監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
インサイドセールスのナーチャリングを続けても、リードが育っているのか分からないことはないでしょうか。
この記事では、ナーチャリングの進め方、手段の使い分け、決裁者につなぐ視点を解説します。
ナーチャリングの進め方|温度分類から商談化の引き渡しまで
ナーチャリングとは、見込み客との接点を保ち、商談になる時機まで関心を育てる活動です。
進め方を、3つの段階に分けて見ていきます。
リードを温度で3段階に分ける
獲得したリード全員に同じ連絡を送っても、関心の度合いはそろっていません。
リードを、すぐ相談したい層・情報収集の層・接点だけの層の3つに分けます。
温度を担当者の印象で決めると、判断が人によってぶれます。
資料請求やセミナー参加など、相手が自分で動いた行動を基準に、3つの層の条件を書き出してください。
温度ごとに接点の頻度と中身を変える
すぐ相談したい層と接点だけの層に、同じ頻度で連絡する必要はありません。
温度が高い層には早く具体的に、低い層には間隔を空けて広く情報を届けます。
温度の低い層に頻繁に連絡すると、配信停止につながります。
層ごとの連絡の間隔と内容を一覧にして、チームで共有してください。
商談化の基準を営業と決めて引き渡す
インサイドセールスが育てたリードは、フィールドセールスに引き渡して商談になります。
引き渡しの基準は、営業と事前に行動で決めておきます。
基準があいまいだと、早すぎる引き渡しで商談が空振りし、遅すぎると機会を逃します。
「資料を複数回見た」「相談の返信があった」など、見分けやすい行動で書き出してください。
ナーチャリングの手段|メール・架電・手紙の使い分け
手段は、相手の温度と接点の履歴に合わせて選びます。
使い分けを、2つの手段に分けて挙げておきます。
メールは売り込みより役立つ情報を送る
メールは多くのリードに同時に届けられる、ナーチャリングの基本の手段です。
1通に1テーマで、相手の業界や課題に役立つ情報を届けます。
製品紹介が続くと、開封されなくなります。
製品の案内は、相手が反応したときだけに絞ってください。
架電や手紙は反応があった節目に使う
メールだけでは届かない相手には、架電や手紙で温度を確かめます。
資料を複数回見た、メールに返信があったなど、反応のあった直後に架電します。
手紙・架電で延べ400社以上を支援してきた中でも、手紙の到着に合わせて架電する流れを使っています。
架電では売り込まず、送った内容の感想や課題を聞いてください。
ナーチャリングでやりがちな失敗
熱心に続けるほど、見落としやすい失敗があります。
よくある失敗を3つ挙げておきます。
売り込みのメールを送り続ける
連絡を続けるうちに、製品の案内ばかりになることがあります。
売り込みが続くと、相手は連絡そのものを後回しにします。
相手は今すぐ買うつもりがなく、情報を集めている段階です。
製品に触れない情報を何通に1通入れるか、あらかじめ決めてください。
開封数だけで温度を判断する
開封数やクリック数が多いと、関心が高いと判断しがちです。
開封やクリックは関心のきっかけであり、購入の意思とは別です。
担当者が情報収集のために読んでいるだけの場合もあります。
開封だけでなく、返信や相談の有無を合わせて温度を決めてください。
見送りになったリードを放置する
失注や見送りになったリードは、そのまま連絡が止まりがちです。
見送りの理由を記録しておくと、時機が合う頃に連絡を再開できます。
予算やタイミングが理由の見送りは、状況が変わると話が動くことがあります。
見送りの理由と再連絡の目安の時期を、リードごとに残してください。
ナーチャリングを決裁・受注につなげる視点
リードを育てても、決裁者に届かなければ受注は遠いままです。
視点を3つ挙げておきます。
担当者の先にいる決裁者との接点を育てる
ナーチャリングで接点を持つのは、多くの場合は担当者です。
担当者との接点と並行して、決裁者への接点も育てる必要があります。
担当者が前向きでも、決裁者の判断で止まる商談は少なくありません。
担当者との会話で、決裁に関わる人と判断の時期を聞いてください。
今すぐ買わない相手を長期で見る
今すぐ買わない相手を、成果の出ないリードとして外す会社もあります。
今すぐ買わない相手との接点を残すと、時機が来たときの受注の土台になります。
接点が続いている相手ほど、必要になったときに思い出してもらえます。
見送り先にも、近況や役立つ情報を定期的に届けてください。
決裁者と直接つながる場を併用する
ナーチャリングだけでは、決裁者との接点が増えるまでに時間がかかります。
オンリーストーリーが運営する決裁者マッチングは、審査を通過した企業の決裁者同士が直接つながれる仕組みです。
12年で築いた8,000名以上の決裁者ネットワークから、担当者を経由せず決裁者に会う入口を持てます。
一方で、商材の単価が低い場合や担当者レベルで決裁が完結する商材では、効果が出にくい傾向があります。
まとめ
インサイドセールスのナーチャリングは、リードの温度を分けて接点を重ね、商談化の時機を見極める活動です。
進め方は、温度の分類、接点の設計、引き渡しの基準の3つで決めます。
メールは役立つ情報を届け、架電や手紙は反応があった節目に使い分けます。
売り込みの連発と開封数だけの判断は避け、見送り先も記録して追い続けてください。
担当者の先にいる決裁者との接点を並行して育てると、商談が受注につながりやすくなります。
担当者経由の接点だけで足りないなら、決裁者同士が直接つながる場も考えてみてください。
よくある質問
Q. インサイドセールスのナーチャリングとは何ですか
A. 見込み客との接点を保ち、商談になる時機まで関心を育てる活動です。
リードの温度を分け、メールや架電で役立つ情報を届けます。
反応があった時機に営業へ引き渡し、商談につなげます。
Q. ナーチャリングの連絡頻度はどのくらいが適切ですか
A. 一律の頻度ではなく、温度に合わせて変えるのが基本です。
温度が高い層には早く、低い層には間隔を空けて連絡します。
反応が続かない場合は、頻度を下げて内容を見直してください。
Q. ナーチャリングしたリードはいつ営業に引き渡しますか
A. 営業と事前に決めた行動の基準を満たした時点です。
資料の複数回の閲覧や相談の返信など、見分けやすい行動で基準を書き出します。
基準は商談の結果を見ながら、定期的に見直してください。
この記事の監修者

平野 哲也(ひらの てつや)
株式会社オンリーストーリー 代表取締役
BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。
累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。
「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。



