最終更新日: 2026.09.28
執行役員とは?役割・権限・取締役との違いと営業側の向き合い方を解説

監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)

名刺で「執行役員」という肩書きを見かけても、どこまでの権限を持つ役職なのか分かりにくいと感じる方は多いのではないでしょうか。

この記事では、執行役員の役割と権限、似た役職との違い、置くメリットと注意点、営業として向き合うときの考え方まで解説します。

この記事の要約

  • 執行役員は、取締役が決めた方針にもとづいて事業の執行を担う役職で、会社法上の役員ではない点が大きな特徴です。
  • 権限の範囲は会社ごとの規程で決まるため、肩書きだけで決裁できる金額や範囲を判断することはできません。
  • 提案を前に進めるには、相手の決裁範囲を早い段階で確認し、決裁者と直接話せる場を持つことが近道です。

執行役員とは

執行役員とは、取締役会などが決めた経営方針にもとづいて、担当する事業や部門の業務執行を担う役職です。

多くの企業で、部長より上、取締役より下の位置づけとして置かれています。

まずは、執行役員がどのような役割を持つのかを整理しておきましょう。

執行役員の主な役割

執行役員は、担当する事業部門の目標達成や、日々の業務執行の責任を負います。

経営会議に出席して事業の状況を報告し、現場と経営をつなぐ役割を担うことが一般的です。

部門の予算や人員の配置について、一定の範囲で判断を任されることもあります。

担当する事業の売上や利益、顧客満足度といった指標に対して、達成の責任を負う形が一般的です。

経営から下りてきた方針を現場の言葉に置き換え、各部署が動ける形にまで分解して指示を出すのも重要な仕事になります。

逆に、現場で起きている変化を経営会議へ持ち上げ、方針の修正を提案する役回りも担います。

執行役員が置かれるようになった背景

執行役員は、取締役会が経営の意思決定に専念できるようにする目的で広がった仕組みです。

取締役の人数が多すぎると議論が進みにくくなるため、意思決定と業務執行を分ける考え方が取り入れられました。

日本では1990年代後半から導入する企業が増え、現在では多くの企業で見られる役職になっています。

背景には、1997年にソニーが導入した執行役員制度が広く知られ、他社が追随したという経緯があります。

それまでは取締役が20名を超える企業も珍しくなく、取締役会が実質的に機能しなくなっていたという課題がありました。

取締役の人数を絞って監督に専念させ、実行は執行役員に任せるという分担が、上場企業を中心に定着していきました。

会社法上の位置づけ

執行役員は、会社法に定められた役職ではありません。

そのため、登記されることはなく、株主総会で選任されるわけでもありません。

執行役員をどう位置づけるかは、各社の社内規程で決められている点を押さえておきましょう。

登記事項ではないため、相手企業の執行役員が誰なのかを登記簿から確認することはできません。

名刺やプレスリリースで役員のように見えても、法的な責任範囲は取締役と異なるという点は、契約の場面で意識しておきたいところです。

なお、有価証券報告書では役員の状況に執行役員を任意で記載する企業もあり、上場企業であれば確認できる場合があります。

執行役員と似た役職との違い

執行役員は、名前の似た役職と混同されやすい役職です。

ここでは、間違えやすい役職との違いを整理します。

取締役との違い

取締役は、株主総会で選任され、会社法上の責任を負う役員です。

一方の執行役員は、会社が任意で置く社内の役職であり、法律上の役員ではありません。

取締役は会社の方針を決める立場、執行役員は決まった方針を実行する立場、と考えると整理しやすくなります。

選任の手続きも異なり、取締役は株主総会の決議、執行役員は取締役会の決議や社長の任命で決まるのが一般的です。

任期についても、取締役は会社法で原則2年以内と定められていますが、執行役員は社内規程で自由に設定できます。

解任の手続きも、取締役は株主総会の決議が必要である一方、執行役員は社内の手続きで完結します。

執行役との違い

執行役は、指名委員会等設置会社に置かれる、会社法上の機関です。

名前は似ていますが、執行役は法律で定められた立場、執行役員は社内の役職という違いがあります。

自社や相手企業がどちらの形を取っているかは、会社の形態によって異なります。

執行役は、指名委員会等設置会社において取締役会から業務執行の決定を委任された機関で、登記の対象になります。

執行役は会社法上の責任を負い、株主代表訴訟の対象にもなり得るという点が、執行役員との決定的な違いです。

指名委員会等設置会社を採用している企業は限られるため、実務で出会う機会は執行役員のほうが圧倒的に多くなります。

部長との違い

部長は、特定の部署の管理職として、その部署の業務を統括します。

執行役員は、複数の部署や事業全体を見る立場に置かれることが多く、より経営に近い判断を求められます。

ただし、実際の権限の広さは会社によって差があります。

部長は就業規則上の管理職として労働基準法の適用を受けますが、委任契約の執行役員は適用外になる場合があります。

報酬の決まり方も異なり、部長は給与テーブル、執行役員は個別の契約で決める企業が多く見られます。

組織図の上では、部長の上位に執行役員を置き、その上に担当取締役を置く三層構造がよくある形です。

常務執行役員や上席執行役員との違い

企業によっては、執行役員の中に常務執行役員や上席執行役員といった序列を設けています。

