最終更新日: 2023.09.27

BtoBセールスの現場では、既存顧客のリピート施策のほか、新規顧客の獲得数を伸ばすことに悩んでいる担当者も多いでしょう。

新規顧客を獲得するには、その入り口となるリードの獲得数がポイントになります。そこで注目したいのがリード獲得広告です。リード獲得広告を実施することでリード獲得数をアップできる可能性があります。

この記事では、リード獲得広告の詳細やメリット、設定方法や運用のコツ、実施するにあたって知っておきたい注意点を紹介します。

リード獲得広告とは

リード獲得広告とはFacebookの広告の1つです。自社の商品・サービスに関心があるユーザーのメールアドレスや電話番号などの連絡先情報を取得できます。

一般的なWeb広告では、広告をクリックするとランディングページなどの別のWebサイトが立ち上がり、遷移先のフォームでユーザーに氏名、電話番号、メールアドレスなどの入力を求めます。

このような仕様では、画面遷移のタイミングで気持ちが離れてしまったり、入力項目数の多さで煩わしく思われ途中で離脱してしまったりと、購買意欲の高いユーザーを逃してしまう可能性があります。

一方リード獲得広告では、ユーザーが広告をクリックしてもページが遷移することなくその場で入力フォームが立ち上がり、すぐに必要な情報を入力できます。入力項目が住所や氏名、メールアドレスなどのFacebookに登録してある情報であれば、情報が反映された状態で立ち上がるため、一から入力する手間が省けることも大きな特徴です。

リード獲得広告のフォームで設定できること

リード獲得広告は、Facebookニュースフィード、Facebookストーリーズ、インスタント記事、インストリーム動画、Marketplace、Instagramフィード、Instagramストーリーズに表示されます。

また、以下の項目がFacebookのプロフィールに登録されている場合、フォームに自動入力されます。生年月日の項目を除き、自動入力された内容は編集可能です。

  • 氏名
  • メールアドレス
  • 電話番号
  • 住所
  • 生年月日
  • 性別
  • 既婚/未婚
  • 交際ステータス
  • 兵役経験
  • 会社名
  • 会社の電話番号
  • 役職
  • 仕事用メールアドレス

もちろん上記以外の項目も質問でき、その場合は以下の回答方法から選択して設定します。

  • 多肢選択式(選択肢を用意しておくことが可能)
  • フリーテキスト欄(一行の自由回答が可能)
  • 条件付き(前の質問の回答によって変更可能)
  • 販売店情報(ユーザーの最寄り店舗を回答可能)
  • 予約リクエスト(都合の良い日時を回答可能)

Facebook以外でリードを獲得する方法

Facebookのリード獲得広告のように、フォームが立ち上がりリードを獲得できる広告は他にも以下があります。

  • Googleのリードフォーム表示オプション
  • LinkedInのリード獲得フォーム
  • EightのLead Generation Option
  • Tiktokリード広告

Facebookのリード獲得広告が代表的ではありますが、各媒体によってユーザー層が異なるため、自社商品・サービスと相性が良いユーザー層が含まれる媒体を選ぶと良いでしょう。

Googleのリードフォーム表示オプション

Googleのリードフォーム表示オプションは、リード獲得を目的とした広告表示オプションで、Google広告を運用している広告アカウントで設定できます。リスティング広告やYouTubeの動画広告で利用可能です。ユーザーがGoogleアカウントにログインしている状態で広告をクリックすると、Googleアカウントに登録されている情報が自動入力されます。

LinkedInのリード獲得フォーム

LinkedInはビジネス専用のSNSとして使われ、ビジネスパートナーや商談先を探してコンタクトを取ったり、求人を探し企業からスカウトメールを受けとったりできます。LinkedInのリード獲得フォームでは企業情報や役職などビジネス関連の情報が取得できる可能性が高く、BtoB向けの広告運用で利用されることが多い傾向です。

EightのLead Generation Option

EightもビジネスSNSといわれ、名刺情報を管理できるサービスです。登録者は自分の名刺を保存してキャリア情報を蓄積でき、ビジネスイベントや新しい企業との出会いも期待できます。Eightには「Lead Generation Option」と呼ばれるリード獲得広告があり、ビジネスマンを対象にした広告配信として最適な媒体といえるでしょう。

Tiktokリード広告

TikTokリード広告は、TikTok運用型広告を出稿できるプラットフォーム「TikTok For Business」で利用できます。ユーザーはフォームに入力する際、TikTokに提供した基本情報からの自動入力の選択が可能です。Tiktokはユーザー層が若く10〜30代を対象とした広告配信におすすめです。

