ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社

中石真一路

耳につけない対話支援機器で快適な聴こえを提供

聴こえやすさに音量は関係ない!綺麗な音を脳へ届ける
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今回のインタビューでは、耳に装用しない卓上対話型支援機器「comuoon」を発明し、難聴の人たちやその家族に快適な「聴こえ」を提供するユニバーサル・サウンドデザイン株式会社代表取締役の中石氏にお話をお伺いしました。

まずは、だれもが高齢となって直面しかねない難聴問題について、解決策を提案するという同社の事業内容について、詳しく語っていただきます。

ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社 代表取締役 中石真一路氏のONLY STORY

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【経歴】

1973年東京都生まれ、熊本県育ち。熊本YMCA専門学校建築科卒業後2012年建築施工管理に従事し、その後東京デジタルハリウッドに入学。卒業後は12年間に亘りwebディレクターおよび、webプロデューサーとしてトヨタやメルシャンなどの大手企業のwebサイト開発やマーケティング、デジタルコンテンツの企画開発に従事。

QRコードのチケット機能のビジネスモデル特許出願や携帯電話にQRコードリーダーを入れるなどプランナー2012年としての実績をもつ。前職のEMIミュージック・ジャパン(現ユニバーサルミュージック)では宇多田ヒカル、GLAY、RADWIMPSなど数々のアーティストのwebサイトを統括。携わったwebサイトは200を超える。前職のEMIミュージック・ジャパンおよび、NPO法人日本ユニバーサル・サウンドデザイン協会にて約3年に亘る研究の末、「スピーカーシステムによる聴覚障害者の情報アクセシビリティ」という新しい分野を確立する。2012年4月にユニバーサル・サウンドデザイン株式会社を設立し対話型支援機器comuoonを発明、広島大学宇宙再生医療センターにて聴覚リハビリテーション研究グループ研究員として聴覚ケアと聴覚リハビリに関する研究を行っている。

「聴こえの伝道師」に寄り添う


–ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社の事業内容についてお聞かせください。

中石氏:一言で表しますと、弊社はリスニングアドバイザーとして難聴者に寄り添いながら、技術と知識を駆使して「聴こえ」をサポートする会社です。

具体的には、製品で言いますと「comuoon」という卓上対話型支援機器やスピーカー、アンプなどの音響機器の設計・製造・販売を行なっています。

そのほかにも、店舗や建築物、室内空間のサウンドデザイン企画・制作・コンサルティングもしています。


–どうして、「聴こえ」をサポートするこのビジネスを始めようと思ったのでしょうか。
 
中石氏:日本には難聴に関するいくつもの問題があると感じたからですね。

まず、軽度、中等度の難聴者の93%が補聴器をつけず、不便ではあっても放置している現状があるんです。これがひとつの問題です。

そして、もうひとつ、音の聴こえにくい人に対して、みなさんが取る行動も問題だと考えています。例えば、病院の窓口では、難聴者に話しかける係員の大声が響き渡っています。聴こえないから、大きな声で話している。

しかし大声は威圧的で、相手への配慮がある行動とは思えません。同じ言葉を使う人と人とが近くにいながら大声で会話をする。これは実に異様な光景です。
 
私たちはこれを「ヒアリングハラスメント」と呼んでいます。またこのような対応をしないように企業やスタッフ向けの講座も開いています。

この光景をなくすために、この現状を改善するために、話す人が大声を出さなくても聴こえる機器を開発しました。

–ありがとうございます。続いて、先ほどお話にありましたcomuoonについて詳しくご説明いただけますか。

中石氏:comuoonは耳に装用する必要がない、卓上におくだけで対話が支援できる機器です。このcomuoonをはじめとする弊社の機器は音を明確に分解し、聴き取りやすい音へと変換します。
 
そのため、家族の会話はもちろん、そろってテレビを観るときでも、大きな声や音量を出すことなく、音を認識できるようになるため、周りの人とのコミュニケーションの質も時間も変わっていきます。

私は「大きな音だから脳に届くわけではなくて、クリアな音だから脳に入る」ことを解明し、それをアメリカの学会で広島大学宇宙開発医療センターの研究員として発表し、高い評価をいただきました。この研究結果から見れば、窓口の大声や駅のアナウンスも大きくしただけでは高齢者に聴こえないのは明白です。そのためにcomuoonを開発いたしました。
 
