最終更新日: 2026.09.22
営業マネージャーの役割とは|求められるスキルと成果を出す実践法

営業マネージャーの役割を、戦略立案やKPI管理、メンバー育成など5つに整理して解説します。求められる5つのスキルや、時間不足・育成といった課題への対処法、成果を出す実践法も紹介します。

監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)

営業マネージャーは営業組織を統括し、チーム全体の目標達成に責任を持つ管理職です。

主要な5つの役割と必要なスキル、直面する課題への対処法をまとめました。

この記事の要約

  • 営業メンバーが自分で売るのに対し、マネージャーはメンバーに売らせることが仕事です。
  • 役割は戦略立案、目標とKPI管理、メンバー育成、PDCAの実践、経営層と現場の橋渡しです。
  • 必要なスキルは経営者視点、コミュニケーション力、分析力、リーダーシップ、決断力です。

営業マネージャーとは

営業マネージャーは、営業組織を統括し、チーム全体の目標達成に責任を持つ管理職です。

企業における役職名は主に課長クラスとなり、営業部門の中核を担う重要なポジションといえます。

経営層と現場メンバーの間に立ち、経営戦略を営業活動に落とし込みながら、メンバー一人ひとりの能力を最大限に引き出す役割を担います。

営業の成果は企業の売上に直結するため、営業マネージャーは事実上、企業の成長を左右する重要な存在です。

営業メンバーとの違い

営業メンバーの仕事は「自分が売る」ことですが、営業マネージャーの仕事は「メンバーに売らせる」ことです

営業メンバーは自身の担当案件に集中し、個人目標の達成を目指します。

対して営業マネージャーは、チーム全体の案件を俯瞰し、部門全体の目標達成に責任を持ちます。

具体的には、目標設定や戦略立案、メンバーの育成や評価、リソース配分など、管理業務が中心となります。

自分自身で営業活動を行うことは基本的になく、メンバーが最大限の成果を出せる環境を整えることが主な役割です。

プレイングマネージャーの実態

実は多くの営業マネージャーが、プレイングマネージャーとして働いています。

産業能率大学の調査によると、プレイングマネージャーの割合は99.5%にも上ります

自身の営業案件を持ちながら、同時にチームのマネジメントも行うという二重の役割を担っているのです。

この状況は、働き方改革でメンバーの労働時間が制限される一方、会社の目標は据え置かれるため、マネージャーにしわ寄せがいく構造が背景にあります。

結果として、多くの営業マネージャーが時間不足に悩み、本来の役割を十分に果たせない状況に陥っています。

営業マネージャーの5つの主要な役割

営業マネージャーには、チームの成果を最大化するための多岐にわたる役割があります。

ここでは特に重要な5つの役割について、具体的に解説していきます。

これらの役割を適切に果たすことが、チーム全体の目標達成と組織の成長につながります。

営業戦略の立案と実行

経営方針を営業活動に落とし込む営業戦略の立案は、営業マネージャーの最も重要な役割の一つです

経営層が掲げる3年後、5年後のビジョンを理解し、それを実現するための具体的な営業戦略を策定します。

例えば、新規市場への参入を目指すなら新規開拓に強いメンバーの育成が必要ですし、既存顧客の深耕を目指すなら提案力の強化が求められます。

戦略は立てるだけでなく、実行可能な計画に落とし込むことが重要です。

誰が、いつ、何を、どのように行うのか。

具体的なアクションプランとKPIを設定し、メンバー全員が同じ方向を向いて動ける状態を作ります。

目標設定とKPI管理

チーム全体および個人の目標を適切に設定し、進捗を管理することも営業マネージャーの重要な役割です。

目標設定では、会社全体の売上目標から逆算して、チームと個人の目標を決定します。

このとき、メンバーの能力や経験、担当エリアの特性などを考慮し、達成可能でありながらチャレンジングな目標を設定することが求められます。

日次、週次、月次、四半期での進捗管理を行い、目標に対する達成状況を常に把握します。

順調な時も不調な時も、その原因を分析し、必要な施策を打つことで、年間目標の達成へと導きます。

単に数字を追うだけでなく、なぜその数字になったのかを理解することが重要です。

メンバーの育成とモチベーション管理

メンバー一人ひとりの能力を引き出し、成長を支援することは、営業マネージャーの中核的な役割です。

各メンバーの強みと弱みを把握し、それぞれに適したティーチングやコーチングを行います。

新人には基礎的なスキルを丁寧に教え、中堅メンバーには自ら考えて行動できるようコーチングで導きます。

また、メンバーのモチベーション管理も欠かせません。

定期的な1on1ミーティングで悩みや課題を聞き、適切なフィードバックを提供します。

成果が出ている時は称賛し、困難に直面している時は一緒に解決策を考える。

こうした日々のコミュニケーションが、チーム全体の士気を高めます。

PDCAサイクルの実践

計画(Plan)、実行(Do)、検証(Check)、改善(Action)のサイクルを回し続けることが、継続的な成果につながります

多くのマネージャーは計画と実行に注力しがちですが、検証と改善も同じくらい重要です。

施策を実行した後、その結果を詳細に分析し、何が良かったのか、何が課題だったのかを明確にします。

検証では、成績が良い時も悪い時も、その要因を仮説立てて分析します。

例えば、ある営業メンバーの成約率が急に上がった場合、どのような行動の変化があったのかを検証し、それを他のメンバーにも展開できないか検討します。

このサイクルを高速で回すことで、組織全体のレベルが向上していきます。

経営層と現場の橋渡し

営業マネージャーは、経営層と現場メンバーをつなぐ重要な架け橋の役割を担います。

経営層のビジョンや方針を理解し、それをメンバーが理解できる言葉に翻訳して伝えます

同時に、現場の声や課題を経営層に正確に報告し、組織全体の意思決定に反映させます。

この双方向のコミュニケーションが機能することで、経営戦略が現場で確実に実行され、現場の実態が経営判断に活かされるという好循環が生まれます。

営業マネージャーは、単なる中間管理職ではなく、組織全体を動かす要の存在なのです。

営業マネージャーに求められる5つのスキル

営業マネージャーとして成果を出すには、プレイヤー時代とは異なるスキルセットが必要です。

ここでは、特に重要な5つのスキルについて詳しく解説します。

これらのスキルは、意識的なトレーニングによって習得・向上させることが可能です。

経営者視点での思考力

営業マネージャーには、全社的な視点から物事を考える経営者視点が求められます

単に与えられた目標を達成するだけでなく、なぜその目標が設定されたのか、達成することで会社にどのような利益をもたらすのか、それが経営理念や長期戦略とどう結びつくのかを理解することが重要です。

