最終更新日: 2026.09.22
多角経営とは|4つの分類と成功・失敗事例から学ぶ経営判断の基準

経営の多角化を、水平型・垂直型・集中型・コングロマリット型の4分類で解説します。経営基盤の安定やシナジー効果といったメリット、コストやブランドイメージの曖昧化というデメリット、成功事例までまとめました。

監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)

経営の多角化とは、既存の製品や市場に依存せず新しい領域でシェア拡大を狙う戦略です。

4つの分類とメリット・デメリット、成功事例から判断基準をまとめました。

この記事の要約

  • 多角化は水平型・垂直型・集中型・コングロマリット型の4つに分類され、リスクの大きさが異なります。
  • 複数事業を持つことで経営基盤が安定し、シナジー効果や経営資源の有効活用も期待できます。
  • 一方で新規事業のコスト、損失リスク、ブランドイメージの曖昧化といった注意点もあります。

経営の多角化とは

経営の多角化とは

経営の多角化とは、既存の製品や市場に依存せず、新しい製品や市場でシェア拡大を目指す戦略です。

既存の製品で既存の市場におけるシェア拡大を目指すよりも収益性が高いことから、多くの企業が実践しています。

一口に経営の多角化と言っても、展開方法は以下の4つに分類されます。

【経営の多角化の分類方法】

  • 水平型

既存の市場で既存の資源やノウハウを活かした新サービスのシェア拡大を狙う。

既存の資源を活用できるため、コストを抑えられたり、既存のサービスとのシナジー効果を期待できたりする。

  • 垂直型

既存の市場で新しい資源やノウハウによる新サービスのシェア拡大を狙う。

既存の市場で既存のサービスの上流・下流に事業を拡大するため、既存事業の強化を図ることも可能。

  • 集中型

新しい市場で既存の資源やノウハウを活かした新サービスのシェア拡大を狙う。

新しい市場でサービスを販売するため、営業力が必要。

  • コングロマリット型

新しい市場で新しい資源やノウハウによる新サービスのシェア拡大を狙う。

既存のサービスや市場と全く異なる事業を展開するため、展開方法の中で最もリスクが高い。

経営を多角化するメリット

経営を多角化するメリット

経営を多角化するメリットは、主に4つあります。

【経営を多角化するメリット】

  • 経営基盤を安定させられる
  • シナジー効果を得られる
  • 経営資源を有効に活用できる
  • 社員のモチベーションを高められる

経営基盤を安定させられる

複数の事業を展開するため、一つの事業のみを展開している場合よりも経営基盤を安定させられます。

一つの事業が失敗しても、他の事業で成功していれば、倒産のリスクを抑えられるからです。

また、プロダクト・ライフサイクルによるリスクを抑えられる点でも経営基盤は安定します。

プロダクト・ライフサイクルにおいて、サービスは導入期・成長期・成熟期・衰退期の4つの段階を辿るとされています。

売上と利益が減少し始める衰退期を迎えたとしても、他のサービスが成長・成熟していれば、企業全体の売上を安定させることが可能なのです。

シナジー効果を得られる

経営の多角化には、複数の事業によるシナジー効果を得られるといったメリットがあります。

複数の事業を同じ企業で行うことにより、個別で行うよりも相乗効果で高い成果を出すことが可能です。

例えば、既存のサービスの顧客に新サービスを紹介することで、新サービスの売上増加を狙えます。

新しい市場で新サービスを展開する場合、高い営業力が必要となりますが、シナジー効果により顧客を得やすくなるのです。

また、新サービスの開発・販売で得たノウハウを既存のサービスに活かして、さらなる品質の向上を目指せます。

経営資源を有効に活用できる

