監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
取締役クラスに何度連絡しても返事がなく、決裁者アポが取れずに悩むことはないでしょうか。
この記事では、決裁者に会ってもらう連絡の作り方、やりがちな失敗、成約につなげる視点を解説します。
決裁者に会ってもらう連絡の作り方
決裁者が会うかどうかは、誰から何のために連絡が来たかで決まります。
3つの作り方を挙げておきます。
決裁者本人の名前で連絡する
決裁者は、自分と同じ立場の相手からの連絡には目を通します。
営業担当ではなく、自社の決裁者本人の名前で連絡すると読まれやすくなります。
決裁者同士を12年つないできたオンリーストーリーでも、営業担当名義の連絡は成果が出にくい傾向があります。
手紙やメールの差出人には、自社の代表や役員の肩書きを入れてください。
相手にも得のある入口を用意する
「商談のお願い」だけの連絡は、相手にとって売り込みでしかありません。
情報交換や協業の相談など、対等に話せる入口を示すと会う理由が生まれます。
決裁者が求めているのは営業ではなく、同じ目線で経営を話せる相談相手です。
連絡には、相手の事業に役立ちそうな話題を一つ添えてください。
頼む前に先に与える
いきなり時間を求める連絡は、相手から奪うだけの依頼に見えます。
役立つ情報や人の紹介を先に渡すと、決裁者は話を聞く姿勢になります。
売りたい気持ちが先に立つ連絡は、文面からすぐに見抜かれます。
自社が渡せる価値は、依頼の言葉より先に書いてください。
決裁者まで届く連絡の要素
連絡の中身がよくても、本人の目に触れなければ意味がありません。
押さえておきたい要素を2つ挙げます。
宛名に役職と氏名を入れる
中堅以上の企業では、代表電話や問い合わせ窓口で営業の連絡がふるいにかけられます。
「ご担当者様」宛ての連絡は、定型の営業と判断されて本人まで届きません。
届く前に止まった連絡は、決裁者にとって存在しないのと同じです。
宛名には、役職と氏名を必ず入れてください。
1行目に相手が得るものを書く
取締役以上の決裁者は、一日の予定が社内外の会議で埋まっています。
知らない営業に30分を割く理由が1行目にないと、続きは読まれません。
検索すれば分かるサービス説明のために、決裁者が時間を使うことはないからです。
一行目には、会うことで相手が得るものを書いてください。
決裁者アポでやりがちな失敗
決裁者アポは、一度の失敗で次の連絡が届きにくくなります。
よくある失敗を2つ挙げておきます。
ニーズの確認だけで連絡を終える
「課題はありますか」と尋ねるだけの連絡は、決裁者に答える手間を負わせます。
決裁者は明確なニーズを最初から持っているとは限らず、確認だけの連絡には返事をしません。
相手がまだ気づいていない課題を、仮説として示すほうが話は進みます。
業界の動きや同じ規模の企業の例を添えて、仮説を一つ書いてください。
一度断られて接点を切る
一度断られると、その企業をリストから外してしまう営業は少なくありません。
今は必要ないという返事は、半年後や1年後に必要になる可能性を残しています。
接点を続けていた相手ほど、ニーズが生まれたときに思い出してもらえます。
断られたあとも、役立つ情報を届ける接点だけは続けてください。
手紙・架電で延べ400社以上を支援してきた実績では、手紙・架電のアポ率はPDCAを回し続けて、1〜2%が目安です。
決裁者アポを成約につなげる視点
決裁者に会えることと、成約できることは別の話です。
アポの質を上げる視点を3つ挙げておきます。
アポの質を3つの要素で見る
決裁者に会えたのに、成約に届かない商談は少なくありません。
相手が決裁者か、狙った企業か、ニーズがあるかの3つがそろうと良いアポになります。
オンリーストーリー取締役COOの川角は、3つを同時に満たすのは構造的に難しいと述べています。
アポを振り返るときは、3つのうちどれが欠けていたかを確認してください。
会えた決裁者から次の出会いを広げる
決裁者は、同じ立場の経営者と多くのつながりを持っています。
会えた決裁者から話の合いそうな経営者を紹介してもらうと、次のアポの質が上がります。
ただし、売り込みの延長で紹介を頼むと関係そのものを損ないます。
自社からも相手に合う人を紹介できないか、先に考えてください。
決裁者と直接つながる場を併用する
手紙や架電だけでは、決裁者に届く数にもニーズの見極めにも限りがあります。
オンリーストーリーが運営する決裁者マッチングは、審査を通過した企業の決裁者同士が直接つながれる仕組みです。
12年で築いた8,000名以上の決裁者ネットワークの中で、新しい出会いを求める相手と対等な入口から会えます。
一方で、商材の単価が低い場合や担当者レベルで決裁が完結する商材では、効果が出にくい傾向があります。
まとめ
決裁者アポは、自社の決裁者本人の名前で対等な入口を示すと取りやすくなります。
依頼より先に、相手に渡せる価値を示すことも欠かせません。
宛名に役職と氏名を入れ、1行目に相手が得るものを書くと本人まで届きます。
ニーズの確認だけで終えず、断られたあとも役立つ接点を続けてください。
会えたあとは、決裁者性・ターゲット性・ニーズ性の3つでアポの質を確かめます。
自社の連絡だけで届かないなら、決裁者同士が直接つながる場も考えてみてください。
よくある質問
Q. 決裁者アポが取れないのはなぜですか
A. 知らない営業に時間を割く理由が、連絡の中に書かれていないことが主な原因です。
担当者名義の連絡や「ご担当者様」宛ての連絡は、本人まで届く前に止まります。
相手が得るものを1行目に書き、宛名に役職と氏名を入れてください。
Q. 決裁者アポの連絡は誰の名前で送るべきですか
A. 営業担当ではなく、自社の代表や役員など決裁者本人の名前で送るのが効果的です。
決裁者は同じ立場の相手からの連絡を読みやすく、対等な関係で話を始められます。
決裁者同士を12年つないできた経験でも、本人名義の連絡のほうが商談につながりやすい傾向があります。
Q. 決裁者に会えたのに成約しないのはなぜですか
A. 相手が決裁者か、狙った企業か、ニーズがあるかのどれかが欠けていることが多いためです。
3つを同時に満たすアポは、構造的に多くありません。
商談を振り返るときは、3つのうちどれが欠けていたかを確認してください。
この記事の監修者

平野 哲也(ひらの てつや)
株式会社オンリーストーリー 代表取締役
BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。
累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。
「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。



