最終更新日: 2025.10.03

「既存顧客からの売上だけでは、事業の成長が頭打ちになってきた」

「新しい顧客を開拓したいが、何から手をつければいいのかわからない」

「世の中には多くの営業手法があるが、どれが本当に自社に合っているのか判断できない」

BtoBビジネスにおいて、持続的な成長を遂げるために「新規開拓」は不可欠な活動ですが、多くの企業がこのような課題を抱えています。

この記事では、伝統的な営業手法から最新のデジタルマーケティングまで、数多くの企業の新規開拓を支援してきたプロの知見を基に、主要な10の新規開拓方法とその選び方、そして成功確率を劇的に上げるための原則を体系的に解説します。

この記事を最後まで読めば、貴社が今取り組むべき最適なアプローチが明確になるはずです。

Table of Contents

BtoB新規開拓の全体像|2つのアプローチ手法を理解する

具体的な方法論に入る前に、BtoBの新規開拓におけるアプローチの全体像を掴んでおきましょう。

手法は多岐にわたりますが、大きく分けると企業側から仕掛ける「アウトバウンド」と、顧客側から見つけてもらう「インバウンド」の2種類に大別されます。

それぞれの特徴を理解することが、適切な戦略を立てる第一歩です。

プッシュ型の「アウトバウンド営業」とは?

アウトバウンド営業とは、企業側からターゲット顧客に対して、電話やメール、訪問といった手段で能動的にアプローチする、いわば「プッシュ型」の手法です。

古くからある営業スタイルですが、ターゲットを正確に狙い撃ちできるため、短期的に成果を出しやすいという大きなメリットがあります。

一方で、相手の都合を考えずにアプローチするため、興味のない相手からは嫌がられてしまったり、多くの営業リソース(人手や時間)が必要になったりするというデメリットも存在します。

新規事業の立ち上げ期など、まずは市場に認知を広げ、実績を作りたいフェーズで特に有効なアプローチと言えるでしょう。

プル型の「インバウンド営業」とは?

インバウンド営業とは、ブログ記事やSNS、Web広告などを通じて顧客にとって有益な情報を提供し、自社を見つけてもらい、興味を持ってもらう、いわば「プル型」の手法です。

顧客が自らの意思で情報を探しに来るため、獲得できるリード(見込み客)の確度が高いのが最大の特徴です。

また、作成したコンテンツは企業の資産として蓄積されていきます。

ただし、成果が出るまでに数ヶ月から一年以上の時間がかかる場合が多く、SEOや広告運用の専門知識が必要になるという側面もあります。

中長期的な視点で、安定したリード獲得の仕組みを構築したい企業に適した手法です。

BtoB新規開拓の伝統的かつ効果的な「オフライン手法」5選

デジタル化が進む現代においても、オフラインでの直接的なアプローチは依然として強力な新規開拓手法です。

特に、高単価な商材や、信頼関係の構築が重要なビジネスにおいてその効果を発揮します。

ここでは、今なお有効な5つの伝統的オフライン手法をご紹介します。

① テレアポ(テレフォンアポイントメント)

テレアポは、ターゲットリストに基づいて企業に電話をかけ、商談のアポイントを獲得するアウトバウンド手法の代表格です。

メリットは、低コストで始められ、短期間で多くの企業にアプローチできる点にあります。

成功のコツは、何よりもリストの質とトークスクリプトの作り込みです。

誰にでも同じ話をするのではなく、相手の業界や役職に合わせて「自分ごと」として捉えてもらえるような切り口を用意することが重要です。

近年では受付で断られるケースも増えていますが、決裁者に直接アプローチできれば、最もスピーディに商談化できる手法の一つです。

② フォーム営業(問い合わせフォームアプローチ)

企業のウェブサイトに設置されている「お問い合わせフォーム」からアプローチする手法です。

テレアポと異なり、相手の時間を奪わずにメッセージを届けられる点や、担当部署の目に留まりやすいというメリットがあります。

成功のコツは、件名と本文の冒-頭で「誰に」「何を伝えたいのか」を簡潔に示すことです。

「〇〇部の皆様へ:貴社の△△という課題解決に繋がる情報提供」のように、相手にとってのメリットを明確に伝えることで、その他大勢の営業メールとの差別化を図れます。

手軽に始められる反面、一斉送信のような文面では無視されるため、一社一社に向けた丁寧な文面作成が求められます。

③ 手紙・DM(ダイレクトメール)

