株式会社ジーウェイブ
吉田 善幸
POSTED | 2020.01.29 Wed |
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TAGS | 従業員数:11〜30人 業種:その他 創立:15年以上 決裁者の年齢:60代 商材:BtoB |
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操作が簡単!官公庁向けのクラウド型予約サービス
豊富なセキュリティノウハウと実績が強みTopics
今回のインタビューは、公共施設予約システムやマイナンバーの交付予約をメインにサービスを提供する株式会社ジーウェイブの吉田氏にお話を伺います。
展開する事業内容や起業に至るまでの経緯、IPOを視野に入れた今後のビジョンについて語っていただきました。
株式会社ジーウェイブ 社長 吉田 善幸氏のONLY STORY
誰でも簡単に使える公共施設の予約システム
–まずは、株式会社ジーウェイブの事業内容をお聞かせください。
吉田氏:弊社は官公庁向けのクラウドサービスを提供している会社です。
具体的には、体育館や公民館といったさまざまな公共施設の予約受付・管理・収納を一貫して行えるインターネットシステム『OpenReaf(オープンリーフ)』をメインに、マイナンバーカードの交付予約や進捗管理システムなどを提供しています。
これまで多くの方々からご依頼をいただき、公共施設予約システムにおいては日本でトップ5に入るシェアを占めていると思います。
–競合他社と比べて差別化できるポイントや強みはありますか。
吉田氏:利便性ですね。私たちは利用者がマニュアルを読まずに簡単に使えたり、スマートフォンからも操作ができる点を重視しています。とくに自治体の方は普段はいわゆるガラケーを使っているようなIT方面に強くない方も少なくはありませんので、誰にでも簡単に使えるサービスを提供している点が弊社の強みになります。
–吉田様が事業を運営するにあって、楽しいと感じる時はどのような時ですか。
吉田氏:弊社がターゲットにするような機関の現在の入札のシステムは、価格だけでなく、総合評価方式で判定されるものなんです。1、2年かけて営業活動をした後、入札が決まった時やサービスを始める時は「これから実際に取り組みが始まるんだ!」と楽しくなりますね。
大手企業にも負けないノウハウと実績
–吉田様は、以前日本電信電話株式会社(以下:NTT)のソフトウェア研究所にお勤めされていましたが、どのような経緯で株式会社ジーウェイブを起業されたのですか。
吉田氏:私は左官業を営む親の背中を見て育ったため、いずれは自分でも起業したいと思っていたんですね。そして、起業するタイミングはデータ上一番成功率が高い30代にしようと決めていました。
大学院修了後はNTTに入社したのですが、仕事が面白く、結局30代ぎりぎりまで働いていました。ただちょうどその頃、会社の体制も変わったため自分で事業を立ち上げようと決意し、39歳で退職しました。
–創業当時はどのような事業をされていましたか。
吉田氏:始めは前職のNTTで、常駐型の自己派遣をしていました。その後はインターネットのノウハウや技術を活かして地域の情報メディアの運営を始めました。しかし、広告を掲載し収益を得る広告モデル型ではうまくはいかなかったんです。
そこで地域情報サイトを支援するコンテンツ管理システムを作るようになっていき、今度はそのノウハウを使って公共系の事業をやってみようと思い至りました。
また経済産業省の情報処理推進機構(IPA)という団体の公共事業の公募に応募したところ採択していただいたんです。
そういった流れの中で、実績や実例が増えていき、現在の自治体の事業に注力していくようになりました。
–印象に残っている案件はありますか。
吉田氏:ターニングポイントとなったのは、10年程度前の神戸市の案件です。当時2億円弱の大型案件でした。当初5社ほどから、最終審査まで残ったのが既存の大手ベンダと弊社グループ。最後の最後まで競って、僅差で落札となりました。
弊社は20〜30人ほどの会社ですが、大手企業とも十分対抗できるノウハウや実績を持っていると他者から評価いただけたのがとてもうれしかったですね。
民間系の予約システム事業でサービスを拡大
–今後の目標を教えてください。
吉田氏:行政のシステムは機密情報を扱うことから、セキュリティが高く設計されています。今後はこれまで公共の事業で培ってきたセキュリティのノウハウや実績を民間の事業で活かしていきたいと考えています。
今、民間の予約管理サービスの市場はおよそ2500億と言われているんです。ホテルや飲食業はほぼ予約システムが定着しているため、私たちは医院や歯科医院といった個人医療系をターゲットにサービスを提供していきたいですね。
またその取り組みと並行して、IPOを目指して事業を展開していきたいと思っています。
–目標に向けてこれから取り組みたいことがあれば教えてください。
吉田氏:私は最終的にインターネットのプラットフォーム事業を運営したいと考えています。そこでは『認証と決済』の2つが重要になりますので、今後はその基盤となる暗号技術の開発もしていきたいと思っています。
–社会にはどういった影響を与えていきたいとお考えですか。
吉田氏:かつてアジアのNO,1であった日本という国が、今や中国やインドに越されどんどん後退していると感じています。
しかし日本は、暗号や通信といった技術分野では、まだまだ世界を相手にしても十分戦える力があると思うんですね。そのためにも、弊社だけでなく、世代を超えてみんなで日本を盛り上げていかなければならないと思っています。
–ありがとうございます。では最後に、読者へメッセージをお願いします。
吉田氏:一緒に連携ができる方がいらっしゃれば、ぜひお気軽にご連絡ください。
執筆=山田
校正=笠原