこを何とか、出所者が税金を納める立場に変えて、労働力として国に貢献できるような体制を作りたいと思うようになりました。そして何より、自分のような過去があっても生き直せたのだから、全ての人が「生き直せる社会にしたい」そんな想いでこの事業を始めました。   

誰もが生き直せる社会を作る


‒今後の目標を教えてください。

千葉氏:現在の自立準備ホームは男性専用になっているのですが、今後は女性専用の施設を設立して運営をしたいと思っています。実は女性の出所者は、再び犯罪に巻き込まれたり、風俗で働くしかなかったりして、結局自殺に追い込まれてしまう人が多いと言われているんです。

そういった環境を打破して、社会に復帰できるルートを歩めるように、女性のための施設を作り、活用していただきたいですね。

‒その後の長期的な目標は何かありますか。

千葉氏:長期的には出所者がスタッフとして働ける環境を作っていきたいと思っています。最終的には、私がいなくても施設が増えて運営が進むような環境を作ることが目標です。

私は出所者本人が自立するための環境、本人の自立心が芽生えるような環境を整えていきたいんです。逆を言うと、私がいなくても私の意思を理解して動いてくれるスタッフを育てたいですね。

そして、株式会社生き直しという名前の通り、どんな人でも行き直せるような社会を構築できる会社にしていきたいと思っています。今は出所者のための施設ですが、生きづらさを感じているあらゆる人にとって、希望になるような会社をこれから作っていきたいですね。
 
 ‒最後に読者にメッセージをお願いいたします。

千葉氏:出所者は意外と身近なところにいるものです。もし皆さんの近くにもいたら、私がお話した出所者の抱える課題や状況についてを知っておいて欲しい、もしまた何かやりそうだったら止めて欲しい、そして刑務所に行く前と同じように接して欲しいです。この3つで彼らは生きやすさを感じることができるはずです、なのでぜひお願いしたいです。

そしてもし、彼らについて何かできることがあれば連絡をいただきたいです。


執筆=スケルトンワークス
校正=笠原

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会社名:株式会社生き直し

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