最終更新日: 2025.03.07

近年、顧客の購買行動は大きく変化し、従来の営業手法の効果が薄れる中で、「リファラル営業」が新たな顧客獲得の手段として注目を集めています。リファラル営業とは、既存の顧客や取引先からの紹介を通じて、新たな顧客を獲得する営業手法のこと。信頼関係に基づいた紹介は、成約率が高く、効率的な営業活動を実現します。

この記事では、リファラル営業の基本的な概念から、従来の営業手法との違い、メリット・デメリットなどについて解説していきます。

リファラル営業とは?

リファラル営業とは、既存の顧客や取引先、関係者などから紹介を通じて新規顧客を獲得する営業手法のことです。

「紹介営業」とも呼ばれ、信頼関係を基盤に営業活動を行うことが特徴です。基本的な仕組みとしては、まず既存顧客などに自社の商品やサービスを気に入ってもらい、その顧客から新たに顧客を紹介してもらうという流れになります。

従来の営業手法との違い

従来の営業手法である飛び込み営業やテレアポ、DMなどは、企業側から顧客に一方的にアプローチするプッシュ型の営業スタイルです。

一方、リファラル営業は、顧客からの紹介を起点とするプル型の営業スタイルと言えます。

従来の営業手法では、顧客との接点が限られており、信頼関係を築くまでに時間がかかるのに対し、リファラル営業では、紹介を通じてすでに一定の信頼関係が構築されている状態からスタートできるため、効率的に営業活動を進めることができます。

リファラル営業が注目される背景

インターネットやSNSの普及により、顧客は企業が発信する情報だけでなく、友人や知人、家族など身近な人からの口コミや評判を重視するようになりました。

情報過多の現代において、信頼できる情報源からの意見は、顧客の購買行動に大きな影響を与えます。 また、企業側も、従来のプッシュ型の営業手法では顧客にアプローチすることが難しくなってきており、新たな営業手法としてリファラル営業に注目が集まっています。

リファラル営業とリファラルマーケティングの違い

リファラル営業と似た言葉に「リファラルマーケティング」がありますが、両者は明確に異なります。

リファラルマーケティングは、顧客に口コミや紹介を促すマーケティング活動全般を指し、リファラル営業よりも広義的概念です。

例えば、SNSでの口コミ投稿を促したり、紹介キャンペーンを実施したりするのもリファラルマーケティングに含まれます。

リファラル営業は、そのリファラルマーケティングの中で、特に営業活動に焦点を当てた活動と言えるでしょう。

リファラル営業のメリット

リファラル営業は、コストがかからず、優良顧客を獲得しやすいなどのメリットがあります。

コスト削減

従来の営業手法と比較して、リファラル営業はコスト削減効果が期待できます。飛び込み営業やテレアポ、広告などに比べて、紹介による顧客獲得は費用を抑えることができるからです。紹介者への謝礼やインセンティブを用意する場合もありますが、それでも従来の営業手法に比べてコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。

信頼性の向上

紹介を通じて見込み顧客にアプローチするため、最初からある程度の信頼関係を築いた状態から営業活動を開始できます。紹介者は、自社の商品やサービスに満足しているからこそ紹介してくれるため、見込み顧客は紹介者に対する信頼感から、自然と自社への信頼感も高まります。

優良顧客の獲得

紹介してくれる顧客は、自社の商品やサービスを理解し、共感してくれている可能性が高いです。そのため、紹介された見込み顧客も、自社の商品やサービスを求めている、いわゆる「優良顧客」である可能性が高くなります。優良顧客を獲得できれば、LTV(顧客生涯価値)の向上にも繋がり、長期的な安定収益も見込めます。

エンゲージメントの向上

紹介を通じて顧客を獲得することで、顧客とのエンゲージメントを高めることも期待できます。紹介者は、自分が紹介した顧客が自社の商品やサービスに満足してくれることを期待しているため、積極的にサポートしてくれるケースも多いです。また、紹介された顧客も、紹介者との関係性を維持するために、自社との良好な関係を築こうとする傾向があります。

