監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
営業顧問の契約形態が多く、顧問契約、業務委託、副業人材のどの形を選べばいいか迷うことはないでしょうか。
この記事では、3つの形態の違い、契約前に決めること、やりがちな失敗を解説します。
3つの契約形態の違い|顧問契約・業務委託・副業人材
契約書の名称が同じでも、中身が違えば頼める範囲は変わります。
3つの形態の違いを順に挙げます。
顧問契約は助言と紹介が中心
顧問契約は、経験にもとづく助言や紹介を、月額で受ける形が一般的です。
顧問契約は、稼働時間よりも、助言と人脈の提供に対して支払う形です。
営業の実作業までは含まれないことが多く、手を動かす人を別に用意する必要があります。
頼みたい内容が助言か紹介かを、先に書き出してください。
業務委託は業務の範囲と成果物を決める
業務委託は、決めた業務をこなしてもらう契約です。
業務委託は、リスト作成や架電のように、範囲と成果物を決めて頼む形です。
範囲があいまいだと、頼んだつもりの業務が含まれていないことがあります。
業務の一覧を作り、含むものと含まないものを分けてください。
副業人材は稼働が限られる分、連絡の約束を決める
副業人材は、本業の合間に稼働する個人と、業務委託などで契約する形です。
副業人材は、稼働できる時間帯と対応の早さを、先に約束しておく必要があります。
人脈や経験が豊富でも、平日の日中に動けない人もいます。
週の稼働時間と、連絡に返信できる時間帯を確認してください。
| 比べる軸 | 顧問契約 | 業務委託 | 副業人材 |
|---|---|---|---|
| 頼める内容 | 助言と紹介 | 決めた業務の実作業 | 稼働できる範囲の助言や実作業 |
| 支払いの基準 | 月額が中心 | 業務の範囲や成果物 | 稼働時間や成果 |
| 先に確認すること | 実作業が含まれるか | 含む業務と含まない業務 | 稼働時間と連絡の時間帯 |
契約形態の法的な区分は、名称ではなく契約書の中身で決まります。
個別の契約については、弁護士に確認してください。
契約前に書面で決めること
契約形態を選んだあとは、書面の中身で成果が変わります。
3つの項目を挙げます。
紹介の1件を何と数えるか決める
成果報酬を含む契約では、1件の数え方で支払いが変わります。
紹介の1件は、日程の確定や初回商談の実施など、どの時点を指すかを書面で決めます。
担当者との面談と決裁者との面談を同じ1件と数えると、期待とずれます。
狙う役職も、あわせて書面に書き込んでください。
期間と解約の条件を決める
紹介が成果に変わるまでには、時間がかかります。
期間は、成果が見える長さを確保し、見直しの時期を契約に入れます。
期間が短すぎると判断できず、長すぎる縛りは身動きを取りにくくします。
見直しの時期と、解約の通知期限を、契約書で確かめてください。
秘密保持と紹介先への連絡のルールを決める
顧問や副業人材は、複数の会社と関わっていることがあります。
自社の情報の扱いと、紹介先への連絡の仕方を、秘密保持とあわせて決めます。
紹介先の了承を得ずに連絡が進むと、相手との信頼を損ねます。
紹介先に連絡する前に、自社へ確認を入れる流れを決めてください。
契約でやりがちな失敗
失敗の多くは、契約の名称だけで安心してしまうことから起きます。
失敗を2つ挙げます。
名称だけで選んで頼む範囲がずれる
顧問契約と書いてあれば、営業の実作業まで頼めると考える会社があります。
契約の名称ではなく、頼める業務の一覧を見て選びます。
助言だけの顧問に実作業を期待すると、双方に不満が残ります。
頼みたい作業ごとに、含む・含まないを契約前に確認してください。
稼働と成果のどちらで払うか決めない
支払いの基準が決まっていないと、期待がずれます。
稼働に払うのか成果に払うのかを決めないと、評価でもめます。
稼働で払うなら報告の頻度を、成果で払うなら成果の定義を決める必要があります。
支払いの基準を、1文で説明できる状態にしてから契約してください。
一段上の視点|契約を関係の継続につなげる
契約は結んで終わりではなく、続け方で成果が変わります。
2つの視点と、当社の取り組みを紹介します。
業者ではなくパートナーとして情報を渡す
契約したあとも、情報を渡さなければ顧問は動けません。
商談のフィードバックを共有し、業者ではなくパートナーとして関わると成果が出やすくなります。
紹介する側は、相手の反応を知るほど、次の紹介の精度を上げられます。
商談のあとに、結果と相手の反応を顧問へ共有してください。
月次の数字だけでなく年間の目線で見直す
契約の初期は、成果が出ない月もあります。
月次の件数だけで判断せず、年間の目線で更新を決めると、早すぎる解約を防げます。
ただし、成果の定義と見直しの時期は、契約で決めておく必要があります。
更新の前に、紹介数、商談数、受注数を並べて振り返ってください。
顧問や副業人材に頼らない接点も足す
契約の形は多様ですが、顧問1人、副業人材1人の人脈には限りがあります。
オンリーストーリーが運営する決裁者マッチングは、審査を通過した企業の決裁者同士が直接つながれる仕組みです。
12年で築いた8,000名以上の決裁者とのつながりから、狙う相手に合わせて紹介を受けられます。
一方で、商材の単価が低い場合や担当者レベルで決裁が完結する商材では、効果が出にくい傾向があります。
まとめ
営業顧問の契約形態は、助言と紹介なら顧問契約、業務の範囲を決めるなら業務委託が向きます。
副業人材は稼働が限られるため、連絡の時間帯と対応範囲を先に決めます。
契約前には、紹介の1件の定義、期間と解約、秘密保持を書面で決めます。
やりがちな失敗は、名称だけで選ぶことと、支払いの基準を決めないことです。
契約後は、商談の結果を共有し、年間の目線で更新を判断します。
顧問1人の人脈に頼りきらず、担当者を経由しない接点の作り方も考えてみてください。
よくある質問
Q. 営業顧問の契約形態にはどんな種類がありますか
A. 主に、顧問契約、業務委託、副業人材との契約の3つです。
助言と紹介が中心なら顧問契約、業務の範囲を決めるなら業務委託が向きます。
契約の名称ではなく、頼める業務の中身で選んでください。
Q. 顧問契約と業務委託は何が違いますか
A. 顧問契約は助言と人脈の提供が中心で、業務委託は決めた業務をこなす契約です。
実作業まで頼むなら、業務の範囲を決めた業務委託が合います。
法的な扱いは契約書の中身で決まるため、個別の判断は弁護士に確認してください。
Q. 副業人材に営業顧問を頼むときの注意点はありますか
A. 稼働できる時間帯と、連絡に返信できる早さを先に確認します。
本業の都合で動けない時期もあるため、緊急時の連絡先も決めておきます。
紹介の1件の定義と、秘密保持の取り決めも書面に入れてください。
この記事の監修者

平野 哲也(ひらの てつや)
株式会社オンリーストーリー 代表取締役
BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。
累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。
「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。



