最終更新日: 2026.01.13

不動産業界の法人営業は、企業を顧客として物件の売買や賃貸、土地活用などを提案する専門職です。個人向け営業とは異なり、高額な取引や複雑なニーズへの対応が求められます。本記事では、仕事内容から必要なスキル、キャリアパスまで詳しく解説します。

不動産業界の法人営業とは

不動産業界の法人営業とは、企業を対象に不動産の売買や賃貸、土地活用などを提案する営業職です。オフィスビル、店舗、倉庫、社宅など、企業活動に必要な不動産の取引をサポートします。

個人向け営業が住宅購入という個人のライフイベントに寄り添うのに対し、法人営業は企業の経営戦略や事業計画に深く関わります。新規出店や事業拡大、拠点統合、資産運用など、企業の意思決定に直結する提案を行うため、高度なビジネススキルが求められます。

取引金額も個人向けとは大きく異なります。数億円から数十億円規模の案件も珍しくなく、一つの契約で大きなインパクトを生み出せる点が特徴です。そのため、慎重な判断とタイミングの見極めが重要になります。

不動産業界の法人営業の主な種類

法人営業と一口に言っても、その業務内容は多岐にわたります。代表的な4つの種類を理解し、自分に合った分野を見つけることが重要です。

オフィス・店舗の賃貸営業

企業が事業活動に使用するオフィスや店舗の賃貸契約を仲介する営業です。移転や新規出店を検討する企業に対し、立地条件、広さ、賃料、契約条件などの要望をヒアリングし、最適な物件を提案します。

オフィス移転では、単に物件を紹介するだけでなく、移転スケジュールの管理やレイアウト提案、内装工事の手配など、スムーズな移転をサポートする役割も担います。ビジネスの流れを止めないよう、細やかな配慮と調整力が求められます。

店舗営業では、業種や業態に応じた立地選定が重要です。商圏分析や競合店調査など、出店戦略に関わる専門知識を提供することで、クライアントの事業成功に貢献できます。長期的な関係構築により、複数店舗の出店をサポートするケースも多くあります。

事業用不動産の売買営業

企業が所有する不動産の売却や、投資用不動産の購入をサポートする営業です。オフィスビル、商業施設、倉庫、工場など、大規模な不動産の売買を仲介します。取引金額が大きいため、売り手と買い手双方の条件を正確にヒアリングし、最適なタイミングで取引を成立させる手腕が問われます。

投資目的の物件売買では、金融知識や市場動向の理解が不可欠です。金利の動き、税制改正、不動産市況など、さまざまな要因を考慮した提案が求められます。節税対策として不動産を売買する企業も多く、財務戦略に寄り添った提案力が重要です。

また、物件の将来性を分析し、投資家と対等な立場で戦略を構築する能力も必要です。売買のタイミングによって収益が大きく変わるため、市場を読む力と経営者の判断基準を理解する素地が求められます。

土地仕入れ・用地営業

ハウスメーカーやデベロッパーに代わり、住宅建築や開発に適した土地を仕入れる営業です。用地仕入れとも呼ばれ、不動産開発のスタート地点を担う重要な職種です。たくさんの住宅を供給するには土地が不可欠であり、法人営業がエンジンとなって事業を推進します。

主な営業先は、地域に根差した不動産会社や土地所有者です。長年その地域で土地売買を生業としている不動産会社との信頼関係を築き、有益な土地情報を得られるよう日々営業活動を行います。良い物件には競争が激しいため、金額だけでなく「あなただから売りたい」と思ってもらえる人間関係の構築が重要です。

土地を仕入れた後は、役所調査や現地調査を行い、収支計画を立てます。何棟の住宅を建てられるか、いくらで販売できるかを算出し、購入希望金額を決定します。交渉や駆け引きのスキルも求められ、やりがいの大きい仕事です。

土地活用・資産運用提案営業

所有している土地の有効活用を検討する企業や地主に対し、賃貸マンションや商業施設の建築を提案する営業です。企業と設計・建設会社を結びつけ、収益を生む不動産開発をサポートします。

遊休地や駐車場として使っている土地を、賃貸物件に転換することで安定した収益を得られるよう提案します。立地条件や市場ニーズを分析し、最適な活用方法を提示することが重要です。マンション、アパート、店舗、高齢者施設など、さまざまな選択肢から最良の提案を行います。

資産運用の観点からは、相続税対策や収益最大化など、財務面でのアドバイスも求められます。建築費、想定賃料、利回り、税金などを考慮した綿密な収支計画を提示し、長期的な資産形成をサポートします。

個人営業との違い

不動産業界の法人営業と個人営業では、顧客のニーズや営業プロセスが大きく異なります。それぞれの特徴を理解することで、自分に適した営業スタイルを見極められます。

法人営業では、企業の経営戦略や事業計画に基づいた提案が必要です。単に物件を紹介するのではなく、事業目的、予算、スケジュール、将来の拡張性など、多角的な視点から最適解を提案します。意思決定者が複数いることも多く、社長、財務責任者、現場責任者など、それぞれの立場や関心事を理解した提案が求められます。

