監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
営業の場では受注が決まった時点で数字を語りがちですが、会計上の売上はまだ立っていません。
受注と売上の違いを曖昧にしたままだと、社内の報告や会計処理で食い違いが生まれます。

受注と売上(売上高)の違いを、発生タイミング・会計処理・KPI・決算書への計上まで一覧表と具体例で整理します。受注は契約成立時、売上は納品・検収完了時に発生する理由や仕訳例、管理目的とSFA・CRMの使い分けまで解説します。
監修:平野 哲也(株式会社オンリーストーリー 代表取締役)
営業の場では受注が決まった時点で数字を語りがちですが、会計上の売上はまだ立っていません。
受注と売上の違いを曖昧にしたままだと、社内の報告や会計処理で食い違いが生まれます。
受注は顧客から商品の製造や納品を依頼されることで、売上とは、商品の製造や納品を行ったことにより得た報酬のことです。
まずは、受注と売上高について以下で詳しく解説します。

| 項目 | 受注 | 売上 (売上高) |
|---|---|---|
| 発生タイミング | 契約成立時 (見積承認・発注書受領) | 納品完了・検収 OK 時 |
| 会計処理 | 仕訳しない (メモベース) | 売上計上 (借方: 売掛金 / 貸方: 売上高) |
| KPI 管理 | 受注高・受注残 | 売上高・売上総利益 |
| キャンセルリスク | あり (納品前) | 低い (納品済) |
| 経営判断での用途 | 将来の売上予測 | 実績評価 |
| 決算書への計上 | 計上されない | 計上される |
A 社から「自社ブランドの化粧品を 1 万本製造してもらいたい」と依頼が来たケース:
この流れが 実現主義 (収益認識基準) の基本で、日本の会計原則として国税庁で定められています。
受注とは、顧客から商品の製造や納品を依頼されることです。
例えばA社から「自社ブランドの化粧品を1万本製造してもらいたい」と依頼が来たら、化粧品1万本分の仕事を受注したことになります。
ここで注意すべきは、受注がそのまま売上につながるわけではないということです。
受注は仕事の依頼が来ただけで、納品が完了するまでにキャンセルされる可能性があります。
つまり受注は、売上が発生する見込み状態のことを指すと考えてもいいでしょう。
売上とは、商品の製造や納品を行ったことにより得た報酬のことです。
例えば先ほどの例にならって化粧品を1万本製造して、顧客から1,000万円入金された場合、この1,000万円が売上となります。
ただし、何らかの事情でキャンセルされたり、反対に予定よりも多く受注したりする可能性もあるでしょう。
そのため受注と売上は別に考えることがポイントです。
前述の通り、受注と売上は意味が異なることから、それぞれを適切に管理しなければいけません。
どちらか一方のみを管理しても、事業をうまく展開することは難しいでしょう。
ここでは、受注と売上を管理する目的について解説します。
受注管理とは、受注から商品の出荷までを適切に管理することです。
基本的には、以下のような内容を管理します。
受注管理を適切に行わなければ、商品を注文通りに顧客に販売できません。
例えば納期を把握していないと、いつ商品を納めればいいか迷ってしまいます。
また在庫を確認しないまま商品を製造すると、過剰に在庫を抱える原因ともなるでしょう。
顧客からの依頼にきちんと答えるためには、受注管理は欠かせません。
曖昧にしてしまうと、失注する恐れもあるでしょう。
売上管理とは、各年度の売上金額を正しく把握することです。
年度初めに掲げた目標や前年度実績と比較したり、原価率を明らかにしたりします。
事業を展開していると、常に売上金額が右肩上がりになるとは限りません。
以前よりも売上が落ちたり、伸び悩んでいたりする場合は、どこに問題があるのかを検証する必要があります。
そこで過去の売上管理データと比較すると問題点が浮き彫りになるでしょう。
売上が伸びない要因は契約件数の減少以外に、以下のようなケースも考えられます。
売上が上がらない原因を突き止められれば、どのように改善していけばいいかが見えてきます。
また、改善点だけでなく、売上が増加した要因を検証できるのもメリットです。
日頃から売上を管理しておき、データを蓄積することが重要です。

受注と売上に関する情報は、システムで管理するのがおすすめです。
その理由は主に以下の4つです。
それぞれのメリットについて解説します。
受注や売上に関する情報をシステムで管理すると、人為的なミスを防げます。
システムであればデータを自動処理してくれるため、入力ミスなどが起こりづらいです。
誰が対応しても素早く情報を処理できるため、属人化を防いだり人件費を削減できたりするでしょう。
一方、紙で受注管理を行っている場合、さまざまな情報を手で記載していく必要があります。
アナログな作業は人為的なミスが起こりやすく、トラブルの元になりやすいのがデメリットです。
さらに業務が集中する時期には、担当者の負担も大きくなるでしょう。
データを連携できるシステムを利用すれば、効率よく受注管理や売上管理を行えます。
1度入力した情報は必要な箇所に反映されるため作業効率がアップします。
生産性がアップできれば、コアな事業に注力することも可能となるでしょう。
アナログで情報を管理する場合、各データを照らし合わせながら必要な情報をまとめなければいけません。
同じ情報を何度も入力する手間も発生するため、担当者の負担も大きいでしょう。
システムを活用して情報をうまく管理できるようになると、顧客の満足度を向上できます。
なぜならデータを自動で入力したり、人為的なミスを防いだりすることで業務を効率よく進められるからです。
例えばシステムを導入したことで情報を管理する手間が省けると、その分コアな事業に注力でき、納期を短縮できるかもしれません。
すると結果的に顧客の満足度は向上して、自社の評価もアップするでしょう。
システムの活用は、ペーパーレス化に役立ちます。
例えばFAXで仕事を受注していたり、注文書を紙で管理していたりする企業は珍しくありませんが、システムを導入すると、受注管理や売上管理をオンライン上で行えるため、紙を大幅に削減できます。
紙で管理していたときに発生していたコストも削減できるでしょう。
また紙を使用しないことで、保管場所を確保する必要もなくなります。
オンライン上でデータを管理することで、すぐに過去の情報を閲覧できるのもメリットといえるでしょう。