この視点を持つことで、日々の判断の質が変わります。

例えば、短期的な売上を優先すべきか、長期的な顧客関係を重視すべきか。

経営全体を見渡す視点があれば、適切な判断ができるようになります。

コミュニケーション力

メンバーとの信頼関係を築き、パフォーマンスを引き出すコミュニケーション力は不可欠です。

具体的には、ティーチング、コーチング、フィードバックの3つのスキルが重要です。

ティーチングは知識やスキルを教えること、コーチングは相手の中にある答えを引き出すこと、フィードバックは行動や成果に対して建設的な意見を伝えることです。

メンバーの個性や状況に応じて、これらを使い分けることが求められます。

また、部下だけでなく、上司や他部門との円滑なコミュニケーションも重要です。

組織全体をつなぐハブとしての役割を果たすには、高いコミュニケーション力が必要なのです。

分析力と数値管理能力

データに基づいて現状を正確に把握し、適切な意思決定を行うための分析力が求められます。

売上、成約率、商談数、顧客単価など、様々な数値を分析し、何が成果につながっているのか、何がボトルネックになっているのかを見極めます。

単に数字を集計するだけでなく、その背景にある要因を読み解く力が重要です。

また、KPI(重要業績評価指標)を適切に設定し、管理する能力も必要です。

どの指標を追えば目標達成につながるのか、戦略的に考えて設定し、定期的にモニタリングします。

リーダーシップ

チームを目標に向けて導き、メンバーのモチベーションを高めるリーダーシップが不可欠です。

リーダーシップとは、ビジョンを示してメンバーを巻き込み、自発的に行動したくなるような環境を作る力です。

マネジメントが「管理」であるのに対し、リーダーシップは「けん引」する力といえます。

困難な状況でも前向きな姿勢を示し、チームの士気を保つことも重要です。

また、メンバーの力を引き出し、一人ひとりが自信を持って活躍できるよう支援します。

営業マネージャーのリーダーシップの質が、チーム全体のパフォーマンスを左右するのです。

決断力

日々の様々な判断を、適切かつ迅速に行う決断力も営業マネージャーには求められます。

営業活動では、リソース配分、優先順位、施策の実行など、常に決断を迫られます。

完璧な情報が揃うのを待っていては、ビジネスのスピード感を失います。

特に小さな決断は、できるだけ早く行うことが重要です。

もし間違った決断をしても、小さな決断であれば修正が可能です。

重要なのは、一つの決断をした後に振り返り、それが正しかったかを検証すること。

このサイクルを回すことで、決断の精度が上がっていきます。

また、自分の弱みを認め、得意なメンバーに任せる決断も時には必要です。

営業マネージャーが直面する課題と解決策

営業マネージャーの多くが、共通する課題に直面しています。

これらの課題を認識し、適切に対処することが、マネージャーとしての成長につながります。

ここでは代表的な3つの課題と、その解決策について解説します。

時間不足の課題

99.5%がプレイングマネージャーという実態が示すように、多くの営業マネージャーが時間不足に悩んでいます

自身の営業活動、チームマネジメント、会議、報告書作成など、やるべきことが多すぎて、メンバーの育成や戦略立案といった本質的な業務に時間を割けない状況です。

解決策としては、まず業務の優先順位を明確にすることです。

営業マネージャーにしかできない仕事に集中し、メンバーに任せられることは積極的に委譲します。

また、ITツールやCRMシステムを活用して、データ管理や報告業務を効率化することも有効です。

さらに、自分自身のプレイヤー業務を段階的に減らし、マネジメントに専念できる体制を作ることも検討すべきです。

メンバー育成の難しさ

自分がやってきたやり方を教えても、メンバーが同じように成果を出せないという悩みは多くのマネージャーが抱えています。

時代や市場環境が変化し、自分の成功体験がそのまま通用しないこと、メンバー一人ひとりの個性や強みが異なることが原因です。

