有限会社坂本せん餅

坂本俊明

「印刷せんべい」で、想いよ届け!

飽和状態のせんべい業界に新風を吹き込む老舗せんべい専門店。
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坂本せん餅株式会社 社長 坂本 俊明氏のONLY STORY


有限会社坂本せん餅 坂本 俊明 様
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昭和42年7月東京墨田区で生まれ育つ。地元の小中学校を卒業して、横浜の大学卒業後、大手電気メーカで 営業職を経験したあと、家業につく。
コンピュータメーカでの営業経験を生かし、新たな商品開発とネットを活用した販路拡大。
一方で地域の様々な団体に所属し、人的ネットワークを構築。
肩書きを持たないことを、ポリシーとしている。
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ビジネスを学ぶため、せんべい以外の世界に挑戦。


草加せんべいは、だんご屋から始まったことをご存知でしょうか。
うるち米を製粉して、蒸かしてもち状にしたのがだんご、それを平らに潰して型で抜き焼いたのが草加せんべいです。(ちなみに、もち米を使って作った焼き菓子をあられと言います)。

1枚のせんべいを作るには、生地作り、焼きと乾燥、最低3日はかかります。備長炭を使って焼く昔ながらの手焼きせんべいだと、1日に焼ける枚数は800枚程度。

しかも、同じ焼き上がりを維持するのが本当に難しいんです。常に火を前にしていますから、夏場だと汗が塩になって身体に張り付いていることもザラ。簡単に見えて、実はかなりハードな商売です。

祖父の坂本常吉が創業した「坂本せん餅」は家族経営でしたから、私や弟も幼い頃から材料や製品の運搬や買い物などを手伝いました。怒られるときは、「勉強しなさい」よりも「手伝いなさい」。

友だちと遊べる時間も少なく、生活も決して楽ではなかったので、子ども心に「大変だ」という思いの方が強かったですね。

店を継ごうと決意したのは、高校生の時。祖父から「店をつなげてほしい」と言われたことがきっかけでした。大学は商学部へ進学し、卒業後他のせんべい屋に勤めるか、他の分野を経験するかで迷いましたが、一度は外に出て勤めなければ勉強不足だろうという気持ちから、コンピュータメーカーに入社しました。

家業とは全くの畑違いの分野でしたが、ここでの7年間は、今のビジネスに非常に生きていますね。

私が坂本せん餅へ入った時、大手せんべい屋の卸業務が売上げの柱でした。2000年に新商品の「印刷せんべい」を開発し、経営が少し好転したのを機に卸しを止めたのですが、もしも私がせんべいの世界しか知らずに生きてきたなら、今も卸取引を継続していたかもしれません。

伝統や地域との縁はもちろん大切なのですが、新しいことに挑む視野を持てたのは、あの7年間があったからじゃないかと思いますね。

国産米100%、無添加せんべいに愛をのせて。


私たちはせんべい専門店として、本当に美味しくて安全なせんべいをお客様に味わって頂きたいという思いがあります。だから、保存料・化学調味料・香料は一切使用しません。

材料は国産米100%。醤油のだしには北海道羅臼昆布と鹿児島県枕崎産本鰹からとった天然だしを使っています。東日本大震災以降は、宮城県産環境保全米ひとめぼれ一等米を使うことで復興支援に取り組んでいます。その時開発したアレルギーフリーのすみだ一等米せんべいは、すみだブランド「すみだモダン2010」に認証されました。

このこだわりのせんべいにメッセージを印刷できるのが、「印刷せんべい」です。「オリジナルのせんべいを作りたい」というご要望は昔から多く、かつては型のオリジナリティで対応していました。

ところが、型の職人の減少や、型そのものが高額ということもあり、私の代でせんべいに文字を印刷する方法へとシフトしたんです。

2000年当時は、小売店にもホームページが浸透してきた時代。全国のお客様が、「オリジナルせんべい」というワードで検索し、うちのサイトへ訪問してくれるようになりました。「東向島の坂本せん餅」だけだったら誰も検索してくれなかったでしょうから、新商品開発と販路拡大が同時にできたことはラッキーでしたね。


現在は、従来の顧客だった企業や団体に加えて、個人からも全国からたくさんオーダーを頂きます。誕生日、結婚式、母の日など、以前は縁のなかったイベントにもご利用頂けるようになりました。

サイトでは、自社で作成した版代無料の既成デザインを、約150種類公開しています。どんなイベントでどんな版を使ったかを簡単に検索できるのも、ネットならではの利点ですね。

せんべいは、コミュニケーションツールだ。


今後の目標は、せんべいをコミュニケーションツールとして広げて行くことです。せんべいが嗜好品だった時代は、もはや過去。まずは「食育」に活用することで、業界の再生にも繋げていきたいと思っています。

調査によると、人は子どもの時に美味しいと思ったものを大人になっても食べるそうです。でも、今の子どもたちは、せんべいやお団子と言った昔ながらの味わいや、専門店の美味しさに触れる機会が少なくなっています。

「作りたてのせんべいや団子は、こんなに美味しいんだ」「地元にこんなに楽しくて美味しい食べ物があるんだ」ということを、食育を通じて伝えたいんです。

以前、某劇団と行った幼稚園児向けの食育活動は、「高い効果があった」と保護者にも好評でした。現代の子どもたちの興味をくすぐる新しい方法と、地域に密着した地道な方法を上手に組み合わせて、食育に取り組んでいきたいですね。

若い世代には、せんべいをコミュニケーションツールとして活用することが、様々なビジネスチャンスを生み、ネットワークが拡がり、復興支援や第一次産業の支援にもつながることをもっと知ってもらいたいです。自分が買って食べているものの産地や生産方法を知って、日本の未来に続く選択をしてほしいと思いますね。

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