これらは社内の序列を示す呼び方であり、呼び方が同じでも権限の範囲は会社ごとに異なる点に注意が必要です。

上から順に、専務執行役員・常務執行役員・上席執行役員・執行役員と並べる企業が一般的です。

この序列は報酬や決裁権限の区分と連動していることが多く、名刺の肩書きから相手の決裁範囲をある程度推測する手がかりにはなります。

ただし正式な決裁範囲は職務権限規程で決まるため、推測だけで提案の金額を組み立てるのは避けましょう。

執行役員の権限と責任

執行役員がどこまで決められるのかは、提案を進めるうえで重要な情報です。

ここでは、権限と責任の考え方を整理します。

決裁できる範囲は社内規程で決まる

執行役員が決裁できる金額や範囲は、各社の職務権限規程で定められています。

同じ執行役員でも、数十万円までの会社もあれば、数千万円を判断できる会社もあります。

肩書きだけで判断せず、相手の会社の決め方を確認することが大切です。

職務権限規程では、支出・契約・人事・投資といった区分ごとに、金額の上限と決裁者が表の形で定められています。

500万円未満は執行役員、それ以上は取締役会といった線引きが設けられているケースが多く見られます。

区分の境目にある案件は上位の決裁に回されるため、提案額を少し下げるだけで決裁が一段軽くなることもあります。

雇用契約と委任契約の違い

執行役員の契約形態は、従業員として雇用契約を結ぶ場合と、委任契約を結ぶ場合があります。

委任契約の場合は、従業員としての立場を離れることになるため、任期や報酬の考え方も変わります。

どちらの形かによって、社内での立ち位置が変わる点も知っておきましょう。

雇用契約であれば労働保険や社会保険の対象となり、残業や有給休暇の考え方も従業員と同じ枠組みで扱われます。

一方の委任契約では、報酬は給与ではなく役員報酬に近い扱いとなり、期間を区切った契約になるのが通常です。

どちらを選ぶかは、期待する役割の重さと、本人のキャリアの希望を踏まえて決めることになります。

責任の範囲

執行役員は、会社法上の役員ではないため、取締役と同じ法的責任を負うわけではありません。

ただし、担当事業の成果や業務執行については社内で重い責任を負う立場です。

成果が出なければ任を解かれることもあり、緊張感のある役職といえます。

社内的には、担当事業の予算未達や重大な事故について、報酬の減額や解任という形で責任を問われます。

また、委任契約の執行役員に対しては、善管注意義務に準じた義務を契約で定める企業もあります。

実務上の重さは取締役に近いにもかかわらず、法的な保護は従業員より薄くなる場合がある点は理解しておきたいところです。

代表権を持つことはあるのか

執行役員は会社法上の役員ではないため、原則として会社を代表する権限は持ちません。

契約書に署名できるかどうかも、社内規程と委任状の有無で決まります。

大きな契約では、誰の名義で締結するのかを事前に確認しておきましょう。

一定金額までの契約について、社長から包括的な委任を受けて署名できるようにしている企業もあります。

取引先から見ると、署名した人に権限があったかどうかは後から争点になり得るため、大型契約では委任状の確認が安全です。

表見代表取締役として会社が責任を負う場合もありますが、そこに頼る前提で進めるべきではありません。

執行役員を置くメリット

自社で執行役員を置くかどうかを検討している経営者向けに、主なメリットを整理します。

仕組みとして機能させられれば、意思決定の速さと人材育成の両方に効きます。

意思決定と実行を分けられる

取締役会が経営の方針決定に集中し、執行役員が実行を担うことで、議論と実行の役割がはっきりします。

取締役の人数を絞れるため、意思決定のスピードが上がる効果も期待できます。

取締役会の議題を経営方針と監督に絞れるため、一回あたりの会議で扱える論点の密度が上がります。

実行の進捗は執行役員が定例の経営会議で報告するという形に分ければ、取締役会が個別案件に埋もれずに済みます。

結果として、事業環境の変化に対する方針転換の判断を、より早く下せるようになります。

現場に近い判断が速くなる

執行役員が一定の権限を持つことで、現場に近いところで判断を下せるようになります。

すべてを取締役会に諮る必要がなくなり、事業の動きが速くなります。

たとえば、取引先からの値引き要請や納期の調整といった日常的な判断を、その場で決められるようになります。

決裁のために一週間待つ状態がなくなるだけでも、顧客から見た対応の速さは大きく変わります。

権限を渡す代わりに、判断の結果を月次で振り返る仕組みを用意しておくと、質を保ちながら速さを得られます。

次の経営陣を育てられる

執行役員は、経営に近い立場で判断を経験できるポジションです。

将来の取締役候補が、経営の視点を身につける場として機能します。

担当事業の損益に責任を持つ経験は、部長職までの管理業務では得にくいものです。

取締役に登用する前に、経営判断の適性を実際の成果で見極められるという利点もあります。

候補者を複数名同時に執行役員に置き、数年かけて見極める運用をしている企業もあります。

名刺や対外的な表記をそろえる

執行役員は法律上の役員ではないため、対外的な表記で誤解を招くことがあります。

取締役と誤解されない書き方を社内でそろえておくと、取引先とのやり取りが正確になります。

英語表記も企業ごとに異なるため、会社としての基準を決めておきましょう。

たとえば英語表記では、Executive Officer、Corporate Officer、Senior Vice Presidentなど複数の訳が使われています。

