日本濾水機工業株式会社

橋本美奈子

創立100年!老舗企業の長寿経営を支えた人と誠意

「人材×組織×仕組み」で創る、次なる100年とは?
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日本濾水機工業株式会社 社長 橋本美奈子氏のONLYSTORY


珪藻土を原料としたセラミックフィルター・濾過機の製造・販売と水処理装置製造・販売、用水処理プラントエンジニアリングを手がける日本濾水機工業株式会社(以下:ロスイキ)。
高純度の水を必要とする大手製薬会社や飲料メーカーなどから厚い信頼を受け、2018年に創立100周年を迎えた同社。競合相手が大手企業という中において、中小企業ながらも長く支持され続ける理由や200周年に向けたさらなる成長のために必要としている人材像について伺いました。

水を通し、健康と医療を支え続けて100年間。


– まずはじめに、御社が手がけられている事業やその特長についてお聞かせください。
橋本氏:当社が手がける事業は、次の3つ。

・セラミックフィルター・濾過機の製造・販売
・水処理装置製造・販売
・用水処理プラントエンジニアリング

一言で言えば、使う人の視点に立ったトータルコンサルティングと高い技術力、そして創立からの約100年間に培ってきた信頼が当社の特長です。

– 一見すると、あまり身近には感じられない事業内容のように感じられるのですが、私たちの生活の中にはどのように関わっているものなのでしょうか。
橋本氏:一般消費者の方にとっては遠い存在に思われることが多いのですが、実は意外と身近なところに当社の技術・製品は関わっているんですよ。

例えば、当社が多くご提供している中に「注射用水」というものがあります。これは注射器の中に入れられる液体に使われる水のことで、その水には人の胃を通さずに体内に直接取り入れても問題のないクオリティが求められます。ペットボトルの水よりもさらに高い基準を求められるシビアな仕事ですが、この道を専門とし、独自の技術を培いながらお客様のお仕事を支えてまいりました。世界で見ても、このクオリティで製造できる企業はそう多くないと言われています。

– 世の中の健康と医療を100年に渡って支えてこられたのですね。

しかしながら、それほどの技術を培ってきた過程はそう簡単なものではなかったのだろうと想像されます。加えて、100年もの長きにわたって企業活動を続けてこられた間にも、たくさんの試練と苦労があったことと思いますが…。

橋本氏:100年という歴史に目をやると、私が当社に携わるようになったのはごく最近のこと。歴史を振り返ると、衛生環境が良くなかった大正時代に「きれいな水を作って世の中の環境を良くしたい」と思い立った創業者がいて、当社の最初の製品「セラポア」の開発に取り組んだその創業者の想いが事業の根底にはあります。今提供している「セラポア」を作る際に使用する焼成窯も、代々使い継がれてきたもの。
それから100年、その想いを守り続けてきたのは、他の誰でもないロスイキの社員たちです。
         (写真の背景に写っているのは、代々使い継がれてきた焼成窯)


その社員たちのことを語る上で、まずはこちらをご覧頂けますか?
これは、2代目の社長が作ったロスイキの社是。
私が入社し、会社のことを勉強していく中で「この社是は素晴らしい!」と感動したのですが、その時は入社時に渡される社員心得の中に記載されているだけで、誰も社是の存在を意識していませんでした。しかし、会長や社員たちと話をしていくと、彼らは無意識のうちにここに書かれているような考え方や行動をしていたんです。

– 例えば、どのような時に社員がこの社是を体現していると感じますか?

橋本氏:例えば、お客様から相談を受けた時、「なんとかしよう!」と皆で力を合わせ、すぐに対応する姿はまさに誠実さ、真面目さを感じる部分。こういうことって、やろうと思ってできることではないんですよね。きっとこの会社に代々、脈々と受け継がれたものであり、“ロスイキらしさ”であり、100年間会社を支えてきたもっとも大きな力であると思っています。