Eメールが主流の現代において、物理的な手紙やDMは、決裁者などのキーパーソンに対して強いインパクトを与えることができます。

特に、質の高いデザインのDMや、丁寧な手紙は、企業の姿勢や熱意を伝える上で非常に有効です。

成功のコツは、「特別感」の演出です。

単に印刷物を送るだけでなく、手書きで一言メッセージを添えたり、相手の関心に合わせた資料を同封したりすることで、開封率とレスポンス率が大きく向上します。

コストは比較的高くなりますが、絶対にアプローチしたい特定のターゲット企業がある場合に、非常に効果的な手法です。

④ 展示会・イベント出展

自社の製品やサービスに関連するテーマの展示会やイベントに出展し、ブースを訪れた来場者と名刺交換を行うことで、多くの見込み客を一度に獲得できる手法です。

すでにある程度興味を持っている来場者が集まるため、質の高いリードを獲得しやすいのが最大のメリットです。

成功のコツは、出展目的(認知度向上か、具体的な商談獲得か)を明確にすることと、名刺交換後のフォロー体制を事前に構築しておくことです。

イベントの熱量が冷めないうちに、いかに早く、そして適切なフォローアップができるかが、成果を最大化する鍵となります。

⑤ 紹介(リファラル営業)

既存の顧客や取引先、知人などから、新たな見込み客を紹介してもらう手法です。

リファラル営業は、BtoB新規開拓において最も強力かつ成約率の高い方法と言っても過言ではありません。

信頼できる第三者からの紹介というお墨付きがあるため、相手は最初から好意的な姿勢で話を聞いてくれます。

成功のコツは、日頃から既存顧客との良好な関係を築き、「この会社なら安心して紹介できる」と思ってもらうことです。

また、紹介を依頼する際は、どのような企業を紹介してほしいのかを具体的に伝え、紹介者の負担を最小限に抑える配慮が不可欠です。

現代のBtoB新規開拓を加速させる「オンライン手法」5選

インターネットの普及により、顧客は購買プロセスの大半を営業担当者に会う前に終えるようになりました。

現代のBtoB新規開拓において、オンラインでのアプローチは避けては通れません。

ここでは、Webを活用して効率的に見込み客を獲得するための5つの主要なオンライン手法を解説します。

① Web広告(リスティング広告・SNS広告など)

Web広告は、特定のキーワードで検索しているユーザーや、特定の属性を持つSNSユーザーに対して、自社の広告を表示させる手法です。

代表的なものに、GoogleやYahoo!の検索結果に表示される「リスティング広告」や、Facebook、LinkedInなどで配信する「SNS広告」があります。

少ない予算から始められ、広告の効果をデータで正確に測定できる点が大きなメリットです。

成功のコツは、ターゲット設定の精度と、広告をクリックした先のランディングページ(LP)の質です。

誰に、何を伝え、どのような行動を促すのか、一貫した設計が求められます。

② SEO・コンテンツマーケティング

SEO(検索エンジン最適化)とは、自社のウェブサイトやブログが、Googleなどの検索エンジンで上位に表示されるように対策することです。

そして、その中核をなすのが、顧客の課題解決に役立つ良質な記事(コンテンツ)を作成し続ける「コンテンツマーケティング」です。

一度上位表示されれば、広告費をかけずに継続的に見込み客を集められる「資産」となる点が最大のメリットです。

ただし、成果が出るまでには半年以上の長期的な視点が必要であり、専門的な知識が求められます。

「売り込み」ではなく、あくまで「顧客への価値提供」を第一に考える姿勢が成功の鍵です。

③ SNSマーケティング(特にLinkedIn、Facebook)

