監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
大企業の決裁者に顧問経由で届く方法を探しているものの、どのような顧問人材に頼べきか迷うことはないでしょうか。
この記事では、人脈の使い分け、依頼の前に決めること、紹介を商談につなげる視点を解説します。
3つの人脈の違い|OB・元役員・営業顧問
大企業の決裁者には、窓口を通す方法のほかに、人を介して届く方法があります。
OB、元役員、営業顧問の3つの人脈を比べます。
OB・OGの人脈は社内の事情に強い
大企業を退職した人は、組織の仕組みや部署の役割をよく知っています。
OB・OGの人脈は、社内のどの部門が決めるかを聞き出す入口として向いています。
一方で、退職して年数が経つと、現役の決裁者との関係が薄れていることがあります。
頼む前に、狙う部署に今も連絡が取れる関係かを確かめてください。
元役員の人脈は役員同士の信頼で届く
元役員は、在任中に築いた役員同士の関係を持っていることがあります。
元役員の人脈は、役員クラスに直接つないでもらいたいときに向いています。
ただし、紹介できる範囲は、本人の関わり方や人脈の新しさで大きく変わります。
現役の決裁者に今も届くかを、直近の紹介実績で聞いてください。
営業顧問の人脈は複数の企業にまたがる
営業顧問は、決裁者の紹介を仕事にしているため、複数の企業との接点を持ちます。
営業顧問の人脈は、狙う相手に合わせて紹介先を探せる点が強みです。
オンリーストーリー取締役COOの川角は、経営者の「直接紹介してほしい」という声から営業顧問を始めたと述べています。
契約前に、狙う業界の決裁者をこれまで紹介した実績を確かめてください。
顧問に頼む前に決めること
顧問の人脈は、頼み方で紹介の質が変わります。
頼む前に決めておきたいことを3つ挙げます。
狙う企業と役職を絞って伝える
大企業は部署が多く、決裁者の役職もさまざまです。
狙う企業と部門、役職まで具体的に伝えると、顧問は紹介する相手を選びやすくなります。
漠然と大企業を紹介してほしいと頼むと、顧問が相手を選べず、紹介が止まります。
企業名、部門、役職を1枚にまとめて、顧問に渡してください。
相手にとってのプラスを先に言葉にする
決裁者は、自社の利益になるかどうかで会うかを判断します。
紹介の依頼は、売りたい内容ではなく、相手にとってのプラスから伝えます。
紹介する顧問も、相手の時間を奪う紹介はしたがりません。
自社のサービスが、相手のどの課題に役立つかを、2文で書き出してください。
紹介のあとの動き方を先に決める
紹介を受けても、そのあとの動きが遅いと、顧問の信頼を損ねます。
紹介を受けたら、当日中に顧問へ報告し、決裁者へ連絡する日を決めます。
顧問に状況を伝えると、次の紹介にもつながりやすくなります。
紹介を受ける前に、連絡の担当者と期限を決めておいてください。
顧問経由でやりがちな失敗
顧問経由の紹介は、近道に見える分、確認を省いて失敗しがちです。
2つの失敗を挙げます。
肩書きだけで顧問を選び、人脈の中身を確かめない
元役員や有名企業の出身という肩書きは、安心感を与えます。
肩書きと、今も紹介できる人脈は、別のものです。
人脈は時間とともに古くなり、現役の決裁者に届かなくなることがあります。
契約前に、直近で紹介した相手の役職と業種を聞いてください。
紹介された相手に売り込みから入る
紹介を受けると、早く提案して成果を出したくなります。
初回の商談は、提案ではなく、相手の課題を聞くことから入ります。
紹介者は、双方に価値のある対話になると考えて、相手を引き合わせています。
初回は、相手の事業の課題を聞く質問を3つ用意してください。
紹介の質を高める視点|人が間に入る価値
大企業の決裁者に届くかどうかは、間に入る人への信頼でも変わります。
2つの視点と、当社の取り組みを紹介します。
間に入る人への信頼が聞く姿勢をつくる
忙しい決裁者は、知らない相手からの連絡に時間を割きにくいものです。
信頼できる人が間に入ると、決裁者は安心して話を聞く姿勢になります。
当社でも、お客様から「間に入ってもらったほうが安心できる」という声をいただきました。
顧問に頼むときは、紹介の前に、どんな言葉で相手に伝えるかを確認してください。
双方に価値のある対話になる相手を選ぶ
紹介は、片方だけが得をする形では長く続きません。
紹介の相手は、双方にとって価値のある対話になるかで選びます。
当社の営業顧問では、主に顧問先同士を、事業や課題を理解したうえでおつなぎしてきました。
紹介を頼むときは、自社が相手に何を返せるかも、一緒に伝えてください。
顧問1人の人脈を仕組みで補う
OB、元役員、顧問の人脈は、1人に頼ると紹介先が尽きます。
オンリーストーリーが運営する決裁者マッチングは、審査を通過した企業の決裁者同士が直接つながれる仕組みです。
主力サービスの「縁CXO(えにシーオー)」では、定例の打ち合わせで狙う相手をすり合わせ、8,000名以上の決裁者から紹介します。
一方で、商材の単価が低い場合や担当者レベルで決裁が完結する商材では、効果が出にくい傾向があります。
まとめ
大企業の決裁者に顧問経由で届くには、人脈を相手との距離で使い分けます。
OBは社内の事情、元役員は役員同士の信頼、営業顧問は複数企業の人脈が強みです。
顧問に頼む前に、狙う企業と役職、相手にとってのプラスを決めておきます。
肩書きだけで選ばず、今も紹介できる人脈の中身を確かめます。
紹介の質は、間に入る人が双方に価値のある対話をつくれるかで決まります。
顧問1人の人脈に頼りきらず、担当者を経由しない接点の作り方も考えてみてください。
よくある質問
Q. 大企業の決裁者に顧問経由で届くにはどうすればよいですか
A. 狙う企業と役職を絞り、相手との距離が近い人脈に紹介を頼みます。
OB・元役員・営業顧問のうち、狙う決裁者に今も届く人を選んでください。
依頼の前に、相手にとってのプラスを2文で書き出しておくと伝わりやすくなります。
Q. OBと元役員と営業顧問は、どれに頼むべきですか
A. 社内の事情を知りたいならOB、役員に直接つなぎたいなら元役員、狙う業界に合わせて探したいなら営業顧問が向きます。
どの人脈でも、直近で紹介した相手の役職と業種を確かめてください。
複数の人脈に並行して頼む方法もあります。
Q. 営業顧問に頼むと、大企業の決裁者に必ず会えますか
A. 必ず会えるとは限りません。紹介先は、顧問の人脈と相手の事情で決まります。
契約前に、狙う相手と同じ層への紹介実績を確かめてください。
紹介の1件を何と数えるかも、書面で決めておきます。
この記事の監修者

平野 哲也(ひらの てつや)
株式会社オンリーストーリー 代表取締役
BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。
累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。
「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。