海外の取引先には、法的な役員ではないことが伝わる表記を選ぶと、誤解による契約上のトラブルを避けられます。

社内で表記のルールを一枚にまとめ、名刺・ウェブサイト・プレスリリースで統一しておきましょう。

執行役員になる方法と求められる力

執行役員は、どのような人が就く役職なのでしょうか。

社内で目指す人にも、外部から招く企業にも役立つ視点を整理します。

社内から昇格する場合

多くの企業では、部長など管理職として成果を出した人が執行役員に選ばれます。

担当部署の数字だけでなく、全社の視点で判断できるかどうかが問われます。

取締役会や経営会議で意見を求められるため、説明する力も欠かせません。

選考では、直近数年の事業成績に加えて、部門を越えた調整の実績が見られることが多くあります。

自部門の最適化ではなく、全社の利益を優先できるかどうかが、部長と執行役員を分ける最大の分岐点です。

昇格の前に他部門への異動を経験させ、視野を広げてから任命する企業も少なくありません。

外部から招く場合

新規事業の立ち上げや専門分野の強化のために、社外から執行役員を招く企業もあります。

自社にない知見や人脈を短期間で取り込める点がメリットです。

一方で、社内の文化に合うかどうかを見極める時間も必要になります。

デジタル化や海外展開など、社内に経験者がいない領域で招くケースが典型的です。

入社直後から成果を求めすぎると、社内の協力を得られないまま孤立するという失敗も起こりがちです。

最初の半年は既存事業の理解と関係づくりに充てるという合意を、就任前に取り付けておくと立ち上がりが安定します。

求められる力

執行役員には、担当事業を伸ばす実行力と、経営の方針を理解する力の両方が求められます。

現場の状況を経営の言葉に翻訳して伝える力があると、取締役会との橋渡しがしやすくなります。

社外の経営者と交流し、他社の判断基準を知っておくことも役に立ちます。

具体的には、予算を組み立てる力、人を配置する判断力、投資の回収を数字で説明する力が挙げられます。

感覚ではなく、根拠を示して取締役会を説得する力が、実行の自由度を広げることにつながります。

社外の勉強会や経営者同士の交流に参加し、他社の判断基準に触れておくと、自社の常識を相対化できます。

対外的な信頼につながる

執行役員という肩書きは、取引先から見て「決裁に近い人」という印象を与えます。

商談の場に出てもらうことで、相手に本気度が伝わることもあります。

特に大型の提案では、相手も同じ役職層を出してくることが多く、対等な場をつくる意味があります。

同じ目線で事業の話ができる相手が出てくるだけで、商談の温度が変わるという場面は少なくありません。

一方で、権限のない場面で役職を前面に出すと期待を裏切ることになるため、出す場面は選ぶ必要があります。

執行役員を置くときの注意点

執行役員の仕組みは、設計を誤ると社内に混乱を生みます。

導入前に確認しておきたい点を紹介します。

権限の範囲を明文化する

権限があいまいなままだと、判断の度に取締役会に確認が必要になり、かえって遅くなります。

金額・対象・例外を具体的に書いた職務権限規程を整えることが欠かせません。

規程には、金額の上限だけでなく、対象となる取引の種類と、例外的に上位決裁が必要になる条件まで書きます。

新規取引先との契約は金額にかかわらず取締役会に諮る、といった例外を明示しておくと、判断の迷いが減ります。

運用を始めてから半年ほどで一度見直し、実態と合っていない基準を調整するとよいでしょう。

責任の所在をはっきりさせる

執行役員と担当取締役の責任が重なると、問題が起きたときに判断が滞ります。

どの範囲まで執行役員が責任を持つのかを社内で共有しておきましょう。

担当取締役が監督、執行役員が実行という分担を、職務分掌表の形で一覧にしておきます。

問題が起きたときに誰が第一報を受け、誰が意思決定するのかまで決めておくと、対応が滞りません。

