株式会社インフィストデザイン
須田 力
POSTED | 2016.01.28 Thu |
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TAGS | 従業員数:5人以下 業種:建築・不動産 創立:15年以上 決裁者の年齢:50代 商材:BtoC |
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車好きによる、車好きのための、ガレージハウス計画
土地の有効活用は如何でしょうか?Topics
インフィストデザイン株式会社 社長 須田 力氏のONLY STORY
おばあちゃんの存在から生まれた、商品化の流れ
私は動物が大好きで、高校卒業後は大手薬品会社の子会社に入りました。普通にいけばそのまま獣医のような分野に進むところでしたが、ある人物と出会って家具の卸売をする会社に入ることになりました。これが、家具やインテリアと出会ったきっかけですね。
入社後、卸売をしていく中で、会社が仕入れた商品を全部決めてしまって。会社が指定した商品しか売れないシステムだったので、売るものがなくなってしまったんです。
そこで上司に海外に連れてかれて、「自分で仕入れて自分でやってみろ」と言われたんです。そこでバイヤーという仕事の楽しさにハマりました。
自分がいいと思ったものをお客様に提案して買っていただくことに喜びを感じましたが、途中からそれでも物足りなくなっちゃって。次はデザインがしてみたくなっちゃったんですよ。そこで製造メーカーに「家具作りたいんです!」と頼んでまわりました。
ほとんどの会社に断られましたが、その中で何社か興味を持ってくれて。「お前、どんなものがつくりたいんだ?」って。
当時、僕にはまだおばあちゃんがいて、よく「こういうものが欲しいなあ」と言っていたことを思い出したんです。その悩みを解決してあげたいなと思って、決して上手いとは言えない絵を描いてメーカーに持ち込みました。
すると、「これはいいね!」ということになって、商品化につながったんです。今思えばこの頃ですかね、「こういうものがあったらいいね」に目覚めたのは。
在庫を抱えずに家具を生産する夢のような仕組みの発案
こうして仕事をしていた僕に、27歳で転機が訪れます。大手企業の営業部長からのヘッドハントと同時に、会社の同期が会社を立ち上げると言ったんです。
二つを天秤にかけました。通信販売の家具インテリアを扱うという点では変わりませんでしたが、ネット通販だけではなくリアルの家具屋さんも卸先としていることに魅力を感じ、会社立ち上げへの参画を選びました。
僕の役割は、仕入先の開拓とデザイン、営業です。協力先を探してメーカーと販売の現場を知っていく中で、在庫をしなくても家具をつくってもらうことのできる仕組みを作ることに成功したんです。
この仕組みの中で作った商品が見事に売れていくので、最終的には「須田さんが言ってることをやれば間違いないですね」と言ってもらえるようになりました。
その仕組みを使い、在庫を抱えずに様々な商品を生み出したのですが、ある時から会社の経営陣が「在庫を抱えた方がいい」という発想に切り替わった時期がありました。僕は断固として反対をしましたが、結局受け入れてもらうことができなかったので、34歳で起業にいたりました。
車好きによる、車好きのための、ガレージハウスの誕生
一言でいうと、企画営業をしています。デザイナーとは、あえて言っていません。「デザイナー」というだけで、先生みたいな扱いになってしまうのが嫌だからです。
私はデザインについてしっかり学んだことはない、素人です。しかし、知識がないからこそ”殻”がなく、市場やお金まで見据えたデザインができるのです。
私が思うデザインの本質は、「つくりたいものを作るのではなく、ないものをつくるか、あるものを成熟させること」だと考えています。そして、「いつ、どこで、誰が使うかを見誤らないこと」が大事です。自己満足に終わってしまってはいけないんです。
それに加えて、特にこれからの時代で大切になってくるのが、情緒的な価値です。必要か不要か、が重要だった時代は終わりました。いまは、「ほしいかほしくないか」で理解される時代です。その市場心理を理解し、どうやってPRし、誰に使ってもらうかが大事なんです。
僕は今まで話してきた仕事をする一方、18歳の時から車が大好きだったんです。すでに十数台は乗り換えていますよ。車を買い替える中で、一つだけ嫌なことがありました。それは、停める場所の問題です。
外にさらされていると、車が傷んでしまう。ガレージに入れても、湿気でやられてしまう。車好きな人の気持ちを理解したガレージがなかったんです。
「ないのだったら作ってしまおう!」そう思って始めたのが、今やっている「INCELL:インセル」というガレージハウス事業です。インセルでは一階部分がガレージスペースになっていて、二階部分が居住スペースになっています。
デザインコンセプトは1階が愛車を駐車したり趣味をエンジョイする為の部屋。2階は人の部屋。使い方は入居者次第です。例えば1階部分を複数台のバイクを格納する為に使ってくれる方もいますし、模型好きな人はギャラリーのように使ってくれています。
インセルというハコをベース上にどんなライフスタイルを生み出すかは、利用してくれる人の価値観によって変わっていいと思っています。
夢は車好きが安心して暮らせる空間を生み出すこと
インセルの役割は、ハイセンスな趣味的空間を用意するだけなんです。そこに様々な趣味を突き詰めていった人たちが、お互いの趣味を表現し合う。そんなコミュニティがインセルを通じて生まれていけば面白いと思っています。
とはいえ私は車好きの視点が強いので、ビジョンとして具体的に挙げるとすると、車やバイク好きな人が安心して集える空間をつくりたいと思っています。
例えばスポーツカーに乗っている人たちは、どこかのサービスエリアやパーキングに集まることが多いですよね。でも、その騒音や存在感から、白い目で見られることが多いです。
しかし、そういう人たちが集まって、エンジン音を気にすることもなく、安心して集まれる場所があると楽しいじゃないですか。将来的には、そんな”車のアミュズメントパーク”をつくりたいです。
今すぐにできることではありませんが、インセルというベースからそのような世界を実現したいです。