フィールドセールスは、営業活動を成功させるために重要な役割を担う営業プロセスです。しかし、営業責任者の方の中にはフィールドセールスの段階でなかなか成約率が上がらず悩んでいる方もいるかもしれません。フィールドセールスを成功させるためには、役割や実行する際のポイントを知っておくことが大切です。
この記事では、フィールドセールスについて理解を深め、役割や成功するためのポイントを紹介します。
フィールドセールスは、営業活動を成功させるために重要な役割を担う営業プロセスです。しかし、営業責任者の方の中にはフィールドセールスの段階でなかなか成約率が上がらず悩んでいる方もいるかもしれません。フィールドセールスを成功させるためには、役割や実行する際のポイントを知っておくことが大切です。
この記事では、フィールドセールスについて理解を深め、役割や成功するためのポイントを紹介します。
フィールドセールス(field sales)は外勤営業とも呼ばれる言葉です。フィールド(field)は現場を意味します。顧客を直接訪問して、自社商品やサービスの提案、クロージング、成約までを担当します。
営業活動はフィールドセールスを含む以下の4つのプロセスに分業できます。
マーケティングで見込み客を獲得し、インサイドセールスでアポイントを獲得、フィールドセールスで受注し、カスタマーサクセスで継続してもらうのが営業活動の一連の流れです。
プロセスごとに担当者や担当部署が変わることもあれば、営業担当者や同一部署で4つのプロセスを担うこともあります。また、マーケティングが獲得した顧客をフィールドセールスが引き継いだり、インサイドセールスが成約獲得まで行ったりするなど、企業によってプロセスの分け方や担当の振り分け方は異なります。
一般的には、インサイドセールスから引き継いだ見込み客(リード)を成約に持っていくのがフィールドセールスです。インサイドセールスによって構築された顧客との関係と蓄積された情報を活用して、外回り営業を行います。
一連の営業活動を成功させるためには、各プロセスにおいて担当者がそれぞれの役割を意識し、業務の質を高めることが大切です。ここでは、インサイドセールスと比較したフィールドセールスの役割と、その役割を担う人材に必要とされる能力を説明します。
フィールドセールスとインサイドセールスでは役割と営業手法が異なります。
フィールドセールスの役割は、契約の獲得です。そのため、相手を直接訪問して提案や商談を行います。一方、インサイドセールスの役割は、見込み客を育成し、商談のアポイントを獲得することです。顧客や見込み客を直接訪問することなく、電話やメールを通じて非対面でコミュニケーションを図ります。ただし、場合によってはオンライン商談などの手段で、インサイドセールスが成約まで担うこともあります。
フィールドセールスは先方への訪問に時間とコストがかかり、1人の担当者が担当できる案件が限られるため、商談をスムーズに進めることが重要です。インサイドセールスで顧客とよい関係を築きフィールドセールスに引き継ぐことによって、効率的な営業活動ができます。
フィールドセールスを担当する際に必要とされる能力を紹介します。
フィールドセールスには、物事を整理し道筋を立てて考える論理的思考力が欠かせません。
契約を得るためには、自社の商材を導入することを顧客に納得させる必要があります。自社の提案について「なぜ?」を繰り返し、その根拠を矛盾なく詳細に伝えられれば顧客に導入メリットを理解してもらえるでしょう。
論理的思考の材料として、自社の考えや商品・サービスを理解するとともに業界全体にも視野を広げ、競合他社の情報や業界内での自社のポジションをよく把握しておくことが重要です。
コミュニケーション力は、相手とスムーズに意思疎通を図る力のことです。コミュニケーションを円滑にできる人はフィールドセールスに向いています。
フィールドセールスでは複数の企業の担当者と直接顔を合わせて信頼関係を構築し、ニーズを聞き出します。コミュニケーション力が高ければ、会話や表情から相手が興味を持った点や懸念を示した点を敏感に感じ取り、反応に合わせてアプローチを変えられるでしょう。
そのため、フィールドセールス担当者のコミュニケーション力が高いほど、先方が会社や商品・サービスを魅力的に感じやすい傾向があります。
プレゼン力とは、簡潔に要点を伝える力です。フィールドセールスでは、商品・サービスを魅力的だと感じてもらえるようにプレゼンする力も必要です。
質の高い商品やサービスであったとしても、うまく魅力が伝わらなければ受注にはつながらないでしょう。相手にとってのメリットや競合他社との違い、商材特有の特徴などを伝えることで、購入したいと思ってもらえます。
現場で高いプレゼン力を発揮するためには、わかりやすい資料を作り、イメージしやすいように数字や事例を交えたトークスキルを磨いておくなど、事前の準備が必要です。
提案力とは、相手の課題を解決する方法を考えて提出するスキルのことです。提案力で相手の期待を超えられれば、競合他社と比較された時にリードできる可能性があります。
プレゼンは、自社の商材をただ紹介するだけの場ではありません。相手の問題点や課題に合わせ、自社サービスを導入した改善方法を提案することにより、自社商材の必要性を訴えることができます。
フィールドセールスを成功させるポイントを紹介します。
フィールドセールスを成功させるには、インサイドセールスとマーケティングの質を高める必要があります。
インサイドセールスがアポ獲りをする時点で、見込み客にとって有益な情報を提供してニーズを高めておけば、フィールドセールスが行う商談がスムーズになります。さらにマーケティングによって自社商品・サービスの購買意欲が高い見込み客が獲得できていると、次のインサイドセールスでアポイントにつなげやすくなります。
このようにマーケティングの段階からフィールドセールスを意識して見込み顧客の選定を行うことで、費用対効果の高い営業活動ができます。
一昔前は、いわゆる飛び込み営業をする企業が多くありました。しかし、飛び込み営業が成約まで至る確率は低く、効率が悪い点が課題でした。昨今はマーケティング・インサイドセールスとセットでフィールドセールスを行うことで、クロージングの確度を上げようとする考え方が広がっています。
社内に存在する顧客情報やナレッジが共有されていることも大切です。情報を共有することで、受注の確率を上げられる可能性があります。
例えば、顧客との過去のやりとりが社内で共有されていれば、インサイドセールスからフィールドセールスの担当者への引き継ぎがスムーズにでき、相手との信頼関係を崩すことなく契約まで至れるでしょう。
また、情報が見える化されれば、上司がリアルタイムで的確に担当者をフォローすることが可能になり、担当者ひとりで業務を抱え込むことを防げます。
フィールドセールスの業務を一つひとつ効率化することも重要です。名刺の整理や日報の記録など、フィールドセールスの分野でも事務処理の作業は発生します。これらの業務を効率化することにより、顧客を訪問して提案や商談をするフィールドセールスのコアタイムを拡充できるようになります。
資料作成のデータ収集を自動化したり、社外からの営業日報の投稿を可能にしたりすれば、コアタイム以外の業務にかかる時間の短縮が可能です。それによって、顧客対応ができる時間が増えるため、顧客の抱える問題点や課題の洗い出しや解決案の創出など、本来の業務に集中できます。
フィールドセールスを成功させるためには、フィールドセールスだけではなく、インサイドセールスやマーケティングといった営業活動の各プロセスで業務の質を高める必要があります。また、情報共有や業務の効率化も重要な要素です。
しかし、日々の業務に追われていると、フィールドセールスを成功させるための体制を整えるのは難しいでしょう。その場合、専門のノウハウを持った企業の営業支援サービスを導入することをおすすめします。