リード獲得広告のメリット

リード獲得広告のメリットには、以下の4つが挙げられます。

1.ホームページやランディングページが不要

リード獲得広告の最大の特徴は、ホームページやランディングページ(LP)が不要なことです。通常のリンク広告は、クリック後に遷移したページで資料請求などのコンバージョンへ誘導するため、出稿先とは別にホームページやLPが必要です。

一方リード獲得広告は、クリックしても画面遷移することなく同ページ内でそのままフォームが立ち上がるため、Facebookの広告アカウントさえあれば、ホームページやLPがなくても出稿できます。

2.フォームで離脱するユーザーを最小限に抑えられる

リード獲得広告では、Facebookに登録してある情報が反映されてフォームが立ち上がるため、ユーザーの入力の手間を少なくできます。

広告の内容に興味があってクリックしても、フォームの入力項目が多いと面倒に感じてフォームを閉じてしまうユーザーも少なくありません。そこで、入力を完了させることのハードルが低いリード獲得広告を利用すれば、フォームから離脱するユーザーを減らすことができるでしょう。

3.手軽にABテストを実施できる

リード獲得広告では、手軽にABテストを実施できることもメリットの1つです。

ABテストとは、Webサイトや広告上で、デザインやコピーなどの特定の要素が異なる2種類のパターン(AパターンとBパターン)を用意し、ユーザーにランダムで表示してどちらが効果的かを検証するテストです。

リード獲得広告では簡単にフォームの作成ができるため、質問内容や項目数の違いによるABテストを実施しやすく、エントリーフォームの最適化を図るツールとして使えます。

4.CRMツールやMAツールと連携できる

CRMツールやMAツールと連携できる点もメリットです。CRMツールとは顧客管理を支援するツールで、MAツールとはマーケティング活動を支援するツールのことです。

リード獲得広告で獲得したリード情報は、管理画面からcsvファイルでいつでもダウンロードできますが、エクセルなどで管理すると人為的なミスが発生する可能性も否めません。

CRMツールやMAツールとFacebook広告を連携すれば、保存のし忘れなどの人為的ミスを防ぐことができ、情報の効率的な共有も可能になります。

また、リード獲得後のステータス管理が容易になるため、タイミングよくフォローアップでき成約率のアップが期待できます。

リード獲得広告の設定方法

ここではリード獲得広告の設定方法を解説します。

リード獲得広告を利用するには、まずFacebookページとFacebook広告アカウントを作る必要があります。そして、フォームに飛ばすためのクリエイティブ(バナー)とプライバシーポリシーを用意しましょう。

プライバシーポリシーは個人情報の取り扱い方を利用者に伝えるもので、リード獲得広告では必ず用意しなければなりません。具体的には、収集する情報の種類、収集した情報の用途、収集した情報を関連会社や第三者と共有するかどうかなどを記載すると良いでしょう。

以下で、「Meta広告マネージャー」での設定方法と「Facebookページ」での設定方法、獲得したリード情報のダウンロード方法について解説します。

Meta広告マネージャーでの設定方法

  1. 「+作成」をクリック
  2. 「リード」目的を選択しキャンペーンの詳細などを入力
  3. 「インスタントフォーム」を選択後、Facebookページ、予算などを選択
  4. 広告の目標を選択(リード:数を重視、コンバージョン:質を重視)
  5. 「アイデンティティ」セクションでInstagramアカウントをリンク
  6. 広告のクリエイティブの選択や見出し、説明などを追加
  7. 「インスタントフォーム」を選択
  8. 「フォームタイプ」を選択(大量用:数を重視、高い意向:質を重視)
  9. 質問を設定
  10. 「プライバシーポリシー」や「そのほかの免責事項」を追加
  11. プレビューで確認
  12. 公開

Facebookページでの設定方法

  1. 「宣伝する」をクリック
  2. 「リードを獲得する」をクリック
  3. インスタントフォームかWebサイトを使用するかを選択(フォームを選択する)
  4. フォームに名前をつける
  5. 質問を設定
  6. フォームの言語を選択
  7. 「プライバシーポリシー」を追加
  8. プレビューで確認
  9. 広告のクリエイティブやテキスト、オーディエンス、期間、予算を選択
  10. 「宣伝する」をクリック

(実施後)リード情報のダウンロード方法

獲得したリード情報は90日間有効です。そのため、定期的に手動でダウンロードする必要があります。期間を過ぎたリード情報はダウンロードができなくなるため注意しましょう。

  1. 投稿ツールをクリック
  2. 左メニューの「リード獲得広告フォーム」フォームライブラリをクリック
  3. 表示されたリード一覧から選択してダウンロード

リード獲得広告の運用のコツ

リード獲得広告をただ設定しただけでは期待する効果が得られない可能性があります。そこで、ここではリード獲得広告を運用する際のコツを紹介します。

目標を明確にする

リード獲得広告を実施する際は、リード獲得の目標を明確にする必要があります。具体的には、以下のような内容を決めておきましょう。

  • 実施期間
  • 獲得すべきリードの質
  • 獲得すべきリードの数

リード獲得広告を初めて利用する場合、成果は未知数ですが、初期段階ではリードの獲得数を重視し、ある程度数が集まったら質重視へ切り替えるなど、自分たちがどのフェーズにいるかを考慮しながらその都度目標を設定し直すことも重要です。

