監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
イベント会社にとって決裁者マッチングは、高単価案件につながる営業チャネルです。
活用の利点と、季節性や単発化という業界特有の注意点をまとめました。

イベント会社が決裁者マッチングを活用する際の注意点を解説します。予算決定者への直接リーチという利点に加え、商談前の提案準備、季節性や単発化という業界特有の落とし穴、サービス選定の基準をまとめました。
監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
イベント会社にとって決裁者マッチングは、高単価案件につながる営業チャネルです。
活用の利点と、季節性や単発化という業界特有の注意点をまとめました。
まずは、イベント会社が決裁者マッチングを使うことで得られる具体的なメリットを確認しておきましょう。
下流の担当者を経由せず、予算と意思決定権を持つ相手に直接アプローチできる点が最大の利点です。
イベントの企画・運営は予算規模が大きく、最終的な発注判断は経営層や広報・人事の責任者が行うケースが多くあります。
決裁者マッチングを使えば、こうしたキーパーソンと初回から商談でき、提案から受注までのリードタイムを短縮できます。
周年イベントや採用イベント、株主総会など、企業の定例行事は年次・複数年で発生します。
一度信頼を得れば継続発注に発展しやすく、LTV(顧客生涯価値)の高い関係を築ける点も魅力です。
決裁者との商談は時間が限られます。
短時間で価値を伝えるためには、事前準備の質が成果を大きく左右します。
展示会、カンファレンス、社内表彰式、オンライン配信など、自社が強みを持つ領域を事前に絞り込み、相手企業の課題に合致するかを見極めておきましょう。
守備範囲を曖昧にしたまま臨むと、提案がぼやけて決裁者の関心を引けません。
決裁者は「過去にどんな規模の案件を、いくらで、どう成功させたか」を重視します。
類似業種の事例や概算費用レンジを準備し、その場で具体的に示せるようにしておくことが信頼獲得の近道です。
イベント業界には、他業種にはない需要の波があります。
決裁者マッチングの効果を安定させるには、この特性を踏まえた運用が欠かせません。
イベント実施の数か月前に企画は動き出します。
閑散期に見える時期こそ、次のシーズンの企画相談が始まるタイミングです。
年間カレンダーから逆算してアプローチ時期を設計しましょう。
初回案件の提案時から、年間運営パッケージや次年度を見据えた振り返り提案を盛り込み、単発で終わらせない導線を用意することが重要です。
サービスによって会員企業の業種や規模、課金形態は大きく異なります。
自社のターゲットと合致するかを見極めましょう。
イベントは金額が大きく、失敗したときの影響も見えやすいため、決裁者は慎重になります。
不安を先に潰す情報を用意しておくことが、商談を前に進める条件です。
業種、参加人数、予算帯が近い事例を3件用意しておきます。
規模感の近い実績が一つあるだけで、発注のリスクは大きく下がって見えます。
守秘義務がある場合は、業種と規模だけを示す形でも十分に効果があります。
会場費、制作費、人件費、機材費を分けて提示します。
どこを削れば予算に収まるのかが見えると、その場で調整の相談に入れます。
当日の追加費用が発生しうる条件も、先に伝えておきましょう。
天候、機材不良、登壇者の欠席など、想定される事態と対応方針を一枚にまとめておきます。
起きうる問題を先に説明する会社のほうが、かえって信頼されます。
過去に対応した事例があれば、その経験も伝えると説得力が増します。
ディレクター、進行、音響、受付など、何人でどう回すのかを具体的に示します。
当日の体制が見えないと、発注する側は最後まで不安が残ります。
自社スタッフと外部スタッフの内訳まで書いておくと、透明性が伝わります。
イベントは一度きりで終わりやすく、毎回ゼロから商談をやり直すことになりがちです。
継続的な関係に変えるための考え方を紹介します。
来場者数、アンケート結果、商談化の状況をまとめて提出します。
成果を数字で報告する会社は、次回も声がかかりやすくなります。
改善点も正直に書いておくと、次回の提案につながります。
展示会、セミナー、社内表彰など、年間で発生するイベントを洗い出して一覧にします。
