最終更新日: 2023.09.27

エンタープライズセールスとは、大規模な法人にターゲットを絞って戦略的に営業活動をする手法です。成功すると大きな売上を見込める一方、見込み顧客(リード)の数が少なく競争が激しいという難点もあります。そのため、計画的にアプローチしないと、失敗に終わることもあります。

この記事では、エンタープライズセールスを導入した事例を紹介します。導入すべき理由や必要なスキルも紹介していますので、参考にしてください。

エンタープライズセールスの支援サービス利用事例5つ

エンタープライズセールスを導入すると、どのような結果が得られるのでしょうか。エンタープライズセールスの支援サービスを活用した場合の成功事例を5つ、紹介します。

1.パーソルキャリア株式会社

パーソルキャリア株式会社は、大手企業へのアプローチに特化した営業支援サービスである「HiProBiz」を提供しています。様々な業種にコネクションがあり、高いアポ獲得率を誇っています。また、営業戦略の立案や社員育成などの支援も行っています。

新規業界への参入に悩んでいた広告・通信情報サービス事業を展開する企業がHiProBizを活用したところ、プロ人材のネットワークによって成約率が向上しました。また、新規業界への営業の知見が足りない点も課題として抱えていましたが、HiProBizと一緒に取り組んだ戦略立案によって、自社内に営業のノウハウを蓄積できました。

HiProBiz

2.株式会社サーキュレーション

株式会社サーキュレーションは、「ProSharing」と呼ばれる営業代行サービスを提供する企業です。「ProSharing」は営業のプロを紹介することで経営課題を解決する、新しい形の人材活用モデルです。複数の企業で活躍するプロの人材を派遣することによって、経営を効率化します。

代理店からの受注が多く、エンドクライアントに最適な提案ができないと悩んでいた企業がProSharingを活用したところ、大手企業を中心に年間80件以上のエンドクライアントとの商談を獲得できました。訴求力のある提案を行え、幅広い業種にアプローチできたためです。また、大手企業と直接やり取りしたことが実績につながり、セルフブランディングにもつながりました。

ProSharing

3.株式会社Grand Central

株式会社Grand Centralは、営業コンサルティングと営業代行を行っている会社です。豊富な実績を元に、蓄積した独自のノウハウを活用し、クライアントの業績を向上させます。

アポイント数が足りずに悩んでいた企業がGrand Centralのサービスを利用したところ、コールドコールの実施開始から2日目に、商談のアポイントを獲得しました。その後もテレアポを実施し、アポの獲得率を上げています。確度の高い企業から優先的にアプローチしたためです。

また、この企業はインサイドセールスに課題を抱えていました。そこで、Grand Centralがインサイドセールスの勉強会を開き、テレアポにおけるアポ獲得につながるトークスキルの共有を行いました。サービスの契約期間の後も自社でインサイドセールスを行えるノウハウが蓄積されたことにより、営業力の強化につながりました。

Grand Central

4.株式会社FTJ

株式会社FTJは、テレアポ代行サービスや法人リスト・営業リストサービス『リストス』を提供している企業です。一般的なテレアポ業務からリードの獲得まで支援しており、自社の状況に応じた依頼が可能です。

コインランドリー設備の販売・運営を行う企業は、社員寮へのコインランドリーの導入のためにFTJが提供するインサイドセールスの営業支援を依頼しました。

依頼を受けたFTJは、寮付きの求人情報を探し出し、社員寮がある企業のリスト作成を行いました。リストに対しFAXとDM、テレアポを実施したところ、アポイントの獲得に至りました。様々な方法でアプローチしたことにより、ターゲットがメールや電話に気付かないことが減ったためです。

FTJy

エンタープライズセールスを導入すべき2つの理由

エンタープライズセールスを導入すべき理由は、主に以下の2つです。

  • 1社との成約で大きな利益を得られる
  • 1度契約すると解約されにくい

それぞれの理由について詳しく解説します。

1社との成約で大きな利益を得られる

エンタープライズセールスで成果を上げられれば、1社と契約を結ぶだけで大きな利益を得られる可能性があります。大手企業や公的機関ではサービスを利用する社員の人数が多く、利用人数ごとに料金が加算されるようなサービスなどの場合、利用者が増えるほど売上げが増えるからです。

また、1つの部署で成果を得られれば、他の部署にも導入される可能性があります。 サービスによっては社内で統一することによりスムーズに業務が進んだり、他の部署と連携して効率化を図れたりするからです。 1つの部署だけでなく複数の部署に導入されれば、1社での利用数が大幅に増え、大きな売上につながるでしょう。

1度契約すると解約されにくい

エンタープライズセールスは、1度契約すると解約されにくい傾向があります。大手企業は社内の構造が複雑で、決裁者が導入を決断するまでに稟議を通す必要があります。加えて、1度導入したものを他のサービスに入れ替えるには多くの時間とコストが必要なため、すぐに解約するのは困難です。

