企業マッチングツールとは
企業マッチングツールとは、事業の発展や人脈作りを目的として、企業をマッチングするサービスのことです。例えば、自社の商品やサービスを提供したい企業と、それを求める企業を結びつけます。
飛び込み営業やテレアポといった従来の営業手法では、見込み客(リード)と出会えるかどうかは、運やタイミングに左右される部分があります。多くの手間や時間をかけたにも関わらず、なかなか成果につながらないこともあります。また、人脈を利用せずビジネスパートナーを探す難易度は高いです。
企業マッチングツールには、ツール内にサービスを利用する企業またはビジネスパーソンの情報が登録されており、自社が求める企業や人材を効率的に探してアプローチできます。従来の営業手法よりも少ない手間でリードやビジネスパートナーを獲得できるため、営業リソース不足に悩んでいる方におすすめのサービスです。
企業マッチングツールを活用するメリット
企業マッチングツールを活用するメリットは、主に以下の3つです。
- 効率的に見込み客(リード)を探せる
- 効率的にパートナー企業を探せる
- 相手企業の情報を収集しやすい
効率的に見込み客(リード)を探せる
企業マッチングツールを活用すると、ツール内でさまざまなエリアや業種の企業と出会えます。企業を訪れたり、1件ずつ電話をかけたりしなくとも、自社にふさわしい見込み客(リード)の獲得が可能です。
自社にいながら、自社のニーズに合致するリードを探せるため、取引先探しの手間を削減でき、浮いた時間や人員を他の業務に充てられます。営業リソースを有効に活用できるため、リソース不足に悩んでいる企業にはマッチングツールの利用がおすすめです。
効率的にパートナー企業を探せる
企業マッチングツールはパートナー企業探しにも活用できます。ビジネスパートナーに求めている条件から企業を探し、アプローチしてみるとよいでしょう。また、自社からアプローチするだけではなく、相手企業からオファーを受けることもあります。そのため、自社が想定していなかったビジネスチャンスを獲得できる可能性もあります。
ビジネスにおいて、自社に価値あるアドバイスを行うパートナー企業の存在は重要です。提携することにより、新規事業をスムーズに展開できます。相手企業が有名な企業の場合、相手企業のブランド力を活用すれば、自社の信頼度も向上します。
相手企業の情報を収集しやすい
企業マッチングツールでは、ツール内に登録されている企業の情報を閲覧できるため、相手企業の情報収集を効率的に行えます。また、他社の情報を確認することにより、市場ニーズを把握するという活用方法もあります。見込み客(リード)の獲得や今後の経営戦略の策定において、他社の情報は重要な役割を果たすでしょう。
企業マッチングツールを活用するデメリット
企業マッチングツールの活用には多くのメリットがある反面、デメリットも存在しているため併せて理解しておきましょう。
- ツールの情報だけでは相手企業の理解が難しい
- マッチングに失敗する可能性がある
ツールの情報だけでは相手企業の理解が難しい
ビジネスツールに登録されている情報は、企業の自己申告によるものであるため、必ずしも正しいとは限りません。掲載されている情報をそのまま鵜呑みにせず、他の情報源も併用しながら慎重に見極める必要があります。
実際に相手企業とコミュニケーションを取ることにより、ツール内の情報では気付かなかった企業の魅力を把握できます。公開されている情報には記載がなかったとしても自社の求めるスキルやノウハウを有している場合もあるため、少しでも気になる企業には積極的にアプローチしましょう。
マッチングに失敗する可能性がある
企業マッチングツールを活用したからといって、必ずしもマッチングするとは限りません。マッチングしたとしても、自社の求めるリードやパートナー企業ではない可能性もあります。
自社のニーズに適したリードやパートナー企業を獲得するためには、マッチング後に相手の関心を引く情報を提供するなど、適切にアプローチすることが重要です。相手のニーズに合わせたアプローチができるよう、資料やトークスクリプトの準備をしておきましょう。
企業マッチングツールを選ぶ際のポイント
企業マッチングツールには数多くの種類があり、どれを利用しようか悩む人も多いでしょう。ここでは企業マッチングツールを選ぶ際のポイントを解説していきます。
得意分野を確認する
企業マッチングツールでは、ツールごとに利用者の多い業界が異なります。利用するツールを選ぶ際は、ツールの得意分野を確認しておく必要があります。
特定の分野に特化しているマッチングツールを選ぶと、自社のニーズにマッチした企業と出会える可能性が高くなります。特にニッチな分野の企業とマッチングしたい場合は、その分野に特化しているツールを選ぶことがおすすめです。一方、業界に限らず複数の企業とのマッチングを希望する場合、登録数が多くさまざまな分野を扱うツールを選ぶとよいでしょう。
業界だけではなく、利用者の役職を限定しているツールもあります。中には、「経営者限定」というように利用者の条件を設定している場合もあります。
料金体系を確認する