単発の見積もりではなく年間の枠で提案すると、予算化してもらいやすくなります。
年間で受注できれば、機材や人員の手配も計画的に組めます。
会場開催に配信を組み合わせれば、参加できなかった層にも届けられます。
アーカイブ配信まで含めて設計すると、イベント後も成果が続く提案になります。
配信の視聴データは、次回の企画を提案する材料としても使えます。
商談の機会を得ても、準備が整っていなければ一度きりで終わってしまいます。
事前に用意しておきたいものを整理します。
何でもできると伝えると、かえって強みが伝わりません。
得意な領域を二つか三つに絞って打ち出すほうが、相手の記憶に残ります。
対応できない領域は、協力会社と組める体制まで示しておくと安心されます。
規模ごとのおおよその予算レンジを、その場で答えられるようにしておきます。
「100名規模の社内イベントなら◯◯万円前後」と言えるだけで、話が具体化します。
金額の幅を示すときは、何が変われば上下するのかもあわせて伝えます。
イベント会社には年度末や年末など、対応が集中する時期があります。
受けられない時期を先に伝えることは、信頼を損なうどころか誠実さとして評価されます。
閑散期に開催するメリットを提示できれば、時期の調整にも応じてもらえます。
イベントの検討は社内で複数人が関わるため、資料の受け渡しが煩雑になりがちです。
誰に何をいつまでに送るかを商談の場で決めておくと、検討が止まりません。
見積もりの提出期限を自分から提示すると、相手の社内調整も進めやすくなります。
配信を伴うイベントでは、機材と回線の体制が判断材料になります。
自社で配信まで担えるのか、外部に委託するのかを明示すると、比較しやすくなります。
過去の配信で視聴が安定していた実績があれば、具体的な人数とあわせて伝えます。
人気のある会場は一年前から押さえられており、日程が決まらないと動けないこともあります。
候補となる会場の空き状況を先に調べて提示すると、検討のスピードが上がります。
会場が押さえられない場合の代替案も、あわせて用意しておきましょう。
会場や機材は事前に押さえるため、直前の中止でも費用が発生します。
いつからいくら発生するのかを提案の段階で示すと、後の交渉が円滑になります。
イベント会社にとって決裁者マッチングは、高単価かつ継続性のある案件に直接つながる有力な営業チャネルです。
一方で、提案領域の明確化や実績の即答性といった準備不足は、貴重な決裁者との接点を無駄にしかねません。
さらに、季節性・単発性という業界固有の課題を踏まえ、閑散期からの仕込みや継続提案の導線設計を意識することが、安定した成果につながります。
サービス選定では会員属性と費用対効果を冷静に見極め、自社のターゲットに合致する場を選ぶことが成功の鍵となります。
A. 発注判断を経営層や広報・人事の責任者が行うため、直接商談できる価値が大きい業種です。
発注の判断をする人と最初から話せるため、提案の内容を具体的に進めやすくなります。
A. 自社が強い領域を絞り込み、類似業種の事例と概算費用レンジを即答できるようにしておきます。
相手の業種や目的に近い事例を選んで示すと、依頼した場合の姿を想像してもらいやすくなります。
A. イベントは数か月前から企画が動くため、閑散期こそ次シーズンの相談が始まる時期です。
閑散期に関係を作っておくと、繁忙期の前に相談を受けやすくなります。
A. 初回提案から年間運営パッケージや次年度の振り返り提案を盛り込んでおくことです。
イベント終了後に成果を一緒に振り返る場を設けると、次回の相談につながりやすくなります。
A. 会員に中堅〜大手企業が含まれるか、課金形態が案件単価に見合うか、補填制度の有無です。
運営会社に会員の業種や規模を確認し、自社の提案に合う相手と出会えるかを見極めましょう。
この記事の監修者
平野 哲也(ひらの てつや)
株式会社オンリーストーリー 代表取締役
BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。
累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。
「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。