個人営業は、マイホーム購入という人生の大きなイベントに寄り添います。家族構成、ライフスタイル、通勤通学の利便性など、生活者としての視点が中心です。感情面にも配慮し、夢の実現をサポートする姿勢が重要です。

また、取引金額と期間も異なります。法人営業では数億円規模の取引も多く、検討から契約までに数ヶ月から1年以上かかることもあります。一方、個人営業は数千万円の取引が中心で、比較的短期間で契約に至るケースが多いです。

法人営業に必要な5つのスキル

不動産業界の法人営業で成功するには、専門的な知識とビジネススキルの両方が求められます。特に重要な5つのスキルを紹介します。

高度なヒアリング力

企業の本質的なニーズを引き出すヒアリング力が不可欠です。表面的な要望だけでなく、その背景にある経営課題や事業戦略を理解することで、的確な提案が可能になります。

「なぜ今オフィス移転を検討しているのか」「事業拡大の計画は」「将来的な人員増加の見込みは」など、多角的な質問を通じて全体像を把握します。決裁権者の優先順位や判断基準を見極めることも重要です。

相手の立場に立って考え、共感しながら聴く姿勢が信頼関係を生みます。安心して本音を話せる関係を築くことで、顧客自身も気づいていない潜在的なニーズを引き出せます。

不動産と法律の専門知識

不動産取引には、宅地建物取引業法、借地借家法、都市計画法など、さまざまな法律が関わります。これらの基本的な知識を持つことで、適切なアドバイスができ、トラブルを未然に防げます。

契約形態、権利関係、税制優遇措置など、専門的な内容をわかりやすく説明する能力も必要です。建ぺい率や容積率、用途地域などの建築関連知識も、土地活用提案では欠かせません。

宅地建物取引士の資格を取得することで、専門性を証明でき、顧客からの信頼も高まります。継続的な学習により、法改正や税制変更にも対応できる知識を維持することが重要です。

ビジネス・金融知識

法人営業では、顧客の経営状況や資金計画を理解する必要があります。決算書の読み方、財務指標、投資回収期間など、ビジネスと金融の基礎知識が求められます。

不動産投資では、利回り計算、キャッシュフロー分析、融資条件の理解が不可欠です。金利動向や経済情勢が不動産市場に与える影響を把握し、タイムリーな提案を行います。

経営者の視点で物事を考えられることが、法人営業の強みです。コスト削減、収益向上、リスク分散など、経営課題の解決につながる提案ができれば、単なる仲介業者ではなく、ビジネスパートナーとして認識されます。

交渉力と調整力

法人取引では、価格交渉だけでなく、契約条件、引き渡し時期、原状回復の範囲など、多岐にわたる調整が必要です。売り手と買い手、貸し手と借り手、それぞれの利益を考慮しながら、双方が納得できる着地点を見出す交渉力が求められます。

複数の関係者が関わる案件では、スケジュール調整や利害関係の調整も重要です。設計会社、建設会社、金融機関など、さまざまなステークホルダーをまとめ上げるプロジェクトマネジメント能力も必要になります。

時には難しい条件を提示されることもありますが、代替案を用意し、柔軟に対応することで解決の糸口を見つけます。粘り強く交渉を続ける姿勢と、相手を尊重するコミュニケーションが信頼を生みます。

人間関係構築力

法人営業では、長期的な信頼関係の構築が成功の鍵です。一度の取引で終わるのではなく、継続的に相談してもらえるパートナーになることを目指します。

定期的な訪問や情報提供を通じて、顧客の事業状況や課題を把握し続けます。不動産のニーズが発生したときに、真っ先に相談される存在になることが重要です。業界の動向や市場情報を提供し、価値あるパートナーとして認識されます。

また、不動産会社や建設会社、金融機関など、業界内のネットワークも大切です。幅広い人脈を持つことで、顧客にとって最適な選択肢を提示でき、提案の幅が広がります。

まとめ

不動産業界の法人営業は、企業を顧客としてオフィス、店舗、倉庫、投資用物件など多様な不動産の取引をサポートする専門職です。個人向け営業とは異なり、企業の経営戦略や事業計画に深く関わり、数億円規模の大型案件を扱うことも珍しくありません。

主な業務には、オフィス・店舗の賃貸営業、事業用不動産の売買営業、土地仕入れ・用地営業、土地活用・資産運用提案営業の4種類があります。それぞれ求められるスキルや営業スタイルが異なるため、自分の強みを活かせる分野を選ぶことが重要です。

成功するためには、高度なヒアリング力、不動産と法律の専門知識、ビジネス・金融知識、交渉力と調整力、人間関係構築力という5つのスキルが不可欠です。これらのスキルを磨くことで、顧客から信頼されるビジネスパートナーとして、長期的な関係を築けます。

法人営業は、一つの契約が企業の成長や事業成功に直結するやりがいの大きい仕事です。高額な取引を通じて大きなインパクトを生み出せる点も魅力です。専門性を高め、顧客の経営課題解決に貢献することで、不動産業界でのキャリアを大きく発展させられるでしょう。

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