最終更新日: 2026.10.27
CRMとは?決裁者情報を営業に生かす管理項目|SFAとの違いと運用を解説

CRMは顧客との関係を一元管理する仕組みで、決裁者の決裁範囲や接点の履歴を入れると営業の成果につながります。SFAとの違い、決裁者情報の管理項目、やりがちな失敗、運用の回し方を12年の実績から解説します。

監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)

CRMとは何か、決裁者の情報を何から入れればよいか分からないことはないでしょうか。

この記事では、CRMとSFAの違い、決裁者情報の管理項目、失敗しない運用を解説します。

この記事の要約

  • CRMは顧客との関係を一元管理する仕組みで、商談の進捗を追うSFAとは役割が異なります。
  • 決裁者情報は、決裁範囲・決裁までの経路・接点の履歴・次の一手の4つから入れると営業に生きます。
  • 項目を絞って更新担当を決め、商談の前に空欄を確認する運用が定着の分かれ目です。

CRMとは|SFA・名刺管理との違いと役割

CRMは、顧客との関係を長く育てるための仕組みです。

SFAや名刺管理との違いを、3つの観点で整理します。

CRMは顧客との関係を一元管理する仕組み

CRMは「Customer Relationship Management」の略で、顧客管理の仕組みを指します。

会社名や連絡先だけでなく、接点の履歴や関係の深さまで1か所に残すのがCRMです。

担当者の頭の中や個人の名刺フォルダにある情報を、チームの資産に変えられます。

異動や退職があっても、相手との経緯を引き継げる状態を目指してください。

SFAは商談の進捗、CRMは関係の蓄積を管理する

SFAは、商談の進捗や受注の見込みを追うための仕組みです。

SFAが「今の商談」を見るのに対し、CRMは「相手との関係の全体」を見ます。

ツールによっては、2つの機能が1つにまとまっています。

導入の前に、自社が管理したいのは商談なのか関係なのかを決めてください。

名刺管理アプリは入口、CRMは育てる場所

名刺管理アプリは、名刺をデータ化して検索できるようにする仕組みです。

名刺管理は情報の入口で、CRMは入れた情報を営業に使う場所です。

名刺の枚数が増えても、相手の役職や関係の深さが残らなければ、次の一手は決まりません。

すでに名刺管理アプリを使っているなら、CRMへ項目を足す形で始められます。

決裁者情報の管理項目|最低限入れたい4つ

決裁者の情報は、担当者の情報とは分けて管理します。

最低限入れたい項目を、4つ挙げておきます。

決裁者の氏名・役職・決裁の範囲

担当者の名刺だけが入っていると、決裁者が誰なのか分かりません。

決裁者の氏名と役職に加え、どこまでの金額や範囲を自分で決められるかを残します。

決裁の範囲は、商談の中で聞き取れる範囲で構いません。

分からない項目は空欄にせず「未確認」と入れ、確認すべき箇所が見える状態にしてください。

担当者との関係と決裁までの経路

決裁者に会えていなくても、担当者から決裁者への経路は記録できます。

誰が窓口で、誰が上申し、誰が最終判断するかを経路として残します。

経路が分かれば、担当者止まりの商談でも、次に誰へ働きかけるかが決まります。

経路が変わったときは、その都度更新してください。

接点の履歴と関係の温度

決裁者との接点は、会った日だけでなく、手紙やメール、紹介の経緯まで残します。

いつ、どの手段で、どんな反応があったかを時系列で残すと、次に接触する時期を判断できます。

関係の温度は、高・中・低の3段階など、チームで共通の基準を決めてください。

基準が人によって違うと、案件どうしを比べられなくなります。

関心テーマと次の一手

決裁者が話した課題や関心は、次の提案の材料になります。

関心テーマと、次にいつ誰が何をするかを1行で残すと、引き継ぎでも動きが止まりません。

検討の時期や予算の時期が分かれば、あわせて入れてください。

次の一手が空欄の決裁者は、営業が止まっている相手として洗い出せます。

CRMでやりがちな失敗

CRMは、入れただけでは営業に生きません。

失敗の原因を、3つに分けて挙げておきます。

担当者の情報だけで終わる

窓口担当者の連絡先ばかりが増え、決裁者の欄が空のまま残ることがあります。

決裁者の欄が空の案件は、担当者止まりの商談として扱います。

空欄の割合を見れば、決裁者に届いていない案件を一覧で把握できます。

必須にすると入力が止まる場合は、まず「未確認」の入力を認めてください。

項目を増やしすぎて入力が止まる

項目が多すぎると、営業は入力を後回しにします。

最初は決裁者に関する4項目だけに絞り、定着してから足す方が続きます。

使われない項目は、入力の負担だけを残します。

3か月ごとに、使われていない項目がないか見直してください。

更新の担当が決まっていない

情報は、入れた時点から古くなっていきます。

誰がいつ更新するかを決めておかないと、決裁者の異動や退職が反映されません。