社是とそれを信じる社員たちの存在と力がなければ、今のロスイキはないでしょう。100年続けてこられた理由というと様々ありますが、その中でも「人」がもっとも大きい。

今ではこの社是を会社の土台として位置付け、新しい事業や採用・評価等にも反映するようにしましたし、私が就任してからは人材育成に大きく注力しています。

– 100年という実績がありながらも、新たな事業の立ち上げや制度の改正などの変化を起こしている背景には橋本様のどのような想いがあるのでしょうか。
橋本氏:社是に『先鞭邁進』という言葉があります。この言葉には「人より先に、恐れず突き進んでいこう」「保守的ではなく、まず挑戦する意識を持とう」という意味が込められていて、この姿勢こそ今の当社に必要なことだと思っています。

– 老舗企業というイメージからは想像しづらい柔軟な働き方の推奨も行っていると伺いましたが、そういった部分もやはり『先鞭邁進』という言葉を意識した変革の1つと言えるのでしょうか?

橋本氏:そうですね。と言いますのも、今、当社ではお客様の「困った」と共に向き合ってもらえる仲間を探しているのですが、それに伴って取り組んでいるのが労働環境と人材教育の改革です。
当社では、営業・技術ともに出張が多くなります。全国津々浦々のお客様との交渉や現地視察など必要不可欠な業務なのですが、週末にかかってしまうこともしばしば。

そのような中でも仕事と家庭を両立しながら働くことができたり、社員一人ひとりの目標意識が高まり、力を発揮することができ、その結果会社がまたさらに成長できるよう、様々な取り組みを行っています。

– 今回社員様にもお話を伺ったところ、その取り組みがより具体的に見えてきました!

100年の信頼と実績を背に受け、設計業務に邁進


技術部 
中野 秀俊

– 入社されたきっかけと、中野様の業務内容をお聞かせください。

中野氏:以前は、風力発電の会社で風力発電機を設計する仕事をしていました。やりがいのある仕事でしたが、業務縮小で営業職に異動となってしまいました。営業活動をしながらも、やはり、自分は設計がやりたいと思っていた時にロスイキと出会いました。

当社の設計職では、図面を書くことはもちろん、お客様との交渉や現地調査も自分たちで行います。施工完了まで一貫して見届けることができるため、幅広い業務に携わることができるということで転職を決めました。

– どのようなところにやりがいを感じますか。

中野氏:メインクライアントである製薬会社や化粧品会社の工場では、薬や化粧品を製造する際に水を使います。その原水はクライアント毎に異なるため、ニーズに適した水を作れるように私たちがフィルターなどの構成部品を細かく設定し直したり配置を検討したりします。

その時、現地へ足を運び、自分の目と耳で状況を理解することがとても重要です。特に当社が定める水処理装置の標準的な大きさとお客様がご要望される設置スペースが合わない場合は、どうしたら機能を満たしつつご希望のスペースに納められるか、どうしたら納品後のメンテナンスがしやすいかなど、色々な面に配慮しつつ設計していきます。

自分が頭で想像したものが形になって、さらに自分の仕事に対するお客様のリアクションを直に感じた時はやりがいを感じますね!時には頭を抱えてしまう現場もありますが、上司や先輩からアドバイスも頂きながら無事に現場に納め、稼働を見届けられた時は安堵の気持ちで一杯です。

– 会社として新しいことに挑戦されていますが、中野様から見てその動きを現場で感じることはありますか。

中野氏:現在、大阪工場で設計・製造している熱交換器やピュアスチーム(純蒸気)などを作る装置を本社でも設計・製造するプロジェクトが新たに進んでいます。その第一弾として、まだ入社3年目の私がプロジェクトの担当を任されました。これは他社と競合する上で欠かせないもの。手がけてきた装置とはまた違うもので、非常にやりがいを感じています。こうした設計も極めて、幅広くステップアップしていける環境にいられるというのはとても嬉しいですね。

– 最後に、これから仲間となる皆様へのメッセージをお願いします!

中野氏:よくお客様から「ロスイキさんに今後も任せていきたい」「任せておけば大丈夫だ」と言って頂きます。まだ入社3年目の私を信じて託して頂けているのは、長年に渡ってお客様第一でやってこられた先達の信頼の積み重ねがあってこそ。100年受け継がれてきているその精神に誇りを感じますし、私たちもそれを大事に次の世代へ送っていきたいです。

ロスイキでは、今後200周年に向けてISOの取得や3D-CADを新たに導入するなど新しいことをどんどん取り入れています。自分たちの世代で未来に向けた確かな土台を残したいと思っていますので、一緒に頑張っていきましょう!