FacebookやLinkedInといったSNSを活用し、企業として情報発信を行ったり、ターゲット顧客と直接コミュニケーションを取ったりする手法です。

企業のビジョンやカルチャーを発信してブランディングを行ったり、業界の専門家として有益な情報を投稿して信頼を獲得したりと、多様な活用法があります。

特にビジネス特化型SNSのLinkedInは、役職や業種でターゲットを絞りやすく、BtoBの新規開拓において非常に有効です。

成功のコツは、いきなり売り込むのではなく、まずは継続的な情報発信を通じて、見込み客との長期的な関係を構築する「ソーシャルセリング」の考え方を持つことです。

④ プレスリリース配信

新製品の発売や新技術の開発、大手企業との提携といった、企業の新しいニュースをメディア向けに発信する手法です。

プレスリリース配信サービスなどを通じて配信し、新聞やWebメディアに取り上げられることで、社会的な信頼性を獲得し、認知度を飛躍的に高めることができます。

低コストで大きな宣伝効果が期待できる点がメリットです。

成功のコツは、メディアの記者が「これはニュースになる」と感じるような切り口を考えることです。

単なる製品紹介ではなく、そのニュースが持つ「新規性」や「社会性」、「意外性」などを明確に打ち出すことが重要です。

⑤ ウェビナー(Webセミナー)開催

オンライン上でセミナーを開催し、特定のテーマに関心を持つ見込み客を集める手法です。

場所の制約なく全国から参加者を集められる点や、参加者のリストを一度に獲得できる点が大きなメリットです。

ウェビナーの内容に満足してもらえれば、自社への信頼感や専門家としての評価も高まります。

成功のコツは、参加者が「参加してよかった」と感じる、価値の高いコンテンツを提供することです。

また、開催後のアンケートで個別相談の希望を聞くなど、獲得したリードを次の商談へと繋げるための「ナーチャリング」の仕組みを事前に設計しておくことが、成果を最大化する上で不可欠です。

失敗しない!自社に最適な新規開拓方法の選び方【4つの軸】

ここまで10の新規開拓方法をご紹介してきましたが、「では、自社はどれから始めれば良いのか?」と迷う方も多いでしょう。

最適な手法は、企業の状況によって異なります。

ここでは、自社に合った方法を見つけるための4つの重要な判断軸をご紹介します。

これらの軸に沿って考えることで、戦略の精度が格段に上がります。

軸①:ターゲット顧客の特性で選ぶ

まず最初に考えるべきは、「あなたの顧客は誰で、どこにいるのか?」ということです。

例えば、ターゲットがIT業界の若手エンジニアであれば、SNSマーケティングや技術系のウェビナーが有効でしょう。

一方で、ターゲットが地方の製造業の工場長であれば、業界専門誌への広告や、地域に根ざした展示会への出展の方が効果的かもしれません。

相手が普段どのように情報収集をしているのか、どのようなコミュニティに属しているのかを深く理解することが、最適なアプローチ手法を選ぶための最も重要な出発点となります。

軸②:商材の単価・特性で選ぶ

自社が扱う商材の単価や特性も、手法を選択する上で重要な軸となります。

例えば、数百万円以上するような高単価な基幹システムの場合、顧客は導入に非常に慎重になります。

この場合、Web広告でいきなり問い合わせを狙うよりも、SEOやウェビナーでじっくりと情報提供を行い、信頼関係を構築するインバウンド手法が適しています。

逆に、月額数千円のSaaSツールのような低単価で導入が容易な商材であれば、Web広告やテレアポで広くアプローチし、まずは無料トライアルに繋げるアウトバウンド手法が有効な場合があります。

軸③:予算・社内リソースで選ぶ

新規開拓にどれだけの予算と人員を割けるか、という現実的な制約も考慮しなければなりません。

例えば、大規模な展示会への出展は数百万円単位の予算が必要ですが、フォーム営業やSNSマーケティングは、人件費を除けば比較的低コストで始めることができます。

また、コンテンツマーケティングやウェビナーを自社で運営するには、専門知識を持ったマーケティング担当者が必要です。

もし社内にそのようなリソースがないのであれば、まずはテレアポや紹介といった、営業担当者が主体となって動ける手法から始めるのが現実的かもしれません。

軸④:事業フェーズで選ぶ

企業の成長段階(事業フェーズ)によっても、優先すべき手法は変わってきます。

例えば、設立間もないスタートアップ期であれば、まずは何よりも実績を作り、キャッシュフローを安定させることが最優先です。

この段階では、成果が出るまでに時間がかかるインバウンド手法よりも、テレアポやフォーム営業といった、短期的に商談を生み出せるアウトバウンド手法に注力すべきでしょう。

