株式会社デジタルアイデンティティ
鈴木 謙司
POSTED | 2018.04.10 Tue |
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TAGS | 従業員数:51〜100人 業種:広告・マーケティング・制作 創立:15年以上 決裁者の年齢:40代 商材:BtoB |
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全てに応えるデジタルマーケティングパートナー
社長席を持たない斬新なマネージャーの育て方とは?Topics
株式会社デジタルアイデンティティ 代表取締役 鈴木 謙司のONLY STORY
【経歴】
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新卒でコンサルティングファームに入社し、基幹システムの構築などSEとしてキャリアをスタート。その後、業界最大手のデジタルエージェンシーに転職。営業局長、SEO局長を歴任し、多数のプロジェクト改善と組織マネジメントに携わる。2013年に株式会社デジタルアイデンティティ(現:株式会社Orchestra Holdings)取締役就任。2017年には同社会社分割に伴い設立した株式会社デジタルアイデンティティ代表取締役社長に就任。
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今から10年前の日常を覚えていますか?私たちはパカッと開き折りたたむ携帯、いわゆるガラケーを使っていましたよね。携帯があれば遠く離れた故郷に住む家族に言葉を届けることができ、夜中に布団にくるまって彼氏の声を聴くこともできた。携帯は、本当に便利で日常を豊かにしてくれるものでした。
その後、スマートフォンが台頭すると、その当時の私たちの生活はさらなる変化を遂げ、みるみるうちに常識がアップデートされました。当時、手のひらから繋がる新たなデジタル世界を見せてくれたスマートフォンは、まるで魔法の道具のようだと思いましたよ。その一方で、マーケティングの世界でもデジタルなデバイス(装置)やテクノロジー(技術)、メディア、データがうまく活用されるようになっていきます。
今回は、そのデジタルマーケティングに必要なソリューションをフルラインナップで取り揃えている株式会社デジタルアイデンティティの代表取締役社長・鈴木 謙司様にインタビューを行いました。
社長に就任したきっかけから顧客継続率90%を誇るデジタルマーケティング事業、社長席を持たない斬新な社内生活のことまで、さまざまなお話を伺います。
社長のそばで働ける場所を探して、サイバーエージェントへ。
まず、もともとは文系の道を進んでいた鈴木社長はどのようにしてデジタルマーケティングの道に足を踏み入れたのでしょうか。
—最初は、どのような社会人生活を送っていたんですか?
鈴木社長:最初はアビームコンサルティングというシステムエンジニアの会社に入り、エンジニアとして働いていました。
—というと、大学生の頃からエンジニアになる勉強を?
鈴木社長:いえいえ。それがまた、僕はもともと “ド文系” なんですよ(笑)
—そうなんですか!?それなら、なぜそのような業界に足を踏み入れることになったんですか?
鈴木社長:まず、小学生から高校生まで野球部の縦社会で生きてきたんですが、なかなか遊ぶ時間がなかったんですよ。それで、大学に進んだら好奇心がいろいろと爆発して、遊びまくりますよね。
でも、一通り思いっきり遊んでみたら飽きてしまった。それで、もう働きたいなあと思って。
—それで、エンジニアの道に?
鈴木社長:いや、当時の僕はエンジニアになりたかったわけじゃなくて、社長になりたかったんです。
それで、20歳の時に最短ルートはどこだと考えたらコンサルティングファームで経営者相手に仕事をするのが一番早いだろうと。その後、コンサルティング業界を手あたり次第受けていったら、アビームコンサルティングさんが間違って僕を採っちゃった(笑)
—当時入社できたのは、ご自分でも意外な結果だったと(笑)でも、その会社は数年で退職されるんですね。
鈴木社長:そうですね。2年在籍したんですけど、先輩たちを見ていて気付いたんですよね。「このままではならん。社長には辿り着かない。」と。
そうなれば、事業側に行かないとなったんだけど、いきなり起業できるわけでもないし、どうしようと考えてた。
そんな中、藤田さんというシンボリックな存在を目にした時に「ここだ!」と思ったんですよ。
—藤田さんというと、株式会社サイバーエージェントの。
鈴木社長:そうそう。アビームを退職後、サイバーエージェントで7年を過ごしましたが、藤田さんとも近い距離で営業責任者として仕事をしていました。本当に学ぶことが多く、一言一言が自分の財産になっていくような感じでしたね。
—そうした経験が、今の鈴木社長の土台を作り上げているんですね。その後は、どのようにして株式会社デジタルアイデンティティに?