企業マッチングツールの料金体系は複数あります。完全無料のものから有料のものまで幅広いため、自社の予算に合うものを選ぶとよいでしょう。
有料のマッチングツールでは、主に月額固定型と成果報酬型、リード課金型の3つが用意されています。それぞれの特徴を理解した上で、どの料金形態のマッチングツールを利用するか検討しましょう。
月額固定型 | 成果に関わらず、月額で固定の利用料が発生する。あらかじめいくら費用がかかるのかわかるため、予算管理がしやすい |
成果報酬型 | マッチングに成功して契約した場合に報酬が発生する。契約しない場合は費用は発生しないが、短期間の契約数が多い場合は、月額固定型よりも割高となる |
リード課金型 | 資料の請求などにより見込み客(リード)を獲得した場合に費用が発生する。リードの定義はツールによって異なる |
おすすめの企業マッチングツール10選
数ある企業マッチングツールから、おすすめの企業マッチングツールを10個紹介します。
1.チラCEO
「チラCEO」とは、株式会社オンリーストーリーが提供している決裁者限定のマッチングサービスです。審査に通過した決裁者のみ利用できるため、質の高い見込み客(リード)を獲得できます。
チラCEOでは、以下のような方法でリードやパートナー企業を見つけられます。
- 毎日表示されるおすすめの決裁者にメッセージを送れる
- 決裁者を検索して、気になる決裁者にメッセージを送れる
- 決裁者と知り合えるオンラインイベントに参加できる
- 自社のニーズや課題に適した決裁者を紹介してもらえる
営業担当者ではなく、決裁者と直接話せるため、契約までスムーズに進められる点が魅力です。自社の課題をヒアリングしたうえで決裁者を紹介してもらえるため、ツールを活用せずに自社で探す場合よりも確度の高いリードと出会う可能性が高いです。
なお、料金はプランに応じた月額固定制型を採用しており、成約した場合にも追加の費用は発生しません。
チラCEO
2.AUBA
「AUBA」は、株式会社eiiconが提供しているマッチングサイトです。累計登録者数は25,000社を超えており、大企業からスタートアップ企業、自治体まで累計2万社以上もの導入実績があります。
一次産業からAI、DXなどの先端領域、航空宇宙など、さまざまな業種の企業が登録しており、多様な軸で提携先の企業を探せます。ただし、新たな価値を生み出すオープンイノベーションに特化したプラットフォームであり、営業行為は禁止されています。そのため、見込み客(リード)ではなく、協業企業を探している場合におすすめです。
利用者の7割以上を意思決定層が占めており、マッチング後にスムーズに話を進められるでしょう。キーマンと効率的につながることに適しています。
最低契約期間は1年で、料金プランは月額固定型を採用しています。3つの料金プランが用意されており、利用料は年594,000円〜3,960,000円です。
AUBA
3.Biz-Create
「Biz-Create」は、株式会社三井住友銀行と株式会社三十三銀行が共同で運営しているマッチングサイトです。利用企業は14,000社で、月間商談件数は1,800件以上となっています。
大手企業から中小企業、ベンチャー企業、大学、地公体など多種多様な企業を掲載しており、さまざまなニーズに合わせて出会える点が特徴です。技術やサービス・商品の特徴などのキーワードで検索して、気になる企業があればチャットでコミュニケーションを取る流れとなっています。
ニーズの検索から取引成約まで、基本のサービスを無料で利用できます。銀行員のサポートを希望する場合は有料ですが、充実したサービスを基本無料で利用できる点が魅力です。
Biz-Create
4.J-GoodTech
「J-GoodTech(ジェグテック)」は、経済産業省所管の独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しているマッチングサイトです。
特徴的な技術やサービスを持つ優良企業や、自治体によって推薦された企業などが多数登録されています。製造業やサービス業、棚卸業など多種多様な業種から協業企業を見つけられる点が特徴です。
中小機構のアドバイザーが登録企業との商談・情報交換に役立つサポートを行うため、マッチングサイトを初めて利用する場合でも安心です。企業検索やニーズの発信、アドバイザーへの相談など、すべてのサービスを無料で利用できます。
J-GoodTech
5.システム幹事
「システム幹事」とは、株式会社ユーティルが運営しているマッチングサイトです。システム・アプリ開発会社を探すことに特化しています。
2023年5月時点で、掲載社数は5,000社を超えています。専門のコンサルタントが丁寧に相談に乗ってくれるため、自社のニーズに適した企業が見つかりやすいでしょう。
また、発注を無料で行える点も魅力です。全国の開発会社の情報を集約したデータベースを保有しており、地域や強みなどさまざまな切り口で制作会社を探せます。開発のプロが要件をヒアリングして制作会社を探すため、自社で探す手間を省けます。
システム幹事
6.BizOn!
