監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
顧問サービスと一口に言っても、サービス形態や実態がわからずに迷うことはないでしょうか。
この記事では、顧問サービスの種類、費用相場、選び方を解説します。
顧問サービスとは|仕組みと領域・契約の分け方
顧問サービスは、外部の専門家と継続して契約する仕組みの総称です。
仕組み、領域、契約の形の3点で整理します。
顧問サービスは外部の専門家に継続して相談できる仕組み
社内に専門人材がいない分野では、採用すると費用も時間もかかります。
顧問サービスは、必要な知見を外部の専門家から継続的に借りる仕組みです。
雇用ではなく業務委託で契約するため、必要な期間と範囲だけ活用できます。
まず、自社で足りない知見が何かを書き出してください。
領域で分ける|士業・経営・営業・技術
顧問サービスは、専門領域によって役割が大きく変わります。
士業は法務・税務、経営顧問は意思決定、営業顧問は紹介、技術顧問は開発の助言が中心です。
領域をまたぐ相談は、1人の顧問では答えきれないことがあります。
悩みがどの領域に当たるかを、先に決めてから探してください。
契約で分ける|月額固定・成果報酬・スポット
同じ領域でも、契約の形で費用の出方が変わります。
継続相談は月額固定、成果が測れる業務は成果報酬、単発の相談はスポットが向きます。
月額固定は定例の打ち合わせが中心で、成果報酬は紹介や契約の件数に応じて支払います。
自社の目的に近い契約の形を、先に1つ決めてください。
顧問サービスの費用相場|領域別の目安と比べ方
顧問サービスの費用は、領域と稼働の頻度で大きく変わります。
月額の目安、成果報酬の見方、比べ方の3点を挙げます。
月額の目安は領域で大きく変わる
公開されている相場情報を見ると、領域ごとに月額の幅があります。
士業は月1万〜5万円、営業顧問は月10万〜50万円程度が目安です。
金額は契約範囲と稼働の頻度で変わるため、あくまで目安として見てください。
自社の悩みに近い領域の目安を、次の表で確認してください。
| 領域 | 月額の目安 | 他社の料金例 |
|---|---|---|
| 士業(弁護士・税理士・社労士) | 1万〜5万円程度 | 税理士事務所は毎月訪問で、年間売上2,000万円未満なら月3万円。法律事務所は月5.5万円 |
| 経営顧問 | 20万〜50万円程度 | コンサルティング会社は、助言中心の顧問契約で、中小・ベンチャー月5万円、上場・中堅月10万円。新規事業の立ち上げ支援は月30万〜100万円。元役員クラスは月50万円を超える例もある |
| 営業顧問 | 10万〜50万円程度 | 月30万円にアポ成功報酬1件5万円を加える例。成果報酬は売上の5〜10%に設定する例が多い |
| 技術・DX顧問 | 30万〜80万円程度 | 1日の稼働で数十万円とする例もある |
成果報酬は「1件」の決め方で総額が変わる
成果報酬型は、初期費用が低く見えるため選ばれやすい契約です。
成果報酬は、紹介の1件を何と数えるかで総額が決まります。
担当者との面談と決裁者との面談を同じ1件にすると、期待とずれます。
契約前に、1件の定義と支払いの時期を文書で確かめてください。
当社が登壇資料でまとめた目安では、決裁者アポは担当者アポより成約率が約10〜15倍です。
月額やアポ単価でなく受注1件あたりで比べる
アポ単価だけを見ると、営業顧問は営業代行より高く見えます。
費用は月額やアポ単価でなく、受注1件あたりに置き換えて比べます。
試算では、アポ単価15万円で3件に1件受注すれば、受注1件は45万円です。
アポ単価2万円でも50件に1件なら100万円になるため、受注件数で割って比べてください。
顧問サービスの選び方|確認する点とよくある失敗
顧問サービスは、契約したあとに合わないと分かっても、すぐには戻せません。
契約前に見る点を2つ、よくある失敗を1つ挙げます。
課題を1つに絞り、顧問の領域を決める
最初に課題を広く取ると、どの顧問も合うように見えてしまいます。
