株式会社マクサス
関 憲人
POSTED | 2018.07.11 Wed |
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TAGS | 従業員数:11〜30人 業種:卸売業・小売業 創立:11〜14年 決裁者の年齢:30代 商材:BtoC |
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消費に「リユース」の選択肢を
限られた資源の中でより豊かに生きるための手段を提供Topics
今回は、世の中に“無駄なモノ”をなくしていく、リユース事業を行う株式会社マクサスの代表取締役社長・関氏にお話を伺います。余っているモノとそれを必要としている人を繋ぐ。その事業に至る経緯からお聞きしましょう。
株式会社マクサス 社長 関 憲人氏のONLY STORY
祖父や父の背中を見て、自分も起業家になろうと考えていた
私は17歳くらいのときに高校を中退したのですが、そのころにはもう起業家になろうという想いを抱いていました。
私の家系は、祖父も父も、ゼロから会社を立ち上げていて、祖父の立ち上げた家具屋に関しては、地場の業者の中では有名な会社です。父は初め、祖父の会社の手伝いをしていたのですが、家族経営をあまりよく思わず、自ら人材派遣会社を立ち上げました。
そういった家族の背中を見てきたこともあり、起業するということを身近に感じていました。
また、学校や部活動で教師と揉めて辞めてしまうことが多かったんです。例えば校則についても、自分が納得いかないと絶対に守りたくないという主義を持っていたので、組織で働くのは向いていないのだと確信したことも大きかったですね。
人生好きなように生きたいし、マイノリティの考えを受け入れられる社会が実現できていないなというのはすごく感じていたので、社会に対するストレスみたいなものもありました。
高校中退後、1年間ニュージーランドに行って語学を学びました。そしてその間に、起業するということについて改めて深く考えました。
起業するという気持ちはあったのですが、その頃はまだ明確なビジョンが見えていなかったので、考える時間がほしかったというのも一つの理由です。
当時、ニュージーランドではシェアハウスという居住形態が一般化されていて、このビジネスはまだ日本にないし、今後普及するんじゃないかなと直感的に感じました。だったらこのプランで、22歳までに起業しよう。それまではしっかりと働いて成果を出そうと決意したんです。
帰国後、不動産の会社に入って2年間くらい勤めて、そこから最初の会社を作り、シェアハウスの運営事業をスタートしたのが起業までの経緯ですね。
仕入れのプラットフォームとしての会社へ
最初の事業はシェアハウスの運営だったのですが、正直なところ事業内容にそこまでのこだわりを持っていたわけではありませんでした。しかし、私はビジネスをやるうえで3つのことを大切にしていました。
ひとつは、市場が大きいこと。小さい市場で利益をしっかりと出すよりも大きい市場でマーケットを取りにいくほうが相当パワーがかかるということはわかっていました。しかし、大きいことを成し遂げたいというのが私自身の人生のビジョンでもあるんです。
次に、社会貢献度が高いと自分で思えるビジネスかどうか。それは社会貢献度が高くて自分なりに納得できる事業じゃないと、長期的にやりきれないと思ったからです。
最後は、ITだけで完結しないことです。オンラインだけで完結するビジネスをやろうとする企業は少なくありません。ですが、私はまわりの逆をいきたいという思いがありました。私自身の強みは、みんながやりたくないような泥臭いビジネスをやり抜く部分だと思っています。
そういった理由でシェアハウスの事業をスタートさせたのですが、シェアハウスを実際に稼働させるまでに至りませんでした。社会的信用もなく不動産を成功させるのは難しいとそのとき痛感しましたね。
そこから、シェアハウスと一緒に始めたリユース事業をメインに据えるようになりました。業務内容としては直に買い取って売るというシンプルな事業ですが、今はビデオチャット型の買取サービス「SEL-LIVE」を展開したり、即売アプリ「そっきん」という買取サービスをやっています。
最初はずっとテレアポをやっていたのですが、集客にあまりに手間がかかりすぎるということで、ホームページを自分で作ってインターネットを活用して自動化しました。
また、顧客の自宅に訪問して全部商品を引き取るのではなく、ビデオチャット型の買取サービスSEL-LIVEを導入し、物流は提携業者に任せることにしました。
私たちが目指しているのは、『商品を買い取って、二次流通企業や個人に流す』という、仕入のプラットフォームとしての会社なんです。
自分のやりたいことができる、スマートライフを送ることができる世界へ
今後の計画としては5年でこの業界のトップに出ようと思っています。業界トップというとGEOで、時価総額で抜きます。そのために、IPOの準備をスタートし始めたところで、3~4年後には上場と言うのがひとつの目標です。
私たちはこのリユースビジネスをエコという目線ではやっていません。人が限られた資源の中でより豊かに生きるため、かしこく生きるための手段としてリユースを提案しています。
そして、今の社会を、スマートライフを送ることができる世界にしていきたいと思っているんです。世の中には資源が限られる制約が多くありますが、その制約をなくした方がもっと人間が人間らしく、やりたいことをやれるはずです。
私の思想としては、やりたいことをやれて、やりたくないことはやらなくて良いという環境があれば人は幸せになれると思っています。
例えば買い物の際に、中古を買う、またはレンタルをするという消費の選択肢を増やした上で意思決定をしていく。それによって無駄なコストが発生しなくなる。そのコストをやりたいことに使える、という流れが起きれば、もっと人々が豊かになれると考えています。
モノを買うときの優先順位として、新品はあくまで二の次。なぜなら中古の方がコストを落とせる上、同じスペックでより良いモノを入手できる可能性があるからです。
それが嫌なのであれば新品を買う、という選択になった方がいいので、そこの考え方の構造を変えられるぐらいの、社会的インパクトのあるサービスを作っていきたいと思っています。
社風として私自身が大切にしているのは、とにかく強要しないというところです。例えば勤務中の姿勢はこうしなくてはいけないと言われることがあると思うのですが、私は全く気にしていません。成果を出してくれるのであれば良いと思っています。
当社には昼寝推奨制度があり、ハンモックを支給したり、移動時間短縮のためにスケートボードを支給したりしています。メンバーの半分ぐらいはスケートボードで出社していますね。
今いる社員の雰囲気としては、とにかく自分自身で生きていく力を身に付けたいと全員思っています。優秀な人だと、入社して2ヶ月で事業を任せたり、給料をすぐに10万円上げたりしているので、能力を発揮する人には非常にやり易い環境が整っていると思います。