既存の経営資源を活用して多角化を行う場合、ひとつの事業を行っていたときよりも資源を有効に活用できるといった点がメリットです。

例えば、既存のサービスで昼間しか使っていない土地があれば、新しいサービスでは夜間に使えます。

経営資源が無駄になる時間や費用を抑えながら、新サービスのシェア拡大を狙えるのです。

また、経営資源は物だけではありません。

既存サービスの特徴によって、特定の季節しか働けなかった従業員も、新サービスの展開によって他の季節も働けることがあります。

ゼロから人材を確保する必要はなく、人材の獲得費用を抑えることが可能です。

社員のモチベーションを高められる

一つの事業しか展開していない場合、社員のキャリアは限定されます。

上のポストが空かない限り、どれだけ頑張っても昇進することが難しく、社員の仕事のモチベーションは低下しやすいです。

しかし、多角化により複数の事業を展開していれば、社員のキャリアが広がってモチベーションは高くなります。

頑張り次第では別の事業で昇進できる可能性があるため、昇進を目指してスキルを磨くのです。

社員一人一人のモチベーションが高くなり、個人の成果が上がれば、企業全体の売上増加も期待できるでしょう。

経営を多角化するデメリット

経営を多角化するデメリット

経営の多角化はメリットだけではありません。

経営の多角化によるデメリットは、主に3つあります。

【経営を多角化するデメリット】

  • 多角化のコストが発生する
  • 大きな損失を生む可能性がある
  • 企業のブランドイメージが曖昧になりやすい

多角化のコストが発生する

経営を多角化する場合、新規事業の立ち上げでコストが発生します。

シナジー効果が発生する可能性があるとは言え、新サービスの開発や宣伝活動・販売活動などに費用がかかるからです。

長期的な目で見れば、既存サービスで損失が発生した場合や衰退期に突入した場合に、新サービスがあることで企業全体の売上を安定させられます。

しかし、多角化する際には新サービスの売り上げがない状態で多くの費用が発生するため、短期的なコスト上昇は避けられません。

大きな損失を生む可能性がある

経営の多角化に成功すれば経営リスクを抑えられますが、必ずしも新規事業が成功するとは限りません。

新サービスの営業活動がうまくいかなければ、損失が発生する可能性もあるのです。

また、新サービスの営業活動で、顧客からの印象を悪くするトラブルが発生した場合、既存サービスのイメージも一緒に下がってしまいます。

既存サービスとは別で利益を生み出せる可能性がある反面、既存サービスにまで損害が及ぶ可能性があることを覚えておきましょう。

企業のブランドイメージが曖昧になりやすい

新しい市場で新しい資源やノウハウによる新事業を展開する場合、既存サービスとは全く種類の異なるサービスを提供する場合があります。

既存サービスとは全く異なるサービスを提供することで、サービスにまとまりがなくなり、企業のブランドイメージが曖昧になってしまうのです。

企業のブランドイメージがハッキリとしていれば、他社と簡単に差別化を図れます。

「〇〇を買うなら、あの会社の製品」と顧客にイメージしてもらえれば、競合他社との激しい価格競争から脱して、安定した売上を期待できるのです。

しかし、多角化により企業のブランドイメージが曖昧になれば、それまで築いてきたブランドイメージを損なう可能性があります。

自社サービスに対して忠誠心の強い顧客を多く抱えている場合は、新しいブランドで営業活動を行うなどの配慮が必要となります。

オンリーストーリーでは決裁者限定マッチングサービス「チラCEO」を提供しています。

月に一度定例ミーティングの開催、年間10,000件以上のマッチングに成功しているカスタマーサクセスからのご紹介など、貴社にマッチした企業を直接紹介させていただきます。