重なりが避けられない領域は、あえて共同責任と明記したうえで、報告の頻度を決めておく方法もあります。

社内の納得を得る

役職を増やすと、社員から見て指揮命令の流れが分かりにくくなることがあります。

役割と期待を説明し、組織図と合わせて周知することが大切です。

導入時には、なぜこの仕組みを入れるのか、社員の働き方が何か変わるのかを説明する場を設けます。

昇進の機会が増える仕組みであることが伝われば、前向きに受け止められることも多くあります。

組織図と職務分掌表を社内ポータルに掲示し、いつでも確認できる状態にしておきましょう。

執行役員についてよくある疑問

執行役員をめぐって、実務でよく聞かれる疑問を整理します。

社内での位置づけを考えるときの参考にしてください。

執行役員は取締役になれるのか

執行役員から取締役に選任される例は多くあります。

ただし、取締役になるには株主総会での選任が必要で、社内の昇格だけで自動的に就任するわけではありません。

実際に、執行役員として数年の実績を積んでから取締役に登用される流れは、多くの企業で標準的なキャリアパスになっています。

執行役員は取締役への必須の通過点ではないため、社外から直接取締役を招く企業もあります。

取締役に就任すると、それまでの雇用契約は終了し、委任契約に切り替わるのが一般的です。

執行役員に定年はあるのか

執行役員の任期や定年は、社内規程で定められます。

1年ごとに任期を区切り、成果に応じて再任する企業も少なくありません。

従業員としての定年とは別に扱う企業もあるため、規程の確認が必要です。

取締役の任期に合わせて1年または2年で区切り、毎年の取締役会で再任を決議する形が多く見られます。

従業員としての定年後も、委任契約で執行役員を続けられるようにしている企業もあります。

再任しない場合の処遇をあらかじめ規程に書いておくと、任期満了時のやり取りが円滑になります。

執行役員は何人くらい置くのか

人数に決まりはなく、事業の数や組織の規模に合わせて決められます。

事業部ごとに1人ずつ置く企業もあれば、機能別に数名だけ置く企業もあります。

多すぎると意思決定が重くなるため、権限の設計とあわせて検討しましょう。

上場企業では10名から20名程度、中小企業では2名から5名程度に収まることが多い傾向です。

取締役の人数より執行役員の人数を多くし、監督と実行の比率を逆転させるのが本来の設計思想です。

増やしすぎると経営会議が報告の場になってしまうため、議論できる人数を上限の目安にしましょう。

執行役員の報酬はどう決まるのか

報酬は、担当する事業の規模や責任の重さに応じて決められます。

雇用契約なら給与、委任契約なら報酬として扱われ、税務や社会保険の扱いも変わります。

設計に迷う場合は、顧問の社会保険労務士や税理士に確認しましょう。

固定報酬に加えて、担当事業の業績に連動する変動部分を設ける企業が多く見られます。

委任契約の場合は原則として残業代の概念がないため、固定部分の水準設定が重要になります。

株式報酬を組み合わせて、中長期の企業価値と報酬を連動させる仕組みを取り入れる企業も増えています。

営業が執行役員と向き合うときのポイント

執行役員は、提案先として重要な相手です。

ここでは、営業の立場で気をつけたい点を紹介します。

決裁範囲を早い段階で確認する

提案を進める前に、今回の金額と内容がどの役職の決裁になるのかを確認しましょう。

執行役員の判断で進む案件か、取締役会まで上がる案件かで、準備する資料も期間も変わります。

聞き方としては、「今回の規模ですと、社内ではどちらの決裁になりますか」と自然に尋ねる形が使いやすくなります。

相手の社内手続きを一緒に整理する姿勢で聞けば、詮索している印象を与えません。

金額を複数のプランに分けて提示し、どのプランならその場で決められるかを確認する方法も有効です。

