株式会社ファイブニーズ
岡崎 雅弘
POSTED | 2018.06.12 Tue |
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TAGS | 従業員数:31〜50人 業種:卸売業・小売業 創立:11〜14年 決裁者の年齢:40代 商材:BtoC |
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不要になったお酒を活かすお酒版リサイクルショップ
酒業界にイノベーションを起こす『酒の総合商社』へTopics
株式会社ファイブニーズ 社長 岡崎 雅弘氏委のONLY STORY
人を最も幸せにするのは「食」のビジネスだと思った
株式会社ファイブニーズはお酒買取専門店を経営しており、東京・大阪・名古屋をはじめ、全国9拠点を中心に事業を展開しています。まずは、この会社を起業するに至った経緯からお話ししますね。
私は昔から、社長になるのが夢でした。父が経営者で、再三「俺を超えろ」と言われていたのをよく覚えています。私は三兄弟の次男で、兄が家業を継ぐことは決まっていたので「それならば自分も会社を作ろう」と考えていました。
何か自分がビジネスを始めるとすれば、衣食住に関わるものを選びたいと思っていましたね。大学は工学部の建築学科で、そこで住環境の住に携わる部分のビジネスにふれたり、学んだりしたことで自分が何をしたいのか根本的に考えました。
そのときに思い立ったのが、衣食住の中で、「食」が一番人を幸せにするのではないかということ。いろんな人と一緒に食を通じて楽しいお酒を飲んだり、食事の時間を過ごすことが、人間の幸福に繋がるはずだと思ったんです。
飲食や食品という業界は、こんなにも人を幸せにできるのに社会的には軽んじられることも多いんですよね。そういった風潮をはじめ、今の日本社会の状況を変えたいと思いながら、酒や飲食業界にこだわったビジネスをやっていきたいと強く思いました。
そうして、23歳のときに最初の会社を起業してファイブニーズが2社目になるのですが、その間にマーケットエンタープライズの役員として7年間勤めていました。経営者として長くやってきている中で、やはり最新の技術は常に取り入れなければならないということを経験として学びましたね。
株式会社ファイブニーズも、どこよりも先進的な技術を取り入れていますよ。具体的にはウェブマーケティングをはじめ、新しいビジネスに精通していくという部分ですね。酒業界×ITと表現をすると簡単に見えますが、当然勝ち抜いていくことを考えています。
「酒単体を扱う」という唯一無二の強み
ファイブニーズの事業内容は3つで、酒の買取販売事業、飲食店コンシェル事業、飲食店運営を行っています。飲食店コンシェル事業の中に、飲食店専門の不動産事業と求人事業があるような形になっています。
酒の買い取りについては、閉店する飲食店や酒屋、インポーター、卸会社、一般の個人の方など、とにかく酒が不要になったというところから買い取りをして、必要な方に流していくというのが事業の流れです。リサイクルショップのお酒版だと考えてもらえればわかりやすいと思います。酒単体を扱っている会社は、弊社以外に現在ほとんどありません。
酒に特化しているという点は大きな強みで、弊社のスタッフは酒に対する熱量が凄まじく、圧倒的なサービス力と知識を誇っています。
また、薄利多売で事業が成り立つという点も大きなポイントです。なぜそれで商売が回るのかというと、例えば段ボールのサイズも酒専用の段ボールのみを用意すればいいため、これだけでも他の品物を扱うリサイクルショップと比べると経費のコスト削減に繋がります。
酒の分野に垂直展開し、Amazonを超える
今期の売上は20億で営業利益は5%ほどになっているので、数年のうちには上場するのが目標ですね。今、酒の業界ではイノベーションのジレンマが起きていて、メーカー、卸会社、酒屋とあり免許制度で守られた商習慣が残っています。ひとつの問題として、彼らは誰もネット販売に注力をしようと思っていないことが挙げられます。だからこそ、弊社はネット販売で今期20億を売上げようとしていて、これから50億まで上げていくつもりです。
ネットで20億売っている会社はほとんどありません。まして弊社はメーカーから一切仕入れていないので、値段も自由に決められる。だから弊社がこの業界にイノベーションを起こせるイノベーターであるんですね。
この2、3年のうちにネット販売でお酒を買うんだったら「酒people」と定着させ、オウンドメディアをつくってSEOを講じて、ある程度のキーワードを押さえられるようになれば、弊社がネット上の酒市場を独占できるようになるでしょう。とりあえずは、そこを目指していきたいと思っています。
ゆくゆくは、酒の総合商社を築き上げていきたいと思っていますね。当然、今は三次産業として酒の小売り販売、小売り事業をやっていますが、いずれ弊社がメーカーになっていくことを視野に入れています。メーカー事業として蔵元買収をして販売を進めるという形ですね。弊社がつくる日本酒があったり、ビールがあったり、ジン、ウォッカがあったりと、いろいろなオリジナルの酒をつくりながら販売をしていきたいと考えています。
酒の買取という現在の事業だと、買うものがなければ売るものがないというリスクが当然あるんですね。それを回避するひとつの方法でもあり、弊社のブランディングをさせていくという目的でもあります。
おそらくメーカーとして一番大きく取り組んでいくのは日本酒で、これは海外進出を狙った商品にもなってきます。日本のひとつの伝統であり、今後世界に通用する国産品として売っていきたい。また弊社は国酒再生をミッションとして掲げているので、日本から世界にフィールドを広げ、日本酒の酒蔵を増やせるような状況に導きたいと考えています。
長期的にはそのような事業拡大を目指していて、リサイクルショップとしての幅を広げていくのではなく、酒においての垂直展開をとにかく深堀りしていくというビジョンを持っています。酒の買取はやろうと思ったら誰でもできますが、酒の買取から飲食店をやる会社はそれほどないはずで、さらにそこから飲食店専門の不動産をやっていくという流れで、どんどん参入障壁を上げられると思います。最終的には、酒という分野においてAmazonを超えていく会社になりたいですね。