株式会社モデル・ランゲージ・スタジオ
太田雅一
POSTED | 2018.12.18 Tue |
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TAGS | 従業員数:11〜30人 業種:研修・コンサル 創立:15年以上 決裁者の年齢:その他 商材:BtoC |
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英会話に演劇的手法を取り入れ、実践できる学びに
日本人の美徳を保ちながら世界へ飛び出すステップをTopics
今回は英会話の研修で事業を展開している株式会社モデル・ランゲージ・スタジオの太田氏にお話を伺いました。長年のキャリアから演劇的手法を取り入れた英語学習を提案し、他社との差別化をはかる同社のサービスや今後の展望についてお聞きします。
株式会社モデル・ランゲージ・スタジオ 代表者 太田 雅一氏のONLYSTORY
【経歴】
1951年 東京都渋谷区恵比寿出身
1974年 中央大学法学部卒業
大学生時代にアメリカブロードウェイの俳優、演出家が組織する学外の英語劇連盟に所属し、そこで知り合った奈良橋陽子氏と意気投合し、英語劇・ドラマメソッドを使った子供から大人を対象とした英会話スクールを共同で創立する。それ以降本業一筋。
外国人に響くコミュニケーションを
―御社のサービスについて教えてください。
太田氏:株式会社 モデル・ランゲージ・スタジオでは、劇を利用した英会話研修をしています。具体的には、生徒さんに英語を使って演劇的シーンを行なってもらい、すぐに英語をアウトプットするという形で語学を身につけてもらいます。
演劇的手法(ドラマメソッド)を取り入れる利点は、外国の方としっかりコミュニケーションをとる度胸を付けられるところです。
というのも、日本人は非常にシャイなので、研修を通してユーモアを交えた挨拶や、自己紹介ができるように指導をしています。ユーモアによって、外国の方と打ち解けるスピードが早くなり、心をグッと掴むことができるので、このような演劇を使った練習が一番効果的なのではないかと考えています。
そのような弊社の語学研修は、企業向けと個人向け、また学校の英語教員の3つのタイプがあり、企業向けの研修では経営幹部用研修と新人用研修があります。その中でも、今後は新人研修に注力していきたいと考えています。
詳しく説明すると、英語、中国語、韓国語、フランス語、手話など、自分が話せない言語での自己紹介を身につける研修です。どこの会社にも新人研修というものはありますが、多言語を自分のものにする体験はできないと思います。
また、個人研修の場合は演劇的手法を取り入れているためか、芸能界の方がお客さんに多くいらっしゃいます。嬉しいことに、彼らが海外で英語のスピーチをしたことや、英語を使ったパフォーマンスが高く評価されて話題にもなっています。
―研修をするにあたって大切にしていることを教えてください。
太田氏:弊社のテーマは「感動と感謝」です。研修の最後には発表やプレゼンテーションをするのですが、そのときに一緒に研修してきた仲間とお互い感動を共有しあって、今まで関わってきた人たちに感謝してほしいという願いを込めています。
―御社のもう一つのサービスである、Webサイト制作について教えてください。
太田氏:私たちが作る外国語版のWebサイトは、外国人スタッフが日本のサイトをデザインから言い回しまで、外国の方に響くようにWeb作成をします。実は、日本語のWebサイトをそのまま訳しても、外国の方には解りづらく、伝わりにくいことがよくあるのです。
そこで、私たちは文化の違いを超えられるようなサイトを提供しており、特にデザインは好評をいただいていますね。
―事業に対して重要視していることはなんですか。
太田氏:私たちは「人」を一番大切にしています。ここでの人は私たちの事業に関わる生徒さんと弊社のスタッフ・講師です。
生徒さんについて考えるのであれば、そのニーズに応えるために、それぞれの生徒さんが何を一番大切にしているのかを理解し、それを一緒に大切にするようにしています。スタッフであれば、自分の人生を謳歌する生き方をして欲しい。もしも、外国人の先生が他の会社で働くことになっても“Enjoy Life in Japan”と言うようにしています。
英語劇から着想を経て、44年かけて練られた英語教育
―起業に至った最もコアなエピソードについて教えてください。
太田氏:大学の英語劇グループに所属したのがそもそもの始まりです。ここでは、アメリカブロードウェイのプロフェッショナルな俳優の演技方法を基本として活動をしていました。その1期生が共同創業者の奈良橋陽子氏です。
英語劇グループの創始者がいなくなって、奈良橋氏が引き継いだときに私はアシスタントディレクターとして活動を続けました。そのときに、英語学習には演劇的手法を取り入れるのがいいのではないかと考え、大学4年生の終わりに周りの反対を押し切って事業を興しました。
―起業してから、特に苦労されたことはありますか。
太田氏:英語劇をどのように生徒に教えていくかについては長年試行錯誤しました。例えば、自分のセリフをしっかり覚えて素晴らしい発音ができたとしても、セリフの内容が理解できておらず、結局実用性のない英語の勉強になってしまったこともあります。
セリフの長さで不平等が生じることもあり、44年かかって全員が全部のセリフを覚え、土の役でも発表できるという一つの手法に辿り着きました。最後の発表会で演じる役は抽選で決めるので、キャスティングは機会均等なのです。どの役をやるかわからないので生徒の緊張感が違いますし、柔軟性を養えます。
このように今では結果重視ではなく、発表も学習の過程、そのプロセスを重視するようにしています。ここまで来るのには多くの困難がありましたが、乗り越えて今がありますね。
―「社名の由来」はどのようなものでしょうか。
太田氏:株式会社 モデル・ランゲージ・スタジオのモデルは、大学時代に所属していた英語劇のグループ名からとりました。言葉は英語でランゲージ。スタジオはアメリカにある多くの大俳優、大女優を輩出したアクターズスタジオみたいになりたいという想いからとりました。ロゴはモデル・ランゲージ・スタジオの頭文字を取ってMLSです。
演劇的手法を取り入れた英語教育を世界へ発信
―今後の展望について教えてください。
太田氏:今後の方針は弊社のサービスを世の中に広げていくことですね。現在、学校向けテキストと一般企業向けのテキストを開発しているので、今後はその教材販売を行い、私たちのノウハウを世界に広めていきたいです。
教材販売は日本に限らず、英語教育をしている国だとどこでも可能なのです。感動とワクワク感がある、行動と感情を伴った英会話テキストを発信していきたいです。
―最後に読者に向けたメッセージをお願いします。
太田氏:「外に出よう」ですね。日本人としての美徳、つまり謙虚さを持ちながら世界の人と対等に渡り合っていくスキルを株式会社 モデル・ランゲージ・スタジオ(MLS)でぜひ身につけて欲しいと思っています。
来年は、45周年です。今後の新しい時代に向けて、アンバサダーを設けることにしました。日本人の世界での活躍、そして世界への発信にご協力願えると大変嬉しいです。
執筆=スケルトンワークス
校正=笠原