執行役員が求める情報を用意する

執行役員は、担当事業の成果に責任を持つ立場です。

現場の負担や、数字にどう跳ね返るのかを具体的に示すと、判断してもらいやすくなります。

具体的には、導入後の工数削減、売上への寄与、回収までの期間を数字で示した一枚を用意します。

自部門の目標達成にどうつながるのかが見えると、社内で推進する動機が生まれます。

同業他社の導入状況を添えると、判断の後押しになることもあります。

担当者を通じて社内の進め方を聞く

直接会えない場合でも、担当者から社内の検討の流れを聞くことはできます。

誰が最終的に決めるのか、どの会議で決まるのかを聞いておくと、提案の届け方を調整できます。

聞くべきは、決裁者の氏名だけでなく、稟議のルート、必要な資料、次の会議の日程です。

担当者が社内で説明するための資料をこちらで用意すると、伝言の途中で内容が薄まるのを防げます。

可能であれば、その資料を一緒に作る形に持ち込むと、社内の温度感まで把握できます。

会議のタイミングに合わせて提案する

執行役員が参加する経営会議や予算の締め切りは、提案の通りやすさに直結します。

次に議題として取り上げられる時期を聞き、そこから逆算して資料を用意しましょう。

時期を外すと、良い提案でも次の期まで持ち越しになることがあります。

多くの企業では、期初の予算編成と期中の見直しのタイミングに、投資判断が集中します。

予算が固まる二か月ほど前から動き始めると、翌期の枠に組み込んでもらえる可能性が高まります。

会議の日程が分かったら、その一週間前までに資料を渡し、事前に目を通してもらう段取りを組みます。

役職だけで判断しない

同じ執行役員でも、会社によって権限はまったく違います。

肩書きで決めつけず、相手の会社の決め方を都度確認する姿勢が結果につながります。

特に中小企業では、執行役員が実質的に事業のすべてを判断しているケースも珍しくありません。

肩書きの重さと実際の権限は、会社の規模が小さいほど一致しやすいという傾向は覚えておくと役立ちます。

初回の商談で権限の範囲を把握できれば、その後の提案の設計が大きく変わります。

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提案が社内で止まりやすいと感じている方は、決裁者マッチングもあわせて検討してみてください。

まとめ

執行役員は、取締役が決めた方針にもとづいて事業の執行を担う役職で、会社法上の役員ではありません。

権限の範囲は会社ごとの規程で決まるため、肩書きだけで決裁できる金額や範囲を判断することはできません。

自社で置く場合は、権限と責任を明文化し、社内に丁寧に周知することが欠かせません。

営業として向き合うときは、決裁範囲を早い段階で確認し、相手が求める情報を具体的に示しましょう。

提案を前に進めたい場合は、決裁者マッチングで決裁に関わる人と直接話す方法もおすすめです。

役職の意味を正しく理解して、社内外の意思決定をスムーズに進めていきましょう。

この記事の監修者

平野哲也

平野 哲也(ひらの てつや)

株式会社オンリーストーリー 代表取締役

BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。

累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。

「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。

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そして最近では、経営者同士を直接つなぐ「顧問&コミュニティサービス」も新たにスタートしました。

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