逆に、事業が安定し、さらなる成長を目指すグロース期には、将来の資産となるコンテンツマーケティングや、仕組みでリードを獲得するインバウンド手法への投資を本格化させていくのが定石です。

BtoB新規開拓の成功確率を劇的に上げる3つの共通原則

どのような新規開拓方法を選ぶにせよ、その成功確率を左右する、全ての活動の土台となる共通の原則が存在します。

小手先のテクニックに走る前に、まずはこれから紹介する3つの原則を徹底することが、BtoB新規開拓を成功させるための最も重要な鍵となります。

原則①:ターゲット(ICP・ペルソナ)を徹底的に明確にする

新規開拓がうまくいかない最大の原因は、ターゲットが曖昧なことにあります。

「誰に」アプローチするのかが明確でなければ、メッセージは誰の心にも響きません。

成功のためには、自社にとって最も価値のある理想の顧客像、すなわちICP(Ideal Customer Profile)を定義することが不可欠です。

どのような業界の、どのくらいの企業規模で、どのような課題を抱えている企業が、自社の製品を導入することで最も成功するのか。

これを徹底的に言語化し、社内で共通認識を持つことで、全ての新規開拓活動の精度が飛躍的に向上します。

原則②:MA・SFA/CRMツールを導入し、活動を科学する

現代のBtoB新規開拓は、もはや営業担当者の勘と根性だけで戦える時代ではありません。

MA(マーケティングオートメーション)やSFA/CRM(営業支援/顧客管理)といったツールを導入し、あらゆる活動をデータに基づいて管理・分析することが不可欠です。

どの手法で獲得したリードの成約率が高いのか、どのようなコンテンツが顧客に響いているのかを科学的に分析し、改善を繰り返すことで、新規開拓の成功確率を継続的に高めていくことができます。

これらのツールは、単なる業務効率化ツールではなく、営業・マーケティング活動の羅針盤となる重要な存在です。

原則③:リソースが足りなければ外部のプロ(営業代行など)を活用する

新規開拓には、専門的な知識や多くのリソースが必要となります。

もし、自社にノウハウや人員が不足しているのであれば、全てを自社だけでやろうとせず、外部のプロの力を借りるという選択肢を積極的に検討しましょう。

例えば、アポイント獲得に課題があるなら営業代行会社に、Webからの集客を強化したいならマーケティング支援会社に依頼するなど、自社の弱点を専門家の力で補うのです。

餅は餅屋です。

自社のコア業務に集中しつつ、不足している部分はアウトソースするという考え方が、限られたリソースの中で成果を最大化するための賢い戦略です。

まとめ:新規開拓の成功は「手法の選択」と「一貫した実行」から始まる

本記事では、BtoBの新規開拓における10の主要な方法と、自社に合った手法の選び方、そして成功のための共通原則を網羅的に解説しました。

BtoB新規開拓には多様なアプローチが存在しますが、成功の鍵は、自社のターゲット顧客や商材、事業フェーズといった状況を正しく分析し、最適な手法を選択することにあります。

そして、もはや単一の手法だけで勝ち続けることは困難な時代です。

オフラインとオンライン、アウトバウンドとインバウンドを戦略的に組み合わせ、データに基づいて活動を改善し続けることで、自社独自の「勝ちパターン」を構築することが求められています。

まずはこの記事の「4つの軸」を参考に、自社のターゲット顧客は誰で、どのような課題を持っているのかを改めて定義することから始めてみましょう。

それが、最適な新規開拓方法を見つけるための最も重要な第一歩です。

ENICXO
メッセージアイコン オンリーストーリー代表 平野からのメッセージ
オンリーストーリーでは、これまで10年以上にわたり、
BtoB営業における「集客の課題」と真剣に向き合ってきました。

経営者同士が信頼でつながるマッチングプラットフォームや、
想いを届ける手書きの手紙など、独自の形で支援を続けています。

そして最近では、経営者同士を直接つなぐ「顧問&コミュニティサービス」も新たにスタートしました。

私たちが大切にしているのは、単なるマッチングツールの提供ではなく、
一社一社の課題に寄り添い、"本当に意味のある出会い"をつくることです。

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