株式会社 MARKS
花原浩二
POSTED | 2019.04.08 Mon |
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TAGS | 従業員数:11〜30人 業種:建築・不動産 創立:15年以上 決裁者の年齢:40代 商材:BtoC |
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不動産の可能性を追求し、世の中の困りごとを解決する企業
負動産を富動産へと生まれ変わらせる取組みを全国展開スタートTopics
今回のインタビューは、総合不動産事業を展開する株式会社MARKSの花原氏にお話を伺いました。
同社は『世のために。人のために。』という企業理念のもと、不動産の可能性を追求しながら世の中の困りごとを解決する取組みをされています。
なかでも『成仏不動産』『負動産の総合病院』という事業は、社会問題となっている孤独死の増加や空き家問題の解決にむけて取組まれており、数多くのメディアより注目を受けています。
既存の不動産事業の固定概念にとらわれず、業界を変える新たな取組みをされている同社の事業や今後のビジョンについて語っていただきます。
既存の不動産事業の固定概念にとらわれず、業界を変える新たな取組みをされている同社の事業や今後のビジョンについて語っていただきます。
株式会社MARKS 代表取締役 花原 浩二氏のONLYSTORY
【経歴】
1977年生まれ、兵庫県豊岡市出身。中学・高校時代はバスケ部に所属。1995年阪神淡路大震災が発生した年に、神戸の流通科学大学情報学部に入学。
大学時代に被災した神戸の街で過ごした経験から、地震に負けない頑丈な家づくりをしたいという想いを持ち、鉄骨系のハウスメーカーであった大和ハウス工業株式会社に入社、神戸支店分譲住宅営業所に配属。
入社後は、家を建てていただくことがそのご家族の命を救うことに繋がるという想いをもって販売を続け、2011年より横浜支社分譲住宅営業所所長就任。個人成績としても、2015年全国約1,700人の営業の中で契約金額1位の実績を残す。
一方で、命を守るために建てていただいた新入社員時代のお客様の住宅が空き家に変わり、実家のある豊岡市においても少子高齢化が進み過疎化が進んでいく様をみて、全国で増え続ける空き家問題への取組みをしたいと思うようになる。
そんな中、父親の死をきっかけに独立を決意し、2016年10月より現職。
世の中の困りごとを解決する企業へ
–株式会社 MARKS様の事業内容を教えてください。
花原氏:株式会社MARKSは東京、神奈川、千葉、埼玉を中心として不動産売買、賃貸、投資用不動産、建築、リノベーションなどといった、総合不動産事業を営んでいます。
代表的な事業としては、事故物件を取扱う『成仏不動産』事業、建替えが出来ないような土地で困っておられる不動産所有者様に向けた『負動産の総合病院』事業、その他日本の不動産価値の向上を目的とした『インバウンド』事業、隙間スペースを利用した『MARKS PARKING』事業などをおこなっています。
–ありがとうございます。ではまず、成仏不動産についてお聞かせください。
花原氏:これは事件や自殺、孤独死などがあった、いわゆる事故物件を専門に扱う事業です。特に孤独死の問題については、2025年には一人暮らしの高齢者が700万人を超すというデータもあり、不動産業界にとって今後対応がせまられる問題となっています。
現状ではメディアやSNSを通じ事故物件を心霊的ものとして扱われるケースが多く、事故物件に対しネガティブなイメージを持たれている方が数多く存在します。一方で、事故物件を避けたいという気持ちは理解できるものの、願わずして所有の不動産が事故物件になってしまった方はどうなるのか。
ここに一つ『世の中の困りごと』があると考えました。
弊社としてこの問題を解決するために取組んだものが、日本初の事故物件専門のプラットフォーム『成仏不動産』となっていまして、
①事故物件でも気にしない方とのマッチング
②事故物件の戦略的バリューアップ
③事故物件取引の透明化を目的とした、事故物件の正しい買取
という3本柱で事業を行っています。
事故物件を正しく評価し流通を促進することで、事故物件で困っている所有者様を少しでも救いたいと考えています。
–続いて、負動産の総合病院の詳しい内容についてお聞かせください。
花原氏:再建築不可物件や取引しづらいような不動産を私たちは負動産と呼んでいます。負動産の総合病院事業とは、負動産でお困りの所有者様に対し『治療』を目的とした不動産の問題解決型サービスになります。