また、育成の時間が十分に取れないことも大きな課題です。

解決策は、画一的な指導ではなく、個別対応のコーチングを取り入れることです。

メンバーの現状を詳細に把握し、それぞれに合った育成プランを作ります。

また、定期的な1on1の時間を確保し、短時間でも質の高いコミュニケーションを心がけます。

成功事例をチーム内で共有し、メンバー同士が学び合える環境を作ることも効果的です。

オンリーストーリーの事例▼

ある企業では、代表個人の力に頼った営業から抜け出せず、継続的に売上を作る仕組みがありませんでした。

営業組織づくりやリード獲得に多額の投資をしたものの、採用した人材の9割が成果に結びつかなかったといいます。

決裁者マッチング支援を導入すると、初月から約10件の紹介を受け、導入5か月で有効商談率45%台を実現しました。

契約獲得や大企業案件の最終稟議にもつながり、確定成果ベースでROI約412%に達しています。

導入事例▶ 属人的な営業から抜け出し、成果を再現できるようになった事例はこちら

自らプレイヤーになってしまう問題

目標達成のプレッシャーから、マネージャー自身が営業活動に奔走してしまうケースが少なくありません。

これは一見、チームに貢献しているように見えますが、実はマネージャーの本来の役割を放棄していることになります

マネージャーが個人プレイに走ると、メンバーの育成機会が失われ、組織全体の成長が停滞します。

この問題を解決するには、まず自分の役割を明確に認識することです。

営業マネージャーの仕事は「自分が売る」ことではなく「メンバーに売らせる」こと。

短期的には自分が動いた方が早いと感じても、長期的にはメンバーを育て、チーム全体の力を底上げすることが重要です。

経営層に対しても、マネージャーがマネジメントに専念できる環境整備の必要性を訴えることも大切です。

成果を出す営業マネージャーになるための実践法

優れた営業マネージャーになるには、日々の実践の積み重ねが重要です。

ここでは、すぐに取り組める4つの実践法を紹介します。

これらを意識的に行うことで、マネージャーとしての能力を着実に高めることができます。

自分の立場を理解する

営業マネージャーは「上司」であると同時に「完璧である必要はない」ことを理解しましょう

プレイヤーから一段上がったことで、部下からネガティブな感情を向けられることもあります。

また、すべてを完璧にこなそうと力み過ぎると、かえって部下はついてきません。

自分とチームの能力と弱みを率直に認め、苦手な業務は得意なメンバーに任せる。

例えば、細かい数値管理が苦手なら、その分野が得意なメンバーに協力を求めます。

完璧な上司を演じるのではなく、チーム全体で補完し合える関係を築くことが、成果につながります。

メンバーとの信頼関係を築く

部下の意見を真摯に聞き、平等に扱い、きちんと説明することで、信頼関係が生まれます。

定期的な1on1ミーティングを設け、メンバーの考えや悩みに耳を傾けます。

指示を出す時は、なぜそれが必要なのか、どのような意味があるのかを丁寧に説明します。

また、メンバーを平等に扱うことも重要です。

好き嫌いで対応を変えたり、特定のメンバーだけを優遇したりすると、チームの信頼関係は崩れます。

一人ひとりの個性を尊重しながら、公平な評価とフィードバックを提供することが、強いチームを作る基盤となります。

データに基づく意思決定

感覚や経験だけでなく、データに基づいて判断する習慣をつけましょう。

CRMシステムやSFA(営業支援システム)を活用し、商談数、成約率、顧客単価などのデータを可視化します。

どの施策が効果的だったのか、どこに課題があるのか、数字が教えてくれます。

ただし、データ入力のための過度なルールは逆効果です。

メンバーの負担にならない範囲で、必要なデータを効率的に収集する仕組みを作ります。

データはあくまで意思決定のツールであり、管理のための管理になってはいけません。

継続的な学習と自己研鑽