ターゲットを絞る

ターゲットを絞るために、ターゲットがわかりやすいクリエイティブにするため、テキストを入れるなどの工夫が必要です。

また、質問項目を目標に合わせて設定するのもおすすめです。できる限り多くのリードを集めたい場合は、ユーザーの負担を軽減することを第一に考える必要があります。質問項目をなるべく少なくし、Facebookに登録してある情報をそのまま反映できる定型の質問を設定すると良いでしょう。

反対にリードの質を高めたい場合は、あえて回答に手間がかかる質問を設定したり、質問項目を増やしたりすると良いでしょう。ターゲットから外れたリードを省くことにつながります。また、質問項目を増やすことによって、より詳細なユーザーの状況が把握でき、リード獲得後のリードナーチャリングで成約率を高められることが期待できます。

結果を分析する

リード獲得広告を実施後、結果の分析も忘れずに行いましょう。求めるターゲット層のリード獲得を目指すには、リード情報を精査して性別、年齢、クリックした時間帯などを分析し、広告の画像やテキスト、フォームの見直しなどで改善のPDCAを回すことが大切です。

リード獲得後の流れも計画しておく

獲得したリードをどのようにフォローするのかの流れも決めておく必要があります。リードを獲得できたとしても、その後のフォローをしっかり行わないと商談や受注にはつながりません。

例えば、フォーム入力後にサンクスメールを送信する流れや仕組みを整えておけば、ユーザーにお礼を伝えられるだけでなく、ほかのサービスの紹介をするなどマーケティング活動につなげられるでしょう。

その場合、リード獲得後の仕組みも整えておく必要があります。というのもリード獲得広告では基本機能でサンクスメールを送れないためです。リードデータをダウンロードしてメールツールで送信する、あるいはCRMツールと連携させて送信するなど、使うツールや業務の流れを構築しておきましょう。

リード獲得広告を実施する前に知っておきたい注意点

リード獲得広告を成功させるためには、注意点も把握し、必要であれば対策も準備しましょう。リード獲得広告を実施する前に知っておきたい注意点3つについて解説します。

配信できるのはモバイルのみ

リード獲得広告を配信できるデバイスはモバイルのみです。モバイルユーザーが多くなっているため、配信がモバイルに限定されても影響が少ないケースが多いかもしれません。

しかし、PCユーザーも多い商材の場合はデメリットになり得ます。リード獲得広告を実施する前に、ユーザーが自社商品やサービスの情報に接触する媒体は何が多いのかを把握し、リード獲得広告との相性をしっかり検討しておく必要があります。

また、SafariやChromeなどのモバイルブラウザにはフォームの送信ができず、iOS用またはAndroid用のFacebookモバイルアプリを使っている場合に限ることも知っておきましょう。

商材の魅力が伝わりにくい

リード獲得広告は、広告をクリックするとすぐさまフォームに到達してしまうため、ランディングページへ誘導して情報をじっくり伝えるタイプの広告に比べて商材の魅力が伝わりにくい可能性があります。

対策としては、広告のクリエイティブ内で商材の魅力を伝えることはもちろん、ユーザーがフォームを送信する心理的ハードルを下げるゴールを設定してまずは接点をつくり、リード獲得後のフォローで商材の魅力をじっくり伝えていくというのも1つの手段です。

例えば、ユーザーにとって有益な情報が記載されたホワイトペーパーのダウンロードであれば、サービス資料を請求するより心理的なハードルが低くなることが考えられます。

BtoB商材の場合は工夫が必要

Facebookには個人のメールアドレスで登録しているユーザーが多いため、フォームから取得するアドレスは会社のメールアドレスではなく個人のメールアドレスとなることが多いでしょう。

その場合、リード獲得後にメールで商材の案内を送信しても個人のアドレスにメールが届くことになり、成約につながりにくいことが考えられます。商材がBtoB向けの場合は職場のメールアドレスや電話番号、会社名の登録を促す工夫をすると良いでしょう。

リード獲得広告を活用して営業活動を効率化しよう

リード獲得広告を活用すれば、ユーザーがフォーム入力の際に感じる煩わしさや負担を軽減でき、リード獲得数の拡大が期待できます。広告のクリエイティブを準備すれば、ランディングページを用意しなくても広告運用を開始できるため、施策の実施における手間が省けることも魅力です。

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