解決したい課題を1つに絞り、その領域の顧問から探します。
「売上を伸ばしたい」では広く、「製造業の部長に会いたい」なら領域が決まります。
課題を1文で書き、顧問候補に見せて、対応できるかを聞いてください。
実績と契約範囲を、契約前に書面で確かめる
顧問の肩書きだけでは、実際に何をしてくれるのかが分かりません。
直近の実績と、稼働の頻度・連絡手段・成果の定義を、契約前に書面で確かめます。
口頭の約束は、担当が変わると引き継がれません。
契約書に、相談回数と報告の頻度、解約の条件を入れてください。
丸投げにすると成果が止まる
顧問を入れたあとに、社内の動きが止まるケースがあります。
顧問に任せきりにせず、社内の窓口と定例の打ち合わせを決めておきます。
紹介や助言を受けても、受け取る側が動かなければ成果になりません。
月に1回は、顧問と成果と次の打ち手を振り返ってください。
顧問サービスを決裁者との接点につなげる視点
顧問サービスの成果は、顧問が自社をどう説明できるかで変わります。
紹介を受ける準備と、1人の人脈に頼る限界の補い方を挙げます。
顧問が紹介しやすい状態を先に作る
顧問は、説明できない会社を決裁者に紹介できません。
紹介を受けたい相手と自社が選ばれる理由を、顧問が1分で話せる形にします。
紹介先の役職と業界、提供できる価値を1枚にまとめると伝わります。
顧問との初回の打ち合わせで、その1枚を渡してください。
顧問1人の人脈が尽きる限界を補う
顧問サービスは、顧問1人の人脈が尽きると紹介が止まります。
オンリーストーリーが運営する決裁者マッチングは、審査を通過した企業の決裁者同士が直接つながれる仕組みです。
主力サービスの「縁CXO(えにシーオー)」では、定例の打ち合わせで狙う相手をすり合わせ、8,000名以上の決裁者から紹介します。
プラットフォームに登録されている決裁者以外にも、平野の人脈から決裁者をご紹介します。
一方で、商材の単価が低い場合や担当者レベルで決裁が完結する商材では、効果が出にくい傾向があります。
まとめ
顧問サービスとは、外部の専門家と継続契約し、助言や紹介を受ける仕組みです。
種類は、士業・経営・営業・技術の領域と、月額・成果報酬・スポットの契約で整理できます。
月額の目安は、士業で1万〜5万円、営業顧問で10万〜50万円程度です。
費用は月額やアポ単価でなく、受注1件あたりに置き換えて比べます。
選ぶときは、課題を1つに絞り、実績と契約範囲を書面で確かめてください。
顧問1人の人脈に頼りきらず、担当者を経由しない接点の作り方も考えてみてください。
よくある質問
Q. 顧問サービスとは何ですか
A. 顧問サービスとは、外部の専門家と継続して契約し、助言や紹介を受ける仕組みです。
雇用ではなく業務委託のため、必要な期間と範囲で活用できます。
領域は、士業、経営、営業、技術などに分かれます。
Q. 顧問サービスの費用相場はいくらですか
A. 月額の目安は、士業で1万〜5万円、営業顧問で10万〜50万円程度です。
経営顧問は20万〜50万円、技術・DX顧問は30万〜80万円程度が目安です。
他社の例では、営業顧問に月30万円とアポ成功報酬1件5万円を組み合わせる契約もあります。
契約範囲と稼働の頻度で変わるため、見積もりで確かめてください。
Q. 顧問サービスは何を基準に選べばよいですか
A. 解決したい課題を1つに絞り、その領域の実績と契約範囲を確かめて選びます。
実績は直近のものを、契約範囲は書面で確認してください。
紹介が目的なら、顧問を入れ替えられる仕組みがあるかも見てください。
この記事の監修者

平野 哲也(ひらの てつや)
株式会社オンリーストーリー 代表取締役
BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。
累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。
「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。