鈴木社長:株式会社デジタルアイデンティティは、もともと僕の友人たちが創業した会社です。当時、彼らはデジタルマーケティングの業界が今後伸びると踏んで、事業を立ち上げようとした。しかし、彼らはデジタルマーケティングの経験はゼロで・・・。
—え!それなのに、創業しようとしたんですか?!笑
鈴木社長:それで、サイバーエージェントでデジタルに関わっていた僕に白羽の矢が立ち、一緒にやることになったんです。
それで、僕はサイバーエージェントを卒業し、今いる株式会社デジタルアイデンティティへ。
“無双” というコーポレートアイデンティティ
ここからは、株式会社デジタルアイデンティティの事業内容や特徴について伺います。
—株式会社デジタルアイデンティティは、シンプルに言い表すとすればどういった会社なのでしょうか。
鈴木社長:「無双」と言う言葉をご存知ですか?
無双とは、並ぶものがないほどに優れていること、または無二であること。
私たちは、この言葉をこの会社に属する人間が一番共通で持ってないといけない価値観 “コーポレートアイデンティティ” として大切にしています。
—「無双」。力強いメッセージですね。
鈴木社長:そのような会社になるために、僕たちは社会と社員から愛される会社であることを目指しています。
—なるほど。まず、社会から愛されるために今行っている事業があると。
鈴木社長:そうです。そのために私たちは、企業のマーケティング課題をデジタルの力を使って解決することを仕事としています。
—具体的には、どのようなお仕事になるんでしょうか。
鈴木社長:すごく分かりやすく言うと、ホームページを作ったりそのホームページを見てもらうようにデジタル上に広告を出したり、そこに来た人がホームページ上でどんな行動をしたのかをデータ分析したりします。
—とてもわかりやすくご説明いただき、ありがとうございます!
今のデジタル時代の中では、そうした事業を営む企業はたくさんありますよね?その中で、どのようにして「顧客継続率90%」といった結果を出していけるんでしょうか。
鈴木社長:おそらく、同じマーケットの企業は1000を超えるでしょうね。その中で私たちが選ばれている理由は、大きく2つあるかと思います。
—1つ目には、どういったことが挙げられますか?
鈴木社長:まずは、「姿勢」ですね。というのも、デジタルマーケティングの事業は、1億円の予算を預かったら2億円の売り上げを出してあげないといけないんですよ。つまり、KPIに対してすごくシビアにやると。
「やって終わり。」とか「はい、やりました。」というような姿勢では絶対にいけない。
—しっかりと成果を上げるところにコミットされている、と。
鈴木社長:そう。次に、2つ目が「デジタルマーケティングに必要なソリューションをフルラインナップで取り扱っている」というところ。というのも、業界を見渡した時、株式会社デジタルアイデンティティのように本当にフルラインナップで一貫した提案やサポートができる会社となると一握りなんですよね。
—なるほど。そういった点から、お客様の信頼を得ることができているんですね。
鈴木社長:はい。
非常に移り変わりやすいこの業界で「顧客継続率90%」という数字を出せているのは、ありがたいですよね。この先も、「デジタルアイデンティティじゃなきゃ駄目だ」と言ってもらえるような選ばれる会社でありたい。
社長席を持たないことで、マネージャーが育ってきた。
社員から愛される会社づくりについてもお聞きすると、「社長席を持たない」という斬新な組織論を伺うことができました。
—一方で、社員から愛される会社づくりのためにしていることはありますか?
鈴木社長:そうですね・・。例えば、社長席を持たないとか。
—え!鈴木社長は、社長席を持っていないんですか?では、仕事はどこで?
