特集記事

アポ獲得の心得【テレアポ編 ③】

【法人営業③】利益を出している会社をどう見極める?

損益計算書を見て、アタックすべき会社か見極める。
SHARE ON

アタック先の調べ方(損益計算書の見方)

法人営業(テレアポ)でアタック先のことを調べるとき、本当にアタックしてよい会社かどうかを調べることが非常に重要です。その時参考にすべき重要な書類が何種類かあります。

アタック先の会社がどれだけ儲かっているかを調べるには、「損益計算書」を読み解く必要があります。

損益計算書の読み解き方とは?


「損益計算書」とは、一定期間における企業活動で「収入」と「支出」を対応表示することによって、当該期間にかかる企業の経営成績を明らかにする報告書のことです。つまり、その会社がどれだけ儲けが出ているかが損益計算書を見ればよくわかります。損益計算書の構成は、大まかに以下の通りとなっています。

・売上高  (その名の通り、その会社の製品販売・サービス料収入など、企業の営業活動
      によって生じた売上のこと)

・売上原価 (製造原価や直接工事費など、売り上げをあげる為に使った直接コスト)

・売上総利益 ①-②(俗にいう粗利)

・販売管理費(従業員の給料や保険料、広告宣伝費や家賃・出張費などもこの項目に該当します)

・営業利益  ③-④(本業での儲けを示す数字、損益計算書のなかで重要な指標のひとつ)

・営業外利益 金融機関などからの受取利息や配当金など

・営業外費用 金融機関などへの支払利息やその他営業外費用など

・経常利益  ⑤+⑥-⑦(会社の資金調達能力まで含めた収益を示す指標、損益計算書のなかで重要な指標のひとつ)

・特別利益  自社ビルや土地など、主に固定資産の売却によって得られる利益など

・特別損失  災害による社屋流出など、主に固定資産の滅失によって発生する損失など

・税引前利益 ⑧+⑨-⑩

法人税
法人税等調整額

・純利益   ⑪-⑫+⑬(最終的な利益、重要な指標のひとつ)


この中でとくに注目すべき指標は、⑤「営業利益」と⑧「経常利益」、そして⑭の「純利益」です。
「営業利益」は、本業でどれだけ儲けが出ているかがわかる指標です。「経常利益」は、
その会社の資金調達能力や資産運用能力まで含めた実力がわかる指標です。「純利益」は、
最終的に計算対象となる期間(一般的には1年間)で最終的にどれだけ利益が出ているかがわかる指標です。

ケーススタディ


Aさん:「この会社すごいな!売上だけで100億円もあるよ。ホームページにも、業績は右肩上がりで業務拡大中と書いてあるし、いい会社じゃないかな?」

Bさん:「ん?ちょっと待って。売上が100億円もある割には、営業利益は1億円しかないよ。しかも経常利益は-2億、この会社って全然儲かっていないんじゃないかな?」

Aさん:「え、どういうこと?100億円も売上があるのに?」

Bさん:「ほら、ここの項目を見てごらん。売上が100億円・売上総利益が30億円もあるのに、営業利益が1億円しかないってことは、販売管理費にお金をかけすぎなんだね。」

Aさん:「どういうこと?」

Bさん:「あくまで想像だけど、人件費にお金をかけすぎているか、旅費交通費を湯水のごとく使っているか、あるいは事務所の家賃が高いかではないかな?ホームページを見ても、取締役が10名もいるし、営業顧問の社外取締役が3名もいるよ。役員報酬だけでも相当なものだと思うよ。」

Aさん:「そうか!役員がこれだけ多い会社なら、人件費もばかにならないだろうな。」

Bさん:「そして、経常利益が-2億と書いてあるけど、ホームページに記載のある社長の趣味と経常利益赤字の原因がつながっている可能性があると思うんだけど」

Aさん:「なになに?〇〇社長の趣味・ゴルフ、これとどうつながりがあるの?」

Bさん:「つまり、ここの社長は会社のお金でゴルフ会員権を買っている可能性があるという見方ができるんだよね。ゴルフ会員権の値段が暴落した場合、その分は投資に対する損失という風に見ることができるんだよ。」

Aさん:「そうか!つまり、この会社は、一見派手に売上を伸ばしているようにみえるけど、社長以下役員の給料が高くて金遣いが荒い、そして、会社の財産を私物化している可能性があるっていうことかな?」

Bさん:「そうだね。だから、この会社にアプローチするときは、支払い条件の交渉に十分注意したほうがいいよ」

まとめ 


損益計算書をしっかりと読み解くことは、相手がどれだけ儲けを出しているかを理解することにつながります。売上が少なくてもしっかりと儲けが出ている会社こそが、我々がアプローチすべき会社ではないでしょうか。

SHARE ON