家庭との両立もしやすい、風通しの良い職場


東京営業所 
木藤 貴史

– 入社されるきっかけと、木藤様の業務内容をお聞かせください。

木藤氏:大学卒業後、半導体メーカーで5年ほどプログラマーをしていました。そうした中で次第に周囲でリストラが増え、「安定した会社に入りたい」と考えるようになりました。転職にあたってまず思いついたのは製薬メーカーでしたが、これまでの技術の経験も活かせればとあれこれ探す中で出会ったのがロスイキでした。

ロスイキは、製薬用水を供給する設備の製造を通して製薬会社を支える会社。しかも、世の中に一握りしかない100年の歴史を持つ安定した老舗企業。素晴らしい企業と出会えたと思いましたね。

– 御社ではフレキシブルな働き方も進めているとお聞きました。老舗企業には珍しい取り組みにも思えますが。

木藤氏:はい。私の場合は入社後は技術部で3年勤務し、想像以上に長期出張が多かったのですが、全国のお客様と出会えることを楽しんでいました。

しかし、家庭の事情から将来的な仕事と家庭の両立を考えるようになり、会社と相談。比較的出張の少ない営業職に異動させてもらってからは、自分のペースに合わせた仕事と家庭の両立がしやすくなりました。

社内の雰囲気は風通しが良く、上司や先輩方との関係も良好で、何かあった時には業務や働き方についても気軽に相談させてもらっています。例えば、私は東京営業所勤務なのですが、実は朝は横浜本社に出社させて頂いているんです。子どもを保育園へ送ってからだと東京営業所の出社時間に間に合わないのですが、本社に来る分には間に合う。上司や社長も「そこはフレキシブルに動いてください」とすんなり了承してくださったので、本当にありがたかったですね。

– 業務では、どのようなところにやりがいを感じますか。

木藤氏:ロスイキの営業は、技術もできる営業であることを求められます。技術が分かっているからこそ相手と話が通じ、即座に対応できることも増えるからです。
私も技術的アドバイスや装置の定期点検など、できることは技術に頼らず自分で対応しています。単なる御用聞きだけで終わらないハイブリッドな働き方ができるのは、ロスイキの営業ならではの面白さだと思います!

– 最後に、これから仲間となる皆様へのメッセージをお願いします!

木藤:ロスイキでは100年の歴史という安定があるので、仕事に集中することができ、その分挑戦する姿勢を養うことができ、日々成長を感じられると思います!
もちろん、個の成長を追求するだけではなく、チームで力を合わせるという社風があるのもロスイキの魅力。手が回りきらない時には周囲の仲間や先輩方がすぐフォローしてくれます。

仕事で悩んだ時は1人で抱え込まずにどんどん相談してください!特に僕の営業所に配属された方にはうるさいぐらい声を掛けさせてもらいますよ(笑)

最後になりますが、アクティブで元気な方、加えて旅行が好きな方。業務は未経験でも、ぜひロスイキへ!大手製薬会社様の薬を見た時に、ここはうちのお客様だ、うちの装置が入っているんだな、と思えるのはとても誇らしいことだと思います!

個性豊かな人材 × 組織 × 仕組み で創る、次の100年


– 今のロスイキの姿とそれを作ってきた先人の言葉、そして社員の姿を伺うことができ、私自身の挑戦心もくすぐられるような想いです。今後についてもぜひお話を伺いたいのですが、今後の目標や取組みについてはどのようにお考えですか?