このように、リファラル営業は成約率の高さだけでなく、コスト削減、信頼性の向上、優良顧客の獲得、エンゲージメントの向上など、様々なメリットをもたらします。

リファラル営業のデメリット

リファラル営業は多くのメリットをもたらす一方で、いくつかのデメリットも存在します。

紹介のコントロールの難しさ

リファラル営業は、顧客からの紹介に依存するため、紹介のタイミングや質をコントロールすることが難しいという側面があります。 いつ、誰に、どのように紹介してもらえるかは、紹介者に委ねられる部分が大きく、企業側がコントロールすることはできません。そのため、安定的に見込み顧客を獲得することが難しい場合もあります。

紹介者に依存するリスク

紹介者の質によって、紹介される見込み顧客の質も大きく左右されます。もしも、紹介者が自社の商品やサービスを正しく理解していなかったり、ターゲットと異なる顧客を紹介したりした場合、営業活動が非効率になってしまう可能性があります。また、特定の顧客に紹介が集中してしまうと、その顧客との関係性に依存してしまうリスクも抱えています。

炎上の可能性

紹介者が不適切な発言や行動をしてしまった場合、企業の評判を損ない、炎上してしまうリスクも考えられます。特に、SNSでの情報拡散力は大きく、一度炎上してしまうと、その影響は甚大です。企業イメージを守るためにも、紹介者への適切な教育や情報提供が重要になります。

インセンティブ設計の難易度

紹介者に対して、適切なインセンティブを設定することは容易ではありません。インセンティブが少なすぎると、紹介のモチベーションが上がらず、多すぎると、金銭目的の紹介が増えてしまい、質の高い紹介を得にくくなってしまいます。紹介者にとって魅力的で、かつ、企業にとって負担にならない、適切なインセンティブ設計が求められます。

リファラル営業を成功させるためには、これらのデメリットを理解し、適切な対策を講じる必要があります。

リファラル営業を成功させるためのポイント・コツ

紹介者との関係構築

リファラル営業の成否は、紹介者との強固な信頼関係構築にかかっています。日頃からの密なコミュニケーションを通じて、彼らのニーズや関心を深く理解することが不可欠です。単にビジネス上の関係に留まらず、定期的な情報交換や感謝の意を示す機会を設けることで、長期的なパートナーシップを築きましょう。例えば、紹介者限定のイベント開催、個別ミーティングでの意見交換、最新情報の共有などが有効です。

また、紹介者の貢献を公に称賛し、感謝の気持ちを具体的に伝えることで、彼らのモチベーションを高め、継続的な紹介を促すことができます。紹介者との関係を深めるためには、彼らが自社の価値を共有し、共感してくれるようなストーリーテリングも効果的です。成功事例や顧客からの感謝の声を紹介することで、紹介者自身の貢献がもたらす価値を実感してもらいましょう。

紹介しやすい仕組みづくり

紹介者がストレスなく紹介できるような、シンプルでわかりやすい仕組みを構築することが重要です。複雑な手続きや面倒なステップは、紹介意欲を著しく低下させます。まず、紹介プロセスを可視化し、紹介者が迷うことなく進められるように設計しましょう。紹介フォームの簡素化、紹介者向けFAQの充実、紹介状況のリアルタイム共有などが考えられます。

また、紹介者が自社の情報を容易に共有できるよう、紹介キットや資料を提供することも有効です。紹介キットには、会社の概要、商品・サービスの詳細、成功事例、紹介時のトークスクリプトなどを盛り込み、紹介者が自信を持って紹介できるようサポートしましょう。さらに、紹介者が紹介先の進捗状況を把握できるようにすることで、彼らの貢献意欲を維持し、次なる紹介へと繋げることができます。

紹介インセンティブの工夫

紹介インセンティブは、紹介者のモチベーションを維持し、良質な紹介を促進するための重要な要素です。金銭的な報酬だけでなく、紹介者のニーズや価値観に合わせた多様なインセンティブを用意しましょう。例えば、紹介者が興味を持つイベントへの招待、特別な体験ギフト、自社商品の割引クーポンなどが考えられます。

また、紹介者の貢献度に応じてインセンティブの段階を設けることで、より高いモチベーションを引き出すことができます。さらに、紹介者自身がインセンティブを選択できる制度を導入することで、彼らの満足度を高め、より積極的に紹介活動に参加してもらうことができます。インセンティブ設計においては、紹介者の属性や嗜好を考慮し、彼らが本当に価値を感じるものを提供することが重要です。