営業マネージャーとしてのスキルは、継続的な学習によって磨かれます。

営業マン時代に参加していたセミナーとは別に、管理職向けの研修やセミナーに積極的に参加しましょう

マネジメントの基本から、最新の営業手法、コーチング技術など、学ぶべきことは多岐にわたります。

また、商談に同行した際は、その振り返りを丁寧に行います。

何が良かったのか、どこに改善の余地があるのか。

これらの分析が、自身のマネジメント力向上につながります。

書籍を読んだり、他社のマネージャーと情報交換したりすることも、視野を広げる良い機会です。

まとめ

営業マネージャーの役割は、単なる数字の管理ではなく、チーム全体の成果を最大化することです

営業戦略の立案、目標管理、メンバー育成、PDCAサイクルの実践、経営層との橋渡しという5つの主要な役割を果たすには、経営者視点、コミュニケーション力、分析力、リーダーシップ、決断力が求められます。

時間不足やメンバー育成の難しさといった課題に直面することもありますが、自分の立場を理解し、信頼関係を築き、データに基づく意思決定を行い、継続的に学習することで、成果を出す営業マネージャーへと成長できます。

プレイヤーとは異なる役割を理解し、チーム全体で成果を出すことに注力しましょう。


よくある質問

Q. 営業マネージャーとは何ですか?

A. 営業組織を統括し、チーム全体の目標達成に責任を持つ管理職のことです。

目標の達成だけでなく、メンバーの育成やチームの仕組みづくりも重要な役割です。

Q. 営業メンバーとの違いは何ですか?

A. メンバーは自分が売ることが仕事ですが、マネージャーはメンバーに売らせることが仕事です。

自分が成果を出すことより、メンバーが成果を出せる環境を整えることに時間を使いましょう。

Q. 求められるスキルは何ですか?

A. 経営者視点、コミュニケーション力、分析力と数値管理能力、リーダーシップ、決断力です。

すべてを最初から備える必要はなく、経験を通じて少しずつ身につけていけます。

Q. よくある課題は何ですか?

A. 時間不足、メンバー育成の難しさ、自らプレイヤーになってしまう問題の3つです。

業務を見直してメンバーに任せられる仕事を増やすと、育成や戦略に使う時間を確保できます。

Q. 成果を出すには何をすべきですか?

A. 自分の立場を理解し、信頼関係を築き、データに基づいて意思決定することです。

メンバー一人ひとりの強みを把握し、役割を任せることもチームの成果につながります。

この記事の監修者

平野哲也

平野 哲也(ひらの てつや)

株式会社オンリーストーリー 代表取締役

BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。

累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。

「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。

ENICXO
メッセージアイコン オンリーストーリー代表 平野からのメッセージ
オンリーストーリーでは、これまで10年以上にわたり、
BtoB営業における「集客の課題」と真剣に向き合ってきました。

経営者同士が信頼でつながるマッチングプラットフォームや、
想いを届ける手書きの手紙など、独自の形で支援を続けています。

そして最近では、経営者同士を直接つなぐ「顧問&コミュニティサービス」も新たにスタートしました。

私たちが大切にしているのは、単なるマッチングツールの提供ではなく、
一社一社の課題に寄り添い、"本当に意味のある出会い"をつくることです。

もしBtoB集客でお悩みの決裁者の方がいらっしゃいましたら、
まずはお気軽に、代表の私とお話してみませんか?

▼この下から、直接日程をご予約いただけます。

お問い合わせさぁ、良質なビジネスマッチングを今すぐ体験

お電話でのお問い合わせ
03-6821-7872 (平日10:00〜19:00)
よくあるご質問