「BizOn!(ビズワン)」は、WizBiz株式会社が運営しているマッチングアプリです。経営者・フリーランス専用であり、登録時の審査はスタッフが目で1人ずつ丁寧に行なっており、質の高いリードの獲得を期待できます。サービス開始2年間で累計21万組以上のマッチングが成立しています。
毎日5人のおすすめの経営者を無料で紹介してもらえる点が魅力です。昼の12時にAIが自動でピックアップして表示します。iPhoneとAndroidのいずれでも使用できるが、パソコンでは使用できないため、スマートフォンのアプリで利用する必要があります。
利用料は無料であり、成約時にも追加費用は発生しません。
BizOn!
7.yenta
「yenta(イェンタ)」は、株式会社アトラエが提供しているマッチングアプリです。ユーザーの在籍企業は9万社以上であり、累計マッチング数は500万件を突破しています。
おすすめ表示されるビジネスパーソンをスワイプするだけで、普段なかなか関わる機会のない業界や職種の人材と出会えます。
yentaは複数の料金プランを用意しており、無料でもサービスを利用できます。有料プランの利用には、より多くのデータを閲覧できる、詳細に条件を指定して検索できるなどの多くのメリットがあるため、無料プランの利用後に利用を検討することがおすすめです。
yenta
8.COLABO
「COLABO(コラボ)」は、株式会社キーパーソンマーケティングが提供しているマッチングアプリです。参加するには審査に通過する必要があり、条件をクリアした経営者のみが登録されているため、質の高いマッチングを期待できます。
4,500名を超える経営者が登録しており、その中からAIがおすすめの経営者を、1日4名、を表示します。自分で探すよりもAIが自社のニーズにあった企業を紹介してくれるため、時間や手間を省けます。
また、マッチングを行う際、事前にマッチングの目的を共有できるため、価値のないマッチングが生まれにくくなっています。相手にオファーをする際にも、オファー目的を共有する仕組みですこととなっています。
利用は無料であり、マッチングに成功しても追加料金はかかりません。メッセージも無料であるため、気軽に利用できます。
ただし、iOSにしか対応していないため、使用するデバイスによっては利用ができません。
COLABO
9.CXOバンク
「CXOバンク」は、CXOバンク株式会社が提供しているマッチングアプリです。会社役員限定のサービスであり、完全無料で利用できます。
毎日厳選された3名のCXOがおすすめで表示されるため、自社で相手企業を探す手間を省けます。また、従来のマッチングアプリとは異なり、双方が「興味ある」にならなくても、あなたに興味のある人とつながれる点も特徴です。
リリースやPR、募集情報などを投稿できる機能が搭載されています。24時間で消える仕様となっており、追加費用なしに何度でも投稿できます。
CXOバンク
10.Linker
「Linker(リンカー)」は、株式会社ディーノシステムが運営しているマッチングアプリです。完全審査制で、社長と役員・フリーランスが多く登録しています。経営実態のない企業や経営者層以外は混ざっておらず、安心して利用することが可能です。
自分で気になる経営者を探してマッチング申請できるだけではなく、AIがおすすめの経営者を紹介してくれます。気になるサービスや投稿にコメントすることにより、気軽にやり取りができます。オンラインや対面で会う前にコミュニケーションを取ったり、質問したりできるため、お互いに親近感を抱きやすいです。
原則、豊富な機能を無料で利用できますが、アプローチする件数を増やしたい場合には有料プランを検討してみるとよいでしょう。
Linker
企業マッチングツールを活用してリードや協業先を獲得しよう
企業マッチングツールは、事業の発展や人脈作りのために、企業間をつなげるサービスです。効率的にリードやパートナー企業を探せる、相手企業の情報を容易に収集できるなどのメリットがあります。しかし、マッチングツール上の情報が全て正しいとは限らないため、他の情報源を併用したり、コミュニケーションを通じて相手企業を見極めたりする必要があります。
企業マッチングツールを選ぶ際は、得意分野と料金体系を確認しておきましょう。マッチングツールごとに得意分野が異なり、自社の分野を扱っているツールを選ぶことによって、より大きな成果を期待できます。料金体系も無料・有料のものがあり、有料プランも月額固定型、成果報酬型、リード課金型といった3つのプランがあるため、自社の予算に合うものを選びましょう。
本記事ではおすすめのサービスを10個紹介しました。どれも魅力的なツールであるため、利用するマッチングツール選びの参考にしてください。