株式会社櫻井謙二商店

櫻井 公恵

創業88年の食料品卸売で世の中に「日常」を届ける

常にモチベーション高く働ける会社を目指して
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今回のインタビューは、1932年3月に創業した老舗食料品卸売業を営む株式会社櫻井謙二商会の4代目経営者櫻井公恵氏にお話を伺います。「安心できる暮らしを創る黒子でありたい」と語る櫻井氏に事業に込める想いや今後のビジョンを語っていただきました。

株式会社櫻井謙二商会 社長 櫻井 公恵氏のONLY STORY

地域に根ざした一般加工食品・業務用食品の卸売業


–まずは、株式会社櫻井謙二商会の事業内容をお聞かせください。

櫻井氏:弊社は、千葉県銚子市を拠点とした食料品卸売業を営んでいる会社です。

メーカーや一次問屋から商品を仕入れ、地元地域のスーパーやレストラン、ホテルなどのお客様に、一般加工食品や業務用食品などをお届けしています。

–一般加工食品、業務用食品とはどういったものですか。

櫻井氏:主力は主に飲料や油、醤油、調味料、缶詰、麺類といった加工食品です。業務用商品はお客様のニーズに合わせ、小売店よりも形態の大きいものをお届けしています。冷凍の商材も多く扱っています。

–事業を行う上で、やりがいや喜びを感じるときはありますか。

櫻井氏:やはりお客様に喜んでいただけるときでしょうか。とくに食料品は生活に密着し、毎日なくてはならないものですから、2011年の東日本大震災や19年の台風15号のような非常時にこそ責務をしっかり果たす必要があります。

そのような非常時には、住んでいる人たちに水や食品を届けるために、休業することなく配送に力を尽くします。もちろん弊社に商品を届けてくださる問屋やメーカー、運送会社のご協力があってこそなんですが、「あのときよくやってくれたよね」と、私たちの存在価値を認めてもらえるととても嬉しいです。

みなさんに支えられて4代目経営者に


–創業はお祖父様でいらっしゃると伺いました。櫻井様が4代目として事業を承継された経緯を教えてください。

櫻井氏:大学卒業後、すぐにこの会社に入社した訳ではなく、別の会社で4年間働いていました。ただ妹との2人姉妹ということもあり、「いずれ後を継がなければ」という思いはありました。ようやく覚悟が定まり銚子に帰ってきた当時は父が2代目で経営しておりました。縁あって私もその後結婚し、会社は父の弟が3代目に就任しました。そのままいけば次の4代目は私の夫が継承するはずだったのですが。

11年前に父が亡くなり、その翌年には私の夫が亡くなり、更にはその2カ月後に3代目の叔父が亡くなりまして…。みなそれぞれ病気でした。

10年前の4月1日に二人代表体制とし、私も代表に就任しました。その年の8月に夫を見送り、10月に先代の叔父を見送り事業を継続しています。

–4代目の社長になるための決意や準備は全くなかったのですか。

櫻井氏:そうですね。私の夫は珍しいがんだったのですが罹患してから6年がんばってくれました。希少がんで治療も限られていましたので「次に後を継ぐのは私になるんだろうな」という覚悟はしつつでしたが、3代目の叔父がそれほど早く亡くなるとは夢にも思っていませんでした。

–社長になられてからどういったことを意識されましたか。

櫻井氏:周りのみなさんには間違いなく心配されると思ったんですね。思いがけず不幸が重なってしまいましたので、お客様にしろ、問屋さんにしろ、「櫻井はこの後大丈夫なのか」って。その心配を払拭することが私の務めだと思いました。

しかし実際のところはみなさん何一つ変わることなく、そのまま、いえそれまで以上に暖かくご支援してくださり、とてもありがたく感じました。

また社内には古くからいる社員も多くおりましたが、みんな本当に働き者ばかり。そのような社員の皆に支えられて今があると思います。だからこそ、誰かに何かあったときは、その人が働き続けられる環境をサポートするというのはとても重要な責務だと考えています。

社員全員が主人公の「私たちの会社」をつくる


–今後の目標を教えてください。

櫻井氏:これまで少しづつではありますが右肩上がりで売上を伸ばしてきました。しかし来期はただ数字を追いかけるのではなく、47人の社員が「やり甲斐、働き甲斐」を持てる会社にしていこうと考えています。

これまでともかくオーバーペースで仕事をこなしてきましたが、世の中も人も考え方も状況も今後ますます変化していきます。まずは己の身の丈を考え、社員個々人の最大の力を発揮できる環境を整える。そしてお客様に対して確実な仕事で櫻井ならではのより良いサービスを提供していきたいのです。来期は腰を据えて働き方を変えていきたいと思いますね。

–具体的にどのようなことをしていきますか。

櫻井氏:業務の効率化のために働きにくさを解消していきます。そして非常事態のときにもモチベーション高く働ける会社にしていきたいと思います。

ではそのために具体的に動くとなると、なかなかどうしてできなかったのですが、社外の方にもサポートをいただきながらようやくスタートをきることができました。、まずは私が思っているいい会社と社員それぞれが思っているいい会社のすり合わせを行っていきたいと考え、アンケートを実施して改善点を洗い出したり、社員一人ひとりと1on1ミーティングを行ったりしています。

ことは当初イメージしていたようには全くスムーズに進まず、大変なことも多いんですが、本気で社員全員が主人公の「私たちの会社」作りに取り組んでいます。

–世の中にどういった影響を与える会社、存在でありたいとお考えですか。

櫻井氏:世の中に影響なんて与えなくていいと思うんです。お客様に食材をお届けして、その先にいるみなさんの当たり前の毎日が過ぎていく。その黒子として、みなさんが安心して暮らしていけることに少しでも貢献できれば私は満足です。

–ありがとうございます。では最後に、読者へメッセージをお願いします。

櫻井氏:会社作りに試行錯誤を重ねながらご苦労されている方や、いい会社を作ろうと奮闘されている方たちと、ぜひ繋がりたいです。よろしくお願いいたします。

執筆=山田
校正=笠原


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