橋本氏:200周年を目指すために私たちが目標として掲げているのが、組織としてきちんと動ける「仕組みづくり」です。そのために、取得した『ISO9001』をきっちりと運営し、業務の流れやルールを整理して、今以上に組織やチームとしての動きを活発にしていきます。

同時に、一人ひとりの強みをもっと引き出して、組織やチームに反映されるような仕組みづくりにも注力しています。これは、社員面談や全社員向け研修、管理職研修などに積極的に取り組んでいることの背景でもあります。

– 橋本様は、社員一人ひとりの個性や能力をとても大事にされているということもお聞きしました。
橋本氏:ロスイキの社員は皆、一人ひとりがキラリと輝く“何か”を持っています。

単に優秀というのではなく、アイデアを出すのが得意な人、お客様からの緊急の電話にはどんな時でも全力で対応する人など、それぞれが持っている唯一無二の秀でた個性や能力。そういう一人ひとりの個性や才能を引き出し、それらが組織やチームとして集まった中で最大限に発揮されれば、それは会社そのものの強みとなり、次の100年の原動力になります。

– 橋本様はすでに次の100年に向けた成長に目を向けておられ、個人と組織、それぞれの最大限のパフォーマンスを引き出す環境を作ることがその成長の鍵になると考えておられるのですね。

今後、具体的に実現したいプロジェクトや取り組み、目標はございますか?

橋本氏:はい。これまでの実績や伝統を土台とし、挑戦をしていこうと具体的に考えているものが幾つかあります。

例えば、当社が持っている無菌状態を維持・監視する無菌管理技術は菌や微生物などを扱うバイオテクノロジーの世界で活かせるので、スマートセルインダストリーやバイオテクノロジーを活用した市場で活かしていきたいと考えています。

また、製薬用水の市場は完成しつつありますが、濾過という分野そのものはまだまだ未開拓。多くの可能性を秘めていますから、濾過の技術を多くの場面で活用させることで新しい市場を創れると思っています。

もっと言うと、新しい市場のパイオニアになるべく、未来に向けたプロジェクトとして濾過専門の営業チームを起ち上げました。今、懸命になって市場開拓を進めています!

– 現状獲得しているポジションから、非常に広い視野で上下、左右へとお考えを巡らせておられるのですね。

橋本氏:さらに、今後も地球規模で課題となる水不足・食糧不足問題の解決に私たちの技術は繋がってきます。そして、視野を宇宙にまで広げていくと、水も食料も循環して利用するということは必ず必要になり、そこにもまたロスイキの濾過や分離技術を活かすチャンスがあります。
もしかしたら、200年後は宇宙生活に関連した事業が柱となっているかも知れませんね。

– 伺った数々を実際に形にしていくためには、今後はともに未来を目指していける御社に合う人材を巻き込んでいく必要がありますね!

橋本氏:そうなんです。先ほど触れた社是にある『先鞭邁進』という言葉のように、チャレンジ精神のある方にぜひお力をお借りしたいと思っています!
全てにマッチする必要はありませんが、次のような人材になりたい、あるいはその要素を1つでも強みとして持っているという方がいれば、是非とも来てもらいたいですね!

* 誠実に対応し、熱意を持って行動できる人
* 個性と強みを活かし、自ら考え抜きやり抜くことができるタフな人
* 会社を背負い自覚と責任感を持った人
* 積極的に自己研鑽する成長意欲の高い人
* 多元的な視点を持ち、変化に適応する方法を考えられる人
* 論理的思考と思いやりで和と輪を広げることができる人
* 仕事を通じて幸福を感じ素直に感謝することができる人

– 最後に、御社へ興味を寄せてくださっている方へのメッセージを頂けますか?

橋本氏:日々、社員たちに繰り返し伝えていることがあります。
それは、会社を「働く場所ではなく、自己実現ができる場にしよう」ということです。
言われるからやるのではなく、自分の夢や目標をそれぞれが持ち、会社の目標と合わせていく。そうすれば、仕事が本当に楽しくなるはずです。仕事を通じて幸せを感じたり、素直に感謝できたりするからこそ、それぞれが成長し、真にハッピーになれるのだと思います。

もう100年…まだ100年。
ロスイキは200周年に向けて、まだまだやらなければならないことがたくさんあります。私たちと夢やビジョンを共有し、そして未来を創って頂けるという強い想いを持った方と出会えることを心から願っています!

– 100年の実績におごることなく、次の200周年に向けて挑戦し続ける日本濾水機工業株式会社。“次のロスイキ”を創る一員になりたいと思った方は、ぜひ一度お話を伺ってみてはいかがでしょうか。


取材・執筆:SAKUMA製作所
編集・校正=山崎 

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