受注管理と売上管理におすすめのツールは以下の2種類です。
それぞれのツールについて解説します。
営業支援システム(SFA)とは、営業に関する情報を管理するツールのことです。
主な機能は以下の通りです。
営業支援システムを導入すると、受注に至るまでの進捗状況を把握できます。
すると、なぜ受注に至らなかったのかなどを分析することも可能です。
さまざまな情報をわかりやすく管理できるため自社の問題に気付くことができ、結果的に売上の向上も見込めるでしょう。
顧客管理システム(CRM)とは、顧客に関する情報をまとめられるツールのことです。
顧客の情報を一元管理することで関係性を向上させて、より良い事業を展開していけるようになります。
管理できる主な情報は以下の通りです。
顧客管理システムを導入すると顧客の情報を蓄積できるため、今までどのような取引を行ってきたかがすぐに把握できます。
すると必要に応じて適切な提案ができるため、顧客の満足度もアップするでしょう。
受注と売上の違いは以下の通りです。
受注は取引が完了する前であるため、今後キャンセルされる可能性があります。
一方、売上は商品の受け渡しが完了していることから取引後のことを指します。
受注と売上は適切に管理しないと、スムーズに業務を進められず顧客の信頼を失うことにつながる点に注意が必要です。
また過去のデータを蓄積することで、自社の問題点も見えてくるでしょう。
株式会社オンリーストーリーでは、決裁者同士をつなげる「チラCEO」を提供しています。
気になる決裁者を見つけたらメッセージで思いを伝えられ、アポを獲得できます。
おすすめの決裁者に会いたいリクエストを送ったり、CS(カスタマーサクセス)が自社に合う決裁者を紹介してくれたりと出会いの幅を広げられるでしょう。
受注や売上をアップしていきたい企業は、ぜひ利用を検討してください。
A. 受注は見積承認や発注書の受領といった契約成立時に発生し、売上は納品が完了し検収が下りた時点で発生します。
この考え方は実現主義(収益認識基準)と呼ばれ、日本の会計原則として定められています。
製造中や出荷準備中の段階では、まだ売上として計上できません。
A. 受注時点では仕訳を行わず、受注管理システムなどにメモベースで記録します。
納品・検収が完了した時点で「借方:売掛金/貸方:売上高」として売上を計上し、入金時には「借方:普通預金/貸方:売掛金」で処理します。
受注は決算書には計上されない点も押さえておきましょう。
A. 受注高は顧客から注文を受けた金額で、まだ手元には入っておらず将来入金される見込みの金額です。
一方の売上高は、正式に受注して納品まで完了した売上の総額を指します。
200万円の受注を受けて実際の納品が150万円分だった場合、受注高は200万円、売上高は150万円となり、両者は必ずしも一致しません。
A. 受注は顧客から商品の製造や納品を依頼されることで、発注は取引先に商品の製造や納品を依頼することです。
両者は正反対の意味を持ち、互いが存在することでビジネスが成り立っています。
自社がどちらの立場にあるかで、必要な管理業務も変わります。
A. 営業支援システム(SFA)と顧客管理システム(CRM)が代表的です。
SFAは商談の進捗や見積書・受注書を管理でき、受注に至らなかった要因の分析にも役立ちます。
CRMは顧客情報やコミュニケーション履歴、購入履歴を一元管理でき、適切な提案につなげられます。
システム化により入力ミスの防止やペーパーレス化も進みます。
A. 売上とは、売り上げた金額のことです。
一方利益とは、仕入れにかかったコストなどを差し引いて手元に残った金額のことを指します。
例えば、取引先に商品を納めて200万円振り込まれ、原材料費などを引いたら150万円手元に残ったとしましょう。
この場合、売上は200万円、利益は150万円となります。
なお、利益にはいくつかの種類があります。
一般的なものは以下の3つです。
それぞれの意味を理解した上で正しく管理することが大切です。
この記事の監修者

平野 哲也(ひらの てつや)
株式会社オンリーストーリー 代表取締役
BtoB営業と決裁者マッチングの領域に12年間携わり、決裁者同士をつなぐマッチングサービスを運営。
累計26億円の資金調達を実施し、「ベストベンチャー100」にも選出されている。
「つよいい会社をつくる」を掲げ、経営の中でのしくじりや営業の現場で得た知見を発信中。