紹介管理ツールの活用

リファラル営業の効率化と効果測定には、専用の紹介管理ツールが不可欠です。ツールの導入により、紹介者の管理、紹介状況の追跡、インセンティブの管理、効果測定などを一元的に行うことができます。これにより、煩雑な作業を自動化し、人的ミスを削減することができます。紹介データを分析することで、紹介者の傾向や紹介経路の効果を把握し、戦略の改善に役立てることができます。

ツール選定においては、自社の規模やニーズに合った機能を持つツールを選ぶことが重要です。導入前には、必ず無料トライアルなどを利用し、実際の使い勝手や機能を十分に確認しましょう。さらに、ツールの導入後も定期的に効果測定を行い、必要に応じてカスタマイズや改善を重ねることで、ツールの効果を最大限に引き出すことができます。

紹介者のモチベーション維持

紹介者のモチベーションを維持するためには、継続的なコミュニケーションと感謝の気持ちを伝えることが重要です。定期的に紹介者向けのニュースレターを配信したり、個別メッセージを送ったりすることで、彼らの貢献を忘れずにいることを示しましょう。また、紹介者の成功事例を共有したり、成果を称賛したりすることで、彼らのモチベーションを高めることができます。

さらに、紹介者向けのイベントや交流会を開催することで、彼らがコミュニティの一員であると感じられる機会を提供しましょう。紹介者のモチベーション維持には、彼らが自社の活動に貢献しているという実感を与えることが重要です。彼らの紹介がもたらした成果を具体的に伝え、感謝の気持ちを示すことで、長期的な関係を築くことができます。

炎上対策とリスク管理

リファラル営業においては、紹介者の発言や行動が企業の評判に影響を与える可能性があるため、炎上対策とリスク管理が不可欠です。まず、紹介者向けのガイドラインを作成し、SNS利用時の注意点や企業イメージを損なわない言動について明確に伝えましょう。定期的に紹介者のSNS投稿をモニタリングし、問題が発生した場合に迅速に対応できる体制を構築することも大切です。

他に、万が一炎上が発生した場合に備え、広報担当者や弁護士と連携し、適切な対応策を検討しておくことも重要です。リスク管理においては、紹介者との契約書に免責事項や損害賠償に関する条項を盛り込むことも有効です。

紹介率を高めるテクニック

紹介率を高めるためには、紹介者にとって紹介しやすい環境を整えるだけでなく、彼らの紹介意欲を刺激する工夫が必要です。まず、紹介者向けに紹介方法に関するセミナーやワークショップを開催し、効果的な紹介テクニックを伝授しましょう。また、紹介者が紹介しやすいように、紹介先企業や顧客の情報をまとめた資料やトークスクリプトを提供することも有効です。

さらに、紹介者向けのキャンペーンやコンテストを実施し、紹介数を競い合うことで、紹介意欲を高めることができます。紹介率を高めるためには、紹介者が自社のファンとなり、積極的に紹介したくなるような魅力を発信することが重要です。

リファラル営業に役立つサービス・ツール

最後に、リファラル営業に役立つツールを2つご紹介します。ツールを導入して、安定したリファラル営業の体制を整えましょう。

チラCEO(オンリーストーリー)

チラCEO」は、決裁者マッチング一筋10年のオンリーストーリーが提供する国内最大級の決裁者マッチングプラットフォームです。

決裁者同士をマッチングすることで、日々の経営・事業推進の中で生じるあらゆる課題解決に役立てることができます。

また、オンリーストーリーでは決裁者マッチングイベント・セミナーを開催しています。

リファラル営業の一歩として、検討してみてはいかがでしょうか。

直近の決裁者マッチングイベント・セミナー情報はこちら

side bizz(サイドビズ)

side bizz」は営業リソースが足りない会社でも、充実した機能が使えるリファラル営業支援プラットフォームです。

既存顧客にクロスセルしたい法人も対象となっています。

まとめ・今後の展望

リファラル営業は、顧客との信頼関係を基盤とした、非常に効果的な営業手法です。導入と運用には一定の準備と工夫が必要ですが、適切な戦略とツールを活用することで、効率的に新規顧客を獲得し、売上向上に繋げることができます。

今後、顧客の購買行動が多様化する中で、リファラル営業の重要性はますます高まるでしょう。

企業は、最新のトレンドやテクノロジーを取り入れ、常に改善を続けることで、リファラル営業の効果を最大化することができます。

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