また、BtoC向けだけではなく、BtoBとしては行政の窓口をはじめ、医療機関や介護施設、交通機関、銀行など、高齢者に応対する場面の全てで使えます。
 
–中石様が事業運営される中で大切にされている考えについて教えてください。
 
中石氏:弊社では「音で人と人、人とモノをつなぐ達人になれ」というクレドを掲げているのですが、やはりこのクレドは大事にしています。

音楽の授業はあっても、「音」そのものを学ぶ機会は専門の学科でもない限りほとんどありません。けれど当たり前ですが、人はみんな高齢になり、音が聴こえにくくなる可能性があります。なので、みんなに聴こえの知識は必要なものだと思うのです。

ましてや、高齢化の時代にあって、聴こえの知識は全ての人に必要なこと。だからこそ、自ら「聴こえの伝道師」といった立場で「音」を知り、聴こえを知り、聴覚医学も発話も熟知したエンジニアとして、みなさんに正しい情報を届けていくべきだと考えています。

–難聴で困っている人に、モノを売るのではなく、解決策を提示してくという姿勢を大事にされているということですね。

中石氏:そうですね。やはりその人の辛さを知らなければ売るだけになってしまい、アドバイスなんてできません。

要はきちんと聴こえればいいわけで、補聴器でよければそういったお店の紹介することもあります。お客さんのことを思えば、販売よりまず相談に乗ることが大事なのです。そもそも「売る」は「買う」ことからはじまる。「買売」だと思っています。

大きな反響で難者の多さ、深刻さ痛感

 
–起業する決断はどういうタイミングでしたか。
 
中石氏:慶応のSFC研究所でスピーカーによる難聴者支援を研究していたときに、難聴の人の話から聴こえにくい音、聴こえやすい音があることが分かりました。この研究を続ければ、難聴である父親や祖母のように聴こえで困っている人たちの手助けができると思ったことが全ての始まりです。

そして、その研究をNHKの番組に取り上げられたことで問い合わせが殺到し、困っている人の多さに気づかされました。そこから、この研究開発に注力すべく独立したのです。
 
–創業後はどういったことに苦労されましたか。
 
中石氏:創業当初はスピーカーの補聴支援機器を開発していたのですが、「スピーカーでの支援は難しい」という周りの声が多く、そこは苦労しましたね。

ですが、乗り越える術としては、続けていく、伝えていくしかありません。その中で感じたことは、賛同してくれる人もいればそうでない人もいるということです。まず自分の考えに共感していく人を集めていくことが、結果としていい会社やいい製品に繋がると感じました。

難聴の早期発見・予防支援をしていきたい

 
–今後の展望をお聞かせください。
 
中石氏:現在9000台の出荷ですが、来年度までにはこれを2万台にしたいというのが短期の目標です。
 
その後の長期的な目標としては、難聴の放置は脳を委縮させることが世界的な研究でわかってきたので、今後は私たちの技術を活用し、難聴の早期発見、予防に力を入れていきたいです。難聴になってからだけでなく、なる前からの支援ができる会社にしていきたいです。
 
–御社は社会にとってどういう存在の会社でありたいと考えていますか。
 
中石氏:社名が表す通り、誰もが聴こえやすい音環境を作っていき、笑顔を増やすことが第一です。

また、若い人のヘッドホン難聴が問題になり始めており、WHOからその数11億人というデータも出されました。耳をいかに守るか、という社会的な課題にもアーティストさんやレコードレーベルさんの協力のもとで取り組んでいきたいですね。

弊社のキャッチコピー「Listening innovation!」を体現しつづけ、いずれは世の中にあまねく行き渡って「Intel入ってる」のように「USDはいってる!」と言われる会社でありたいと思っています。
 
–最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。
 
中石氏:難聴はだれもがなり得る老化現象の一つです。しかし、これを相談する場所も少なく、自身や家族など多くの人が悩んでいます。弊社には聴こえの専門家であるリスニングアドバイザーが在籍しているので、聴こえについての様々な課題をぜひご相談していただき、よりよい生活をおくっていただきたいと思っています。
 
執筆=増田
校正=笠原

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会社名:ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社

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