3plex株式会社
和田耕二
POSTED | 2019.11.06 Wed |
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TAGS | 従業員数:6~10人 業種:卸売業・小売業 創立:9〜10年 決裁者の年齢:40代 商材:BtoB |
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「DVR Alert」で防犯カメラの動作をチェック
正直者が馬鹿を見ない、健全な社会を目指してTopics
今回のインタビューは、防犯カメラ・セキュリティ機器の卸売事業を展開する3plex株式会社の和田氏にお話を伺います。防犯カメラの有用性や社会的使命などについて語っていただきました。
3plex株式会社 社長 和田 耕二氏のONLY STORY
【経歴】
1976年北海道出身。20歳で北海道を出て茨城に。大学卒業後は仕事、居住地を転々。2002年防犯機器会社に転職。2005年から防犯カメラメーカーに勤務。入社時従業員3名年商2億の会社が10年後の退職時には売上は3倍強、従業員は20名の会社に成長。その間に経験した業務と人脈が今の糧に。2014年名古屋に転勤後、独立。多くの支援もあり10月で5期目を終える。新しい価値観、新しい会社を目指し日々努力している。
防犯カメラヘルスチェックサービスを開発
–3plex株式会社の事業内容からお伺いします。
和田氏:弊社は、防犯カメラ・セキュリティ機器の卸売をしている会社です。
防犯機器やインターネットについて技術や知識面で販売店よりも高いレベルが求められるので、日々の情報収集や勉強が欠かせません。お客さまが探している機器や用途、ニーズにもより高いレベルでお応えしたいですし、弊社独自のアイデアや商品、技術の提供につながっていると実感しております。
また、いざというときに防犯カメラが機能していなかったということのないよう、防犯カメラのメンテナンスサービスにも力を入れています。
–メンテナンスサービスとはどのようなものですか。
和田氏:弊社独自の防犯カメラヘルスチェックサービス「DVR Alert」というもので、インターネット経由で防犯カメラが作動しているかを確認できるサービスになります。
現在設置されている防犯カメラの2~3割は機能していない状態と言われています。もちろん故障や不具合もありますが、電源やLANケーブルが抜けているようなケースも多々あります。原因が何であれお客さまにとっては故障と同じで、使用できないことに変わりはありません。
そして、このようなトラブルに気づくのは、防犯カメラの録画映像が必要なときです。最悪のタイミングで発覚する機器の障害は関わる全ての人にとって、とてつもなく大きなショックです。
そこで、防犯カメラがいざというときにきちんと機能している環境を実現するため「DVR Alert」の開発に至りました。特許と商標を取得済みで、地道な営業活動により徐々に普及しています。
–同業他社と比べて、御社の強みは何だと思いますか。
和田氏:他社のメンテナンスサービスはメーカーの自社開発が多いため、特定メーカーの防犯カメラとのみ連携するシステムがほとんどです。
その点、弊社の「DVD Alert」はインターネットの仕組みを利用しているため、日本国内で設置されている大手メーカーの防犯カメラにほぼ対応でき、韓国製や欧州製にも対応できることが強みです。
–事業を運営する上で大切にしていることを教えてください。
和田氏:「当たり前のことを当たり前にちゃんとやる」「頑張っている人がちゃんと評価される、正直者が馬鹿を見ない会社」の2つを社是として掲げています。
防犯カメラを扱うゆえに感じるのかもしれませんが、たとえば社長や先生が来たときだけちゃんとやる人ではなく、社長や先生の目の有無にかかわらず普段からきちんとやっている人が評価される社会や会社を目指しています。
前職で培った「財産」を守るため起業
–起業の経緯をお聞かせください。
和田氏:私が2005年に入社した防犯カメラメーカーは、その後の10年で売り上げも社員も増え大きく成長し、もったいない程の役職を頂戴していたのですが、社長の考え方と乖離することもあり退職に至りました。
退職後はいくつかの同業他社からお誘いを頂戴しましたが、前の会社が大きく成長していく過程で私自身に培われた知識や技術、人脈といった財産を持って競合になりうる会社さんに転職することに大きな抵抗感がありました。
前職で培うことができた財産ですから、辞めたとはいえ他社に提供することはできません。かといって全くの異業界に転職するつもりもなかったので、独立するにしては消極的な決断ですが起業を決意しました。
–起業後の苦労や嬉しかったことは何でしょうか。
和田氏:前の会社が小さかったこともあり、営業に限らず販売管理や労務管理、事務全般を経験する機会に恵まれてきたので、営業以外の業務も自分なりにやってこれたと思います。よく起業すると一人で何でもやらなきゃいけないと聞きますが、あまり大変だったとか苦労したという感覚はありませんでした。お金はなかったので資金面のやりくりは大変でした。
嬉しいのはやはりお客さまに感謝されることです。エンドユーザーさんに直接防犯カメラを設置をする機会もたまにあるのですが、「和田さんに頼めば安心」と言ってもらえるとやっぱり嬉しいです。
「10期・10人・10億」を目指す
–短期的な目標をお伺いします。
和田氏:5期目を終えた今、「10期・正社員10人・売り上げ10億」を目標としています。
そのために、新規顧客開拓と並行して、今のお客様とより深いお付き合いをしていきたいと思っています。たとえば、防犯カメラの設置で関わった大手病院様では、大型放射線治療機の周辺の機器や備品類の導入で協力させていただいております。
このように事業を派生させていき、同時に親和性の高い「AI」や「IoT」の推進にも力を入れていこうと考えています。
–長期的展望はどうでしょうか。
和田氏:防犯カメラに対するイメージを変えていきたいと思っています。
防犯カメラを導入するというと、監視されるというマイナスのイメージを持たれがちです。防犯カメラは悪い事をした証拠を残すツールであることは間違いないですが、同時に犯罪者以外の人が無罪であることを証明するツールです。防犯カメラは悪を探すという側面だけでなく、無罪を証明し、健全な社会の実現に貢献するというプラスのイメージを広げていきたいです。
そのことをしっかりと提案していき、みんなが笑顔になる社会に貢献したいと思っています。
–最後に、読者へのメッセージをお願いします。
和田氏:防犯カメラは機械の目として生産管理や安全のために活用されてますし、セキュリティ用センサーは犯罪対策だけではなく、介護や製造業界など多岐にわたる業界で活用されつつあります。防犯業界の持つ技術やノウハウで解決できる問題は他にも数多くあります。
防犯カメラも、防犯だけではなくありとあらゆる面にプラスの効果をもたらします。経営者さまには防犯カメラや防犯機器の効果的な提案ができると思いますので、ぜひお声がけください。
執筆=増田
校正=米山