その第一弾として、『再建築不可救急隊』をスタートしていますが、これは、宅地建物取引士、税理士、弁護士、司法書士、土地家屋調査士、建築士、不動産鑑定士という7人の士業がタッグを組み、スペシャル医療チームを結成したイメージで問題を抱えていらっしゃる不動産所有者様の治療にあたるというものです。
総務省発表の平成30年住宅・土地統計調査によると、道路に接道していない敷地や幅員2メートル未満の道路に接している敷地は全国で約330万戸存在するとされています。このいわゆる再建築不可の土地は市場価格よりもかなり低い価格で取引されるのが一般的ですが、近隣の方や役所などと交渉することで合法的に建築可能にすることが可能な土地も数多く存在しています。
不動産知識の少ない素人の方ではこういった交渉をすることは現実的に難しく、再建築不可物件として不動産買取業者へ安く売却されているケースが多くなっていますが、不動産に強い士業がタッグを組みお客様の大切な不動産の可能性を追求することで、少しでも困っていらっしゃる方の力になりたいと考えています。
‒事業を展開するにあたって最重要視していることは何ですか。
花原氏:私が最も大切にしていることは企業理念とビジョンです。
弊社の企業理念は『世のために。人のために。』というものですが、これは私の人生観そのものになっています。なんのために生きているのか、なんのために働くのか、なんのために安定した会社を辞め挑戦する道を選んだのか。
父親が64歳の若さで突然亡くなったのを受け、いつ死ぬかもしれない人生を悔いなく一点の曇りもなく過ごしたいという想いからスタートしました。
この企業理念は憲法のような存在で、社長以下全員がこの企業理念をもとに仕事を取り組んでいます。
ビジョンは『不動産の可能性を追求し、世の中の困りごとを解決する』としています。
前職の当時会長であった樋口武男会長が常々「お金儲けのために仕事をするな。世の中の困りごとを解決するために仕事をしないといけない。そうすれば結果として事業は成功する」ということを口酸っぱくお話しされていました。
自分が独立するときも、この会長の言葉を胸に、世の中で困っている人たちの役に立ちたいという気持ちで事業を始めました。企業理念を実現するための手段として、このビジョンをもとに事業の組み立てを行っています。
亡くなった社員の想いと共に成長していく
‒起業後、印象に残っていることは何ですか。
花原氏:創業直後から共に働いてきた社員がいたのですが、ある朝、いつも1番最初に出社してくれるその姿が見当たらなかったんです。その後ようやく繋がった電話で、奥様から「今朝、主人が亡くなりました」と聞いたんです。
その言葉を聞いた瞬間あまりにもショックが大きく、視界が真っ黒になるような、人生で初めての感覚に襲われました。
奇しくもその日は事業をはじめてちょうど365日目の節目の朝でした。
私は新築住宅に関する知識はあったものの、それ以外の不動産に関する知識が少なく彼に何でも助けてもらっていました。今の弊社があるのは彼がいてくれたからと言っても過言ではありません。
その彼が亡くなる前日の会議で、私は「MARKSを日本を代表する不動産会社へと成長させよう」と話したら、彼は「絶対できますよ、このメンバーで出来ない理由が見つからない」と言ってくれました。
彼の言葉に勇気をもらい、背中を押してくれました。彼が残してくれた想いが遺志となり、今の株式会社MARKSを支えてくれています。
人脈づくりに力を入れて、全国展開へ
‒今後の目標について教えてください。
花原氏:事業を全国展開していきたいと考えています。全国のお困りごとを解決できる会社へと成長させていきたいと考えています。
–その他の取り組みとして、何か考えていることはありますか。
花原氏:中国など海外に向けて不動産を販売するインバウンド事業を再開予定です。日本の不動産に興味を持っている海外の方が多いんです。更に旅行客や技能実習生など海外の力を使うことで空き家問題の解決につながる部分があると考えていますので、日本の不動産価値の向上に取組んでいきたいと思っています。
‒最後に、読者へ向けたメッセージをお願いします。
花原氏:株式会社 MARKSは、今後いろいろなことに挑戦していくために、人脈作りに力を入れています。特に特徴のある仕事をされている方のお話をたくさん伺って、自分たちの世界を広げていきたいです。出会ったことのないような新しい技術やサービスを持っている企業様と関わりを持って、一緒にできる仕事を見つけたいです。
学生の読者に対しては、まだまだ小さな会社ではありますが、目標は高く日本有数の企業に成長させたいと思っています。どこまでもお客様に寄り添い、どこよりも良い会社を目指し、それを一緒に実現したいといってくれる人と働けたら嬉しいです。
執筆=スケルトンワークス
校正=笠原