商談のあとに入力する、週1回見直すなど、既存の習慣に結びつけると続きます。

更新日を表示し、古い情報が一目で分かるようにしてください。

決裁者情報を営業の成果につなげる運用

管理項目は、商談の前後で使ってはじめて成果につながります。

運用の視点を、3つ挙げておきます。

商談の前に決裁者の空欄を確認する

商談の前に、CRMの決裁者欄を確認する習慣をつけます。

空欄があれば、その商談の目的を「決裁者への経路を確かめること」に置きます。

担当者との商談で、決裁者の関心や決裁の流れを聞く質問を用意してください。

聞き取った内容は、その日のうちに項目へ戻してください。

週1回、決裁者に届いていない案件を洗い出す

週1回、決裁者の欄が「未確認」の案件を一覧にします。

一覧を見ながら、誰がどの経路で決裁者に近づくかを決めます。

チームで確認すると、1人では動かせない案件にも、紹介や同席の手を打てます。

次の一手の期限が過ぎた案件は、優先して見直してください。

決裁者と直接つながる場を併用する

CRMに決裁者の項目を作っても、決裁者に会えなければ項目は埋まりません。

オンリーストーリーが運営する決裁者マッチングは、審査を通過した企業の決裁者同士が直接つながれる仕組みです。

12年で築いた8,000名以上の決裁者ネットワークを通じて、CRMに入れる決裁者との接点を増やせます。

一方で、商材の単価が低い場合や担当者レベルで決裁が完結する商材では、効果が出にくい傾向があります。

オンリーストーリーの事例▼

人材紹介・HR事業のProfessional Studio株式会社は、担当者や窓口の段階で商談が止まることが多く、決裁者に直接会う必要を感じていました。

他の営業リスト提供型の支援サービスと比べ、サポート体制を評価して決裁者マッチングを使い始めています。

自社で新たに始めたサービスで、成約が決まりました。

接点を持った企業の声を直接聞けたことが、サービスの方向転換にも役立っています。

導入事例▶ 担当者止まりを抜けて新サービスの成約につながった事例はこちら

代表・平野のnote▼

平野は、アポの取り方では、手法よりも「誰に何を提供するか」のほうが大切だと述べています。

従業員50名以上、または売上5億円以上の経営者を、狙う層として絞り込んでいると指摘しています。

同じ層を狙う他社と同席する「共同アポ」という考え方も紹介しています。

CRMの項目も、まず誰を決裁者として管理するのかを決めるところから始めてください。

代表・平野のnote▶ 手法よりも「誰に」が大切だと代表が語ったnoteはこちら

まとめ

CRMは、顧客との関係を一元管理し、チームの資産に変える仕組みです。

SFAは商談の進捗、CRMは関係の蓄積を管理するという違いがあります。

決裁者情報は、決裁の範囲、決裁までの経路、接点の履歴、次の一手の4つから始めます。

担当者の情報だけで終わる、項目を増やしすぎる、更新担当がいないことが、よくある失敗です。

商談の前に空欄を確認し、週1回、決裁者に届いていない案件を洗い出してください。

CRMに入れる決裁者との接点が足りないなら、決裁者と直接つながる場を併用することも考えてみてください。


よくある質問

Q. CRMとは何ですか

A. CRMは、顧客との関係を一元管理し、営業に生かす仕組みです。

会社の情報だけでなく、接点の履歴や関係の深さまで残します。

Q. CRMとSFAの違いは何ですか

A. SFAは商談の進捗、CRMは相手との関係の蓄積を管理します。

1つのツールに、両方の機能が入っている場合もあります。

Q. CRMに決裁者の情報は何を入れればよいですか

A. 決裁の範囲、決裁までの経路、接点の履歴、次の一手の4つから始めます。

分からない項目は「未確認」と入れ、定着してから項目を足してください。

この記事の監修者

平野哲也

平野 哲也(ひらの てつや)

株式会社オンリーストーリー 代表取締役

BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。

累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。

「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。

ENICXO
メッセージアイコン オンリーストーリー代表 平野からのメッセージ
オンリーストーリーでは、これまで10年以上にわたり、
BtoB営業における「集客の課題」と真剣に向き合ってきました。

経営者同士が信頼でつながるマッチングプラットフォームや、
想いを届ける手書きの手紙など、独自の形で支援を続けています。

そして最近では、経営者同士を直接つなぐ「顧問&コミュニティサービス」も新たにスタートしました。

私たちが大切にしているのは、単なるマッチングツールの提供ではなく、
一社一社の課題に寄り添い、"本当に意味のある出会い"をつくることです。

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