監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
丁寧に連絡しているのに、経営者が営業を断る理由が分からないことはないでしょうか。
この記事では、経営者が断る理由、会ってもらえる紹介の条件、紹介を仕組みにする視点を解説します。
経営者が営業を断る3つの理由
経営者が営業を断るのは、営業そのものが嫌いだからではありません。
断る側の事情を、3つに分けて見ていきます。
知らない相手に時間を割く理由がない
経営者の1日は、社内の判断と社外の約束で埋まっています。
知らない相手に30分を渡すには、その時間に見合う理由が先に見えている必要があります。
検索すれば分かる会社紹介や機能説明のために、経営者は時間を使いません。
連絡の1文目で、相手にとっての会う理由を書いてください。
売り込みの気配をすぐに見抜く
経営者は日々、多くの営業から連絡や提案を受けています。
売りたい気持ちが先に立った連絡は、文面の数行で見抜かれます。
自社の都合だけを並べた提案は、内容がよくても読まれずに終わります。
相手の課題に役立つ情報を1つ添えてから、面談をお願いしてください。
自分で相手を探して動く余裕がない
経営者が新しい取引先を探したくても、自ら検索して連絡する時間は限られます。
多忙な経営者ほど、自分で探すより信頼できる人から紹介されるほうを選びます。
オンリーストーリー取締役COOの川角は、受け身でアポが入るほうがありがたいという経営者の声を紹介しています。
経営者が自分から動かなくても出会える経路を、営業側が用意してください。
経営者が会ってもいいと思う紹介の条件
同じ営業の話でも、誰を通して届くかで経営者の受け止め方は変わります。
会ってもらいやすい紹介の条件を、3つ挙げておきます。
信頼できる人が間に入っている
見ず知らずの営業からの連絡と、知人からの紹介では、開く前の印象が違います。
経営者が求めているのは、信頼できる誰かが間に入ってくれる安心感です。
紹介者の名前があると、会う前から相手を確かめる手間が省けます。
取引先や顧問など、相手が信頼している人を経由できないか確かめてください。
紹介者が双方の事業と課題を理解している
名刺を渡すだけの紹介では、会ったあとに話が続きません。
紹介者が両社の事業と課題を知ったうえでつなぐと、会う前から話の筋が見えます。
川角は、表面的なニーズだけでは見えない相性まで考えてつなぐことが大切だと述べています。
紹介を頼むときは、自社の強みと会いたい理由を紹介者に先に伝えてください。
紹介される側にも得るものがある
紹介は、受ける経営者にとっても時間を使う行為です。
紹介された側にも得るものがあると分かれば、経営者は会う時間をつくります。
一方的に売りたい側だけが得をする紹介は、紹介者の信用も下げてしまいます。
情報交換や協業の相談など、相手にも利点がある入口を用意してください。
紹介で経営者に会うときにやりがちな失敗
紹介で会えても、進め方を誤ると次の紹介が止まります。
よくある失敗を3つ挙げておきます。
誰でもよいので紹介してほしいと頼む
紹介を頼むとき、対象を絞らずにお願いしてしまうことがあります。
会いたい相手の業界・規模・課題を伝えないと、紹介者は誰を紹介すべきか判断できません。
漠然とした依頼は、紹介者にとって探す手間ばかりが増える頼みごとです。
会いたい相手の条件を3つに絞って、紹介者に伝えてください。
初回の面談で売り込みから入る
紹介で会えた安心感から、初回で商材の説明を始めてしまうことがあります。
初回は売り込みではなく、相手の事業と課題を聞く場として使います。
最初はニーズが見えなくても、対話が深まると課題が見えてくることはよくあります。
面談の前半は相手の話を聞き、提案は2回目以降に回してください。
紹介者に結果を伝えない
面談が終わると、紹介してくれた人への連絡を忘れがちです。
紹介者に面談の結果とお礼を伝えると、次の紹介が生まれやすくなります。
結果が分からないままでは、紹介者は紹介してよかったのか判断できません。
面談の翌日までに、紹介者へ短いお礼と結果を送ってください。
紹介を仕組みにして商談につなげる視点
紹介は成果につながりやすい一方で、続くかどうかが人に左右されます。
紹介を途切れさせないための視点を、3つ挙げておきます。
1人の紹介者に頼り切らない
紹介が1人の人脈に集中すると、その人が忙しくなった時点で止まります。
紹介の経路を複数持っておくと、出会いの数が特定の人の事情に左右されにくくなります。
紹介者ごとに、どんな業界の経営者とつながっているかを記録しておくと探しやすくなります。
紹介してくれた人と紹介先の一覧を作り、偏りを月ごとに確かめてください。
自分も紹介する側に回る
紹介をもらうだけの関係は、どこかで頼みにくくなります。
自分から相手に役立つ人を紹介すると、紹介が返ってくる関係が生まれます。
紹介する側に回ると、相手の事業や課題を知る機会も増えます。
面談のたびに、相手に紹介できる人がいないか考えてください。
決裁者と直接つながる場を併用する
知人の紹介だけでは、出会える経営者の業界や規模に限りがあります。
オンリーストーリーが運営する決裁者マッチングは、審査を通過した企業の決裁者同士が直接つながれる仕組みです。
12年で築いた8,000名以上の決裁者ネットワークから、第三者が間に入って相手を紹介します。
一方で、商材の単価が低い場合や担当者レベルで決裁が完結する商材では、効果が出にくい傾向があります。
まとめ
経営者が営業を断るのは、会う理由がない、売り込みを感じる、自分で探す余裕がない、の3つが主な理由です。
信頼できる人が間に入ると、経営者は会う前に相手を確かめる手間が省けます。
紹介者が双方の事業と課題を理解し、相手にも得るものがあると、会う時間をつくってもらえます。
紹介で会えたら、初回は話を聞き、紹介者に結果を伝えてください。
1人の紹介者に頼らず、自分も紹介する側に回ると、紹介が途切れにくくなります。
知人の紹介だけで出会いが足りないなら、決裁者同士が直接つながる場も考えてみてください。
よくある質問
Q. 経営者が営業を断る理由は何ですか
A. 知らない相手に時間を割く理由がない、売り込みを感じる、自分で探す余裕がない、の3つが主な理由です。
経営者は検索で分かる説明に時間を使いません。
会う理由が先に見える連絡か、信頼できる人からの紹介が求められます。
Q. 経営者に会ってもらうにはどうすればよいですか
A. 信頼できる人に間に入ってもらい、相手にも得るものがある入口を用意することです。
紹介者には、自社の強みと会いたい理由を先に伝えておきます。
決裁者同士を12年つないできたオンリーストーリーでも、間に入る人の理解が出会いの質を左右すると考えています。
Q. 紹介で会えた経営者との初回面談では何を話せばよいですか
A. 商材の説明より先に、相手の事業と課題を聞くことです。
最初はニーズが見えなくても、対話が深まると課題が見えてきます。
提案は2回目以降に回し、面談後は紹介者に結果を伝えてください。
この記事の監修者

平野 哲也(ひらの てつや)
株式会社オンリーストーリー 代表取締役
BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。
累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。
「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。