鈴木社長:パソコン1つあればどこでもできますよ。空いてる席にすっと座って。いわゆる社長みたいな線引きはあまりないんですよね。
—社員の方は、いきなり隣で社長が仕事をし始めたらびっくりしませんか?笑
鈴木社長:そうですね。でも、やはり社員数が増えてくると、僕の中で社員とのズレを感じる場面が出てくるんですよ。そうした時、みんなの本音や生の声に触れて仕事をしていくことが社長として絶対に必要だと思っていて。
—社員の方とは、どんな話をされるんですか?
鈴木社長:例えば、愚痴や独り言をポロっと言っているところを見かけたら、「どうしたの?」と聞きますね。そうやって話を聞くと、今の現場の状態がリアルな視点で理解できる。
—社長室を持たないというのは、そういった意味もあったんですね。
鈴木社長:外から見ると一見仲良さそうに見えるチームがあったとしても、近い距離で接していると「実は、表面的な会話しかしてないな。」みたいなところまでよく分かる。「本音でのぶつかり合いができるチームかどうか」といった点をしっかり見たいんですよね。もし社長室を持っていたら、こうした声は届きませんから。
—組織内を注意深く観察しているんですね。
鈴木社長:実は、こういうことを繰り返していく中でマネージャーが育ってきたんです。
例えば、「今の、バッサリ言い過ぎじゃない?ああいう言い方をすると、彼女はどういう気持ちになってるか考えたことないでしょう?」と、1個1個その場で教えるわけですよ。すると、社員も「あ!なるほど。」となる。
—そうしたところまで、社長自ら行っているんですね。
鈴木社長:企業が1000人になっても僕はやってると思います。諸先輩の経営者の中には「それはお前のやることじゃない。」と言う方もいますが、人事部が無く、社員たちは僕のメッセージを受け取って来てくれたメンバーなので、やり続けるのも僕の責務かなというふうに思ってるんです。
—なるほど。そうした想いで。
鈴木社長:常に僕の声を届けることができる距離から「一緒に世の中にない会社を自分たちで作るんだ。今作っているんだ。」というメッセージを社員へ伝えて続けていきたい。
ビジネスマンである前に、友達になれる人であれ。
最後に、今後の株式会社デジタルアイデンティティの展望と求める人材についても話を伺いました。
—今後は、どのような展望をお考えですか?
鈴木社長:私たちは、実は事業を通じて世の中を良くするみたいなことは本音では思ってなくて。もちろん、企業のマーケティング課題を解決することを通じて社会貢献はしていると思っています。
しかし、僕らはどちらかというとベンチャー企業が成長企業になることが大切だと思っています。その方が、ひいては世の中に大きく貢献できると。
—そういった点では、日本はどうですか?
鈴木社長:日本はアメリカなどと比べると、ベンチャーを育てる風土というのが弱いんですよね。でも、実際、世界を見渡すとベンチャー企業の成長力はそのまま国力の差に表れている。なので、ベンチャー企業が成長企業になることは大切なんです。
—確かに、まだ日本では若者もベンチャー企業よりも大企業を目指す人が多いかもしれませんね。
鈴木社長:もっと気運が高まってくればベンチャーにいい人材がどんどん入ってくるし、その人材が実際にたくさんの事業機会、成長機会を通じて優秀な人間に育っていく。
—なるほど。人材というと、鈴木社長、株式会社デジタルアイデンティティが求める人材というのは、どういった方になるんですか?
鈴木社長:そうですね。僕はよく面接官にこう話しています。
「ビジネスマンの前に人なので友達になれるやつ、人として付き合いたいというやつを採用しろ。」
株式会社デジタルアイデンティティでは、仕事で付き合う人たちとの関係はもちろんのこと、定期的な部活や懇親会、違う部署の上司とランチに行ける制度などを通して社内全体でも人間関係を大切にしていますから。
その辺りは、オフィスの雰囲気を見てもらえたらすぐに分かって頂けると思いますよ。
私たちの雰囲気やカルチャーに合う方がいらっしゃれば、ぜひ一緒に働いてみたいですね!
—鈴木社長の強い想いとさまざまな心配りから、現在の株式会社デジタルアイデンティティが作り上げられているんですね。
さまざまなお話をいただき、ありがとうございました!
執筆・山崎