業務提携や協業先を手さぐりで探す必要もなくなります。

「営業マンのスキルに依存した営業活動から脱却したい」という方や、信頼できる営業・提携・協業先、リード創出の会社の探している方は下記より詳細をご覧ください。

経営の多角化に成功した事例

経営の多角化に成功した事例

経営の多角化に成功した企業の代表例にセブンイレブンがあります。

セブンイレブンは、全国に多数の店舗を構える大手のコンビニエンスストアチェーンです。

現在は多くの人に利用されているセブンイレブンですが、販売形態が小売業であったときは、スーパーマーケットとの価格競争に苦しんでいました。

しかし、プライベートブランドの設立という多角化戦略が成功して、今では気軽に買い物できるイメージが定着しています。

プライベートブランドの設立でメーカーに多角化したセブンイレブンは、スーパーマーケットと同じ程度の価格・品質のサービスを提供できるようになりました。

人々が手を出しやすい価格帯のサービスを多く販売することで、緊急時のみに利用するイメージを払拭できたのです。

今では、ATMの利用や荷物の受け渡しができることから、買い物をするだけの場所ではなくなっています。

さまざまな点において利便性が高い場所であることから、高い集客力が実現しました。

まとめ

経営の多角化とは、既存の製品や市場に依存せずに、新規事業でシェア拡大を目指す戦略を意味します。

経営の多角化は簡単に行えるものではありませんが、経営基盤を安定させられたり、経営資源を有効に活用できたりするメリットがあります。

損失の発生やブランドイメージの毀損といったリスクがあることに注意しながら、経営の多角化を検討してみてください。

最後に、当社オンリーストーリーでは決裁者限定マッチング支援サービス「チラCEO」を提供しています。

独自審査を通過した企業のみ利用可能で、現在は7,000人以上の決裁者が利用中です。

決裁者同士でマッチングできるため、社内確認が少なく、スピーディーに商談に進めるといった魅力があります。

「手軽に商談を行いたい」と考えている方は「チラCEO」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。


よくある質問

Q. 経営の多角化とは何ですか?

A. 既存の製品や市場に依存せず、新しい製品や市場でシェア拡大を目指す経営戦略です。

既存事業の強みを生かせる領域から始めると、リスクを抑えながら取り組めます。

Q. 多角化にはどんな種類がありますか?

A. 水平型、垂直型、集中型、コングロマリット型の4つに分類されます。

自社の資源や目的に合わせて、どの種類が適しているかを検討しましょう。

Q. 最もリスクが高い多角化はどれですか?

A. 新しい市場で新しい資源やノウハウを使うコングロマリット型です。

取り組む場合は、専門家の意見を聞き、撤退の基準を事前に決めておくことが大切です。

Q. 多角化で経営が安定するのはなぜですか?

A. 一つの事業が不振でも他の事業で補えるほか、製品のライフサイクルによる影響も分散できるためです。

一方で経営資源が分散しやすいため、各事業の収益性を定期的に確認しましょう。

Q. ブランドイメージが薄まるのを防ぐには?

A. 既存サービスと大きく異なる事業では、新しいブランドで展開するなどの配慮が必要です。

既存の顧客にどう受け止められるかも、事前に確認しておくと安心です。

この記事の監修者

平野哲也

平野 哲也(ひらの てつや)

株式会社オンリーストーリー 代表取締役

BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。

累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。

「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。

ENICXO
メッセージアイコン オンリーストーリー代表 平野からのメッセージ
オンリーストーリーでは、これまで10年以上にわたり、
BtoB営業における「集客の課題」と真剣に向き合ってきました。

経営者同士が信頼でつながるマッチングプラットフォームや、
想いを届ける手書きの手紙など、独自の形で支援を続けています。

そして最近では、経営者同士を直接つなぐ「顧問&コミュニティサービス」も新たにスタートしました。

私たちが大切にしているのは、単なるマッチングツールの提供ではなく、
一社一社の課題に寄り添い、"本当に意味のある出会い"をつくることです。

もしBtoB集客でお悩みの決裁者の方がいらっしゃいましたら、
まずはお気軽に、代表の私とお話してみませんか?

▼この下から、直接日程をご予約いただけます。

お問い合わせさぁ、良質なビジネスマッチングを今すぐ体験

お電話でのお問い合わせ
03-6821-7872 (平日10:00〜19:00)
よくあるご質問