株式会社ヒューマンパワー
新井 永鎮
POSTED | 2017.06.21 Wed |
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TAGS | 従業員数:11〜30人 業種:飲食・サービス 創立:15年以上 決裁者の年齢:40代 商材:BtoB |
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日本で働きたい外国人に、働く場所を提供したい!
外国人に特化した人材紹介会社Topics
株式会社ヒューマンパワー 社長 新井 永鎮氏のONLY STORY
父の病が、赤門会に入ったきっかけです。
私は在日韓国人として日本で生まれ、赤門会日本語学校を経営する両親の元で育ちました。
当時の生徒の多くは韓国人でしたね。そんな環境で育った私は
父が仕事をしている姿を見て韓国語の必要性を感じ、いろんな国籍人種がいる中で、自分という人間で勝負したいという思いから、高校卒業後に韓国とアメリカに留学することを決めました。いろんな国籍の人の中で勝負というか、一人やっていけるかどうかっていうことにすごく興味があったんですよね。
留学も終わりに近づき、日本で職探しを始めた頃、父が脳の軽い病気で倒れて。
通院すれば良いという話だったんですけど、いつ何があるかわからないし、赤門会で働かないかと両親に言われ、葛藤はありましたが赤門会に就職することを決めました。
最初は新入社員と同じ待遇でソウル事務所に勤務したり、日本に帰ってきて生活担当という肩書きで働いていました。家族がいない留学生、ほとんど韓国人でしたけど、寮生活・アパート生活様々な中、何かあれば24時間対応してましたね。
そんな環境の中、同時進行で当時父が立ち上げたのが赤門会の学生へ向けた人材派遣紹介の仕組みでした。赤門会に来る学生にサービスの一環で職業の紹介をしようと。他の日本語学校との差別化を図るためにつくられたんですね。当時は簡単に言うと、赤門会の部所的な扱いでした。
こうして2002年に人材派遣と紹介のヒューマンパワー株式会社は立ち上がったのです。
2003年私が入ってからは代表ではないんですけど、ヒューマンパワーの営業部長という肩書を持って運営していました。ただ実際に動くのは私だけだったので、例えば学生が「アルバイトないですか」とか言ったら、「どこに住んでるの」ってヒアリングして、「あなたの家の近くだったらここがあるから一緒に行ってみようよ」って。そんな話をしていました。
発掘・教育・紹介、ワンストップで担います。
現在株式会社ヒューマンパワーの事業内容は、一般的な派遣業、有料職業紹介業ですね。
私たちはその中でも外国人に特化した人材派遣、人材紹介をしております。
また、企業さんと一緒に奨学金プログラムを作り、運営もしています。
例えば一例として、介護施設さん。今盛んに人が足りないと言われていますよね。そこである千葉県の介護施設さんと一緒に介護施設さんの中で運営ができる奨学金プログラムをつくりました。日本で介護士の勉強をしたいという外国人を連れてきて、海外での人材発掘から教育、そして働くまで。ワンストップでやるのがこの奨学金プログラムなんです。ヒューマンパワー的な言い方をすると発掘、教育、紹介これらをワンストップで担います。これもヒューマンパワーの特徴です。
このように海外の方を紹介するとなると、どうしても募集力が重要になります。私たちは募集力に絶対的な自信を持っているので、企業様に寄り添ったかたちで企業様が望むような企画、企業様がご納得できる人材、研修プランを企画できるのです。これは私たちが赤門会のグループ会社であるからこそだと言えるでしょう。やはり信用力が全然違うんです。ほかの会社が門前払いをくらったところでも普通に通してもらえたり。私も十数年赤門会でいろんな会議に出ましたし、専門学校の人たちの人脈もつくりました。それだけ赤門会が日本語学校の中では大手で認知度が高いということなのだと思います。
母国で働きたい日本語学校出身者、海外での働き手を募集する日本企業をつなげ続ける
私たちは母体に赤門会日本語学校という日本語教育をする学校がある、人材のお仕事のサポートができる会社ですが、最近もう1つ行ったことがあります。事業協同組合というのを、買い取ったんです。なぜ買い取ったかというと、日本には技能実習制度というものがあるのですが、
これは東南アジアや開発途上国の人材が日本に来て日本の農業の技術、土方の技術、建設の技術を3年間習って、帰国するものなんですね。
実はこの制度を活用するにはいろんな方法があるのですが、一番多くとられてる方法が、協同組合なんです。組合っていうものの中に、この制度を使えるような権利を持ってる。株式会社ではできないんですね。組合を持つことで現場で働く労働者の受け入れから紹介までできる。外国人のすべてを私らはグループ一円で全てできるようになります。この活動は今まさにこれから始まるところです。
また、株式会社ヒューマンパワーは2016年の12月28日にベトナムに現地法人を置く許可をもらっています。ヒューマンパワーベトナムっていうかたちですね。
実は4.5年前からベトナム人留学生が増えているんですが、ベトナム人の多くは日本で経験を積んだあと、みんなベトナムへ帰るんですよ。
家族と一緒に生活をしながら働きたい。っていう人が多いんですね。だったらベトナムに帰る前に、ベトナムに進出している日本企業を皆さんにご紹介しますと。日本から帰るベトナム人たちにヒューマンパワーベトナムに登録してもらうんです。彼らに対しベトナムに進出している企業の求人を100社以上準備して、紹介をしています。
皆さん基本的には日本から帰るわけですから、日本の会社で働きたいわけですよ。給料も全然違うし。この取り組みは関わる人全員にメリットがあるのです。
中長期的には、ベトナムでのやり方が通じたとき、
東南アジア各国に1社ずつ現地支社をつくりたいと思っています。
ベトナムだけで終わらせるのではなくて、各国に同じような仕組みで、1社ずつ私たちヒューマンパワーの支社をつくって、東南アジアの人材はみんなヒューマンパワーだ、みたいになりたいですね。また正社員として雇う人もそうじゃない人もどの国でも働ける環境を、今後5年から10年で全部やりたいと思っています。
今、日本人はちょっと日本語がたどたどしかったりして自分の意思が100%通じないと外国人を敬遠したり、仕事中は仲間になるけど、プライベートではいろいろ日本語に気を使わないといけないから面倒くさいなって敬遠する、なんて人がまだまだ多いんです。
最終的には職はもちろんのこと、文化、マインドの部分もサポートできるような会社になりたいですね。
☆取材・記事作成・構成=小山、北本、佐久間