契約後も定期的にフォローをし、顧客とよりよい関係を築ければ、継続した売上につながるでしょう。

エンタープライズセールスに必要なスキル

エンタープライズセールスに必要なスキルは、以下の4つです。

  • 情報収集能力
  • 計画管理能力
  • コミュニケーション能力
  • プレゼン能力

それぞれのスキルについて詳しく解説します。

情報収集能力

エンタープライズセールスには、情報収集能力が必要不可欠です。ターゲットとなる企業を決める際には、以下のポイントをチェックしておきましょう。

  • 企業のホームページ
  • 市場での影響度合い
  • 現在の経営状況
  • 今後の伸びしろ
  • リピーターになる可能性
  • 現在導入しているシステム

大手企業へアプローチする場合、さまざまなデータを用いて、あらゆる方面から企業を分析しなければいけません。契約後も情報のアップデートを絶えず行い、顧客が今必要としているサービスを新たに提案したり、他の部署を紹介してもらったりできます。大手企業と長く付き合っていくためには、情報を分析し、相手に価値のある提案を行い続けることが重要です。

計画管理能力

エンタープライズセールスで成果を上げるには、計画管理能力が必要です。通常の営業よりリードタイムが長いエンタープライズセールスでは、ターゲットの購買プロセスや意思決定者を把握したうえで営業計画を立てることが、商品やサービスの購入につながります。

場合によっては顧客企業の担当者だけではなく、 意思決定権を持つ部長や役員にもプレゼンすることにより、決裁者の購買意欲を高められます。他の部門とも協力し合いながら、ターゲットに合ったアプローチ法を計画することが重要です。 

コミュニケーション能力

エンタープライズセールスには、 コミュニケーション能力も必須です。ターゲットである大手企業と円滑なコミュニケーションが取れなければ、どんなによいサービスを提供しても契約にはつながらないでしょう。

エンタープライズセールスの場合は決裁者が複数いる場合があり、中小企業との契約よりも多くの人物とのコミュニケーションが必要になる傾向があります。商談のときだけではなく、顧客企業との交流時には常に目の前の相手に親身になることによって、信頼関係が構築されるでしょう。

顧客の社内に商材導入へ協力的な人が多いほど、契約は取りやすいです。また、契約後に定期的に顧客とコミュニケーションを取り続けることは、契約の継続や追加の発注につながります。

プレゼン力

競合他社との差別化を図り、双方が納得した契約をするためにプレゼン力は欠かせません。

初回の契約のハードルが高いエンタープライズセールスでは、商品やサービスの説明だけではなく、得られるベネフィットや競合との違いなど、あらゆる方面からの提案をしなければ契約には至りません。

また、契約までのプロセスに関わるすべての人に導入メリットを理解してもらわなくてはならないため、相手に合わせてプレゼンの内容を用意する必要があります。

エンタープライズセールスを導入する際の注意点

エンタープライズセールスを導入する際は、以下の3点に注意しましょう。

  • 見込み顧客(リード)の数が少ない
  • リードタイムが長い
  • 商品やサービスの導入難易度が高い

それぞれの注意点について解説します。

見込み顧客(リード)数が少ない

エンタープライズセールスでは、リード数が少ない点に注意しましょう。ターゲットとなる大手企業は、日本全体にある企業のうち約0.3%とされており、そもそも接点を持つこと自体が難しいと考えられます。また、安定した売上が見込める大手企業への営業は競争率が高く、毎日さまざまな企業からアプローチが届きます。 

つまり、ターゲットである大手企業は自発的に行動しなくても、さまざまな情報を入手できる環境が整っています。その中から自社を選んでもらうには、競合他社との差別化が重要です。 

自社の商材がターゲットの企業の課題をどう解決できるのかを整理し、訴求力のある提案ができるように準備しておきましょう。

リードタイムが長い

エンタープライズセールスでは、商談獲得から成約までのリードタイムが長い傾向にあります。大手企業は規模が大きく、かつ組織の構造が複雑で多くの決裁者が存在しているからです。

また商品やサービスを利用する社員の数が多いことから影響する範囲が大きく、導入に慎重になるのが一般的です。そのため、営業担当者も労力をかけながらアプローチしていく必要があります。

自社で営業に割くリソースを事前に確保しておきましょう。また、リソースが足りない場合には営業代行サービスを活用するなどの工夫が必要です。

カスタマイズ性が求められる

エンタープライズセールスでは、カスタマイズ性も重要です。大手企業は長年培ってきた土台があるため、1つの商品やサービスを導入するために大幅なルール変更をすることを好みません。

そのため、商品やサービスが大手企業のルールに合わせられるかどうかで導入が決定するケースもあります。顧客に合わせ柔軟な対応をすることにより、大手企業との契約に結びつきます。

エンタープライズセールスの事例を参考にしよう

エンタープライズセールスは、ターゲットを大手企業に絞る営業方法です。大手企業や公的機関は社員数も多く、1度の導入で大きな利益が見込めるでしょう。また、1度契約すると解約されにくいため、安定的な売上が見込めるのも魅力の1つです。

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