株式会社 green gables
鈴木 諭
POSTED | 2016.12.12 Mon |
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TAGS | 従業員数:31〜50人 業種:卸売業・小売業 創立:11〜14年 決裁者の年齢:40代 商材:BtoB |
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古着の本当の面白さを、誠実に伝えたい。
祖父の背中が教えてくれた、お客様本位のかっこよさ。Topics
株式会社 green gables 社長 鈴木 諭氏のONLY STORY
家族の背中から得てきたもの
父方の実家、母方の実家、共に商売をやっていましたので、小さい頃から商売に真摯に取り組む祖父母の背中を見て育ちました。
特に、母方の実家は果物屋さんでしたが、祖父の仕入れ、特に競りの見極めの仕方には、幼心に憧れていました。
スイカをトントンと軽く叩き、他の人にはわからない部分を見抜いて仕入れをし、お客様本位で販売する。
その姿勢は本当に格好良かったです。
私は、中学くらいから古着にハマり、21歳で古着の卸に勤め、29歳で独立を考えるようになったのですが、いざ自分で創業する段階になって、いろんな現実にぶつかりました。
例えばお金を借り入れるには「信用」が必要です。
周りを気にせず、好きな事のみをやり続け、嫌な事から逃げてきた私とは対照的に、父はサラリーマンで、勤続35年。父が家族の為に堅実に築いてきた信用のお蔭で、保証人になってくれ、借り入れが実現しました。
昔の私の目には、正直サラリーマンという父の働き方は、あまり格好よく見えていなかったのですが、この頃を機にどんなことがあってもやり遂げる、父の凄さに、ようやく気がつくことができたのです。
また、独立からすぐに、海外に住み始めましたが、その2年間で祖父が亡くなりました。昔ながらの商売人ですが、今でも、誠実に働いていた祖父のことを思い出すたびに、やりたいことだけでなく、お客様の事を考えて働く必要性を実感します。
商売に対する姿勢を祖父が、信念を持ち大切なものを守る姿勢を父が
この2人の存在があったからこそ、今の私があると感じますね。
自己満足で終わらないために
海外へオーダーし、届いたものを選別する事なく、そのまま販売する古着屋が多いのですが、私たちは、自社のバイヤーがピックアップしてきた古着を、現地倉庫で経験の長いメインバイヤーが、再度必ず目を通してから、買付けをする様にしております。
その量は年々増えていき、今では毎月2トンから5トンほどの物量になります。日本に着いてからも弊社倉庫で最終検品を行う為、卸の商品として合格するまでに、最低でも5回以上のチェックを行います。古着の特性上、同じものが無く、1点1点違う為、この作業は大変時間を要し、非効率です。
また、お取引方法も、事前にご予約頂き、お客様に弊社の倉庫にお越しいただき、お客様自身で直接選んでいただきます。
とっても非効率です。でも妥協はしません。
商品はちゃんとしたものを提供しないといけませんから。
古着には歴史がありますので。全ての服に意味があるんです。
例えば、セーラーカラーというのは、元々は船乗りの服装でした。
遠くの音が聞こえない時には、両手で襟を立て水兵の話し声や音を聞きます。
洋服は完成までの間に幾多の試行錯誤がありますから、最終的な形には本当に意味があるし、そこから進化もします。
そこに至るまでの経緯などを調べると、一つ一つに意味があって面白いんですよ。
私たちはそれに魅了されて、個々でこだわりをもって商品をご用意しているわけですが、自己満足にならないためにも、やはりお客様の評価は大切にしていますね。
私たちが自信を持っている品でも、売れならなければ評価されていないという事ですし、私たちから見て思いがけない品であっても、求められているなら必ず提供します。
お客様のニーズを引き出し期待に応えることが大切なんです。
うちのスタッフは、バイヤーになる前に下積みとしてピッカーを経験します。
現在も、35名いる従業員のうち、3分の1が海外で生活をし、毎日仕入れをしていますね。
自分の個性を消すことなく、利益も出せるように段階を踏んで学ぶためです。
かなり長期間の修行になりますが、「古着が好き」という情熱で頑張ってくれていますね。
だから最終的にお客様に対して誠実な仕事ができるんです。
誠実に向き合えるプロであれ
今後は、この仕事をとにかく長く続けていくことが目標です。
好きなものに囲まれ、一緒に熱くなれるスタッフと共に、少しでも多くのお客様に共感してもらえるように。
そのためには、やはりお客様の利益を考えて販売することを大事にしたいですね。
私はスタッフに、「誠実にやりなさい」と常に思い、接しています。
これは私の母がくれた言葉ですが、スタッフにもこの思いを忘れずに、お客様と向き合って欲しいんです。
店頭でも販売員には、もしもお客様が既にお持ちのお洋服と同じようなものを買おうとしているとしたら、こちらから購入を止めるくらいの気持ちで、お客様の利益を考えて欲しいと思っています。すぐに購入してもらうのではなく、他店を紹介したり、お茶でも飲んでゆっくりとした後、それでも欲しいと思えた時にお戻りい頂き、購入して頂く。
そうした行動が、ファンを増やすことにつながり、リピートはもちろん、新たなお客様とのご縁にもつながって行きますから。
また、とにかくやりたいことにはどんどん挑戦して欲しいですね。
折角好きな事を仕事にしているんですから。
自主的に動いてやったことなら、失敗したって笑って許します。
うちには夢をもって働いているスタッフが沢山います。「バイヤーになりたい」「将来店を持ちたい」夢は皆それぞれですが、今の自分の行動がその夢につながっていると考えて、うちで学べるものは全て学んで欲しいです。
働きやすい環境をみんなで作りながら、お客様のために長く仕事を続けて行くことが、私の使命です。
そしていつの日か自分の子供たちに「うちの父は格好良い」と言われたいですね。